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Posted by ブクログ
今まで読んだ本で1、2を争うくらい良かった。大切な作品。
中国や台湾が舞台になっている作品はほぼ読んだことがなかったので最初は登場人物を覚えるのが大変だったけど、色や匂いまで鮮やかに浮かんでくるような文章にすぐ夢中になった。
読み終わったときは自分が台湾の青年として半生を終えたような感覚があり、これが読書の醍醐味だ!と久しぶりに思った。
おそらく誰にでもあるであろう「高校生くらいの多感な時期の、特に人生において重要なことが起きたわけでもないのになぜかはっきりと覚えているワンシーン」みたいなものがすごく鮮やかにうまく書き表されている、そんな感覚。
Posted by ブクログ
今年の初めに初めて台湾を訪れて、台北市内を観光した。その名残もあったのか、普段はあまり手に取らない台湾に関連したジャンルの本を手に取ってみたのだと思う。最初の方はストーリーに入っていけず、人物名が少々覚えづらくもどかしかったところがある。しかし、ゴキブリや幽霊などの馴染みのある表現に助けられて、大陸と袂を分った台湾の空気感を表現する本作品を一気に読み切ることができた。台湾はスピリチュアルを感じる国だと思う。どこか昭和レトロで、で同時に最先端の技術を併せ持つこの国は興味深い。本来台湾に住んでいた台湾人が、国民党に対して抱く感情を理解するのに役立つ一冊であったと感じる。実際に国民党が国家樹立後に、どれだけの人が台湾に流れて来て、文化や制度に変化を起こしたのか気になるポイントであり、個人的にもっと調べてみたいと思った。
Posted by ブクログ
最も印象に残ったのは、戦後台湾の社会が生き生きと描かれていること。
主人公・葉秋生の青春とミステリーが物語の軸になっているが、それ以上に、戦後の激動する台湾の空気そのものが大きな魅力だ。
日本統治の記憶、中国大陸との関係、国民党政権の影響など、あまり知らなかった台湾の歴史が興味深かった。台湾の人々が日本をどのように見ていたのかが具体的に描かれ、新鮮な発見も多かった。
登場人物たちは皆どこか不器用で、人間味にあふれている。ユーモアと哀しみが入り交じる語り口も心地よく、読み進めるほど物語の世界に引き込まれた。歴史小説、青春小説、ミステリーの面白さを併せ持った作品であり、台湾という土地と人々への理解を深めてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
1975年、蒋介石が亡くなった1ヶ月後、祖父の葉尊麟が殺された。祖父は迪化街で布屋をやっていた。祖父は手足を縛られて浴槽に沈んでいた。
新学校にいた秋生は替え玉受験に手を貸したため退学させられ、急遽別の高校に入る。
大学受験に本腰を入れ始めた頃、女の子の幽霊をみる。その後助けてという幻聴を聞くようになる。幽霊を見かけた場所に行って見たら、秋生は暴れ出し、そして白骨を見つけた。
受験に失敗して、陸軍軍官学校に入ったが半年で辞めてしまった。家から追い出された。最終的には頭を下げて家に戻る。大学を再受験するつもりだったが、ヤクザを敵に回してしまい、兵役に行くことになった。
Posted by ブクログ
三代にわたる大河小説みたいな物語になっているが、ミステリ小説の緊張感や時に出てくるユーモア、それから狐火のような神秘的な要素をもうまく織り交ぜていて最後まで興味津々であった。登場人物と事件をリアルに作り上げる筆力がすごいと感じた。
台湾という国の近代史を表面的にしか知らなかったが、そこに住む人の目で描き上げた面々がとても面白かった。直面してきた社会現象が我々と似ていながらもそれらを消化していく方式が違っている気もした:理念の対立、同族戦争、離散家族、独裁体制、軍隊文化、それから教育現場の様子。
虐殺の歴史と向き合って和解を図るとの物語から、時間の威力がどんなにすごいのか再び感じさせられた。
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小説・文芸