中央公論新社作品一覧

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  • 法と社会 新しい法学入門
    4.1
    社会においては個人の行動を規制し、秩序を維持していくことが不可欠であるが、これは主として「社会化」および「社会統制」という過程を通じて行なわれる。本書は、法を社会統制のための特殊な技術とみる立場からその社会的機能を論じ、法と他の文化領域――言語、神話、宗教、道徳などとの関係を明らかにする。古代社会や未開社会における社会秩序の問題にも考慮がはらわれており、従来の書とはやや異なった法学入門である。
  • 残奏
    4.1
    人気ロックバンドのメンバーが、何者かに殺害された。殺人事件として、警察は捜査本部を設置。捜査一課刑事の音喜多弦も、特別招集された音楽隊採用の変わり者刑事・鳴海桜子ともに捜査に加わる。北海道苫小牧へ飛び、被害者の母校吹奏楽部を訪れたふたりはそこで、事件の背後に隠されていた驚愕の事実を知る……。慟哭のミステリ。文庫書き下ろし。
  • 教養としての建築入門 見方、作り方、活かし方
    4.1
    1巻1,034円 (税込)
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 美術館の意匠に感動し、憧れの旅館で心を癒す。名建築で過ごす時間はなぜ格別なのか。建築の見方と作り方を知れば、暮らしは快適になり、楽しみが増す。本書は、日本と西洋の建築史を一望し、観賞・設計・社会という三つのアプローチから建築を堪能する入門書。「機能」と「美」から分け入り、現代に至る建築の画期を読み解く。建築家の世界も惜しみなく紹介。あなたも建築通に。観光や街歩きの格好のガイドになる。
  • ジウX
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    生きながらにして臓器を摘出された死体が発見された。東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、二ヶ月が経っても被害者の身元さえ割れずにいた。一方、陣内陽一の店「エポ」に奇妙な客が集団で訪れた。緊張感漂う店内で、歌舞伎町封鎖事件を起こした「新世界秩序」について一人の女が話し始める。「いろいろな誤解が、あったと思うんです」――。各所で続出する不気味な事件。そして「歌舞伎町セブン」に、かつてない危機が迫る……。 シリーズ累計300万部突破!〈ジウ〉サーガ、待望の最新長篇。
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像
    4.1
    「非道の独裁者」――日本人の多くが抱くスターリンのイメージだろう。一九二〇年代末にソ連の指導的地位を固めて以降、農業集団化や大粛清により大量の死者を出し、晩年は猜疑心から側近を次々逮捕させた。だが、それでも彼を評価するロシア人が今なお多いのはなぜか。ソ連崩壊後の新史料をもとに、グルジアに生まれ、革命家として頭角を現し、最高指導者としてヒトラーやアメリカと渡りあった生涯をたどる。
  • 日本語を翻訳するということ 失われるもの、残るもの
    4.1
    「古池や蛙飛び込む水の音」芭蕉のこの俳句を英語で説明するとき、「蛙」をa frogとfrogsのどちらで訳すべきだろうか。単数か複数かを決めないまま翻訳することは英語では許されない。ほかにも「ちらちら」「どんどん」などの擬音・擬態語、「雨ニモ負ケズ」の漢字カタカナ交じりの表記、「顔が能面のようだ」といった比喩など、翻訳困難な日本語表現を紹介。夏目漱石も村上春樹も登場する、海を越えた日本語論。
  • 持続可能な魂の利用
    4.1
    「毎日会社に行くたびに思うんです、わあ、なんだ、このおっさん地獄は、って」。 会社に追いつめられ、無職になった三十女が、女性アイドルに恋して日本の絶望を粉砕!? 新米ママや会社員も連帯し、「地獄」を変える賭けに挑む。世界幻想文学大賞受賞の著者がおくる、最強レジスタンス小説。 〈解説〉松尾亜紀子
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか
    4.1
    日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
  • 経済大陸アフリカ 資源、食糧問題から開発政策まで
    4.1
    アフリカを「援助」する時代は終わった。新興国をはじめ、世界中が凄まじい勢いで食糧、石油やレアアースといった鉱物資源を呑み込んでいく現代。これらの需要に対する供給源として、アフリカの重要性は突出している。いまアフリカとの経済連携は、中国が一頭地を抜く。世界各国がそれを追うなか、さらに大きく遅れている日本に挽回の余地はあるのか――。広大なアフリカ大陸を舞台に、世界の未来と命運とを描き出す。
  • 任侠シネマ
    4.1
    「誠司、映画は好きか?」阿岐本組は、組長の器量と人望で生き残ってきた、昔ながらのヤクザ。そんな組長・阿岐本雄蔵の元に次々と持ちかけられる一風変わった相談に、代貸の日村誠司はいつも振り回されていた。今度は潰れかけている映画館を救え!? 厳しい業界事情もさることながら、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在が浮上し……。大好評「任侠」シリーズ第五弾!〈解説〉野崎六助
  • わたしの献立日記
    4.1
    女優業がどんなに忙しいときも台所に立ちつづけた著者が、日々の食卓の参考にとつけはじめた献立日記。工夫と知恵、こだわりにあふれた料理用虎の巻。〈解説〉平松洋子
  • 落下傘学長奮闘記 大学法人化の現場から
    4.1
    40年間研究だけをしてきた基礎医学者が、突然、地方国立大学の学長に。法人化の混乱、抵抗する教員、文科省の圧力、予算削減のなかで奮闘する落下傘学長。データを駆使した現場報告。
  • シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか
    4.1
    久しぶりに実家に帰ると、穏健だった親が急に政治に目覚め、YouTubeで右傾的番組の視聴者になり、保守系論壇誌の定期購読者になっていた――。こんな事例があなたの隣りで起きているかもしれない。中にはネット上でのヘイトが昂じて逮捕・裁判の事例が頻発している。そのほとんどが50歳以上の「シニア右翼」なのである。若者を導くべきシニア像は今は昔だ。これは決して一過性の社会現象ではなく、戦前・戦後史が生みだした「鬼っ子」と呼ぶべきものであることが、歴史に通暁した著者の手により明らかにされる。 そして、導火線に一気に火を付けたのは、ネット動画という一撃である。シニア層はネットへの接触歴がこれまで未熟だったことから、リテラシーがきわめて低く、デマや陰謀論に騙されやすい。そんな実態を近年のネット技術史から読み解く。 かつて右翼と「同じ釜の飯を食っていた」鬼才の著者だからこそ、内側から見た右翼の実像をまじえながら論じる。
  • 物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年
    4.1
    1788年、イギリスの植民地として出発したオーストラリア。ヨーロッパ移民が立ち上げた白豪主義の国は、資源と貿易を通じて成長し、1901年に独立。世紀20は戦争と移民政策で東アジア世界と交わり、世紀も多民族国家と21して独自の力を発揮している。本書は、英帝国やアメリカ、日本、中国と対峙しながら、ミドルパワー国家が台頭する成長物語である。旧版を全面刷新し、200年以上の海域の歴史空間を克明に描く。
  • 猛き朝日
    4.1
    「彼の一生は失敗の一生也。彼の歴史は蹉跌の歴史也。彼の一代は薄幸の一代也。然れども彼の生涯は男らしき生涯也。」――芥川龍之介 平安末期。十二歳の少年・駒王丸は、信濃国木曽の武士・中原兼遠の養子として、自然の中でのびのびと育つ。兼遠の息子たちとも実の兄弟のように仲良く過ごすが、彼は父と母の名も自分が何者なのかも、いまだ知らずにいた。 ある日、駒王丸はささいなきっかけから、同じく信濃の武士の子・根井六郎と喧嘩になる。だが、同等の家格であるにもかかわらず、六郎と根井家当主が後日謝罪に訪れる。二人は畏れ多そうに深々と頭を下げて言う。 「駒王丸殿はいずれ、信濃を束ねる御大将となられる御方。我ら信濃武士は、ゆくゆくは駒王丸殿の旗の下に集わねばならぬ」 初めて知る実父の存在、自らの壮絶な生い立ち。駒王丸、のちの木曽義仲の波乱の生涯が始まろうとしていた。 類い希なる戦の腕で平家を追い落とし、男女貴賤分け隔てない登用で、頼朝・義経より早く時代を切り拓いた武士。 彼が幕府を開いていれば、殺戮の歴史はなかったかもしれない。 日本史上最も熱き敗者、「朝日将軍」木曽義仲の鮮烈なる三十一年。
  • 藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    「好きでやってることだすけな、仲間っこが来てければ嬉しいよ」 趣味もなく学校でも進路に迷っていた綾。でも「ひし形屋」で、より子先生に南部菱刺しを教わって、世界が一変した!?「魔女の菱刺し工房」 母が認知症となり、接し方に悩む香織。より子先生と一緒に無心で刺している中、あるアイディアを思いつく。「ひょうたん」 長らく引き籠もっていたより子の孫・亮平。より子は静かに亮平を見守っていたが……。「真麻の聴色」 苦しい時、嬉しい時、そして誰かを想う時。布の目を数え、模様を作る――。 青森の南部菱刺しをテーマに描く、手芸×再生の四篇。
  • ジェンダーレスの日本史 古典で知る驚きの性
    4.1
    肉体の性別とは違う性認識を持つことが尊重されるようになってきた。先進的に見えるが、じつは日本の古典文学には、男女の境があいまいな話が数多く存在する。 男同士が恋愛仕立ての歌を詠み合ったり、経済力のある姫が一族を養う。武士は泣き、女将軍が敵に向かい、トランスジェンダーきょうだいは男女入れ替わってすくすく成長――。太古の神話から平安文学、軍記もの、江戸川柳まで古典作品を通して伝統的な男らしさ・女らしさのウソを驚きをもって解き明かす。昔の日本の「性意識」がいかにあいまいだったか、それゆえに文芸が発展したかも見えてくる。年表作りを愛する著者による「ジェンダーレス年表」は弥生時代から現代までを網羅。
  • 死にがいを求めて生きているの
    4.1
    誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年TVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。 文庫版特典:特別付録/本作と螺旋プロジェクトに寄せて       解説/清田隆之 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年
    4.1
    中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。中国全体の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし習近平政権のもと、ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は、多くの人々を「教育施設」へ収容するといった過酷な統治姿勢に転じたのか。新疆地域の歴史を丁寧にたどり、その現在と未来を考える。
  • はじめての仏教 その成立と発展
    4.1
    二千六百年前、釈尊の教えから始まった仏教は、インドから中央アジア、中国、朝鮮、日本へ伝搬するうちに思想を変化させながら発達した。エリートのための仏教から、民衆のための仏教に変貌した過程を豊富な図版により解説する。  301ページ
  • 原敬 「平民宰相」の虚像と実像
    4.1
    初の「平民」首相として、本格的政党内閣を率いた原敬。戊辰戦争で敗れた盛岡藩出身の原は苦学を重ね、新聞記者を経て外務省入省、次官まで栄進する。その後、伊藤博文の政友会に参加、政治家の道を歩む。大正政変、米騒動など民意高揚の中、閣僚を経て党の看板として藩閥と時に敵対、時に妥協し改革を主導。首相就任後、未来を見据えた改革途上で凶刃に倒れた。独裁的、権威的と評されるリアリスト原の軌跡とその真意を描く。
  • 少女たちの戦争
    4.1
    「サヨナラ」も言えぬまま別れた若き兵士との一瞬の邂逅、防空壕で友と感想を語り合った吉屋信子の少女小説、東京大空襲の翌日に食べたヤケッパチの〈最後の昼餐〉……戦時にも疎開や空襲以外の日々の営みがあり、青春があった。 太平洋戦争開戦時20歳未満、妻でも母でもなく〈少女〉だった27人の女性たちが見つめた、戦時下の日常。すぐれた書き手による随筆を精選したオリジナル・アンソロジー。 〈目次〉 若い日の私●瀬戸内寂聴 美しい五月になって●石井好子 私を変えた戦時下の修学旅行/十五日正午、緊迫のNHK放送室●近藤富枝 「サヨナラ」がいえなかった●佐藤愛子 空襲・終戦・いさぎよく死のう●橋田壽賀子 海苔巻きと土佐日記●杉本苑子 続 牛乳●武田百合子 半年だけの恩師●河野多惠子 はたちが敗戦●茨木のり子 人間が懐しい●石牟礼道子 親へ詫びる●森崎和江 戦争/敗戦の夜●馬場あき子 「田辺写真館」焼失 母は強し●田辺聖子 めぐり来る八月●津村節子 葦の中の声●須賀敦子 被爆前後/一個●竹西寛子 にがく、酸い青春●新川和江 ごはん●向田邦子 か細い声●青木 玉 国旗/終戦の日●林 京子 よみがえる歌●澤地久枝 夏の太陽●大庭みな子 子供の愛国心●有吉佐和子 スルメ●黒柳徹子 サハリン時代●吉田知子 戦争の〈おかげ〉●中村メイコ 青い空、白い歯●佐野洋子
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    4.1
    どうして人間以外の生き物は若返ろうとしないのだろう? イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを持つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。 「国私立中学入試・国語 最頻出作者」3年連続1位(日能研調べ)
  • モチべーションの心理学 「やる気」と「意欲」のメカニズム
    4.1
    「やる気が出ない……」。職場で、学校で、家庭で、悩んでいる人は多い。自分だけでなく、他者のやる気も気がかりである。口でほめるのか、報酬を与えるのか、罰をちらつかせるのか。自らの経験と素朴な理論に基づいて対処しても、なかなかうまくいかない。そもそもモチベーションはどのように生じ、何に影響を受け、変化していくのか。目標説、自信説、成長説、環境説など、モチベーション心理学の代表的理論を整理、紹介する。
  • 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで
    4.1
    春秋戦国時代に現れた孔子や老子ら諸子百家に始まり、朱子学と陽明学に結実したのち、西洋近代と対峙するなかで現代の儒教復興に至る中国哲学。群雄割拠から統一帝国へ、仏教伝来、キリスト教宣教、そして革命とナショナリズム。社会変動期に紡がれた思想は中国社会の根幹を形づくった。本書は中国3000年の叡智を丹念に読み解き、西洋を含めた世界史の視座から、より深い理解へと読者をいざなう。新しい哲学史への招待。
  • 娼婦の本棚
    4.1
    【目次】 ●はじめに――時に夜があまりに暗く、字を照らす光がなくても 〈第1章 女は無意味に旅に出る〉 ●もしアリスが女の子ではなかったら  ――『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル/矢川澄子訳) ●女の子の殻をさらに包む強力な殻  ――『“少女神”第9号』(フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人訳) ●娼婦になったり聖母になったりすればいい  ――『悲しみよ こんにちは』(サガン/河野万里子訳) ●女子高生にある個室の自由  ――『いつだってティータイム』(鈴木いづみ) 〈第2章 セックスなんかで分かるもの〉 ●資本主義と愛と整合性のないカラダ  ――『pink』(岡崎京子) ●たかが一度や二度のセックス  ――『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』(岸田秀) ●されどセックスが解放する時間  ――『蝶々の纏足』(山田詠美) 〈第3章 女ではない奇怪な生き物〉 ●買う男の論理があるのだとして  ――『わが悲しき娼婦たちの思い出』(ガルシア= マルケス/木村榮一訳) ●基本的には他人事でしかない男の青春  ――『大胯びらき』(ジャン・コクトー/澁澤龍彥訳) ●お金を介した男女の滑稽な話  ――『遊女の対話』(ルーキアーノス/高津春繁訳) 〈第4章 信じられる神がいなくとも〉 ●ありえないほど汚れた場所の、ありえないほど高貴な信仰  ――『ぼくんち』(西原理恵子) ●夜のオカネと昼のオカネ  ――『大貧帳』(內田百閒) ●この世で最も不公平な関係  ――『シズコさん』(佐野洋子) 〈第5章 言葉を身体に貼り付けて〉 ●夜が過ぎても生き残る可能性があるなら  ――『夜になっても遊びつづけろ』(金井美恵子) ●若い女の心はそう整うものじゃない  ――『私家版 日本語文法』(井上ひさし) ●一〇〇年越しの女の味付け  ――『モダンガール論』(斎藤美奈子) ●それでもピンヒールは正義  ――『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』(鷲田清一) 〈第6章 荒唐無稽な夜を生き抜く〉 ●無敵だったココロと冷めた見解  ――『桃尻娘』(橋本治) ●若さも九〇年代も空っぽだったと皆言うけれど  ――『モモ』(ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳) ●半分腐った世界でナウシカになれるわけもなく  ――『風の谷のナウシカ』(宮崎駿) ●おわりに――それでも「絶望的に期待する」
  • マネーの魔術師 ハッカー黒木の告白
    4.1
    日本経済復活のフィクサーか? 廃れゆく伝統文化の守護神か? 天才ハッカーvs.金融資本主義 イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 現在を分析し未来を予見する、興奮の知的エンタメ巨篇。 【目次】 稲妻 気前のいい客 長い長い夜 夜明けの柴田 ツタエテ TSUTAE‐TE チャンス! 神々の黄昏 また逢う日まで あとがき
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見
    4.1
    「四大文明」は、ナイルや黄河などの大河のほとりで生まれたとされる。しかし、これら以外にも、独自の文明が開花し、現代の私たちに大きな影響を与えた地がある。それが熱帯高地だ。本書はアンデス、メキシコ、チベット、エチオピアの熱帯高地に生まれ、発展してきた四つの古代文明を紹介。驚くほど精巧な建築物から、環境に根ざした独特な栽培技術や家畜飼育の方法、特色ある宗教まで、知られざる文明の全貌を解き明かす。
  • 愛なき世界(上)
    4.1
    1~2巻726~748円 (税込)
    恋のライバルが、人類だとは限らない!? 洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。愛おしい変わり者たちと、地道な研究に人生のすべてを捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか――〈付録〉「藤丸くんに伝われ 植物学入門(上)」
  • 日本の私立大学はなぜ生き残るのか 人口減少社会と同族経営:1992-2030
    4.1
    2010年代半ば、日本では、大学の「2018年問題」がさまざまに議論されていた。18歳人口の減少によって、日本の弱小私立大学は次々と経営破綻すると予想されたのだ。しかし、日本の私立大学の数は逆に増えている。なぜなのか。  著者たちは人類学者ならではのフィールドワークとデータの分析によってその謎に迫っていく。導き出されたのは、日本独自の「同族経営」の実態であり、それは私立大学のみならず、日本社会の本質をも炙り出している。他に例をみない私立大学論であり、卓抜な日本社会論ともなっている。  オクスフォード大学教授・苅谷剛彦氏による解説を付す。
  • 台所太平記
    4.1
    お料理上手や姉御肌、ハイカラ趣味に特技はゴリラの真似――? 文豪の屋敷でのびのび働く女中さんは曲者揃い。初は「いけすかない爺さん」と主人に言い放ち、銀は大恋愛に猪突猛進、百合は昭和の大女優をもたじたじにさせ、千倉家のお台所は毎日てんやわんや。愛情とユーモアに満ちた抱腹絶倒の女中さん列伝。〈挿絵〉山口晃〈解説〉松田青子
  • 三千円の使いかた
    4.1
    垣谷美雨さん絶賛! 「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」 就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか? 知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!
  • 新装版 五郎治殿御始末
    4.1
    あの爺様はの、みなに笑うてほしかったのだ――。 人生に、そして時代に決着をつけた侍たちの「終活」とは? 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、感動の時代小説短篇集。 激動の明治維新期。突如「武士」という職業がなくなり、行き場所をなくした岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決める。やがて訪れる最期の時。町人として明治を生きる孫に、五郎治がのこしたある遺品とは。人生、そして時代に始末をつけた、侍たちの物語。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • 少女架刑 吉村昭自選初期短篇集I
    4.1
    1巻924円 (税込)
    徹底した取材と綿密な調査に基づく重厚な歴史小説で知られる作家・吉村昭。その文学的出発点を示す自選短篇集(全二巻)。第Ⅰ巻には表題作のほか、三島由紀夫が激賞した「死体」、初の芥川賞候補作「鉄橋」など、一九五二年から六〇年までの七編を収める。巻末にエッセイ「遠い道程」を付す。 【収録作品】 死体/青い骨/さよと僕たち/鉄橋/服喪の夏/少女架刑/星と葬礼
  • 法華経とは何か その思想と背景
    4.1
    『法華経』は、釈尊入滅から約五百年後、紀元一世紀末から三世紀初頭のインド北西部で誕生したとされる。日本には六世紀半ばに伝わり、『法華秀句』を著した最澄や「法華経の行者」を自任した日蓮から、松尾芭蕉、宮沢賢治に至るまで、後世に広く影響を与えた。本書では、サンスクリット原典の徹底的な精読を通じて、「諸経の王」とも称される仏典の全体像を描き、平等な人間観に貫かれた教えの普遍性と現代的意義を示す。
  • 暗殺の幕末維新史 桜田門外の変から大久保利通暗殺まで
    4.1
    近代日本が生まれた幕末維新期。日本史上これほど暗殺が頻発した時期はない。尊皇攘夷論の洗礼を受けた者をはじめ、彼らはなぜ暗殺に走ったのか。本書は大老井伊直弼から内務卿大久保利通に至る国家の中枢、外国人、坂本龍馬らの“志士”、市井の人々までが次々に標的となった事件の凄惨な実相と世間の反応を描く。さらに後世、一方で暗殺者を顕彰し、他方で忌避した明治国家の対応も詳述する。闇から見つめる幕末維新史。
  • 死ぬ瞬間 死とその過程について
    4.1
    人は死を前に、何を見、何を思い、何を考えるのか? 死は誰にも平等に訪れるものです。 それゆえ、古来、人は死を恐れ、「死を思う」ことで自らの存在を見つめてきました。 現代においても未知の感染症の拡大で、死の恐怖を身近に感じる事態が起こります。 本書は半世紀以上前に、死を迎えつつある人の心の動きを、二百人におよぶ患者の聞き取りで解明しようとしたものです。 自分や周囲の人の死をどう受け容れるか。 死について考えるとき、道しるべとなる一冊です。
  • 真昼のプリニウス
    4.1
    頂上で、わたしの世界に何かが起こる――情報過多の社会で自らの生き方に疑いを覚え、女性火山学者は火口を目指した。自然をそのままに見つめることで、紡ぎだされる物語の美。静かに心を打つ稀有の小説世界。
  • 1984年に生まれて
    4.1
    ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」の郝景芳が描く〈中国×1984年〉。 一九八四年、春。天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一子の誕生を控えていた。ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていることにふと気がつき愕然とする―― 二〇〇六年、春。〈私〉は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。大学卒業を控え、十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。父は優しく背を押すが、結局〈私〉は覚悟を固められない。友人たちが目標に向かって邁進していくなか、〈私〉は留学申請に失敗、祖父のコネで地元の統計局に職を得る。ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症してしまう…… 時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。現代中国で自分の生き方を見失う〈私〉。選択しなかったもう一つの人生への憧憬。二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘の物語が描く円環の先に、衝撃の結末を迎える!
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.1
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • 北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像
    4.1
    建武三年(一三三六)、京都を制圧した足利尊氏は新天皇を擁して幕府を開いた。後醍醐天皇は吉野に逃れ、二帝が並び立つ時代が始まる。北朝の天皇や院は幕府の傀儡だったと思われがちだが、歴代将軍は概して手厚く遇した。三代義満による南北朝の合一以降、皇統は北朝系が占めた。一見無力な北朝は、いかに将軍の庇護を受け、生き残りに成功したか。両者の交わりをエピソード豊かに描き、室町時代の政治力学を解き明かす。
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    かつて世界の陸地の約四分の一を領土として支配したイギリス帝国。その圧倒的な影響力は公式の植民地だけにとどまらなかった。本書は近年のグローバルヒストリーの研究成果をふまえ、アジアとの相互関係に注目しつつ、一八世紀から二〇世紀末までの帝国の形成・発展・解体の過程を考察する。今や世界経済の中心はアジア太平洋経済圏にシフトしつつある。そのシステムの基盤を作り上げた帝国の意義を明らかにする。読売・吉野作造賞受賞作。
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和
    4.1
    平和を愛さない人はいないだろう。だが平和主義となるとどうだろうか。今日では単なる理想論と片付けられがちだが、実はその思想や実践は多様である。本書は、「愛する人が襲われても無抵抗でよいのか」「正しい戦争もあるはず」「平和主義は非現実的だ」「虐殺を武力で止めないのは無責任」といった批判に丁寧に答え、説得力ある平和主義の姿を探る。感情論やレッテル貼りに陥らず、戦争と平和について明晰に考えるために。第35回石橋湛山賞受賞作。
  • 一杯のおいしい紅茶 ジョージ・オーウェルのエッセイ
    4.1
    鋭利で辛辣、政治一辺倒―― そんなオーウェルのイメージは 本書を読めば心地よく裏切られる 「人間はぬくもりと、交際と、余暇と、 慰安と、安全を必要とするのである」 自然に親しむ心を、困窮生活の悲哀を、 暖炉の火やイギリス的な食べ物、 失われゆく庶民的なことごとへの愛着を記して、 作家の意外な素顔を映す上質の随筆集 文庫化に当たり「『動物農場』ウクライナ版への序文」を収録
  • エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主
    4.1
    1952年に25歳で英国の王位に即いたエリザベス女王。カナダ、オーストラリアなど16ヵ国の元首でもある。W・チャーチルら十数人の首相が仕え「政治的な経験を長く保てる唯一の政治家」と評される彼女は、決して〝お飾り〟ではない。70年近い在位の中で政治に関与し、また数多くの事件に遭遇。20世紀末、その振る舞いは強い批判も受けた。本書はイギリス現代史をたどりながら、幾多の試練を乗り越えた女王の人生を描く。
  • デンジャラス
    4.1
    美しい妻は絶対的な存在。楚々とした義妹は代表作の原点。そして義息の若い嫁は、新たな刺激を与えてくれる……。大作家をとりまく魅惑的な三人の女たち。嫉妬と葛藤が渦巻くなか、翻弄される男の目に映っているものは――。文豪「谷崎潤一郎」を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界から炙り出される人間たちの「業」と「欲」。<解説>千葉俊二
  • 女と文明
    4.1
    「男と女の、社会的な同質化現象はさけがたい」――今や当たり前にも思えることを六十年前に民族学者の立場から徹底的に論じた梅棹忠夫。発表するや賛否両論の大反響を巻き起こした「妻無用論」「母という名のきり札」を含む慧眼の書。有賀薫氏、酒井順子氏、花田菜々子氏推薦。 〈解説〉上野千鶴子 【目次】 まえがき 女と文明 アフガニスタンの女性たち   タイの女性たち 家庭の合理化 妻無用論 母という名のきり札 家事整理の技術について――家事整理学原論Ⅰ   すてるモノとすてられないモノ――家事整理学原論Ⅱ あたらしい存在理由をもとめて 女と新文明 情報産業社会と女性 『女と文明』――追記 解説 「妻無用論」から半世紀をへて  上野千鶴子
  • 百年戦争 中世ヨーロッパ最後の戦い
    4.1
    1巻1,012円 (税込)
    フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げた百年戦争(一三三七~一四五三)。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立に、フランス王位継承権争いが絡んで勃発した。当初イングランドが優勢だったが、ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放後、フランスが巻き返して勝利する。戦乱を経て、英仏双方で国民意識はどのように生まれたか。ヨーロッパ中世に終止符を打った戦争の全貌を描き、その歴史的意義を解明する。
  • 源頼朝 武家政治の創始者
    4.1
    一一八〇年、源頼朝は平氏追討の兵を挙げた。平治の乱で清盛に敗れて、父義朝を失い、京から伊豆に流されて二十年が過ぎていた。苦難を経て仇敵平氏を滅ぼし、源氏一門内の対抗者たる義仲と義経を退け、最後の強敵平泉藤原氏を倒し、武門の頂点を極めた頼朝。流人の挙兵はなぜ成功し、鎌倉幕府はいかなる成立過程を辿ったのか。何度も死線をくぐり抜けた末に武士政権樹立を成し遂げ、五十三歳で急逝した波瀾の生涯。
  • 街場の親子論 父と娘の困難なものがたり
    4.1
    わが子への怯え、親への嫌悪。誰も感じたことがある「親子の困難」に対し、名文家・内田樹さんが原因を解きほぐし、解決のヒントを提示します。それにしても、親子はむずかしい。その謎に答えるため、1年かけて内田親子は往復書簡を交わします。「お父さん自身の“家族”への愛憎や、恨み、思い出を拾い集めて文字に残したい」「るんちゃんに、心の奥に秘めていたことを語ります」。微妙に噛み合っていないが、ところどころで弾ける父娘が往復書簡をとおして、見つけた「もの」とは?
  • 椿井文書―日本最大級の偽文書
    4.1
    中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図、合戦に参陣した武将のリスト、家系図……。これらは貴重な史料であり、学校教材や市町村史にも活用されてきた。しかし、もしそれが後世の偽文書だったら? しかも、たった一人の人物によって創られたものだとしたら――。椿井政隆(一七七〇~一八三七)が創り、近畿一円に流布し、現在も影響を与え続ける数百点にも及ぶ偽文書。本書はその全貌に迫る衝撃の一冊である。
  • 無気力の心理学 改版 やりがいの条件
    4.1
    「どうせダメだ」――現代社会に蔓延する無気力。衣食住が満たされた豊かな環境というだけでは、「効力感」、つまり意欲的に環境に働きかける態度は生まれない。本書は、心理学の研究成果を広く紹介し、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から効力感を発達させる条件を掘りさげる。さらに子どもも大人も、やりがいを持って生きられる教育や社会のあり方についてヒントを示す。
  • ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
    4.1
    『全体主義の起原』『人間の条件』などで知られる政治哲学者ハンナ・アーレント(一九〇六―七五)。未曽有の破局の世紀を生き抜いた彼女は、全体主義と対決し、「悪の陳腐さ」を問い、公共性を求めつづけた。ユダヤ人としての出自、ハイデガーとの出会いとヤスパースによる薫陶、ナチ台頭後の亡命生活、アイヒマン論争――。幾多のドラマに彩られた生涯と、強靭でラディカルな思考の軌跡を、繊細な筆致によって克明に描き出す。
  • 2049年「お金」消滅 貨幣なき世界の歩き方
    4.1
    国が推進する電子マネー。企業が覇権争いを繰り広げるキャッシュレスサービス。近年世間を騒がせた仮想通貨。浸透し始めたブロックチェーン。2019年、フィンテックという言葉のもとに、あらゆる場面の根幹にある「お金」のあり方が変わり始めた。インターネットと社会の関係を長年研究してきた著者は、この先「貨幣経済が衰退する可能性は高く、その未来にニューエコノミーが立ち上がる」と主張する。そこでは従来の貨幣文化のみならず、人類が構築してきた専門性や労働、さらに国家までも解体される対象になりうるという。お金が消えるのと同時に消滅する職業や学問とは? 「お金」が消滅した先でも変わらず価値を持つものとは? その先で私たちは何を歓びに生きるのか? この本を手に、混沌たる世界を進め!
  • ヒトラー演説 熱狂の真実
    4.1
    ナチスが権力を掌握するにあたっては、ヒトラーの演説力が大きな役割を果たした。ヒトラーの演説といえば、声を張り上げ、大きな身振りで聴衆を煽り立てるイメージが強いが、実際はどうだったのか。聴衆は演説にいつも熱狂したのか。本書では、ヒトラーの政界登場からドイツ敗戦までの二五年間、一五〇万語に及ぶ演説データを分析。レトリックや表現などの面から煽動政治家の実像を明らかにする。
  • 植物はすごい 七不思議篇 知ってびっくり、緑の秘密
    4.1
    アサガオの花はなぜ夕方になると赤紫になるの? どうしてゴーヤの実は熟すと爆発するの? トマトのタネはなぜぬるぬるに包まれているの? トウモロコシの黄色い粒と白い粒の比率が3対1って本当? イチゴの種はどこにあるの? チューリップの花はなぜだんだん大きくなるの? ソメイヨシノはなぜ暖かい九州よりも寒い東京で先に咲くの? 7つの身近な植物に秘められた「すごさ」から学ぶ、生き方の工夫と知恵。
  • 廉太郎ノオト
    4.1
    1巻1,925円 (税込)
    廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
  • 夏なんてもういらない
    4.1
    1巻858円 (税込)
    「私はあなたが好きです」 日本語の例文みたいな告白だった。 彼に告白する言葉は、もっと別のものにするつもりだった。 十二年に一度の秘祭「潮祭」が開かれる夏。高校生の深冬は片想い相手の優弥とともに、彼の故郷・潮見島へ向かう。普通の大学生だと思っていた優弥は、皆から慕われる祭司という、深冬の知らない顔を持っていた。そして島には、絶対にかなわない恋敵がいた。恋に、将来に囚われる少女がとった、全てをぶち壊す選択とは? 夏が好きになれないあなたに捧ぐ〝反〟青春小説 『潮風エスケープ』を改題。
  • 日本の地方政府 1700自治体の実態と課題
    4.1
    日本には都道府県47、市790、町745など、1700を超える地方政府がある。一般に地方自治体、地方公共団体と呼ばれ、行政機構のみが存在する印象を与えてきた。だが20世紀末以降の地方分権改革は、教育、介護、空き家問題など、身近な課題に直面する各政府に大きな力を与えた。本書は、政治制度、国との関係、地域社会・経済の三つの面から、国家の2.5倍の支出と4倍の人員を持つ地方政府の軌跡、構造と実態を描く。
  • アトリと五人の王
    4.1
    〈東琴(トゴン)〉の姫・アトリは王宮で虐げられ、まともな教育も受けられず内気に育つ。厄介払いとして幼くして送られた嫁ぎ先は、枯れ果てた小国〈柚記(ユシロ)〉に暮らす、病を得た王のもと。その地でアトリは王の教えを受け、知識と常識、そして愛情を手に入れる。やがて王は亡くなり、祖国へ帰ることになるのだが……。 これは生涯で5回も結婚することになった姫君の物語。数えで9歳の初結婚から、8年で5回というのはあまりに多い。 いったいどんな偶然で、5回も嫁ぐことになったのか。 それは、読んでのお楽しみ。
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱
    4.1
    一二一九年、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺された。朝廷との協調に努めた実朝の死により公武関係は動揺。二年後、承久の乱が勃発する。朝廷に君臨する後鳥羽上皇が、執権北条義時を討つべく兵を挙げたのだ。だが、義時の嫡男泰時率いる幕府の大軍は京都へ攻め上り、朝廷方の軍勢を圧倒。後鳥羽ら三上皇は流罪となり、六波羅探題が設置された。公武の力関係を劇的に変え、中世社会のあり方を決定づけた大事件を読み解く。
  • ファウスト 悲劇第一部
    4.1
    あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作の第一部を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。 〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年
  • 青と白と
    4.1
    1巻726円 (税込)
    30代後半の悠は、アルバイトをしながら空き時間に原稿を書く駆け出しの作家。仙台を出て東京で一人暮らしを続けるが、ぎりぎりの 生活を送る。そんな悠の日常は、震災を境に激変した。非常時だとはしゃぐ同僚、思わぬ人からの気遣い、そして、故郷の家族の変化。 「私は、なぜこんなにもちっぽけなんだろう」 過去と未来を見つめた、悠の変化と決断は。
  • 『夫の墓には入りません』〈『嫁をやめる日』を改題〉
    4.1
    ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。 さだまさし氏 熟読&痛感! 「人生の荷物が多ければ多いほど、この本は笑えて泣けて、ホッとする。」 夫が亡くなった時点で、自分は誰の妻でもなくなり、晴れて自由の身だと思っていた。 だが、どうやら違うらしい。今もこれからも「高瀬家の嫁」なのだ。それも、夫が生きていた頃より、もっとずっと明確に。 (本文より)
  • 戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道
    4.1
    現代の政治状況を表現するときに用いられる「ポピュリズム」。だが、それが劇場型大衆動員政治を意味するのであれば、日本はすでに戦前期に経験があった。日露戦争後の日比谷焼き打ち事件に始まり、怪写真事件、満洲事変、五・一五事件、天皇機関説問題、近衛文麿の登場、そして日米開戦。普通選挙と二大政党制は、なぜ政党政治の崩壊と、戦争という破滅に至ったのか。現代への教訓を歴史に学ぶ。
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
    4.1
    1892年にアメリカで発明されたトラクターは、直接土を耕す苦役から人類を解放し、穀物の大量生産を可能にした。文明のシンボルともなったトラクターは、アメリカでは量産によって、ソ連・ナチ・ドイツ、中国では国策によって広まり、世界中に普及する。だが、化学肥料の使用、土地の圧縮、多額のローンなど新たな問題を生み出す。本書は、一つの農業用の“機械”が、人類に何をもたらしたのか、日本での特異な発展にも触れながら、農民、国家、社会を通して描く。 ●目次 まえがき 第1章 誕 生――二〇世紀初頭、革新主義時代のなかで    1 トラクターとは何か    2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期    3 夜明け――J・フローリッチの発明 第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立    1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得    2 専業メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化    3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練 第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開    1 レーニンの空想、スターリンの実行    2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意    3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想    4 二つの世界大戦下のトラクター 第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相    1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ    2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム    3 「鉄牛」の革命――新中国での展開    4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン 第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ    1 黎 明――私営農場での導入、国産化の要請    2 満洲国の「春の夢」    3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男    4 機械化・反機械化論争    5 日本企業の席巻――クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機 終 章 機械が変えた歴史の土壌
  • 表現の技術
    4.1
    すべての人は笑う前に驚いている――。数々のヒットCMで知られる広告クリエイティブの第一人者が、「起承転結のワナ」「オムニバス禁止令」「ポストイット脚本術」など、豊富な事例を挙げながら、映像や脚本づくりのテクニックを公開。クリエイターのみならず、「伝わる」表現とは何か知りたいあらゆる人に役立つ本。〈解説〉佐渡島庸平
  • スパイス、爆薬、医薬品 世界史を変えた17の化学物質
    4.1
    小さな分子が社会を変えた! 化学構造式の読み方も身につくユニークな世界史 砂糖、綿、抗菌剤、ゴム、ニコチン、PCB…身近な物質の化学的な働きが、 東西交易や植民地支配、産業革命、公衆衛生、戦争と平和、法律など 人類の発展に与えた影響を、エピソード豊富に分りやすく解説。 文明の発達を理解するための独創的なアプローチ。 こんなあなたにお勧めします。(「訳者あとがき」より) 1 化学を学び損ねた人(本日が再スタートのチャンスです) 2 化学が嫌いだった人(分かれば好きになるものです) 3 知識を増やしたいビジネスマン(すぐには役立たない知識にこそ価値がある) 4 国立大学めざす受験生(一冊で世界史と化学の二科目はお得です) 5 大学に入ってこれから化学を学ぶ人(スタートダッシュが大事です) 6 化学を専門にするが人文科学も好きな人(私でした) 7 授業用に雑学ネタが欲しい化学科の教授(ネットで簡単に深く掘れます) 8 偶然これを手に取ったあなた(家に帰って構造式を実際に書いてみましょう) <目次より> 一章 胡椒、ナツメグ、クローブ――大航海時代を開いた分子 二章 アスコルビン酸――オーストラリアがポルトガル語にならなかったわけ 三章 グルコース――アメリカ奴隷制を生んだ甘い味 四章 セルロース――産業革命を起こした綿繊維 五章 ニトロ化合物――国を破壊し山を動かす爆薬 六章 シルクとナイロン――無上の交易品とその合成代用品 七章 フェノール――医療現場の革命とプラスチックの時代 八章 イソプレン――社会を根底から変えた奇妙な物質 九章 染料――近代化学工業を生んだ華やかな分子 十章 医学の革命――アスピリン、サルファ剤、ペニシリン 十一章 避妊薬――女性の社会進出を後押しした錠剤 十二章 魔術の分子――幻想と悲劇を生んだ天然毒 十三章 モルヒネ、ニコチン、カフェイン――阿片戦争と三つの快楽分子 十四章 オレイン酸――黄金の液体は西欧文明の神話的日常品 十五章 塩――社会の仕組みを形作った人類の必須サプリメント 十六章 有機塩素化合物――便利と快適を求めた代償 十七章 マラリアvs.人類――キニーネ、DDT、変異ヘモグロビン
  • 日本語びいき
    4.1
    「させていただく」は丁寧か、馬鹿丁寧か。「先生」の読み方は本当に「センセイ」? よく知っているつもりの言い回しも、日本語教師の視点で見るとこんなにおもしろい! ヨシタケシンスケさんの、クスッと笑える絵とともに、身近な日本語のもうひとつの顔をのぞいてみませんか? 【『日本人の日本語知らず。』を増補改題】    目 次  まえがき 1 日本語は難しい、か? 2 ところでひらがな、ぜんぶ読めてます? ほんとに? 3 しつこいようですが、ひらがなはエライ! 4 らぬき、れたす、さいれ 5 ナウい人とナウな人、どっちがナウ? 6 品詞の谷間 7 お茶が入りました。 8 日本語はあいまい? 非論理的? 9 みなまで言うな。 10 米洗ふ前を螢の二ツ三ツ 11 私はこれでやめました。 12 ウチ向きな日本の私 13 ウチとソトの交流 14 しぇんしぇー、ちゅくえ 15 ありますですかそれともありますですか? 16 ててったってっ。 17 トンネルを抜けると鴨川でマスオさんが 18 飾り飾られ 19 4番の、カードを、お持ちの、お客さま 20 先生はとても上手に教えました。ありがとうございます。 21 お~星さ~ま~ギーラギラ♪  日本語は美しい。――あとがきにかえて  文庫版あとがき
  • 人口減少時代の土地問題 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ
    4.1
    持ち主の居所や生死が判明しない土地の「所有者不明化」。この問題が農村から都市に広がっている。空き家、耕作放棄地問題の本質であり、人口増前提だった日本の土地制度の矛盾の露呈だ。過疎化、面倒な手続き、地価の下落による相続放棄、国・自治体の受け取り拒否などで急増している。本書はその実情から、相続・登記など問題の根源、行政の解決断念の実態までを描く。 はしがき 第1章 「誰の土地かわからない」――なぜいま土地問題なのか 1 空き家問題の根源――森林・農村から都市へ 2 なぜ管理を、権利を放置するのか 3 法の死角――あいまいな管轄、面倒な手続き 4 下落する土地の価値――少子・高齢化、相続の増加 第2章 日本全土への拡大――全国888自治体への調査は何を語るか 1 死亡者課税による“回避”――災害とは無関係の現実 2 相続未登記、相続放棄の増加――土地に対する意識の変化 3 行政の解決断念――費用対効果が見込めない 第3章 なぜ「所有者不明化」が起きるのか 1 地籍調査、不動産登記制度の限界 2 強い所有権と「土地神話」の呪縛――人口増時代の“遺物” 3 先進諸外国から遅れた現実――仏、独、韓国、台湾との比較  第4章 解決の糸口はあるのか――人口減少時代の土地のあり方 1 相続時の拡大を防げるか――難しい法改正と義務化 2 土地希望者を探せるか――管理・権利の放置対策 3 「過少利用」の見直しを――新しい土地継承のあり方  参考文献  あとがき
  • 出張料亭おりおり堂 コトコトおでんといばら姫
    4.1
    天才イケメン料理人・橘仁が訪問先で料理を提供する「出張料亭」。その助手として恋心を抑えつつ働いてきた山田澄香は、仁の背負う重い過去を知り、衝撃を受ける。そして突然起きた悲劇によって、店は休業の危機に――。試練のとき、仁と澄香が選んだ道とは? 感動のおいしいシリーズ第三弾!『出張料亭おりおり堂』改題
  • ストーカー - 「普通の人」がなぜ豹変するのか
    4.1
    三鷹ストーカー殺人事件や小金井ストーカー殺人未遂事件など、凶悪事件がたびたび報道されるが、それらは氷山の一角にすぎない。カウンセラーとして、これまで500人以上のストーカー加害者と対峙してきた著者のもとには、毎日のように相談者が訪れる。SNSの普及により、素性の知らない相手からのストーキング被害が急増しており、リベンジポルノのような卑劣な行為も増える一方だという。「交際相手と別れるときに注意すべき点は」「ストーカーからの贈り物にはどう対応すべきか」「警察にはどのタイミングで行くべきか」「加害者は治療によって治るのか」などの疑問・質問にわかりやすく答え、被害者にも加害者にもならないための心構えを説く。
  • 貧困と地域 あいりん地区から見る高齢化と孤立死
    4.1
    「日雇労働者の町」と呼ばれ、高度経済成長期に頻発した暴動で注目を集めた大阪のあいりん地区(釜ヶ崎)。現在は高齢化が進むなか、「福祉の町」として知られる。劣悪な住環境、生活保護受給者の増加、社会的孤立の広がり、身寄りのない最期など、このエリアが直面している課題は、全国の地域社会にとっても他人事ではない。本書は、貧困の地域集中とその対策を追った著者による現代のコミュニティ論である。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    4.1
    1巻770円 (税込)
    ケータリング業者の水島健一は何事にも無気力な四十四歳。病死に見せかけ楽に死ねる「薬」の都市伝説に翻弄される人々を横目に、手抜き調理で依頼をこなす日々だ。しかし、ある生意気な少年・英樹との出会いが健一の料理を変えていく。それと同時に「薬」の噂とも向き合うようになるが……。真摯に生きることを拒んできた大人と、生死をまっすぐに見つめる少年の交流が胸をうつ感動長篇。
  • 御馳走帖
    4.1
    朝はミルクにビスケット、昼はもり蕎麦、夜は山海の珍味に舌鼓をうつ。ご存じ食いしん坊百間先生が、幼年時代の思い出から戦中の窮乏生活、また知友と共にした食膳の楽しみに至るまで、食味の数々を愉快に綴った名随筆。
  • 十六夜荘ノート
    4.1
    英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか? 遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになり――。誰も信じず仕事だけをしてきた雄哉に託された「想い」とは――? 文庫化を望む声多数! 古内一絵の人気作が登場!
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像
    4.1
    国家の財政を担い、「官庁の中の官庁」「最強官庁」と称される財務省(旧大蔵省)。55年体制下では自民党と蜜月関係を築いた。だが90年代以降、政治改革などの統治構造改革が、首相の指導力強化と大蔵省「解体」を推進。2001年には財務省へ衣替えした。小泉政権、民主党政権、第二次安倍政権と政治が変動するなか、経済停滞と少子高齢化により財政赤字の拡大は続く。20年以上の取材をもとに「最強官庁」の実態を追う。
  • 歌舞伎町ダムド
    4.1
    日本中を震撼させた「歌舞伎町封鎖事件」から7年。伝説となった犯罪者〈ジウ〉に自らを重ねる新たな怪物〈ダムド〉が現れた。吹き荒れる殺戮の嵐、再び動き出す「新世界秩序」の陰謀、新宿署の東警部補に迫る危険……。謎の男と対峙するのは、アナーキーなダークヒーロー「歌舞伎町セブン」! 200万部超の大人気シリーズ〈ジウ〉サーガ第7弾! 『ジウ』『国境事変』『ハング』そして『歌舞伎町セブン』、すべての物語がここに繋がる――。
  • 欧州複合危機 苦悶するEU、揺れる世界
    4.1
    1993年に誕生し、単一通貨ユーロの導入などヨーロッパ統合への壮大な試行錯誤を続けてきたEU(欧州連合)。だが、たび重なるユーロ危機、大量の難民流入、続発するテロ事件、イギリスの離脱決定と、厳しい試練が続いている。なぜこのような危機に陥ったのか、EUは本当に崩壊するのか、その引き金は何か、日本や世界への影響は……。欧州が直面する複合的な危機の本質を解き明かし、世界の今後を占う。
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    4.1
    インターネットの普及以来、アカデミズムの中核を成してきた専門知が凋落する中で、集合知が注目を集めている。このネット上に出現した多数のアマチュアによる知の集積は、いかなる可能性をもち、社会をどのように変えようとしているのか。基礎情報学を中軸に据え、哲学からサイバネティクス、脳科学まで脱領域的に横断しつつ、二一世紀の知のあり方を問い、情報社会の近未来をダイナミックに展望する。
  • 外国語を学ぶための 言語学の考え方
    4.1
    誰もが近道や楽な方法を探そうとするが、結局は地道な努力しかないと思い知らされる外国語学習。だが、それでもコツは存在する。本書は、そのヒントとなる言語学の基礎知識を紹介。「語学には才能が必要」「現地に留学しなければ上達しない」「検定試験の点数が大事」「日本人は巻き舌が下手」といった間違った「語学の常識」に振りまわされず、楽しく勉強を続けるには。外国語学習法としての言語学入門。
  • 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄
    4.1
    1945年の敗戦後、マッカーサーを頂点にGHQの支配下に置かれた日本。当初占領政策は非軍事化・民主化を推進、平和主義を追求した日本国憲法が花開く。だが冷戦が深まる中、日本を「反共親米」にすべく、政策は経済復興に転換される。51年、朝鮮戦争の最中に結ばれたサンフランシスコ講和条約は日米安保条約とセットの締結となった。本書は、21世紀まで続く「戦後体制」が創られた日本占領7年間の全貌を描く。
  • 豊臣家の人々
    4.1
    殺生関白秀次、太閤様以上と囁かれた北ノ政所、桂離宮を造営した八条宮、大坂城とともに滅んだ淀殿母子など、ひとひらの幻影のような豊臣家の栄華のあとを、研ぎ澄まされた史眼と躍動する筆で現代によみがえらせ、司馬文学の魅力を満喫させる連作長篇。
  • 南方熊楠 日本人の可能性の極限
    4.1
    百科事典を丸ごと暗記、二十以上の言語を解した、キューバ独立戦争参戦といった虚実さまざまな伝説に彩られ、民俗学、生物学などに幅広く業績を残した南方熊楠(みなかた・くまぐす)。「てんぎゃん(天狗さん)」とあだ名された少年時代、大英博物館に通いつめた海外放浪期。神社合祀反対運動にかかわり、在野の粘菌研究者として昭和天皇に進講した晩年まで。「日本人の可能性の極限」を歩んだ生涯をたどり、その思想を解き明かす。
  • ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術
    4.1
    一九世紀ヨーロッパを代表する政治家、ビスマルクの業績は華々しい。一八七一年のドイツ帝国創建、三度にわたるドイツ統一戦争での勝利、欧州に同盟システムを構築した外交手腕、普通選挙や社会保険制度の導入――。しかし彼の評価は「英霊」から「ヒトラーの先駆者」まで揺れ動いてきた。「鉄血宰相」「誠実なる仲買人」「白色革命家」など数多の異名に彩られるドイツ帝国宰相、その等身大の姿と政治外交術の真髄に迫る。
  • 天下統一 信長と秀吉が成し遂げた「革命」
    4.1
    織田信長の上洛から二〇年、豊臣秀吉により天下は統一された。集権化や実力主義を推進した信長と秀吉の政策はまさに「革命」であり、他の戦国武将と一線を画していたのである。本書はさらに、足利と織田、そして織田と豊臣の各政権が併存したことを指摘しつつ、軍事革命にともなうスペイン・ポルトガルの東アジア進出といった世界史的視野からも戦国日本を捉え直す。旧来のイメージを大胆に覆し、「革命」の本質に迫る。
  • ヒラノ教授の論文必勝法 教科書が教えてくれない裏事情
    4.1
    合格する人は、「文章術以外」のテクニックを知っている! あの人気シリーズ「ヒラノ教授」が論文作法の王道から裏技までを大公開。著者、レフェリー、編集委員、編集長という四つの立場でジャーナルと関わってきたヒラノ教授が、厳しい審査に対して反論する技術、研究資金をやり繰りする方法、ジャーナル編集の舞台裏等々を明かす。グローバル競争が激化する今こそ、A級研究者だけが知る秘密のサバイバル術を伝授しよう。
  • 人質の朗読会
    4.1
    遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた――紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして……。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。今はもういない人たちの声、誰の中にもある「物語」をそっとすくい上げて、しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。
  • ニーチェ―ツァラトゥストラの謎
    4.1
    ある日「永劫回帰」の思想がニーチェを襲う。この着想をもとに一気呵成に書き上げられた『ツァラトゥストラはこう語った』は、二〇世紀の文学者・哲学者の多くを惹きつけ、現代思想に大きな影響を与えた。文学の伝統的手法を駆使しつつも、ときにそれを逆手にとり、文体の実験までも行うニーチェ。一見、用意周到な筋立てや人物造形とは無縁と思われるこの物語は何を目論んでいるのか。稀代の奇書に迫る。
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦
    4.1
    一九七二年九月、戦後三〇年近く対立していた中国と国交が結ばれた。この国交正常化交渉は、その後も続く歴史認識、戦争賠償、台湾問題、尖閣諸島など日中関係の論点が凝縮されていた。また冷戦下、アメリカとの関係維持に腐心しながら試みられたものだった。本書は、外交記録、インタビューなどからこの過程を掘り起こし、政治のリーダーシップに着目し、政治家、官僚たちの動きを精緻に追う。現代史を探る意欲作。
  • 知的文章とプレゼンテーション 日本語の場合、英語の場合
    4.1
    40年にわたって論文執筆と審査に携わってきたがん研究者が、卒業論文から学会発表まで、説得力あるドキュメントと惹きつけるプレゼンテーションの極意を指南する。文系、理系を問わず、知的三原則"簡潔・明解・論理的"がその秘訣。三原則にしたがって論文、申請書をどう書くかを具体的に説明する。グローバル化が進む21世紀、英語とのつきあい方、学び方についても実践的に説く。待望の知的表現力講座開講。
  • ソクラテスの弁明 ほか
    4.1
    前399年、ソクラテスの刑死事件からプラトンの著作活動が始まった。 師を弁明するための真剣な営為、それが哲学誕生の歴史的瞬間だった。 対話篇の迫力を香気ゆたかに伝える名訳。
  • 女子と就活 20代からの「就・妊・婚」講座
    4.1
    その「憧れ就職」「専業主婦ニート願望」にイエローカードです! 「手遅れになる前に、教えてほしかった……」という後悔を、女子学生や若手社会人から根絶すべく、「婚活・妊活の提唱者」である白河氏と「就活の神様」の常見氏の最強コラボ講義が実現。就活に苦戦する女子も、将来が見えない社会人女子も、不安の正体がわかれば怖くない! 短期的な就活戦術から中長期の出産・育児まで。「結婚では食べていけない時代」の、産める仕事生活マニュアル。
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独
    4.1
    新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった-。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。
  • 国会議員の仕事 職業としての政治
    4.1
    国会議員の仕事とはどのようなものだろうか。言うまでもなく、国会議員は私たち有権者が選挙で投票することによって存在している。では、私たちは彼らに何を期待し、何を託しているのだろうか。そこに齟齬はないか。本書は二人の現役国会議員が、その来歴と行動を具体的に記すことにより、政治家の仕事とは何か、そして、混迷する現代日本を変えていくために何が必要かを明らかにする試みである。
  • 経済成長は不可能なのか 少子化と財政難を克服する条件
    4.1
    日本社会全体に閉塞感が漂っている。経済は停滞し、年金や医療など社会保障問題も深刻化するばかりだ。大震災の復興財源もおぼつかない。経済成長こそが復活の鍵であるが、日本はもうそれを望むことはできないのだろうか。本書は、日本経済を取り巻く四つの難問-デフレ、財政難、円高、少子化-を社会学の目で整理し、どのような方法でそれらを解決し、経済を成長させることができるかを提示するものである。
  • 物語 エルサレムの歴史 旧約聖書以前からパレスチナ和平まで
    4.1
    一九八〇年代、イスラエルが占領地でユダヤ人入植を推進した際、パレスチナ人がオスマン・トルコの土地台帳を根拠に所有権を主張すると、入植者たちは旧約聖書に記された神とアブラハムの契約を示したという-。ダビデら古代の王の事績から、イスラム教徒の統治と十字軍、二回の大戦とイスラエル建国、そして戦争と和平交渉が繰り返される現代まで、聖書の記述が息づく「聖地」の複雑な来歴を、エピソード豊かに綴る。
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか
    4.1
    戦後教育において「平等」はどのように考えられてきたのだろうか。本書が注目するのは、義務教育費の配分と日本的な平等主義のプロセスである。そのきわめて特異な背景には、戦前からの地方財政の逼迫と戦後の人口動態、アメリカから流入した「新教育」思想とが複雑に絡まり合っていた。セーフティネットとしての役割を維持してきたこの「戦後レジーム」がなぜ崩壊しつつあるのか、その原点を探る。
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉
    4.1
    音楽の聴き方は、誰に言われるまでもなく全く自由だ。しかし、誰かからの影響や何らかの傾向なしに聴くこともまた不可能である。それならば、自分はどんな聴き方をしているのかについて自覚的になってみようというのが、本書の狙いである。聴き方の「型」を知り、自分の感じたことを言葉にしてみるだけで、どれほど世界が広がって見えることか。規則なき規則を考えるためにはどうすればよいかの道筋を示す。
  • 伊藤博文 知の政治家
    4.1
    幕末維新期、若くして英国に留学、西洋文明の洗礼を受けた伊藤博文。明治維新後は、憲法を制定し、議会を開設、初代総理大臣として近代日本の骨格を創り上げた。だがその評価は、哲学なき政略家、思想なき現実主義者、また韓国併合の推進者とされ、極めて低い。しかし事実は違う。本書は、「文明」「立憲国家」「国民政治」の三つの視角から、丹念に生涯を辿り、伊藤の隠された思想・国家構想を明らかにする。

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