ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
「何をどう書けばいいのか?」近代日本文学の黎明期、使える文体や描くべきテーマを求めて苦悩する作家たち。そして……漱石は鴎外に「たまごっち」をねだり、啄木は伝言ダイヤルにはまり、花袋はアダルトビデオの監督になる!?近代文学史上のスーパースターが総登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
(単行本版) おもしろい! おもしろいんだが、なかなか読み進められなかった。 「注および謝辞」に本文中の島崎藤村の詩と石川啄木の短歌の多くは谷川俊太郎と穂村弘が本作品のために書き下ろしたとある。 そう!啄木の短歌は穂村さんっぽいと思った。
日本語の新しい表現形式を求めて悪戦苦闘する明治の文人たちを現代に蘇らせることで、彼らが何を思い、何に悩み、どう生きたかという実像に迫ろうとする著者の姿勢は、そのまま現代の小説という形式をどう捉えるかという著者の姿そのものである。
明治文学の熱量が散りばめられている。 啄木、漱石、四迷、藤村、鴎外、紅葉…それぞれのキャラクターが虚実原著過去現在織り交ぜて書かれていて引き込まれる。 あと、「こころ」をめぐる考察は鳥肌もの。
近代文学者たちがたーっくさんでてくる小説。終始爆笑。そしてしみじみ。読んでいる間、とにかく楽しい。ただ、近代文学史をよく知っている人ほど楽しいと思うので(逆に言うと、詳しくない人が読んでもあまり面白くないかもしれない)、ふつうの小説としてはあまり周囲にホイホイ勧めない。ある程度勉強して読むのをお勧め...続きを読むします。
第13回伊藤整文学賞を受賞した力作。 二葉亭四迷の死に始まり、現実か空想かよく分からない、明治時代の文豪たちの物語が描かれる。 この物語は、「原宿の大患」を境にして、前編と後編に分けられるだろう。 前編では、「日本文学」を成立させるための文豪たちの苦悩が描かれる。 後編では、作者である高橋源一郎の視...続きを読む点が入ったように感じられる。 全編を通して、「日本文学」が作られていく様を見ることが出来る。 高橋源一郎は、文学について考える機会とヒントを与えてくれる素晴らしい作家だ。
最近はまっている高橋源一郎。 そんな彼の代表作と言っても過言ではない2002年伊藤整文学賞受賞作。 全編日本文学に対するパロディ。超パロディ。 高橋源一郎にしか出来ない芸当。 なぜか森鴎外に「たまごっち」をねだる夏目漱石。 伝言ダイヤルにはまり、ブルセラの店長になってしまう石川啄木。...続きを読む 啄木が超貧乏だったのは、女子高生と援助交際しすぎだからって設定になってたり。 私小説の極みに自著『蒲団』をAV映画として監督してしまう田山花袋。 花袋はカメラマンにこう言われる。 カメラマン「でも先生は『露骨なる描写』をやりたいとおっしゃった。先生がほんとにやりたかったのは『露骨なる描写』ですか、それとも文学ですか」 花袋「だから『露骨なる描写』に基づいた文学だよ」 カメラマン「ということは、文学で『露骨なる描写』が出来るとお考えなのですか。」 こんな風にAV監督とカメラマンが語り合う。 なんてシニカル。 さらに、島崎藤村と田山花袋の会話。 花袋「島崎」 藤村「なんだ」 花袋「ちょっと聞いていいか」 藤村「いいよ」 花袋「おまえ、オナニーするよな」 藤村「ええっ?」 花袋「オナニーだよ。オナニー」 藤村「なんだよ藪から棒に。僕は妻帯者だよ。」 花袋「妻帯者がなんだよ。妻帯者だろうと独身だろうと、ふつうオナニーぐらいするだろ。まさか、もうしなくなったなんていわんよな」 藤村「まあ、たまには……」 花袋「じゃあ、オカズはなにを使う?」 藤村「オカズって……」 (中略) 花袋「なんだよ。なに、もじもじしてるんだよ。自然主義の神様が、オナニーの話ぐらいでおたおたするなっていうの。」 なにこの会話。 電車で読んでて笑いそうになった。 パロディばっかりかと思ったら、夏目漱石の『こころ』の登場人物「K」の謎に迫る「Who is K?」に唸らされたりする。 これは立派な論文。 全編40以上の章にわかれ、600ページ以上の対策だが、明治以降の日本の文学史や思想をある程度知っていないと、全て楽しむことは困難。 何が元ネタでどこがパロディなのか分からない。 そんな高橋源一郎はやはり天才だと思う。
☆10個付けてもいいと思う。 明治の文学者達の小説でありながら作者自身が倒れた話(何故か胃カメラの写真付き)、テレクラに嵌りブルセラショップ店長になる石川啄木、チャットで話題になる斉藤緑雨、AVを撮る田山花袋、バブリーな北村透谷や島村藤村に樋口一葉、作者と育児談義を交わす森鴎外、「こころ」のKは誰だ...続きを読むったのかなど縦横無尽で前代未聞の内容である。 しかしその根底には、二葉亭四迷や山田美妙らによって作られた「言文一致」を使って文学を生み出そう、生み出せるのか、いやもしかしたらそもそも文学など不可能ではないのかと苦しむ文学者達の群像が描かれている。「読み手」としては楽しめたが、素人ながら「書き手」である「私」はかなりゾッとさせられた。
ネット恋愛にはまる横瀬夜雨。黒いミニのスリップから、ピンヒールをはいた形のいい脚をのぞかせタバコをふかす樋口一葉。現代文化を背景にすることで、文豪たちの人物像がより身近になる。理想の文学を追い求めた、彼らの時代は確かに在ったのだ。そして現在、「僕らの時代」もここに在る!
『DJヒロヒト』から遡って手に取る。『DJヒロヒト』は帝国日本の戦争の時代だったが、こちらは明治の「近代文学」誕生から大逆事件までを取り扱う。石川啄木が援助交際をしていたり、田山花袋がアダルトビデオの製作に参加していたりと奔放なパロディが反復されているようでいて、二葉亭四迷、島崎藤村、尾崎紅葉、夏...続きを読む目漱石、森鷗外らの「文学」に対する真摯さ、ことばと現実の距離をめぐる苦闘に対するリスペクトは一貫している。横瀬夜雨や北村三啞、川上眉山ら、「文学」に憧れ、「文学」の夢に破れたマイナー/ポエットたちの真剣さに対しても。 初出は『群像』1997年5月号~2000年11月号だから、ちょうどすが秀実が『帝国の文学』を『批評空間』に連載しているタイミングだったのではないか。その頃、『こころ』の「K」を歴史上の誰に比定するかという解釈合戦(?)が繰り広げられていて、なぜそんなことで盛り上がっているのかまったく理解できなかった(いまも理解できない)ことを思い出した。ただ、フィクションとして考えたとき、高橋が「時代閉塞の現状」をめぐって、漱石と啄木との間にあった黙契と加藤を取り出してきたことは、思考実験としては興味深いと感じた。
当たり前に読んでいる今の口語の文体への挑戦。表現への挑戦。バトンを渡しながら確立されていく過程と明治という時代のおもしろさ。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
日本文学盛衰史
新刊情報をお知らせします。
高橋源一郎
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
官能小説家
試し読み
「あいだ」の思想 セパレーションからリレーションへ
「悪」と戦う
一億三千万人のための小説教室
一億三千万人のための『歎異抄』
一億三千万人のための『論語』教室
居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ
失われたTOKIOを求めて(インターナショナル新書)
「高橋源一郎」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲日本文学盛衰史 ページトップヘ