作品一覧
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-林芙美子の恋愛小説二本を収録。「晩菊」50才を過ぎたきん。若いころは神楽坂で美貌の芸者で絵葉書にもなったことがある。今でも老いは感じさせず男に会うときは風呂へ入り、念入りに化粧をする。久し振りに訪れた男との対面はまさに真剣勝負だった。いくつになっても男から惚れられたいという女性心理の描写は秀逸。映画化された作品。「或る女」ある年の夏、軽井沢の別荘でたか子は10歳も若い男と浮気をする。高校生と中学生の息子があったが猛烈な恋であった。しかし男から一方的な別れを告げられる。失意に泣き暮らすたか子であったが、夫には全て知られていた。やがて夫からも離婚を切り出されるが子供と貯金通帳だけは離さぬと誓うたか子であった。テレビドラマ化作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
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3.5貧乏のひもじさもわびしさも蹴散らす林芙美子の生の文学! 物故作家の名作を現代に通じるテーマでくくり、再編成するシリーズの第一弾。 自らの貧乏生活を題材にした小説『放浪記』でベストセラー作家となった林芙美子の名作選。「貧乏」をテーマに、初期作品「風琴と魚の町」「清貧の書」「耳輪のついた馬」、山田五十鈴、三船敏郎主演の映画『下町』の原作、などを収録。「貧乏とは何か」を問う。 行商人の子として九州各地を転々としてきた著者が、母と養父とともに広島県の尾道に辿りつき、そこで暮らし始めたときの体験を綴った処女短編「風琴と魚の町」をはじめとする初期短編五編、戦後の代表作「晩菊」、戦争にうちのめされた市井の人々の姿を描いた短編四編、ベストセラー『放浪記』の原型ともいわれる詩十編を収録。
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-1巻1,100円 (税込)日中戦争で数度にわたって従軍した林芙美子。その初随行が、一九三八年、蒋介石率いる中国軍を追討するための漢口攻略だった。女性らしい温かな視点で、陸軍第六師団の兵士たちの姿を綴った本書は、代表作『放浪記』につぐ大ベストセラーとなる。満州ルポ「凍れる大地」を併録。
掲載誌
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
本を読んでいると、作家や作品への言及が在る場合が多々見受けられる。そういう記述を読んで、作品に関心を覚えて読んでみるという場合も在るように思う。
他作品で言及が在った樺太への紀行が収録されていると知り、入手して読んでみた文庫であった。なかなかに興味深い一冊であった。
1930年の台湾、満州、1931年から1932年の欧州、1934年の樺太、1936年の北京と様々な形で発表された紀行が収められている。瑞々しい感性や自由を愛する気概を持った女性が奔放に何処へでも出掛けて行くという様子、その中での思索というような事柄が綴られた本書である。
表紙にトランクを沢山抱えた女性のイラストが在る。これは欧州を -
Posted by ブクログ
去年の12月にラジオで偶然、作家の林芙美子さんの亡くなる4日前に放送された肉声を聴きました。
昭和26年に放送された若い女性からの様々な人生に関する質問に林さんが答えていく内容です。
車の運転中でしかも音質もそんなに良くなかったので内容はきちんと聞き取れていなかったのですが、その語り口はとても優しくかつとても力強いものでした。
聴いたラジオが非常に頭に残ったので、林さんの代表作「放浪記」を軽い気持ちで読み始めたのですが、、読むにはなかなかな覚悟の必要な内容でした汗
苦境から作家で成功するに至ったサクセスストーリー的な単純なものを想像していたのですが、一つ一つの文章表現を理解するのに時間はかか -
Posted by ブクログ
まだ林芙美子をよく知らない。
NHK「100分de名著『放浪記』」の回で林芙美子の文章の魅力に目覚めた。
上記番組で指南役を務めた、作家の柚木麻子さんが、とっても新しいんです、今こそ読んでほしいと言っていた意味がよく分かりました。
この本は、その林芙美子の若き日の紀行文を収めたもの。
1930年から1936年の作品。
「放浪」がいよいよ海外へ舞台を移した。
令和の今だって、女一人で海外旅行なんて怖くてできやしない。
ましてやこの時代、女ができることは非常に狭い範囲に限られている。
そこへ一人で旅立つ芙美子に、すっかり魅了されてしまった。
旅の目的があったりしたようだが、それは書かれていな