フォークナーの作品一覧
「フォークナー」の「熊――フォークナー短編集」「八月の光」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「フォークナー」の「熊――フォークナー短編集」「八月の光」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ディープサウスの田舎町を舞台に繰り広げられる、壮絶な物語。一つの事件を様々な登場人物の視点から語ることで、当時のアメリカ南部の宗教的価値観や人種問題を克明に描き出している。
内的独白や葛藤が究極の密度で描写されるため、多少読みにくい部分はあるものの、翻訳がとてもよかった。
この物語のテーマをあえて一言で表すならば、「孤独」。登場人物の誰しもが何らかの孤独・内面的葛藤を抱えており、それら「社会のはぐれ者」の視点から当時の南部の因習を語ることで、作品の深度を高めている。
リーナとバイロンがテネシー州に一緒に行くラストは、希望的に描かれていると感じた。バイロンの内的独白『人間ってたいていのことには耐
Posted by ブクログ
1976年の夏、ぼくはフォークナーを三冊、続けざまに読んでいる。『サンクチュアリ』(1931年作品)『八月の光』(1932年作品)『フォークナー短編集』(1950年)。『響きと怒り』(1929年)も読んでいる気がするのだが、記録にはないので間違いかもしれない。いずれにせよ当時、ぐいぐい引っ張られたことを覚えているのと、何とも暴力的な世界だとの印象が残る。強烈な暴力の印象が。『サンクチュアリ』は二十歳のぼくにとってとても衝撃的で、しかも魅力的であった。それから半世紀近くが過ぎようとしている今、フォークナーの『野生の棕櫚』(1939年)が文庫化され目の前に出現。フォークナー作品で受けた衝撃は覚え
Posted by ブクログ
フォークナーの野生の棕櫚。ゴダールの『気狂いピエロ』だったと思うけど、映画の中でJ・P・ベルモンドが読んでいた小説。『Perfect days』で役所広司も読んでいた。野生の棕櫚とオールドマンが交互に配置されることでフォークナー自身が言うように独特の効果を発揮している。単に野生の棕櫚だけだったら普通の?恋愛小説になっているところに、全く関係のないオールドマンを重ねることで、野生の棕櫚にそもそも飽きが来ないようになっているし、関係性を探るような深読みも誘う。
生き急いでいるように感じる2人を描く野生の棕櫚と、どこか達観した2人を描くオールドマンの関係がなおさら、野生の棕櫚の2人の痛々しいまでの関