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天正3年の長篠合戦で朽ちた無名の兵(鳥居強右衛門/とりい・すねえもん)は、なぜ数多の文献に名を残し、旗にその姿が描かれたのか。歴史叙述における強右衛門の実像と虚像のズレから、歴史とは何かを考える試み。
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Posted by ブクログ
長篠の戦いにおける1エピソードによって後世にまで残った伝承に関する詳細な検討を行った一冊。その象徴とも言える旗指物の分析や、伝説の変遷過程を詳述する内容が、歴史研究の醍醐味の一つという趣で面白かった。
忠孝の鏡のように言われた鳥居強右衛門が実際のところ何をどうした人だったのか考証する前半。旗指物というメディアを考える中盤。後半は、飛脚が取り立てられ、故事を残すべく旗指物となり、旗指物の鳥居強右衛門伝説が錦絵になり、錦絵が歌舞伎になり幕末から明治に大衆化し水曜どうでしょうにやってくるまで。 歴史研究...続きを読むの教科書みたいな本。楽しかった。
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