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Posted by ブクログ
いいものを読ませていただいた⋯
何か自分を生かしたものへの「後ろめたさ」に悩まされ、それぞれの儀式的行いを経てそれを解消し、人生に秩序を取り戻していく。でもその秩序にも綻びがあるってことを、きっとそれぞれが感じてもいる⋯そんな雰囲気があって、その割り切れなさがすごく良い。
そこから逸脱した、(おそらく主題の)美津子と大津の話は一層良かった。
美津子は、自らの世界を規定する幻想の向こう側に行きたいのだろう。それ故、そういう枠組みを持たず、形式としての義務に従う(ように見える)大津に執着するのだと思う。大津は自身の行いを「イエスの真似事」と言うものの、その行いは限りなく純粋な形式に近いように思える。だから崇高なのだ。
ラストは解釈の分かれるところだろうが、大津にとって救いであり肯定であった、というのが個人的な感想。
Posted by ブクログ
名作。
胸が熱くなり、最後は涙が出そうだった。
死を迎えるためにガンジス河へ向かう、貧しく苦悩に満ちたヒンドゥー教徒たち。
ガンジス河は人生を、罪を、そして死を流していく場所で、生と死がそこで交わる。
全てを優しく包み込む深い河。愛に満ちた河。
本書にはキリスト教、ヒンドゥー教、仏教が登場するが、特に大津の思想が強く印象に残った。
神は多面的であり、どの宗教にも存在すると語る彼は、周囲から異教徒とみなされてしまう。
宗教の違いで争いが起こるこの世の中で、私は無宗教だからかもしれないが、大津のような考え方があってもいいのではないかと思った。
人生で一度は、聖なるガンジス河、そして飢えと病苦と慈悲の女神チャームンダーの世界を、この目で見てみたい。
疎外。自分を信じられるか?
美津子は恋愛遊戯から一転
妻の座に就くが、夫と合わない。
看護婦の自分も本心に思えない。
人には善悪両方があるのか。
ヒンズー教の女神の二面性が
それを肯定する。また、
病に苦しみつつ乳を与える神もいる。
弱虫の神学生大津は、誘惑され、
胸だけを許された後、捨てられる。
拠り所のキリスト教からも、
多神教的思考を否定される。
だが、異端でも、その後の彼の
行動は、むしろキリスト的だ。
美津子も大津も、疎外されるが、
自分を信じられたらよいか?
精神的危機を乗り越えたトルストイ
は破門されても強かった。
捨てるのが男なのが『復活』か。
恋愛遊戯が、結局治らないのが
『シンセミア』の田宮和歌子だ。
Posted by ブクログ
「深い河」と書いて「ディープリバー」と読ませるのは、この河が日本にはない、日本どころか世界を探してもここにしかない、「すべてを受け入れ、流す河」という意味を込めてのことだったのかな
その河の前には皆平等で、すべての苦しみも歓びも飲み込んでいく。その河に受け入れられることを望みたく成るような、そんな過去と向き合うことは人々にとって、生きていく上で避けられないことなのかもしれないと感じた。
「深い河」は実際に目にすることができる「たまねぎ」なのかもしれない。
主な登場人物の磯辺、美津子、沼田、木口、そして大津のそれぞれの目線・エピソードがどれも何ともいえない気持ちになる。
戦時中のエピソードなどは、やはり戦争を経験していない世代には書けない生々しさを感じる。
(遠藤周作は戦地には行ってないみたいだけど。)
美津子の大津への歪んだ関心が、友情ではなく、愛というほど綺麗でもなく、言葉に表せられないというか名前のないような関係性が独特で上手いなと思う。
でもこういう「縁」の人っているし、特別だよねと
もっと感想書きたいのに、うまく整理できないし、言葉にならないの悔しいなあ
また読み返すと思います
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