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Posted by ブクログ 2021年01月11日
内容についてはケチのつけようがない、慄然とするほどに惹きつけられる。恐くなって読みたくないような気さえするが読むことをやめられない、臨場感が凄まじいからか。実体験なしにこれを書けたことは超人的だ。
そして何よりそのシリアスな内容を支える文体、文章力、豊富な語彙、身体感覚や精神の動きを書く表現力、...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月10日
大岡昇平や水木しげるの著した記録と似通うところは、後方での活動や逃避行の描写が圧倒的に多いところである。事実、戦争体験において戦闘行為は一瞬であり、時の多くを後方で過ごしているのだから。
一方で大岡らの著したものと大きく異なるところは、主人公が生還しえないところである。生還したものの手記は、事実とし...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年09月15日
自分とほぼ同年代にもかかわらず、まるで戦争に行き、飢えにくるしみ、死にかけたことがあるかのような乾いた文章に身ぶるいがした。
といってももちろん、読者も誰一人、そんな経験をもってはいないので、お互いに想像でしかないのだけれども。
リアリティというと陳腐だが、みずからが死んですべてが喪われたような、読...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年09月09日
時間軸としては、
ラバウルあたりで、藤木も古谷も生きていた頃。
藤木は死んだが古谷は一緒、田辺分隊長の命令で、タコ壷での戦い。気を失って。
夜戦病院で比較的のんびり。槇田と清水と軍医。
病気、無為な行軍、自殺などで、次々死ぬ。
黄色い道をただ歩いている、現在。
現在回想するという小説の開始だが、わざ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月31日
あの「野火」に匹敵する…の帯にそんなわけがないだろう!と高を括っていたのだが読み終えて思ったのはこれは戦争など知る由もない30代の青年に旧日本軍の兵士が憑依したのではないのかと。
その想像の世界の戦争はありがちなエンタテインメントに走ることもなく飢餓と病により死を目前にした人間の内面を淡々と描くもの...続きを読む
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