プロフィール
- 作者名:高橋弘希(タカハシヒロキ)
作品一覧
-
-元バンドマン芥川賞作家が邦ロックを切りまくる 「はっぴいえんど」から「King Gnu」「Ado」まで、この50年の邦楽ロック史を彩ったアーティスト全30組を語りつくす。 ■本書で取り上げるアーティストたち BUMP OF CHICKEN/NUMBER GIRL/54‐71/BUCK‐TICK/椎名林檎/bloodthirsty butchers/PENPALS/Silver Fins/Port of Notes/headphone seminar/相対性理論/進行方向別通行区分/鬼束ちひろ/X JAPAN/初音ミク/King Gnu/クリープハイプ/ART‐SCHOOL/BLANKEY JET CITY/L’Arc~en~Ciel/黒夢/TMN/凛として時雨/小室哲哉/神聖かまってちゃん/サカナクション/宇多田ヒカル/Ado/はっぴいえんど/syrup16g
-
3.3第159回芥川賞受賞作。単行本未収録の2篇を加えて、待望の文庫化。 春休み、東京から東北の山間の町に引っ越した、中学3年生の少年・歩。 通うことになった中学校は、クラスの人数も少なく、翌年には統合される予定。クラスの中心で花札を使い物事を決める晃、いつも負けてみんなに飲み物を買ってくる稔。転校を繰り返してきた歩は、この小さな集団に自分はなじんでいる、と信じていた。 夏休み、歩は晃から、河へ火を流す地元の習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのは数人のクラスメートと、見知らぬ作業着の男だった――。少年たちは、暴力の果てに何を見たのか――。 「圧倒的な文章力がある」「完成度の高い作品」と高く評価された芥川賞受賞作。 「あなたのなかの忘れた海」(「群像」2016年8月号)、「湯治」(「文學界」2020年6月号)の、2篇を文庫化にあたり収録。 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
掲載誌
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
本作は、短編5編をまとめた書籍である。書名の「叩く」とは、第1編の主人公が「タタキ」となり金銭を盗む刹那、「タタキ」の紹介者に裏切られて殴打され、意識が戻るところからはじまる。面が割れ、このままでは捕まる。いっそのこと住人を殺害するか逡巡する心の揺れ。社会不適応やギャンブル依存となって生活困窮し、「タタキ」=犯罪に手を染めた自身の自堕落的生活を回想する。生育歴も含めて、自分が直面してる現実と思考のズレに主人公が気づいていない課題を浮かび上がらせる。第2編のアジサイにおいても、体調不良の妻を気遣うつもりで、外食を外ですませて帰ってくる夫。そんな夫に三行半を突きつけた、妻の気持ちが理解出来ない家
-
Posted by ブクログ
大好きな小説。何年ぶりかの再読だけれど、当時と同じ強さで文章から滲み出る痛みを感じた。
癒えない痛みに耐えながら生きなければならないというのは、どういうことなのか。そして、何もできなかった無力感をずっと抱えながら「自死遺者」として残されるというのは、どういうことなのか。
朝の会で、たくさんの言葉を持ち寄って考え続けていけたらいい。
絞り出される言葉は痛みだけれど、それをくりかえして降り積もっていくものは、きっと痛みではないと思うから。
〈帰路、Aに手を引かれて、病院前に広がる春先の庭を歩きながら、ピンの欠けたオルゴールを想像しました。今まで響いていた和音から、少しずつ音が欠けて、一つの楽曲か -
Posted by ブクログ
高橋弘希『送り火』文春文庫。
第159回芥川賞受賞作。標題作に加えて、『あなたのなかの忘れた海』『湯治』の単行本未収録の2篇も収録。
『指の骨』を読み、久し振りに凄い文章力と表現力のある新人作家が現れたものだと感心した。本作の標題作『送り火』でも冒頭から選びに選び抜いたであろう言葉を何度も噛み締めたくなるような淡麗で毅然とした文章でつなぎ、読み始めると目の前にその光景が広がって来るようだ。
『送り火』。芥川賞受賞作。
強烈なインパクトを感じる作品。自分も田舎の町に転校した経験があるが、田舎では暴力や肉体闘争が日常だった。都会では勉強の出来不出来で個人の評価が決まるが、田舎では運動能力や