松下竜一の作品一覧
「松下竜一」の「あぶらげと恋文」「潮風の町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「松下竜一」の「あぶらげと恋文」「潮風の町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
昭和20年8月15日夕、大分飛行場より艦爆「彗星」11機が沖縄沖へ出撃、最後の特攻隊は第5航空艦隊の宇垣纒司令官が直率。
終戦を知りながら出撃した若き特攻隊員、途上故障等で不時着した機の生き残りを探し、記録の少ない特攻隊の実像を探る、元予備学生パイロット。
城山三郎「指揮官たちの特攻幸福は花びらの如く」で描かれた、隊長中津留大尉のテーマを絞ったノンフィクション。
作品執筆当時で戦後30年以上。貴重な当事者の記憶は大きく異なる。
生き残った特攻隊員の重荷と罪悪感。決して悲壮感のなかった出撃なと、戦記ノンフィクションとして屈指の作品。
再版し中央公論社のヒットであると思う。
Posted by ブクログ
1965年刊の随筆。緒方拳主演でドラマ化もされたベストセラー。
作者は豆腐屋を父から継いで、生来虚弱な身体に鞭打ちながら働きつつ、作歌を重ねて朝日新聞に投稿する。その四季を綴る、それだけのお話。
豆腐屋としてと言うよりは、一労働者、一表現者としての思索・発言が目に付きます。「労働」を愛し、「人」を愛そう、「モノ」を愛そうと一生懸命詠む歌の数々。僕には良し悪しはわからねど、心に響くというか、身につまされます。奥さんを題材に詠む歌のなんと美しいこと。作者が愛するものが、人が、なんと美しく優しく感じられること。
とりあげられる歌には、朝日歌壇の選者による評もついているのでわかりやすいです。だから
Posted by ブクログ
「一年の内で今日が一番美しい日ではないだろうかーと、そんな思いに駆り立てられる」日、パートナーと犬たちとの大事な日課の散歩。川沿いを歩き、駆け回り戯れ合う犬たちを眺めながら草むらに座る。風や草々にも美しさを感じる。シンプルにスムーズに描かれるうっとりするような至福の時間。
少し寒いけれど快晴で気持ちに良い午後に、わたしも近所の川沿い、土手の上の道とその先にある広場のベンチを思い浮かべながらそんな時間を想像してみる。絶対に最高じゃないか。憧れる。ビンボー(not貧乏)でも綱渡の生活でもそんな時間があれば理想の暮らし、生活、LIFEと言えるのではないか、という気がしてくる。
勿論そこに書かれている
Posted by ブクログ
大杉栄&伊藤野枝の四女、ルイズの半生記。
著者の松下竜一さんは、やはりいい。文章にてらいがなく、真摯な人柄が伝わってくる。
文献やインタビューをもとに、どうしたらこんなに丁寧で細かく、臨場感あふれるルポが書けるんだろう。取材ノートが見てみたい。
関東大震災後の混乱に乗じ、大杉と野枝が甥の橘宗一少年とともに憲兵隊によって殺された時、ルイズはまだ1歳3ヶ月だった。
戦中は「主義者の子」「非国民の子」、そして戦後は一変して「悲運なる革命家の子」として、つねに刺すような視線にさらされ、自分のアイデンティティはどこにあるのかともがきながら生きてきた姿が描かれている。
それでもルイズは四女だった分、ま