講談社文庫作品一覧

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  • 小説十八史略(一)
    4.2
    1~6巻902~1,100円 (税込)
    夏に先だつ幾千年、中国中原に君臨した神々。時代は下り、やがて殷へ。暴君紂王を倒して次なる世界を開いたのは、周だった。その周も大動乱をへて、秦に統一される。――英雄は激動の時代に生まれる。大陸も狭しと濶歩したあまたの梟雄豪傑たち、そして美姫。その確執葛藤の織りなす人間模様を活写。<全6巻>
  • グリーン・レクイエム 新装版
    4.2
    幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女――明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人をのみ込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。表題作ほか、2編を収録。
  • 考える技術
    4.2
    経済激変のこれからは思考力格差の時代だ! 世界経済は急激に変化している。これまでの原則がまったく通じない新しい経済状況の中で、ビジネスマンに求められるもの――それが「考える技術」だ。論理思考を身につける具体的方法、アイデアの生み出し方、先見性を磨く術……。「思考力格差」の時代を生き抜くための、大前研一流・知的パワーアップ法を開陳。
  • 冷蔵庫より愛をこめて
    4.2
    ほほえみの背後に潜んだ血も凍る恐怖。絶妙のブラック・ユーモアで味つけされた奇妙な味の短編集――事業に失敗して病院に逃げこんだ男が退院してみると、妻はいきいきと働いていた。巨額の借金も返済したという。そんなとき、あの男とめぐり合った。あの男は妻の不貞を告げ、一緒に新商売をやろうと誘う。あの男の正体がやがてあばかれ……。ブラックユーモアで絶妙に味つけされた、才筆の掌篇秀作集。初期作品18篇を収録した処女短篇集。
  • 樹下の想い
    4.2
    秘めたる激情、大人の恋愛小説。花材職人と華道家元令嬢が20余年、思いやり求めあった究極の恋。恋の至極は「忍ぶ恋」――華道家元の娘・絹子を秘かに愛する、花材職人の平賀誠吉。想いは通じても、家元令嬢と出入りの職人という境遇の違いに阻まれ、結ばれぬまま別々の人生を歩むことに。躊躇(ためら)い、思いやり、じっと泡立つ激情を、永く胸に閉じ込めてきた男と女。心に刻みつけるような忍ぶ恋。あまりに切ない、大人の恋愛小説。
  • アナン、(上)
    4.2
    1~2巻764~806円 (税込)
    その少年は、「進化した人類」なのか。それとも……? 美しく、力強い奇跡の物語――東京に初雪が降った夜、高級料亭のゴミ置き場に、生まれたばかりの赤ん坊が捨てられていた。その子を発見したのは、流(ながれ)という名の記憶喪失のホームレスだった。拾われた赤ん坊は「アナン」と名付けられ、流と仲間たちによって育てられる。やがて、アナンの周囲で不思議な現象が次々と起こるようになる……。<上下巻>
  • Gift
    4.2
    消えた記憶と51億円……俺は一体誰なんだ!? ――病院で目覚めた由紀夫は、みずからの記憶を失っていた。どうやら彼は、消えた51億円の行方を掴んでいるらしく、周囲には、謎の女社長・奈緒美ら、怪しげな面々が……。奈緒美の考案で、頼まれたものは何でも運ぶ「届け屋」となった由紀夫。はたして彼は、失くした過去を取り戻せるか? ミステリータッチで描く、感動のストーリー。
  • 12歳までに身につけたい お金の基礎教育
    4.2
    ファミレス、CM、回転寿司……実例で学ぶ超経済入門――幸せな人生を送るため、健全な金銭感覚を身につけよう。ファミレス、回転寿司、フリーマーケット、スーパーなどでの実践例から、陥りやすいお金の罠と経済の仕組みを解き明かします。悪徳商法から身を守る方法、我が子がカツ上げに遭った時の対処法から、銀行・証券との付き合い方まで。親と子で学ぶ、超経済入門。
  • 美女たちの神話
    4.2
    美しい女性(ひと)が美しい人生を送るとは限らない。ヴィヴィアン・リー、イングリッド・バーグマン、マリリン・モンロー、グレイス・ケリー、シンプソン夫人、フランソワーズ・サガン、ココ・シャネル、エディット・ピアフなど、15人の美女たちの愛と哀しみに彩られた生のドラマを華麗な筆でつづる。
  • ハゲタカ 5 シンドローム(上)
    値引きあり
    4.2
    1~2巻754~770円 (税込)
    2009年、ハゲタカと呼ばれた世界的な企業買収者・鷲津政彦は、原子力発電所を建設する民営会社の株を買収に失敗。財・政・官がもつれあう、権力構造の複雑怪奇さを思い知る。その2年後。リベンジを賭け、総本山「首都電力」に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月。東北を未曾有の地震、津波、最悪の原発事故が襲う。
  • ビート・キッズ Beat Kids
    4.2
    1~2巻660円 (税込)
    「ドラムの響きは、俺の心の、花火やねん!」と、英二が叩く。七生が打つ。二人の大阪少年が、16ビートで笑って泣かせる! ――中学のブラスバンド部を舞台に炸裂する青春を、大阪弁のリズムに乗せて、涙と笑い、てんこ盛りで描いた、「パーカッション新喜劇」。講談社児童文学新人賞、野間児童文芸新人賞、椋鳩十児童文学賞……新人賞独占の傑作!
  • ハーレムの熱い日々
    4.2
    黒人スラム街にともに暮らし、黒人たちを撮り続けた、フォトジャーナリスト・吉田ルイ子――貧困・麻薬・売春・差別に象徴されるニューヨーク・ハーレムで、人間が人間であることを取り戻すことに目覚めた黒い肌の輝きを、女の感覚とカメラの冷徹な眼でヴィヴィッドに把えたルポルタージュ。
  • ダマシ×ダマシ SWINDLER
    値引きあり
    4.2
    偽りの時間でも、まちがいなく良い思い出なのだ。 結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい――。依頼を受けた小川令子は男が結婚詐欺の常習犯だと突き止めるが、事件は殺人に発展する。一方、小川の事務所の謎めいた所長・椙田は、ある大きな決断を。 ひとつの終わり、そして始まり。Xシリーズ完結! みんないろいろな、過去がある。
  • 九十八歳になった私
    4.2
    こんな作品は橋本治以外の誰にも書けない。 内田樹氏、欣喜! 人生百年時代に捧ぐ、橋本流・老後賛歌。 一体今日は、いつなんだろう? もうすぐ九十八だ。多分。ゆとり世代(もう五十だけど)の編集者に「戦後百一年」なんて原稿頼まれたり、ボランティアのバーさんが紅白饅頭持ってきたり。東京大震災を生き延びた独居老人の「私」が、老境の神髄を愉快にボヤく人生賛歌の物語。ああ、年をとるのはめんどくさい!
  • しんがり 山一證券最後の12人
    4.2
    負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。 四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。 その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。・・・ 山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。 社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。 山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。 一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。
  • 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
    4.2
    生きてて良かった! そう思える、幸せ……。アルコール依存症で離婚、10回の吐血、再飲酒(スリップ)、そして、ついにアルコール病棟に入院することになった、元戦場カメラマンの「僕」。そこで出会った個性的な面々との生活が、僕を変えた。うちに帰りたい――。依存症を克服し、愛する元妻、子供たちとの時間を取り戻したが、そこには悲しい現実が……。笑って泣ける私小説。浅野忠信・主演で映画にもなった名作――「不器用でも抱きしめようとする生き方に、心、動かされました」(浅野忠信)
  • ホームズの娘
    値引きあり
    4.2
    シリーズ累計20万部のラブコメミステリ!泥棒一家、警察一家、探偵一家の運命が交差して、新たな物語がはじまる――。祝福されない、もうひとつの恋の行方は? 「Lの一族」に隠された過去とは?ドラマ化で話題沸騰!「ルパンの娘」シリーズ第3作登場。
  • 虹のヲルゴオル
    4.2
    女性の魅力をあらゆる角度から論じた、本当は映画評論家になりたかった橋本治の、女優論にしてかつ卓抜な映画論。――女にとって「美しい」ってことが重要だってこと、学校じゃどうして教えないんだろう……。『いつも二人』のオードリー・ヘップバーン、『七年目の浮気』のマリリン・モンロー、ブリジッド・バルドーなど13人のヒロインたち、その魅力についてあらゆる角度から分析してみたら――。やっぱり「女」だってことをおそれないっていうのは、強いもんね! 「美しい」とは何かという大命題に迫る快著。
  • 青春漂流
    4.2
    一度は挫折し、方向転換した若者たち。その大胆な選択が成功だったかどうかを、語ることはまだ出来ない。何しろ彼らは、迷いや惑いの青春の真っただ中にいるのだから。自らも不安や悩みの放浪の旅から、自己確立をしたという著者は、職業も種々な11人の若者たちと、夜を徹して語り合う。鮮烈な人間ドキュメント。……あらゆる失敗の可能性を見すえつつ、大胆に生きた人こそ、よく青春を生きたと、言うべきだろう。
  • ふぐママ
    4.2
    一大事に遭遇すると頬がプーッと膨れ、ふぐそっくりになるから、ふぐママ。彼女は、人気女優にして名エッセイストの室井滋が所属する、事務所の社長である。情に厚くガッツにあふれ、窃盗犯を捕まえたり、はたまたパトカーで連行されたりと、トラブルてんこ盛り。そんな「育ての親」を、愛情こめて語る、笑撃エッセイ。育ての親は、爆笑もの!
  • χの悲劇 The Tragedy of χ
    値引きあり
    4.2
    トラムに乗り合わせた"探偵"と殺人者。Gシリーズ転換点となる決定的一作。後期三部作、開幕!!香港のトラムで起きた密室殺人と、果てしなく広がるバーチャル空間での光速の追跡劇。天才を追い、天才に追い詰められる。「そう。ここが私の世界だ」香港で仕事をする島田文子のもとに男が現れた。島田が真賀田研究所にいた頃に起きた飛行機事故について質問があるという。その日、走るトラムの中で殺人が起き、死者の手に「χ」の文字が遺される。乗客として警察の捜査に応じた島田だったが、そこである交換条件を持ちかけられ……。Gシリーズ後期三部作開幕!
  • サブマリン
    値引きあり
    4.2
    家裁調査官・陣内と武藤が出会う「少年たち」。報道される事件と、実情が違っていることは少なくない。『チルドレン』から、12年。罪と罰をめぐるものがたり。
  • 獣林寺妖変
    4.2
    関ケ原合戦のおり、千数百名の軍兵の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北の禅寺・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の咆哮を描く表題作のほか、「ニジンスキーの手」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」の阿片的魅力の代表作3篇も収めた、伝奇ロマン傑作小説集。
  • 贖罪の街(上)
    4.2
    ボッシュはDROP(定年延長選択制度)の任期半ばでのロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のミッキー・ハラーを代理人に立て、ロス市警への異議申立ての訴訟をおこなっているが、それ以外は、引退後の念願だった、古いバイクのレストアを老後の楽しみにしようとしていた。 ところがハラーから呼び出され、子飼いの調査員が怪我をして入院しているため、いま抱えている殺人事件弁護の調査員になってくれないか、と頼まれる。
  • 失踪者
    値引きあり
    4.2
    2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ!
  • 国境の南、太陽の西
    4.2
    あの日なら、僕はすべてを捨ててしまうことができた。仕事も家庭も金も、何もかもをあっさりと捨ててしまえた。――ジャズを流す上品なバーを経営し、妻と二人の娘に囲まれ幸せな生活を送っていた僕の前に、十二歳の頃ひそやかに心を通い合わせた同級生の女性が現れた。会うごとに僕は、謎めいた彼女に強く惹かれていってーー。日常に潜む不安と欠落、喪失そして再生を描く、心震える長編小説。
  • 終わった人
    4.2
    大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた、大反響ベストセラー「定年」小説。
  • 新装版 戦いすんで日が暮れて
    4.2
    『九十歳、何がめでたい』の原点。弱気な夫と、巨額な借金を背負い込んで奮闘する妻を、独特のユーモアとペーソスで描く直木賞受賞作。ほかに『ひとりぽっちの女史」「佐倉夫人の憂愁」「結婚夜曲」などの傑作短篇7篇、新装版あとがきを収録。
  • 新装版 殺戮にいたる病
    値引きあり
    4.2
    永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
  • 時宗 全4冊合本版
    値引きあり
    4.2
    盤石の執権政治を確立し、幕府の結束を固めた北条時頼。だが、巨大騎馬国家・蒙古の王クビライが、海を越えこの国を狙う。かつてない戦が始まろうとしていた。天変地異続く巷では、法華経を説く日蓮が民の熱狂を呼ぶ。父の志を受け、真に国をまとめるものとなれ。少年・時宗は若き棟梁として歩み出す。武家政治を築いた父子を描き、「国を守るとは」を問う巨編、全4巻の合本版。
  • 名探偵傑作短篇集 火村英生篇
    4.2
    臨床犯罪学者・火村英生と助手・有栖川有栖のコンビが、美しく謎を解く、多彩な事件を散りばめた短編集。火村と怪人物との丁々発止の対決を描く「ジャバウォッキー」、犯人を論理的に割り出す本格ミステリの王道「スイス時計の謎」、誘拐事件の意外な顛末とは?「助教授の身代金」他、全6編収録。監修・解説/杉江松恋。
  • 流

    4.2
    一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)に言わしめた直木賞受賞作。<解説:ロバート・ハリス>
  • 生還者
    値引きあり
    4.2
    ヒマラヤ山脈東部、カンチェンジュンガで雪崩が発生。日本人7名が巻き込まれる惨事となった。犠牲者の一人・増田謙一の弟である直志は、兄の遺品を整理するうち、ザイルに細工がされていたことに気づく。死因に疑問を抱く中、兄の登山隊に関係する二人の男が相次いで奇跡の生還を果たす。真相がわかるかと期待した直志だったが、二人は全く逆の証言をし……。雪山という密室を舞台にいくつもの謎が絡み合う緊迫の山岳ミステリー.
  • まるまるの毬
    4.2
    親子三代で菓子を商う「南星屋」は、 売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • シューメーカーの足音
    4.2
    独特の色気を湛えた商品で人気を博し、ロンドンに店を構える靴職人・斎藤良一。強引に事業拡大を進める彼の元に、不気味な修理依頼が舞い込む。それは幽霊の靴なのか? 十三年前の父の死に不審を抱く若き靴職人の知略が、斎藤のどす黒い野心の前に立ちはだかる。人間の深淵を描く異色ダークミステリー!
  • 山月庵茶会記
    4.2
    かつて政争に敗れた柏木靫負(ゆきえ)が、千利休の流れを汲む高名な茶人となって国に帰ってきた。孤狼の心を胸に秘めた男は、家督を養子に譲り、山裾の庵で隠遁生活を送る。今日も山月庵に客を招く。派閥抗争の最中に喪った、妻の死の真実を知るために。これぞ直木賞作家の真骨頂! 静かなる闘争の記。
  • 僕の光輝く世界
    4.2
    人気ミステリー作家絶賛! 視覚を失った男子と仮想美少女が織りなす、青春恋愛「本格」ミステリー。気弱なオタク男子、光輝は進学先の高校でもいじめられ、あげくに橋から突き落とされる。搬送先の病院で絶世の美少女と運命の出会いを遂げた、と思いきや、実は既に失明してしまっていた。美少女は果たして妄想なのか実在なのか……視覚を失った少年が、想像力を駆使して奇妙な謎と格闘する!
  • 私的生活
    4.2
    辛く切ない大失恋のあと、剛から海の見えるマンションを見せられて、つい「結婚、する!」と叫んでしまった乃里子、33歳。結婚生活はゴージャスそのもの。しかし、金持ちだが傲慢な剛の家族とも距離を置き、贅沢にも飽き、どこかヒトゴトのように感じていた。「私」の生活はどこにある?
  • 渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト
    4.2
    霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜索依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――。
  • バードドッグ
    4.2
    「謎解きはどうでもいい、犯人は俺が決める」容疑者は全員、アリバイなし、動機ありのヤクザたち。日本最大の暴力団、菱口組系の組長が姿を消した。殺されているのは確実だが警察には届けられない。調査を依頼された元ヤクザの探偵・矢能。容疑者は動機充分のヤクザ達。内部犯行か抗争か。だが同じ頃、失踪に関わる一人の主婦も行方不明になっていることが発覚する。最も危険な探偵の、物騒な推理が始まる。
  • 武家屋敷の殺人
    値引きあり
    4.2
    孤児院育ちの美女から生家を探してほしいとの依頼を受けた弁護士・川路。唯一の手がかりは、20年前の殺人と蘇るミイラについて書かれた異様な日記のみ。友人・那珂の助けを借りてついに家を突き止めるが、そこは江戸時代から存続するいわく付きの武家屋敷だった。そして新たな殺人が……。謎とトリック2倍増しミステリ!
  • 虚像の砦
    4.2
    中東で日本人が誘拐された。その情報をいち早く得た、民放PTBディレクター・風見は、他局に先んじて放送しようと動き出すが、予想外の抵抗を受ける。一方、バラエティ番組の敏腕プロデューサー・黒岩は、次第に視聴率に縛られ、自分を見失っていった。二人の苦悩と葛藤を通して、巨大メディアの内実を暴く。
  • 赤ヘル1975
    4.2
    一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。
  • 希望ヶ丘の人びと(上)
    4.2
    1~2巻814円 (税込)
    私は中学生の娘・美嘉と小学生の息子・亮太とともに、二年前に亡くなった妻のふるさと「希望ヶ丘」に戻ってきた。ここから再出発だ――そう思って開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校になじめない。昔の妻を知る人びとが住むこのニュータウンに、希望はあるのだろうか?
  • さよならの先
    4.2
    いのちの終わりが迫った人が、大切な人に残す「最後のメッセージ」。自分が死んだ後も、家族や恋人を支え続けられる言葉とは? たくさんの末期がんの人に寄り添い、ただ死を待つのではなく、最後まで何かを生み出そうとする、そのお手伝いをしてきたセラピストによる、心震えるエッセイ集。
  • 寂聴と読む源氏物語
    4.2
    光源氏に愛された姫君たちが抱いていたプライドにテーマをしぼって考察し、大きな評判を呼んだ講義を再現! 千年前の女たちは現代の女性に勝るとも劣らない、毅然としたプライドで身を処していた。たくさんの男女の恋愛、さまざまな男女の愛の形が描かれている『源氏物語』をより深く味わえる必携の読本。
  • ピアニッシシモ
    4.2
    幼い頃に松葉の孤独を慰めてくれたのは、隣の家から流れるピアノの音色だった。中学3年になった松葉は、そのピアノの行方を追い、新しい持ち主紗英と出会う。同い年でも、性格も家庭環境もまるで違うふたり。松葉は華やかで才能のある紗英に憧れ、心の拠り所を求めていくが……。
  • あしたはアルプスを歩こう
    4.2
    なんかへんだ。雪が積もりすぎているのである。視界は白く染まり、風に飛ばされそうになりながら、標高2320メートルの小屋に駆けこんだ。――トレッキングをピクニックと取り違え、いつもの旅のつもりでイタリア・アルプスの雪山に挑んでしまった作家が見たものは? 自然への深い感動を呼ぶ傑作紀行。
  • 日本文学盛衰史
    4.2
    「何をどう書けばいいのか?」近代日本文学の黎明期、使える文体や描くべきテーマを求めて苦悩する作家たち。そして……漱石は鴎外に「たまごっち」をねだり、啄木は伝言ダイヤルにはまり、花袋はアダルトビデオの監督になる!?近代文学史上のスーパースターが総登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。
  • 追憶の夜想曲
    値引きあり
    4.2
    少年犯罪の過去を持つ、「悪辣弁護士」御子柴礼司が甦った! 岬検事との法廷対決の行方は?豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する"悪辣弁護士"御子柴礼司(みこしばれいじ)は、夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。対する検事は因縁の相手、岬恭平(みさききょうへい)。御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか? そして第二審の判断は……
  • 幸福な食卓
    4.2
    佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • 新装版 夜中の薔薇
    4.2
    気に入った手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22歳の冬以来、"いまだに何かを探している"……(「手袋をさがす」)。凛として自己主張を貫いてきた半生を率直に語り、人々のありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる 名エッセイの数々。突然の死の後も読者を魅了してやまない著者最後のエッセイ集。文字が大きく読みやすく、カバーの絵も美しくなった新装版。
  • そして、星の輝く夜がくる
    4.2
    東日本大震災の爪痕が生々しく残る東北地方の小学校に、神戸から赴任した応援教師・小野寺徹平。かつて阪神・淡路大震災を経験した彼は、心に傷を負った子どもたち、父兄たちとの"本音の交流"を通して、被災地が抱える問題と向き合っていく。「ハゲタカ」シリーズの真山仁が挑んだ、渾身の震災文学。
  • 重耳(上)
    4.2
    黄土高原の小国曲沃(きょくよく)の君主は、器宇壮大で、野心的な称(しょう)であった。周王室が弱体化し、東方に斉が、南方に楚が力を伸ばし、天下の経営が変化する中で、したたかな称は本国翼(よく)を滅ぼして、晋を統一したが……。広漠たる大地にくり広げられる激しい戦闘、消長する幾多の国々。躍動感溢れる長編歴史小説全3巻。
  • 恋歌
    4.2
    樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く直木賞受賞作。
  • 春秋の色
    4.2
    現代の日本人が使う箸が、古代中国では、食物をつまむ道具であると同時に、食物のある場に神を降ろすためのハシゴであったにちがいない、と気づいた時の驚き。神聖なハシゴであるなら、横におくものではなく、立てる形が正式であろう……。想像を進めてゆく楽しみを、熱く、面白く語る、魅力溢れる随筆集。
  • オリンピックの身代金(上)
    4.2
    小生、東京オリンピックのカイサイをボウガイします――兄の死を契機に、社会の底辺というべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年の行き着く先は? 吉川英治文学賞受賞作
  • サウスバウンド
    4.2
    父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。
  • 新装版 海も暮れきる
    4.2
    「咳をしてもひとり」「いれものがない 両手でうける」――自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を踏んだ放哉が、ついに死を迎えるまでの激しく揺れる八ヵ月の日々を鮮烈に描く。(講談社文庫)
  • 黒と茶の幻想(上)
    4.2
    1~2巻680~748円 (税込)
    太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。
  • 最果てアーケード
    4.2
    使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まっている、世界で一番小さなアーケード。それを必要としているのが、たとえたった一人だとしても、その一人がたどり着くまで辛抱強く待ち続ける――。
  • 黄昏の百合の骨
    4.2
    強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母2人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は――。
  • 国を蹴った男
    4.2
    不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。"豪腕作家"の凛然たる戦国小説集。いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く! 伊東潤、一戦ここにあり!
  • 奇面館の殺人(上)
    4.2
    季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!
  • 猫弁と少女探偵
    値引きあり
    4.2
    ひとりぼっちの少女とコンビを組み、失踪した三毛猫を探すことになった天才弁護士・百瀬太郎。忙しさのあまり婚約者の誕生日に気づかず、彼女はイケメン幼なじみと急接近! さらに次郎と名乗る弟までが現れて……。やっかいでかけがえのない人たちのために悩み、奔走する百瀬。絶好調、癒されるミステリ!
  • 地の底のヤマ(上)
    4.2
    昭和三十八年。福岡県の三池炭鉱で大規模な爆発事故が起きた夜に、一人の警察官が殺された。その息子・猿渡鉄男は、やがて父と同じく地元の警察官となり、事件の行方を追い始める。労働争議や炭塵爆発事故の下、懸命に生きる三池の人々と、「戦後の昭和」ならではの事件を描いた、社会派大河ミステリー。
  • 源氏物語 巻一
    4.2
    1~10巻759~880円 (税込)
    全力傾注のライフワーク。原作に忠実に、美しい現代日本語でつづる源氏物語現代語訳の決定版。帝に熱愛された桐壺の更衣の悲劇的な死と残された幼い皇子。皇子は源氏姓を賜り、やがて意に染まぬ結婚。少年期を過ぎて、近衛の中将の身分を得た光源氏のさまざまな女性達との愛の遍歴。第1巻は、桐壺・帚木・空蝉・夕顔・若紫を収録。
  • キルプの軍団
    4.2
    高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。
  • 晩年の子供
    4.2
    メロンの温室、煙草の畑、れんげ草の群れ。香り高い茶畑、墓地に向かう葬列、立ち並ぶ霜柱など。学校までの道のりに私が見た自然も人間もあまりにも印象的であった。心を痛めることも、喜びをわかち合うことも、予期しない時に体験してしまうのを、私はその頃知った。永遠の少女詠美の愛のグラフィティ。
  • ネジ式ザゼツキー
    値引きあり
    4.2
    記憶に障害を持つ男が書いた奇妙な童話『タンジール蜜柑共和国への帰還』。そこには蜜柑の樹の上の国、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機などが描かれていた。それらはいったい何を意味しているのか? 御手洗潔は男の脳内の迷宮を探り、男の過去と童話に隠された驚愕の真実に到達する! 本格ミステリー長編の野心作。
  • 猫とあほんだら
    4.2
    突如として引っ越しをしようと思ってしまった。雨の降る日に物件を見に行くと玄関の庇の下に小さな2頭の子猫が震えていた。漸く見つけた家にまず自宅の4頭が引っ越し、それから試行錯誤の末に一冬かかって仕事場にいる6頭のための新住居が完成して、一つ屋根の下で暮らせるように。人気シリーズ第3弾。
  • 時計館の殺人〈新装改訂版〉(上)
    4.2
    鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島(つのじま)・十角館の惨劇を知る江南孝明(かわみなみたかあき)は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる! 不朽の名作、満を持しての新装改訂版。(講談社文庫)
  • 迷路館の殺人〈新装改訂版〉
    4.2
    奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった! 周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作!(講談社文庫)
  • すかたん
    4.2
    江戸詰め藩士だった夫が急死し、大坂の青物問屋に女中奉公に出た知里。戸惑いながらも、次第に天下の台所の旨いもんに目覚めていく。ただ問題は、人好きはするが、遊び人でトラブルメーカーの若旦那。呆れていた知里だったが、野菜への純粋な想いを知り、いつしか強く惹かれるように。おもろい恋の行く末は?
  • 新装版 和宮様御留
    4.2
    攘夷か開国かで二分された国論を調停するために、皇妹・和宮は徳川将軍家に降嫁せよと勅命を受ける。彼女の身代りとされた少女フキは何も知らされないまま江戸へ向かう輿に乗せられる――。大義によって人生を翻弄された女たちの矜持を描き、犠牲になった者への思いをこめた、有吉文学を代表する不朽の名作。
  • 輝く日の宮
    4.2
    女性国文学者・杉安佐子は『源氏物語』には「輝く日の宮」という巻があったと考えていた。水を扱う会社に勤める長良との恋に悩みながら、安佐子は幻の一帖の謎を追い、研究者としても成長していく。文芸批評や翻訳など丸谷文学のエッセンスが注ぎ込まれ、章ごとに変わる文章のスタイルでも話題を呼んだ、傑作長編小説。(講談社文庫)
  • 藤田嗣治「異邦人」の生涯
    4.2
    ピカソ、モディリアニ、マチス…世界中の画家が集まる1920年代のパリ。その中心には日本人・藤田嗣治の姿があった。作品は喝采を浴び、時代の寵児となるフジタ。だが、日本での評価は異なっていた。世界と日本の間で、歴史の荒波の中で苦悩する巨匠の真実。第34回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。(講談社文庫)
  • 白洲次郎 占領を背負った男(上)
    4.2
    日本でいちばん格好いいといわれている男・白洲次郎。明治35年に兵庫県で生まれ、英国へ留学。戦後、吉田茂の側近として日本国憲法制定の現場に立会い大きく関与した。しかし、彼は表舞台には立たずに、在野精神というダンディズムを貫き通すのであった。初めて知る方にもお勧めの白洲次郎評伝決定版。(講談社文庫)
  • 火のみち(上)
    4.2
    1~2巻764~785円 (税込)
    父が戦死し、戦後満州から引き揚げてきたどん底の生活の中で母まで亡くした南部次郎は、わずかな葬式費用の形に幼い妹を連れ去ろうとする男を撲殺してしまう。きょうだいは離散し服役中も渦巻く憤怒を抑える術すら知らない次郎は備前焼と出会い、ひたすら土を練ることで、ようやく心が鎮まっていく――。(講談社文庫)
  • ニライカナイの空で
    4.2
    新一は12歳。父の破産で、東京からひとり九州の炭坑町に辿り着く。父の戦友野上源一郎に下手くそな丸坊主にされるが、息子の竹雄と心を通わせる。子どもでいられる最後の夏。自分たちでヨットを造り、玄界灘の無人島に行こう! どんなに心細い時でも少年はまっすぐ未来を見つめていた。(講談社文庫)
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)
    4.2
    織田信長が天下布武(てんかふぶ)を掲げた頃、陸奥(みちのく)の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実(まさざね)は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。著者が故郷を舞台に熱き思いを込めた歴史巨編「陸奥3部作」の最終章、待望の文庫化。(講談社文庫)
  • 占星術殺人事件 改訂完全版
    値引きあり
    4.2
    密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。
  • 狐罠
    4.2
    店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘薫堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑作長編。(講談社文庫)
  • フォークの先、希望の後 THANATOS
    値引きあり
    4.2
    政治家の息子が飼う魚の世話で日給五万円、ただし飼い主の少年が現れると誰かが死ぬと噂あり。家庭の事情で高額バイトを探していた女子大生・彼方が屋敷へ向かうと理想の男性・高槻が目の前に…オクテな少女は恋に落ちた!だが戦慄の事件が続発。噂の少年“thanatos666”の呪いはやはり本物だった!? 彼方の恋と命の行方は?恋愛&恐怖の“タナトス”最新刊。(講談社文庫)
  • 「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか
    4.2
    食べられなくなった超高齢者に対し行われている「胃ろう」と多量の栄養点滴投与は、肺炎を誘発し苦痛を与えるだけである。死への準備をしている体にはそれにふさわしい栄養と水分があれば十分だからだ。待機者が常に数百人という特養の常勤医が提言する安らかな死の迎え方は、読む人すべてに熟考を促す。聖路加国際病院名誉院長 日野原重明氏推薦。(講談社文庫)
  • 猫弁と透明人間
    値引きあり
    4.2
    お人好しの天才弁護士・百瀬太郎の事務所は、ペット訴訟で放り出された猫でいっぱい。ある日“透明人間”から「ぼくはタイハクオウムが心配で、昼も眠れません」というメールが届く。婚約者と猫たち、依頼人たちの笑顔を守るため百瀬は今日も走る。絶好調ハートフル・ミステリー、早くも第2弾文庫化! (講談社文庫)
  • おかしな二人
    値引きあり
    4.2
    2人が出会って多くの傑作ミステリーが生まれた。そして18年後、2人は別れた――。大人気作家・岡嶋二人がどのようにして誕生し、28冊の本を世に出していったのか。エピソードもふんだんに盛り込んで、徳さんと著者の喜びから苦悩までを丹念に描いた、渾身の自伝的エッセイ。ファン必携の1冊!(講談社文庫)
  • 東京家族
    4.2
    瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉と妻のとみこは、久しぶりに3人の子供たちに会うために東京へやってきた。最初は年老いた両親を気遣う子供たちだったが、日々の仕事や生活に追われ、少しずつ溝ができていく。そんななか、とみこが突然倒れ……。山田洋次監督がいまの家族を描いた感動作を完全小説化! (講談社文庫)
  • 新装版 わたしが・棄てた・女
    4.2
    大学生の吉岡が二度目のデイトで体を奪ってゴミのように棄てたミツは、無知な田舎娘だった。その後、吉岡は社長令嬢との結婚を決め、孤独で貧乏な生活に耐えながら彼からの連絡を待ち続けるミツは冷酷な運命に弄ばれていく。たった一人の女の生き方が読む人すべてに本物の愛を問いかける遠藤文学の傑作。(講談社文庫)
  • 水死
    4.2
    母の死後10年を経て、父の資料が詰め込まれている「赤革のトランク」が遺言によって引き渡されるのを機に、生涯の主題だった「水死小説」に取り組む作家・長江古義人(ちょうこうこぎと)。そこに彼の作品を演劇化してきた劇団「穴居人(ザ・ケイヴ・マン)」の女優ウナイコが現れて協同作業を申し入れる。「森」の神話と現代史を結ぶ長編小説。(講談社文庫)
  • 整形前夜
    4.2
    だが、と私は思う。日本女性の美への進化もまだ完璧ではない。例えば、踵。あの踵たちもやがては克服され、「おばさんパーマ」のように絶滅してゆくのだろうか。かっこ悪い髪型からの脱出を試み、大学デビューを阻む山伏に戦く。完璧な自分、完璧な世界を強く求めながら、平凡な日常の暴走に振り切られる生ぬるき魂の記録。人気歌人の頭からあふれ出す、思索のかけらを集めたエッセイ。(講談社文庫)
  • 猫の神様
    4.2
    彼が死んだのは、暖かい春の陽射しが射し込む、穏やかな朝だった。十年と八ヶ月一緒に暮らしたというのに、それはとてもあっけないお別れだった…ぎじゅ太が死んでからというもの、僕は毎日を呆然と過ごした。僕の薄い膜の中に入って来れるのはみャ太だけだった…こいつは長生きするだろう。これから先、ずっと長い間可愛がって、二人仲良く暮らして。でもそうはならなかった。独身ライターとその小さな家族の、愛と孤独の物語。(講談社文庫)
  • だいじょうぶ3組
    4.2
    松浦西小学校に5年3組の担任としてやってきたのは、手と足がない先生、赤尾慎之介。「フツーって何だろう」「一番を目指す意味って?」――個性豊かな28人の子どもたちと赤尾先生は、幾つもの“事件”を通して、大切なことに気づいていく。三年間の教員生活から生まれた著者初の小説。
  • 名将がいて、愚者がいた
    4.2
    天下取りの好機に謙信と信長がみせた決定的な違いとは? 自ら家康の捨て石となる道を選んだ鳥居元忠が子孫に残したものは? 保科正之と水野忠邦の器量の差は? 直江兼続の品格とは? 戦国武将から幕末の志士まで、公平な史観に信頼ある著者による人物評が満載。歴史上の傑物たちの明暗を分けたのものは何か? 人物の真価は歴史の分岐点で問われる! 戦国、江戸、幕末。明快なる歴史人物列伝。(講談社文庫)
  • ぼくのメジャースプーン
    4.2
    ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)
  • 獣の奏者 I闘蛇編
    4.2
    児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 世界的注目作家の新たなる代表作。リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!
  • 百蛇堂〈怪談作家の語る話〉
    4.2
    実話怪談の原稿を読んだ者に……迫り来る! この世には絶対人目に触れてはいけないものがある…。謎と怪異!衝撃の結末!作家に託された実話怪談の原稿。読んだ者には……。「作家三部作」第三編後編。(講談社文庫)
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】
    4.2
    1~4巻607~764円 (税込)
    「ふふふふふ。蜘蛛を信じる仲間ですわ」。房総の女学校・聖ベルナール学院の生徒・呉美由紀は校内に潜む背徳の行為と信仰を知って戦慄する。連続目潰し魔に両目を抉られた教師・山本純子は呪われて死んだのか。そしてもう一人、教師の本田幸三が絞殺され、親友・渡辺小夜子が眼前で校舎から身を投じた!
  • 狂骨の夢(1)【電子百鬼夜行】
    4.2
    1~3巻660~691円 (税込)
    湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名乗る女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻だった。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱する。百鬼夜行シリーズ第3作。
  • 霞町物語
    4.2
    青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が初めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。

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