私的生活

私的生活

726円 (税込)

3pt

辛く切ない大失恋のあと、剛から海の見えるマンションを見せられて、つい「結婚、する!」と叫んでしまった乃里子、33歳。結婚生活はゴージャスそのもの。しかし、金持ちだが傲慢な剛の家族とも距離を置き、贅沢にも飽き、どこかヒトゴトのように感じていた。「私」の生活はどこにある?

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    一番好きな小説。

    色変わりする気持ちや心の揺れ動きを軽やかなタッチで描く田辺聖子さんの筆力に圧巻。昔の空気感が溢れているのに、重苦しい生活の悩みや人の心の繊細な動きは普遍的で、現代を生きる自分と何ら変わりなく思う。

    剛ちゃんは決して良い奴ではないのに、ここまで魅力的なのはどうしてだろう?と思いな

    0
    2025年07月21日

    Posted by ブクログ

    人生でトップレベルに好きな本です
    乃里子三部作のなかでもぶっささりでした。良すぎて悲しくなるくらい。終わっちゃうのが泣けてくるくらい!でもページを読む手は止まらない
    楽しみに身を委ねる自由な精神と、彼に抱く優しさとか憐憫とか諦めとか依存とか刺激のあいだに揺れる乃里子の心情がたまらなく理解できる

    0
    2025年04月10日

    Posted by ブクログ

    東神戸にある海の見える豪華なマンションで、剛と一緒に暮らしている乃里子、33歳。
    一緒に住むことをあれほど拒否していたのに、剛に素敵なマンションを見せられたとたん、「結婚する!」と叫んでしまったのである。

    乃里子は今の生活を金持ちごっこと呼んでいて、剛の親族が集まるパーティーにも馴染めないし、剛も

    0
    2024年08月25日

    Posted by ブクログ

    だましだまし上手くやってきたつもりなのに、許せていたことが許せなくなって、笑い声よりも沈黙で息が苦しくなっていく。季節の移ろいを自分だけが感じているような、静かな物語だった。

    夫の機嫌を取り、食事の支度をし、夫を立てるように親戚付き合いをし、プライベートを詮索される。そんな生活を続けた乃里子は、「

    0
    2023年01月18日

    Posted by ブクログ

    後書きに人生の全てが詰まってた。愛の苦瓜のような小説。ずっと同じ気持ちで一緒に居続けるのは無理に近いし、居続けていたとしてもだましだましっていう言葉がしっくりくる。あと一冊で終わっちゃうのが悲しすぎて

    0
    2021年07月03日

    Posted by ブクログ

    なんていうかすごく、すごく、気持ちがわかってしまう。切なくて息苦しさが読んでて共感して、鼓動がドキドキした。私は剛さんに惹かれてるんだなぁと思う。

    0
    2021年01月31日

    Posted by ブクログ

    「女は子供を生むと、あほになるって、主人はいつも言います」

    だから今の生活ができるのか。なんだか腑に落ちる。

    0
    2020年12月16日

    Posted by ブクログ

    大失恋を吹っ切って、
    玉の輿に乗っかった。
    乃里子 33歳。幸せは、ここに あるのか?
    ゴージャスな甘い生活を
    噛み締めているはずなのに。
    甘いはず、と思い込み、
    苦味に気づかないフリしてたかもーーー。
    愛されること、愛することへの揺らぎ。
    温度差が広がってゆく やりとり。
    大御所 お聖さんの文章は

    0
    2016年08月02日

    Posted by ブクログ

    乃里子シリーズ第二弾。
    剛と結婚して生活はゴージャスになったものの、友達との付き合いを制限され鬱屈した日々の乃里子が痛々しい。
    『言い寄る』の快活さがなくなった彼女を救った中杉氏が
    いい味出してますね。
    私も緊(しば)られるのが嫌いなので何だか彼女の気持ちがわかるような気がしました。
    結局剛も「子供

    0
    2016年05月24日

    Posted by ブクログ

    結婚して三年。独身のときのようにあちこちで恋はうまれないし、昔の男と再会しても心の動きはあの頃のようにはいかない。決定的な何かがあるわけではないが、ただ日常のなかで変化していくものがある。「だましだまし」の行く末を見届けて、ああ……と項垂れてしまった。

    0
    2025年10月05日

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