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電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 一五七五年、織田信長・徳川家康の連合軍と、武田勝頼率いる軍勢が激突した長篠合戦。足軽鉄砲隊の一斉射撃という信長の新戦法により、武田の誇る騎馬隊が潰滅した、画期的な戦いとして知られる。小説や映像で繰り返し描かれるこの鮮烈なイメージは、どのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風ほか、様々な関連史料を検証し、虚飾に彩られた決戦の実像に迫る。最新研究をふまえて提示する、長篠合戦論の総決算。
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Posted by ブクログ
武田・織田・徳川それぞれの合戦に至る経緯が整理され、それを踏まえた当日の経過や以後の影響が詳細に検討されている。旧来の合戦像を更新する内容であると共に、江戸時代における合戦をめぐる歴史観の変遷過程も興味深かった。
☆☆☆2025年9月☆☆☆ 長篠合戦は歴史上もっとも有名な戦いの一つだろう。天才・織田信長が鉄砲という新兵器を駆使して武田軍を破った、戦術の変換というイメージとして語られることが多い。鉄砲隊を三段構えとして、充填に時間がかかる鉄砲の弱点を補ったという話はあまりにも有名だ。 しかし、これらの伝説は史...続きを読む実なのか?史実ではない伝説なのか?もし伝説だとしたら、どのようにして生まれたのか? まずこの戦争の起きた原因から始まり、同時代人の証言を中心に長篠合戦の真実の姿を浮き彫りにしていく。それによれば、鉄砲の使用というよりも「柵」の活用がもっとも強調されていることが分かる。 同時代に人にとって鉄砲の活用は「当たり前」のことだったから、特筆はされなかったのかもしれない。 ほかに興味深かったのは この合戦の前に、信長に対して援軍を乞う徳川家康が「援軍をよこさないのであれば、武田氏と和睦する」と信長を脅したという逸話。家康ならやり兼ねないと思う。実際、本願寺という強敵と向き合っている信長にとって、ここでの家康の離脱は致命傷となっていただろう。 このような外交上の駆け引きにも触れられているところが本書の面白いところだ。
鉄砲三千丁三段撃ちの浮説は何故生まれたのか。それは家康が天下を取ったから。つまりは歴史とは勝者の歴史だから。同時代の人が書いた資料の中には三段撃ちも、勝頼の騎馬隊突撃なんてのもないらしい。著者は勝頼の敗因は、会戦を挑むはずだったのに、三重に組まれた馬防柵に行く手を阻まれ、まるで城攻めしているかのよう...続きを読むな力攻めをするしかなかったから、としている。
長篠合戦について、よく知られている織田・徳川連合軍の鉄砲による一斉射撃への疑問から、さまざまな資料をもとに研究を行った成果である。 本書はれっきとした研究書であるが、読み物としても面白い。
多角的な角度から長篠の合戦を見直し、織田信長が大量の鉄砲を使って革新的な戦術を編み出したという従来の見方がどのように作られてきたかを検証。 当然歴史的事実というものはすべてがクリアになるものではないが、長篠の合戦の真相はおそらくこうだったんだろうという想像はできるようになった。 結局長篠の合戦のキー...続きを読むポイントになったのは武田勝頼が織田徳川軍の兵力を過小評価したがゆえに長篠城を離れて近づいて行ったこと、酒井忠次に背後の付城群を奇襲させて成功したことにあったのかなと。そこで勝頼が速やかに撤退していれば損失を抑えられただろうが、織田徳川軍に対する過小評価を前提とすればその段階で一か八かの決戦に出てしまうのは致し方ない。そして不利な戦場で兵力差がある中で惨敗するのも当然。 勝頼の油断を的確に突いた織田徳川軍(付城の奇襲攻撃が忠次の発案か、家康の発案かははっきりしない。)の戦術が功を奏したと結論づけたい。
<目次> 第1章 織田信長の革新的戦術~これまでの長篠合戦 第2章 両軍激突~大将たちの長篠合戦 第3章 鉄砲戦の幻影~つくられる長篠合戦 第4章 彩られるいくさの記憶~ひろまる長篠合戦 終章 刷新された長篠合戦像 <内容> 東大史料編纂所で長篠合戦期の史料を専門にまとめている著者の。...続きを読む長篠合戦の詳細な分析。近年言われているように、長篠合戦での鉄砲の三段撃ちはなかった、とされる。この本はさらに深めて、信長は周到な準備をしてこの闘いに挑んだわけではない。家康たちも信長との同盟が危うくなっていた状況下で、武田軍がただただ決戦をしたわけでもないことを、周到に説明している。また現在の「長篠合戦」のイメージ(信長の鉄砲による革新的戦術と旧態依然した武田軍)とは違うことも証明している。またそういうイメージはどのように我々に植え付けられたかも、「長篠合戦図屏風」などを用いて説明してくれる。やや専門性の高い本だが、読みにくいわけではない。
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長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像
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