密やかな結晶 新装版

密やかな結晶 新装版

946円 (税込)

4pt

その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。
鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。
有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。

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密やかな結晶 新装版 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「わたし」が暮らしている島では、ある日突然に物事が消滅する現象が起こっていた。
    玩具、貴金属、本などの物的な物だけではなく、言葉、記憶、そして人体までもが消滅の可能性がある社会なのだ。

    「わたし」は父親を早く亡くし、母親と二人で暮らしていたのだが、母親は消滅現象が起こっても記憶を消失しない能力があ

    0
    2026年02月16日

    Posted by ブクログ

    恥ずかしながら、これまで小川洋子さんの作品を読んだことがなかった。

    そして本作『密やかな結晶』が、25年も前に刊行された作品だということにも驚かされた。
    これほど時代を超えて読み継がれている理由は、読み終えた今ならよくわかる。

    物語の舞台となる島では、ある日を境に、人々の記憶から「もの」や「概念

    0
    2026年01月10日

    Posted by ブクログ

    すきな温度と湿度。
    たいせつなものが消滅してしまうのは、いや。
    わすれてしまうから、へいき?
    どんどん箱が小さくなって、透明。
    消えても、消えないことが、
    わたしたちの心をささえているのに。

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    ある小さな島では物が次第に消滅されてしまう。そして完全に記憶から消されていく。貴重な絆、思い出が容赦なく破壊される。しかし逆に忘れない人も存在している。決して従わない。秘密警察がどんなに怖くも、自分の尊厳を失わない。
    つまり誰にも奪われはしないものはまさに密やかな結晶である。

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    記憶が少しずつ消滅していく島の話。
    読み終わった後には何とも言えないような、心の深い空洞に身を包まれたような喪失感に浸ってしまう。「消滅」の物語によって「消滅できないもの」の物語を描く。人々の中にひっそりとある声に出せないおもいを掬いとる、私たちの中にあるそんなおもいを改めてこの物語はすくいとって肯

    0
    2025年09月12日

    Posted by ブクログ

    あらゆるものが失われていく世界だからこそ、誰にも触れられない確かなものの重要性、美しさをまざまざと感じるお話だった。

    「消滅」とは姿かたちがそのまま消えていくことだけではなくそれに付随した記憶や思い出まで消えてしまうこと。物質の消滅に伴い主人公たちも徐々に人間味を失っていく様子が印象的だった。

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    記憶が少しずつ消滅していく島
    何かがなくなって
    それらを処分して
    適応していく
    秘密警察が記憶が消滅しない人々を
    連行していく
    次第に自由が奪われているはずなのに
    なんの疑問も持たずに生きる人々
    すべて
    もう初めからなかったかのように
    記憶がなくなっていくのだから
    疑問をもつわけもない

    何か独裁者

    0
    2025年06月17日

    Posted by ブクログ

    次々と何かが消失していく架空の島、という設定に小川先生の美しい文体が合わさってまさに大人ファンタジー。記憶を持った人々が秘密警察に迫害される様はアンネの日記のオマージュらしい。消失を描くことによりこの世に存在する物の美しさが際立つ画期的な小説。

    0
    2025年03月02日

    Posted by ブクログ

    絶対に文庫で読んでほしい。解説があったから救われた。
    とても恐ろしい話だった。
    ミステリーではなく、作者からの警告文である。
    人に流され、世に流され、大切なことも手放してしまうならば、どんな結末が待っているだろうか、というファンタジーだ。

    どんどん大切なものが失われていく物語の展開を、どう受け止め

    0
    2026年02月12日

    Posted by ブクログ

    消失が当たり前に起こる世界の中で、記憶を失くさない人と、唯一奪えなかったものの話。
    秘密警察たちが奪えなかったものは、きっと「愛情」なのだと思った。

    0
    2026年02月22日

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