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作詞・作曲の天賦の才に恵まれた、福田葵。彼が幼馴染と組んだバンド「Thursday Night Music Club」、通称サーズデイが、とうとう大手レコード会社の目に留まった。デビューの条件は、ベーシストを入れ替えること。 「君には音楽の才がある。代償を恐れて自分で才能の芽を潰すことは、音楽への裏切りにもならないか」 プロデューサーの中田の言葉を受け入れ、メジャーデビューを決断した葵は次第に変貌し――。 芥川賞作家の新境地、圧巻のバンド小説。
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Posted by ブクログ
ロックだ。音楽に魅入られ、音楽に取り憑かれ、音楽に狂わされていく人間の姿がある。 幼馴染4人グループで始まったThursday Night Music Clubという一つのバンドが、どんどん変貌を遂げていくさまは、さながら音楽のよう。 フィンランドに滞在する場面が思いがけずあったりして嬉しかった。 ...続きを読む終盤、彼らバンドメンバーが知らないデビューをめぐる真相と過去が明らかにされるのだが、鳥肌が立った。音楽を愛してしまった人は、その音楽が生まれるためならどのような手段でも講じられるのだろう。 〈 ロックに日常性なんて必要か? 必要なのは衝動と破壊と混沌だよ、俺はそういう気分でいま音楽を作っているんだ 〉 それにしても、狂乱のライブシーンなど各所ぐいぐい読ませる鬼気迫る文体で、高橋弘希さんのこれまでの筆致とはまるで違うので驚いた。 言わずもがな両方好きです。夕焼けの描写が多く、とてもよかった。
純文とエンタメの狭間にあるような本だった。 フィクションでありがちな、なんならどこかで見たことがあるような、バンドマンが身を持ち崩していく話。けれどその描写の、言葉の選択の、綴られる文章の「初めまして」感たるや。 大変楽しい読書でした。
これがライトノベル部門にいくとグラスハートになるのかというような 破滅へむかっていくミュージシャン
前半があまりにも冗長で、投げ出したくもなったが、後半はさすがの高橋弘希さん節が炸裂していた。 ロックスターの光と影。通して傑作かと言われれば、そうといいづらいが、らしさを感じるうちは追っかけたくなる作家であるのは、はっきりそうと言える。 ★3.5
バンドサクセス小説ですが、純文学要素が多大に入っているのでちょっと何言っているか分からないという部分も沢山ありました。でもバンド小説として序盤はとても興味深く、あるある要素も含めて面白かったです。 次第に訳の分からないバンドになってしまって、読んでいてどんな音楽やっているのか分からなくなってしまいま...続きを読むした。 序盤はオルタナ系で曲がメロディアスで歌謡曲っぽい親しみやすさがあるようだったので、ウイーザーなんかを想像していましたが、シアトリカルな要素が多くなってきて、ゴスっぽくなったり、ナパームデスなんて言葉が出て来たり、どう考えてもリスナーはドン引きだと思います。牛の頭蓋骨被ったりようわからん。
むむむ、音楽性の不一致というか、本の中って鳴ってるだろう音楽に最後まで共感できないままだったかも…。
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