ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
経済発展めざましい中国。だが、農村部は置き去りにされていないか。出稼ぎの「農民工」は虐げられ、「留守児童」は劣悪な環境に置かれていないか。1990年代末から中国各地の農村でフィールドワークを重ねてきた著者が実態に迫る。家族の発展を何より重視する精神、末端幹部たちの奮闘、裏金が飛び交う村の選挙、習近平政権が進める都市化の本当の意味とは。現場で農民と酒を酌み交わし、初めて見えてくる実像。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
封建制は遥か昔に終わった中国社会における民衆の行動は、日本の未来を考える上でも参考になる。場を離れた個人が多数となる中でエゴセントリックな社会認識が日本人にも広がるのではないか?
中国の農村と聞いて想像できるのが茶畑のみだったので、厚く肉付けしたく手に取りました。調査対象の農村がいくつかあり、数年に渡って調査しているので、調査内容を地域別に比較したり、同一の調査対象者であっても立場の変化によって、言動に変化が見られることを調査できているのことが興味深かった。 しばし外国から...続きを読むの調査団は農村に入り込めず失敗をする、という失敗談のまとめがありましたが、その話こそが最も生々しくヒリヒリとした緊迫感も伝わってきて、入り込めること以上に、高い調査成果のように思う。
農民工といえば、中国内部の格差を背景に搾取される存在、というイメージだったが、実は中国特有の家族主義に基づく、したたかな経済的上昇戦略の文脈で捉えられ得ることを知った。老親・子・孫が田畠・現金収入・教育の最適解を求めて拠点を構え行動する様は逞しい。また、その主な舞台となる県域社会を、大都市への人口集...続きを読む中の防波堤にしようとする習近平政権の政策にもなるほどと思わされた。長年のフィールドワークに裏付けられたそれらの分析を飾らぬ筆致で楽しく読めるものに仕立てた著者に脱帽である。
中国農村の姿
著者の豊富なフィールドワークを基にして中国農村の姿を描き出した好著である。一見似ているようで根本の考え方が異なる中国農村と日本農村に違い、共産党独裁下における中国社会の安定性、習近平政権の都市化計画など、初めて知り、なおかつ納得できるような解説が目白押しである。トピックス エピソードを並べることによ...続きを読むって全体を推測させる という著者の手法にも納得感がある。 そして最後の「麦の花」の話で全体を締めくくる読み物としての技法にも非凡なものがある。
中国の知られざる姿。急激な経済成長により都市部の大発展。日本から目立つのは沿岸の大都市部だがそれは人口14万人のうちの4万人。残りの多数の農村の実態を長年のフィールドワークから明かす。あくまで外国人から見た姿であり、また当局の協力を得られずまた文化的な側面からも、全てが描かれるわけではないが、大事な...続きを読む一面を捉えているように思う。また民主主義が、日本も含め欧米以外の諸国でどのように変化し利用されていくか、大変に興味深い内容であった。 高度経済成長期の日本の都市部と農村に似てはいるが、また違った中国のリアルな姿を描いた良作。
1990年代から2005年ぐらいまでの、中国農村の仕組みを、主に著者のフィールドワークをもとに描き出している。 大変に面白かった。 記述しきれなかった部分も多々あるだろうけど、なんとなく中国の農村の方が民主的な自治を実現しているような気すらしてしまう。 冒頭の中国という国の統治構造について述べられて...続きを読むいる部分も興味深かった。文革時代の枠組みが継続しているという点で。 語り口も、過度に学問的でもジャーナリスティックにもならずに、人間というものに焦点が当てられていて、良い。
現代の中国農村の実態に迫った新書。同じ東アジアとはいえ、日本の農村とは社会の仕組みがかなり違うことがよく分かる。調査に失敗した時の話も詳しく書かれており、その原因を反省することを通じて、中国社会の特色が浮き彫りにされるのも面白い。
封建制と民主主義は相性が良く、中国の農村は早くから封建制度から解放されており、階層化されていないので、民主主義が根付くことは難しいとの指摘には驚いた。 華流ドラマには、盛んに「〇〇家」が出てくるが、中国のそれは家族主義、血縁主義であり、日本の家制度とは異なるらしい。日本の家制度の原点は中国にあると考...続きを読むえていたので、この点についても驚いた。なるほど九族族滅などを発想するわけだ。 研究調査のわき道からの視点で書かれた本のようだが、本筋から外れたところでいろいろ学ぶところのある本だった。
中国は都市と農村の2つの社会があると言われる。かつてある日本企業の中国駐在員が中国は農村という植民地を抱える国だ、という発言を聞いたことがある。自分は中国に住んでいた経験があるにもかかわらず農村に足を踏み入れることはなかったが、本書を通じて実態の一端に触れることができた。 中国農村は企業や役所といっ...続きを読むた中間団体が希薄な地帯であり、血統による家族主義に基づいている。日本の村のような地縁に基づく社会とはまた違っている。重視されるのは血縁に由来する人的なつながりである。筆者は、大学などで縁者をリクルートして農村に滞在し調査を行っている。 本書はこうした農村を舞台に農民工の出稼ぎや一人っ子政策といった共産党の施策に果たした基層幹部の役割などを丁寧に論じている。村単位では競争的な選挙が実施されているのは、基層幹部を固定化させたくない統治者側の都合というのは興味深かった。 ただ、近年、特に習近平体制以後は、外国人研究者が中国の農村に分け入って調査することが難しくなっているとのこと。
すごく勉強になった。 ・中国は封建制が遥か昔に終わっており、土地の流動性が高く(=地縁的結合が弱い)家族主義が強い →中間集団となりうるコミュニティがなく、個人が集団を代表する代議制の選挙は合わない ・農村の発展は公の精神を持ったデキる幹部農民に依存してきたのに、選挙導入後は落選し今やヤクザ者タイプ...続きを読むが村を仕切っている などなど大変興味深かった。 全体的に面白かったが、社会学の理論の部分がサラッとしすぎな点は物足りない。 费孝通の差序格局をきちんと勉強したい。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル
新刊情報をお知らせします。
田原史起
フォロー機能について
「中公新書」の最新刊一覧へ
「社会・政治」無料一覧へ
「社会・政治」ランキングの一覧へ
中国農村曼陀羅 円環する郷土と暮らし
「田原史起」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル ページトップヘ