林芙美子の作品一覧

「林芙美子」の「浮雲」「亀さん」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 清貧の書

    清貧の書

    小説・文芸

    -
    1巻110円 (税込)
    男運の悪い主人公が三人目の夫小松与一と結婚するが生活は困窮していた。売れない画家の与一は収入が無いので貧乏な毎日。ペンキ屋の日雇いもするが仲間と喧嘩してケガしてしまう……「清貧の書」他に「幸福の彼方」「婚期を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • トランク 林芙美子大陸小説集

    トランク 林芙美子大陸小説集

    小説・文芸

    4.0
    1巻990円 (税込)
    シベリア鉄道での亡命旅行「トランク」、満洲で芸者をしていた女性の一人語り「幕切れ」。旅を愛した林芙美子は、自身の訪れた国々を積極的に小説に描いた。庶民目線を貫いたその筆は、戦前の日本人が海の向こうの〈大陸〉に抱いた希望と憧れ、そして敗戦で負った傷跡を克明に写し取っている。絶筆となった「漣波」ほか欧州、ロシア、満洲を描いた小説七篇と、川端康成が単行本『漣波』に寄せた「あとがき」を収録。〈解説〉今川英子
  • 掌の読書会 柚木麻子と読む 林芙美子

    掌の読書会 柚木麻子と読む 林芙美子

    小説・文芸

    4.5
    1巻990円 (税込)
    私はこの「ふてぶてしさ」に何度も元気づけられてきた――筋金入りの「おフミさん」ファンを自認する作家・柚木麻子が、数多く残された短編から12編をセレクト。フレッシュなガイドともに、林芙美子が描く女たちの魅力を紹介する。〈解説〉今川英子
  • 放浪記 分冊版 1
    完結

    放浪記 分冊版

    少女・女性マンガ

    1.0
    全4巻220円 (税込)
    貧しい暮らしの中でも愛する詩と文学の道をひたむきに追い求めたひとりの女性。夢を追う仲間たち、そして運命の男たちと生き抜いた彼女の激動の人生とは…? 林芙美子の名作を高橋由佳利が鮮やかに描き出す。 ※この作品はすでに配信している『放浪記』を4話に分冊したものになります。
  • 放浪記
    完結

    放浪記

    少女・女性マンガ

    -
    全1巻836円 (税込)
    貧しい暮らしの中でも愛する詩と文学の道をひたむきに追い求めたひとりの女性。夢を追う仲間たち、そして運命の男たちと生き抜いた彼女の激動の人生とは…? 林芙美子の名作を高橋由佳利が鮮やかに描き出す。
  • 愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

    愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

    小説・文芸

    3.7
    1巻990円 (税込)
    どこへ行くにも、棺桶の仕度なンかいらないじゃないのと、無鉄砲な旅ばかりしていました――一九三〇年、総督府に招かれた台湾から、『放浪記』の印税をつぎ込んだシベリア鉄道でのパリ行き、一番好きな街北京など。肩の張らない三等列車の一人旅を最上とする著者の一九三〇年代前半の紀行を集成する。文庫オリジナル 〈解説〉川本三郎
  • 恋愛の微醺

    恋愛の微醺

    小説・文芸

    -
    1巻110円 (税込)
    早苗は未だ結婚したことはない29歳。父を亡くし裕福な一人暮らし。恋愛経験も無いがどうしても赤ん坊を育ててみたく産院を回っているのであった。そして巡り合ったのはとてもかわいい女の赤ん坊。是非貰い受けたいと熱望するのであったが……。「風媒」他に「暗い花」「恋愛の微醺」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 林芙美子 童話集 一

    林芙美子 童話集 一

    小説・文芸

    -
    1巻110円 (税込)
    林芙美子の童話集。動物や虫が登場する夢のあるお話。第一巻は「狐物語」「蛙」「亀さん」の三本収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 放浪記

    放浪記

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,265円 (税込)
    私は宿命的に放浪者である――若き日の日記をもとに記された林芙美子(1903―51)の生涯の代表作.舞台は第一次大戦後の東京.地方出身者の「私」は,震災を経て変わりゆく都市の底辺で,貧窮にあえぎ,職を転々としながらも,逆境にめげることなくひたすらに文学に向かってまっすぐに生きる.全三部を収録.(解説=今川英子)

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  • 晩菊

    晩菊

    小説・文芸

    -
    1巻110円 (税込)
    林芙美子の恋愛小説二本を収録。「晩菊」50才を過ぎたきん。若いころは神楽坂で美貌の芸者で絵葉書にもなったことがある。今でも老いは感じさせず男に会うときは風呂へ入り、念入りに化粧をする。久し振りに訪れた男との対面はまさに真剣勝負だった。いくつになっても男から惚れられたいという女性心理の描写は秀逸。映画化された作品。「或る女」ある年の夏、軽井沢の別荘でたか子は10歳も若い男と浮気をする。高校生と中学生の息子があったが猛烈な恋であった。しかし男から一方的な別れを告げられる。失意に泣き暮らすたか子であったが、夫には全て知られていた。やがて夫からも離婚を切り出されるが子供と貯金通帳だけは離さぬと誓うたか子であった。テレビドラマ化作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 浮雲

    浮雲

    小説・文芸

    4.3
    1巻704円 (税込)
    第二次大戦下、義弟との不倫に疲れ仏印に渡ったゆき子は、農林研究所員富岡と出会う。様々な出来事を乗り越え、二人は屋久島へと辿り着いた――。終戦後、激動の日本で漂うように恋をした、男と女の物語。 (C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved ※本作品は電子書籍化にあたり、紙本に含まれていた次の要素を削除しております。 <解説 板垣 直子>
  • 新版 放浪記

    新版 放浪記

    小説・文芸

    -
    1巻220円 (税込)
    「私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない……」林芙美子の自伝的小説。三部構成。全国をあちこち放浪したり、職業も転々とする。日本全体が貧しく、困難な時代。今日食べるものにも困っていた芙美子。それでもユーモアを忘れず逞しく生きていく姿に感動。何度も映画化、舞台化された作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 摩周湖紀行 ――北海道の旅より――

    摩周湖紀行 ――北海道の旅より――

    小説・文芸

    -
    1巻440円 (税込)
    林 芙美子による作品。
  • めし

    めし

    小説・文芸

    4.0
    1巻385円 (税込)
    男が絶対の位置に坐っている世間の、そのような男からは離れた女、すなわち、ひたすら愛情だけに生きる女が、その愛情を失うことになったときの、まるで救いようのない虚無感、生活と心の拠りどころを失った女の哀しい運命を、永遠のテーマにした林芙美子の佳篇。昭和二十六年、朝日新聞に連載中、突然の作者の死により絶筆となったが、後に映画化されて、絶大な成功を収めている。
  • 貧乏こんちくしょう 林芙美子作品集

    貧乏こんちくしょう 林芙美子作品集

    小説・文芸

    3.5
    1巻702円 (税込)
    貧乏のひもじさもわびしさも蹴散らす林芙美子の生の文学! 物故作家の名作を現代に通じるテーマでくくり、再編成するシリーズの第一弾。 自らの貧乏生活を題材にした小説『放浪記』でベストセラー作家となった林芙美子の名作選。「貧乏」をテーマに、初期作品「風琴と魚の町」「清貧の書」「耳輪のついた馬」、山田五十鈴、三船敏郎主演の映画『下町』の原作、などを収録。「貧乏とは何か」を問う。 行商人の子として九州各地を転々としてきた著者が、母と養父とともに広島県の尾道に辿りつき、そこで暮らし始めたときの体験を綴った処女短編「風琴と魚の町」をはじめとする初期短編五編、戦後の代表作「晩菊」、戦争にうちのめされた市井の人々の姿を描いた短編四編、ベストセラー『放浪記』の原型ともいわれる詩十編を収録。

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  • 戦線

    戦線

    小説・文芸

    -
    1巻1,100円 (税込)
    日中戦争で数度にわたって従軍した林芙美子。その初随行が、一九三八年、蒋介石率いる中国軍を追討するための漢口攻略だった。女性らしい温かな視点で、陸軍第六師団の兵士たちの姿を綴った本書は、代表作『放浪記』につぐ大ベストセラーとなる。満州ルポ「凍れる大地」を併録。
  • 放浪記

    放浪記

    小説・文芸

    3.6
    1巻869円 (税込)
    第一次大戦後の困難な時代を背景に、一人の若い女性が飢えと貧困にあえぎ、下女、女中、カフェーの女給と職を転々としながらも、向上心を失うことなく強く生きる姿を描く。大正11年から5年間、日記ふうに書きとめた雑記帳をもとにまとめた著者の若き日の自叙伝。本書には、昭和5年に刊行された『放浪記』『続放浪記』、敗戦後に発表された『放浪記第三部』を併せて収めた。
  • 恋愛の微醺
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    恋愛の微醺

    小説・文芸

    -
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  • 落合町山川記
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    落合町山川記

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  • 崩浪亭主人
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    崩浪亭主人

    小説・文芸

    -
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  • 文学的自叙伝
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    文学的自叙伝

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  • 風琴と魚の町
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    風琴と魚の町

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  • 濡れた葦
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    濡れた葦

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  • 田舎がえり
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    田舎がえり

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  • 朝御飯
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    朝御飯

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  • 着物雑考
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    着物雑考

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  • 貸家探し
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  • 生活
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    生活

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  • 清貧の書
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  • 新生の門
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    新生の門

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  • 就職
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    就職

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  • 私の先生
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    私の先生

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  • 玄関の手帖
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    玄関の手帖

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  • 魚の序文
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    魚の序文

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  • 泣虫小僧
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    泣虫小僧

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  • 河沙魚
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    河沙魚

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  • 屋久島紀行
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    屋久島紀行

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  • 摩周湖紀行 ――北海道の旅より――
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    摩周湖紀行

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  • 放浪記(初出)
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    放浪記(初出)

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  • 梟の大旅行
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    梟の大旅行

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  • 晩菊
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    晩菊

    小説・文芸

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  • 瀑布
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    瀑布

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  • 或る女
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    或る女

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  • 蒼馬を見たり
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    蒼馬を見たり

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  • 淪落
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    淪落

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  • 「リラ」の女達
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    「リラ」の女達

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  • 夜福
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    夜福

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  • 瑪瑙盤
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    瑪瑙盤

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  • ひらめの学校
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    ひらめの学校

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  • 鶴の笛
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    鶴の笛

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ユーザーレビュー

  • 浮雲

    Posted by ブクログ

    林芙美子は、『放浪記』と『魚と風琴の町』しか読んだことがなく、こんな長編小説が書けるんだ!と思った(とても失礼)
    戦時中に取り残されたような地上の楽園 仏印の美しい描写と、敗戦後の虚脱感漂う貧しい東京の描写の対比が良かった。
    逃避行先の小さな温泉街や、屋久島の姿も、生き生きと脳裏に浮かぶ。
    林芙美子は比喩表現が素晴らしいと改めて思った。
    読み終わった後はしばらく放心状態でした。

    0
    2026年10月10日
  • 浮雲

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4分の1まで読み進めた時点で、「不倫話としてあるあるな話だな」と話の展開にどん詰まり感を感じながらも、この先物語はどう転じていくのだろうと気になってしまい読み進めてしまった。

    富岡がクズすぎる。クズすぎると思えるくらい富岡の心情変化が丁寧に描かれていた。
    富岡と関係を持った女は誰一人として幸せにならず死を迎える。ただ、ゆき子が富岡と心中しなくてよかった。なぜ男は自分の世界を終わらせる方法を、女を殺すことで果たそうとするのだろう。女を己の死の道具にするのだろう。
    ぜひ富岡には、すべての女に死なれ置いていかれ、虚しさの中で生き長らえて老いていってもらいたいと思った。

    このクズさは、敗戦直後の虚脱感、喪失感という言葉で言い表せられるものなのだろうか?

    欲が発火しているみたいな一文がところどころに散りばめられていて、その緩急に心が抉られるような思いがした。



    「かうした荒れた旅館の一室で、秘密な女と逢つてゐる事よりも、家の茶の間で、しゆんしゆんと湯のたぎる音をきいてい邦子のそばで新聞に眼をとほしてゐる時の方が愉しいと思へた。何と云ふ事もなく、何故、ゆき子は仏印で死んでくれなかったのだらうと、怖ろしい事も考へるのだつた。
    すべて人間の心のなかには、どんな時にも、二つの祈願が同時に存在してゐて、一つはサタンに向ふと云ふ心理があるものだと、富岡は何かで読んだ記憶があつた。」

    「息苦しい厠に蹲踞み、富岡は、両の掌に、がくりと顔を埋めてい子供のやうに、をえつして哭いた。人間はいつたい何であらうか。何者であらうとしてゐるのだらうか・・・。色々な過程を経て、人間は、素気なく、此の世から消えて行く。一列に神の子であり、また一列に悪魔の仲間である。」

    0
    2026年03月18日
  • 浮雲

    Posted by ブクログ

    成瀬巳喜男監督の映画「浮雲」の原作。映画に強い感銘を受けて読み始めた経緯。終戦直後の細かな暮らしぶりの実態をもはや実体験し得ないなかでは、映画から先に入った方がイメージをつかみやすいかも。
    一方で、登場人物はもう映画の出演者しか思い浮かばない(高峰秀子、森雅之、岡田茉莉子、加東大介、山形勲、中北千枝子)。。原作のストーリーや台詞が映画でもそのままの形で多く取り入れられていているので映画の場面を思い出しながら読み進められた。
    原作でも富岡のクズ男っぷりが全開。結末部分は映画と異なっており、映画とはまた異なる余韻が残る。

    0
    2025年10月07日
  • 愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

    Posted by ブクログ

    本を読んでいると、作家や作品への言及が在る場合が多々見受けられる。そういう記述を読んで、作品に関心を覚えて読んでみるという場合も在るように思う。
    他作品で言及が在った樺太への紀行が収録されていると知り、入手して読んでみた文庫であった。なかなかに興味深い一冊であった。
    1930年の台湾、満州、1931年から1932年の欧州、1934年の樺太、1936年の北京と様々な形で発表された紀行が収められている。瑞々しい感性や自由を愛する気概を持った女性が奔放に何処へでも出掛けて行くという様子、その中での思索というような事柄が綴られた本書である。
    表紙にトランクを沢山抱えた女性のイラストが在る。これは欧州を目指した旅のイメージなのだと思う。作中、4つのトランクを持参した旨の描写が在った。(序に、4つ持つのではなく、凄く大きいのを1つにして、小物を入れる鞄を持つ程度の方が動き易かったかもしれないというような話しも在った。)そして本書は、文庫本として紀行関係の文章を集めて編んだということらしい。本書の下敷きになる単行本化何かが在るのでも無いようだ。そこは如何でも構わないと思う。多数の作品を精力的に発表し続けた著者の、伝わっている作品を択んで集めて本にするというのは、それ自体が意義深いことなのだとも思う。
    本書を手にしようとした契機となった樺太への紀行を最初に読み、以降は最初から順に読んだ。結局、様々な媒体に順次発表した文章が集められているので、余り順序を気にせずに読むことが出来る。一応の内容的纏まりとなっている中、例えば欧州を目指す旅に関する部分では、順次色々な所を通り抜けて目指したパリに到る時系列で文章が積上げられているので、その順を追う方が判り易い。が、そういうことでもないのであれば、眼に留まった順に読めば善いと思う。方々の雑誌のような媒体に発表された記事という形の文章を集めている訳である。実際、自身は本書を手にした切っ掛けの樺太紀行を最初に読み、以下順次読み進めて何ら支障は無かった訳である。
    少し驚かされるのは、1930年代前半、昭和の初めの方というような時期、こうした文章が公にされる媒体が色々と在ったことが示唆され、そういう場で活躍する著者のような人達が多く在ったということで、何か凄く「豊かな文化」というような様子を想うのだ。そして欧州辺りへ空路という現在の様子とは異なるが、シベリア鉄道を利用する旅、船旅がなかなかに充実しているようにも見えるということだ。欧州に限らず、台湾、中国大陸、樺太と、何となく思う以上に旅客輸送の色々な事柄が整備されていることに気付かされる。更に言えば、殊にシベリア鉄道での移動の場面等は、かなり時代を下っても雰囲気は変わらないであろうと思う場面が多々在った。そういう辺りに驚きながら本書を読み進めた。
    欧州旅行に関しては、下関から釜山へ船で渡り、朝鮮、満州を経てシベリア鉄道に入り、モスクワを経てポーランドやドイツを経由してフランスに着いているようだ。この時代、経路としては敦賀からウラジオストクへ渡る形も在ったらしいが、著者が択んだ経路もよく知られていたようだ。そしてこの経路での旅の感じが活き活きと伝わる文章なのだが、或いはなかなかに貴重であるようにも思った。
    樺太を訪ねる紀行で、当時の稚内の様子が描かれる。未だ屋蓋式防波堤(現在の北防波堤ドーム)が竣工する前の時期である。少し冴えない港町という風情が描かれている。樺太への連絡拠点として伸びている最中の感じだ。やがて辿り着く樺太だが、少し複雑な想いを抱かざるを得なかった場面も在ったようではあるものの、新興の街であった敷香に好感を抱くようになったようだ。凄く率直に、何にでも「素」の状態で向き合い、思ったことを綴っているという感じが好い。
    こういうく率直に、何にでも「素」の状態で向き合い、思ったことを綴っているという感じは本書の各篇に共通している。何やらロシア語が飛び交っているハルビンの様子から、パリやロンドン迄、何処でも一緒だ。欧州からの帰路、船が寄港したナポリに著者は立寄っている。その中で、ボンベイの遺跡見物よりも、生きているナポリの街を歩いてみたいとしている。結局、この辺りなのだと思う。動いて、辿り着いた場所で、そこに在るモノ、そこに暮らす人々を観たい、それらに触れたい、そして感じたことを綴って伝えたいというのが著者の「在り方」なのであろう。
    非常に愉しく、時間と空間を超え、1930年代の世界の旅を疑似体験出来るような内容の一冊だ。広く御薦めしたい。

    0
    2024年10月16日
  • 放浪記

    放浪記

    小説・文芸

    Posted by ブクログ

    去年の12月にラジオで偶然、作家の林芙美子さんの亡くなる4日前に放送された肉声を聴きました。
    昭和26年に放送された若い女性からの様々な人生に関する質問に林さんが答えていく内容です。
    車の運転中でしかも音質もそんなに良くなかったので内容はきちんと聞き取れていなかったのですが、その語り口はとても優しくかつとても力強いものでした。

    聴いたラジオが非常に頭に残ったので、林さんの代表作「放浪記」を軽い気持ちで読み始めたのですが、、読むにはなかなかな覚悟の必要な内容でした汗
    苦境から作家で成功するに至ったサクセスストーリー的な単純なものを想像していたのですが、一つ一つの文章表現を理解するのに時間はかかるし時系列も前後入れ替わっているなどしてなかなか読み進めるのに時間がかかりました苦笑
    流石に読み終えるのに2ヶ月もかかると途中でしんどくなってくるのですが、何かこう、腕を鷲掴みされながら目を見開いて間近で訴えかけられてくるような凄みが全ての頁に溢れていました。

    貧窮のどん底を這い回る日々の中、ある時はカフェのスタンドの陰で、ある時は台所のお櫃を机がわりに、ある時は下宿のささくれだった畳に腹ばいになりながら、書くことを決してやめなかったようです。その執念が随所から感じ取れます。

    まだまだ飲み込みきれていない部分も多々ありますが、表現することについて強烈な気づきを得た一冊でした。

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    2024年02月20日

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