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幻肢
島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。 -
関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛
相州と上州、それぞれの関所破りの意外な始末。 上州玉村で道案内が殺され、道案内を殺した定次郎は子分を連れてそのまま姿を消した。 同じころ、保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って、 八州廻りの桑山十兵衛は河童の六の出身、相州の松田まで足を延ばす道すがら、 鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなり江戸へと戻ってきた。 すると、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、 朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えが。 玉村では、侠客の定次郎一味が、玉村の道案内を殺し、大戸の関所を破ったとの知らせが。 玉村の道案内の後任を決める必要もあり、十兵衛はそのまま上州へと向かう。 十兵衛は、鉄砲をきっかけに、定次郎一味の足跡を見つけられると考えるのだが……。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客たち。 そして、姿を消した河童の六はいずこへ流れたのか。 人の欲を見つめて関八州を経巡る十兵衛が、侠客の最後にみせる粋なはからい。 そして、二つの殺しは、意外な展開に……。 十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第9巻。 -
以下、無用のことながら
「新春漫語」「綿菓子」「古本の街のいまむかし」「学生時代の私の読書」といった身辺雑記から「自作発見『竜馬がゆく』」「『翔ぶが如く』について」自作について、「文化と文明について」「日韓断想」「バスクへの尽きぬ回想」といった地域、歴史への想いなど、折りにふれて書かれた、厖大な量のエッセイから厳選した七十一編。森羅万象への深い知見、序文や跋文に光るユーモアとエスプリ、弔文に流れだす、人間存在へのあふれるような愛情と尊敬――。日本人の高潔さと美しさを見つめた視線の先には何があったのか。司馬遼太郎という作家の豊穣な世界に、あらためて酔う一冊。 -
水族館哲学 人生が変わる30館
超ユニークな水族館ガイドの登場です! 廃館寸前の水族館を独自の斬新な手法で蘇らせてきた水族館プロデューサーの著者。水族館について全てを知り尽くす著者が、数多ある水族館の中から30館を厳選し、その常識的な枠を超えた「展示」の本当の魅力や見所を紹介します。 斬新な発想力を持つ著者が自ら綴った紹介エッセイは、目からウロコの連続。地球と生き物の命、日本のアニミズム、弱点を武器にする方法などなど、水族館の楽しみ方、奥深さについて縦横無尽に綴ります。 また、全国各地の水族館を取り上げることによって、その地域ならではの特性や生きもの、自然について学べるのも本書の特長。好奇心を持つこと、学ぶことの本当の面白さを体験できます。 バブリングをするイルカ、癒しのクラゲ、愉快な海獣たち……水中世界の美しい写真(オールカラー)も必見! 絶体絶命のピンチのとき、癒されたいとき――生きる活力が湧いてくる水族館へぜひ行ってみませんか? -
学びなおし太平洋戦争
ビジネスマンから受験生まで! 昭和史研究の第一人者による唯一&最新の太平洋戦争全史。昭和16年12月8日の真珠湾攻撃から昭和20年8月15日の終戦まで、快哉と苦渋と辛苦の激闘の戦史を克明に描き出すシリーズ全4巻。第1巻は山本五十六連合艦隊司令長官の秘策が的中した緒戦から南方作戦での快進撃までを収録。巻末のみならず各章ごとに監修者・半藤一利氏の解説付き。総ルビ表記で、大人から子供まで楽しめます! -
月山・鳥海山
いまも読み継がれる、芥川賞史上最高作と名高い小説 出羽の霊山・月山の山ふところにある破れ寺に、ひとりの男がたどりつく。炉ばたでひたすら割り箸を作り続ける寺の男、女たちによる念仏のあつまり、庭を見せようと豪雪にもかかわらず雪かきにはげむ老人……。雪に閉ざされた山間のむらで、不思議な村人たちと暮しをともにするこの男が知った此の世ならぬ幽明の世界。芥川賞受賞作「月山」と、その姉妹篇ともいうべき「天沼」、著者の〈月山への道〉が浮き彫りにされる短篇集「鳥海山」を収録。 【目次】 月山 月山 天沼 鳥海山 初真桑 鴎 光陰 かての花 天上の眺め 解説 小島信夫 -
極悪鳥になる夢を見る
これを読まずして貴志祐介は語れない! 『黒い家』『悪の教典』『新世界より』『鍵のかかった部屋』……あの緻密な作品群を生み出した知性の意外な素顔とは。 ホラー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルにわたって、挑戦的な作品を書き続けている著者による、デビュー以来の全エッセイから精選したエッセイ集。 作家としての思索や社会への提言のみならず、ある時は、小説もびっくりのホラーな出来事を、ある時はブラックなユーモアを、ある時は謎の日常生活を、ある時は溢れる野球愛を、絶妙な文章で綴っています。 謎多き“エンターテインメントの革新者”を、より知るための一冊。 文庫特別収録として、韓国での講演会の原稿「文学におけるヒューマニズムと悪について」収録。エンターテイメント作品という立ち位置の中で、なぜ大量殺戮などを描くのかが、明晰に述べられた名講演です。 【目次】 悪役の特権/なぜ緑色の哺乳類はいないのか/なぜ、エスパーは、少女でなければならないか/偽ドキュメンタリーの真実/極悪鳥/私は監視されている/スッポンの首/チェスボクシング/下品なスーパーヒーロー/台湾の夜市/思い出の『エクソシスト』/異形のまなざし 等 -
Jimmy
今までの自分、笑い飛ばしてみ。そしたらなあ、お前いじめてきた奴とか、からかってきた奴とか、全部見返せんで! ――明石家さんま(本文より) 1980年代の大阪。高校卒業後、どこにも就職できなかった大西秀明は、担任教師の口利きで、舞台進行見習いとして「なんば花月」に出入りしていた。幼い頃から何をやっても失敗ばかりの大西は、吉本でもとんでもないヘマばかり。そんな大西が、人気絶頂の明石家さんまと出会い、孤独や劣等感を抱えながら成長していく。 明石家さんま企画・プロデュース NETFLIXオリジナルドラマ「Jimmy」のノベライズ作品 -
トオリヌケ キンシ
人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。 でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より) 他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。 短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) ・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』 ・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 ・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 ・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 ・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 ・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』 -
その犬の歩むところ
『神は銃弾』で「このミステリーがすごい!」第1位。 『音もなく少女は』で「このミステリーがすごい!」第2位。 名匠ボストン・テランが帰ってきた。 犬を愛するすべての人に贈る感涙の傑作。 傷ついた人々のそばに、いつもその犬がいた。 GIV――ギヴ。それがその犬の名だ。その孤独な犬の首輪に刻まれていた三文字だ。傷だらけで、たったひとり、山道を歩んでいた犬の名だ。彼はどこから来たのか。どこで、なぜ、こんなにも傷だらけになったのか。彼は何を見てきたのか。どこを歩んできたのか。 犯罪が、天災が、戦争が、裏切りがあった。世界が理不尽に投げてよこす悲嘆があり、それと戦い、敗れる者たちを見守ってきた一匹の犬がいた。 この世界の不条理と悲しみに立ち向かった人たちに静かに寄り添っていた気高い犬。 『神は銃弾』でみせた荘厳な世界観、『音もなく少女は』でみせた崇高な人間の強さ、そしてボストン・テランにしか生み出せない乾いた詩情をたたえる文体。傷ついたひとたちの悲劇と救済を描く感動の最新作。 -
花の百名山
春の御前山で思いがけず出会った、薄紅に咲きさかるカタクリの大群落。 あまりの小ささに草地に身を伏せて、ようやく所在を確かめた早池峰のチシマコザクラ。 レブンソウとの新しい出会いに、自分の命がその花に添って伸びひろがってゆくのを感じる―― 山と花をこよなく愛し、日本中の山々を踏破した著者が、その豊富な山行の中から、四季折々の山と花の結びつきを100選び、歴史や自身の思い出とともに綴った珠玉のエッセイ。第32回読売文学賞〈随筆・紀行賞〉受賞作。 1980年に刊行以来、多くの山好き・花好きの間で読み継がれてきたロングセラー。NHK衛星第2TVで放映された「NHK 花の百名山」、山と溪谷社刊行「花の百名山 登山ガイド」などを生み出すことになった、元祖である。 「あれらの山々にはどんな木が茂り、どんな水が流れ、どんな花々が咲いているのか」という思いで、生涯山に登り、花を愛しつづけた著者のひたむきさ、純粋さ、喜びが、文章の端々から伝わってくる名作が、活字を大きくして待望の復刊。 解説・平尾隆弘(初代担当者・神戸外国語大学客員教授) -
復活祭
〈失われた10年後、あの男たちが帰ってきた! そのとき裏切られた女は……〉 80年代後半、土地と株の高騰に沸いた東京。 バブルの絶頂期の都会を舞台に、若き「持たざるもの」の青春の暴走と破滅を描いた名作『生誕祭』。 ボリュームを感じさせない疾走感と、入り乱れる男女の愛憎、最後まで敵味方のわからないコンゲームは、北方謙三氏からは「バブルという、現実に社会や人を狂わせた時代を、象徴的に描ききっている。時代の狂気を背景にすることによって、ノワールとも呼ぶべき新しいジャンルを主張」と評された。 そして10年後、再び主人公の彰洋と彼の敬愛する美千隆が動き出した。 バブルが崩壊して10年、彼らが運命を狂わした女たち――麻美と早紀がすべてを失ってから10年の歳月を経て、どん底だった日本の経済は一部の産業の復活の兆しがみえている。 インターネットという実態のないものに金が集まる、いわゆる“ITバブル”時代が到来したのだ。 「失われた10年」の雌伏後も彼らの夢は変わらない。 マンハッタンにでかいビルを建ててやる――そのために選んだのが、IT産業だ。 関連企業を立ち上げて目指すのは株式公開、その株の価値を上げて売買を行うだけで、実態を伴わない億単位の金が動く。 バブル時代と同じように、彰洋と美千隆は新会社メディアビジョンを興すと休息もないままに動き回り、上昇は成功していくかに見える。 しかし二人がかつて裏切り、現在はしがないクラブの雇われママの麻美はそれを許すはずがない。 自分のパトロンであり詐欺師の桜田、そして彰洋の恋人だった早紀にも誘いをかけ、ふたりの儲けを掠め取る計画を開始する。 IT時代の寵児たちをも連想させる重要人物と、複雑な心情をお互いに抱く男女たち。 いずれ土地バブルと同じようにはじける運命の時代の中で、勝ち抜くのはいったい誰か? 馳星周王道の裏切りと哀しみが躍動する、一級のエンタテイメント作品。 -
ロシアについて 北方の原形
「ともかくも、日本とこの隣国は、交渉がはじまってわずか二百年ばかりのあいだに、作用と反作用がかさなりあい、累積しすぎた。国家にも心理学が適用できるとすれば(げんにできるが)、このふたつの国の関係ほど心理学的なものはない。つまりは、堅牢な理性とおだやかな国家儀礼・慣習だけでたがいをみることができる(たとえば、デンマークとスウェーデンの関係のようになる)には、よほどの歳月が必要かと思われる。」(あとがきより) おもに日露関係史の中から鮮やかなロシア像を抽出し、将来への道を模索した、読売文学賞随筆・紀行受賞の示唆に富む好著。 -
恋愛仮免中
人の数だけ、恋の形はある。 奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは“恋愛”。 28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」) 16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(窪美澄「銀紙色のアンタレス」) 1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」) 生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。 (原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」) 両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」) 人の心が織り成す、甘くせつない物語を集めました。 -
三国志読本
歴史はふりかえってみるものではない。すすんでいって、みるものである。「特別随想 ふりかえること」より 『三国志』をはじめ長年、中国歴史小説を書き続ける著者が、みずからの歴史観、世界観、小説観をあますところなく開陳した。 自作解説や作家、経済人、学者など多彩なメンバーとの対談などを収録。 <目次> 【ロングインタビュー】私の「歴史小説」 【自作解説】三国志の世界 ・『三国志』の沃野に挑む--大歴史絵巻の豊穣なる世界 ・曹操と劉備、三国志の世界--正史からみえてくる英雄たちの素顔 ・『三国志』の可能性--歴史は多面体だからこそおもしろい ・『三国志』歴史に何を学ぶのか--構想十年、執筆十二年の大長編を終えて 【対談】歴史小説を語る ・水上勉--歴史と小説が出会うところ ・井上ひさし--歴史小説の沃野 時代小説の滋味 ・宮部みゆき--「言葉」の生まれる場所 ・吉川晃司--我々が中国史に辿り着くまで ・江夏豊--司馬遼太郎真剣勝負 ・五木寛之--乱世を生きるということ 【講義&対談】中国古代史の魅力 ・中国古代史入門--どこから学べばいいのか ・白川静--日本人が忘れたもうひとつの教養 ・平岩外四--逆風の中の指導者論 ・藤原正彦--英語より『論語』を ・秋山駿--春秋時代から戦国時代へ ・マイケル・レドモンド--碁盤上に宇宙が見える ・項羽と劉邦、激動の時代--ふたりを動かした英雄たちと歴史的必然 ・『三国志』をより深く楽しむための本 ・宮城谷昌光 中国歴史作品の年代一覧 ・特別随想 ふりかえること ・宮城谷昌光 出版年譜 -
スポットライトをぼくらに
「寂しい大人になりたくない」吉谷美鈴。 「馬鹿な大人になりたくない」雨宮達彦。 「ぼくは一体、どんな大人になりたいんだろう」と、本書の主人公・秋庭樹。 中学2年の4月、進路指導調査書を白紙で提出したことを、担任からとがめられ、樹は自分の将来について、否応なしに考え始める。 実業家である父親は、小さな建設会社を足場に、高利の貸付、土地の売買、レストラン・スナックの経営などで成功をおさめていたが、地元の人からはよく思われてない。 父が経営する店の一つ、トップレスバー〈フラワーヘブン〉の踊り子・ナンシーさんの踊りを見て以来、彼女のことが気になって仕方がない――。 幼なじみである、成績抜群なのにどこか冷めている達彦・病弱な母に変わって家庭をやりくりする美鈴。地方都市の小さな町を舞台に、中学2年生の幼馴染み3人組が、迷い、悩み、成長していく姿を瑞々しく描く。 文庫化を機に、19年ぶりに大幅改稿。5年後の3人を描いた中篇「フラワーヘブン」を特別収録。あさのあつこの原点ともいえる、傑作青春小説。 -
老いてこそ上機嫌
「80だろうが、90だろうが屁とも思っておらぬ」と豪語する著者は、御年89歳。 人生を楽しく迎える気構えを表す珠玉の言葉を、200を越える作品の中から厳選した名言集。 短くて、面白い。でも深くじっくり考えさせられる言葉ばかり集められています。 たとえば、 「苦労は忘れてしまえば、元々ないのと一緒じゃ」 「一人ぐらしの哀れな老人、という偏見に対抗するためにも、最新流行の洋服を身にまとい、きちんとしていなくてはいけない」 「女と年寄りは金の要るもの、ましてや、女であって年寄り、という存在は、人一ばい金が要る。なんのために?プライドと自立を守るためである」 「よく世間には若い人には負けぬ、と力んでいる老人がいるが、私は(負けたかて、エエやないか)と不思議である」 「本当をいうと、グチを吐く人はまだ甘い環境なのである。ほんとうに、たいへんな場で生きている人は、グチも出ないのである」 「手芸の妙手だろうと、実家のしつけが上等だろうと、学歴があろうと、財閥の娘だろうと、共に楽しむ相棒としては、いっしょにいて楽しいか苦痛か、の分類しかない」 「昔のことをいうてもエエが、昔のことで責めてはいかん」 「誰や、女はかよわいもの、なんていう奴。たくましいでェ。すばやいでェ。しかもたのもしいでェ」 結婚、仕事、子育て、人間関係などに悩み苦しんでいるひとには、田辺さんの明るくユーモアにあふれ、深みのある言葉にハッとさせられるでしょう。 年金をもらって楽しく生きるということが困難な時代を生きていく私たちを元気づけてくれる一冊です。 -
モモンガの件はおまかせを
お馴染みの楓ヶ丘動物園の飼育員たち――大型哺乳類担当の僕(桃本)、げっ歯類担当の七森さん、ツンデレ獣医の鴇先生、そしてカルト的人気、爬虫類担当の変態・服部くん――が、動物にまつわる謎を解き明かす、人気ミステリーシリーズ最新刊! ・楓ヶ丘動物園飼育員たちが休日にバーベキュー、僕と服部くんは買出しに出かける。犬の散歩をしている男に道を訪ねたのだが、連れていた柴犬の様子に僕は不審を抱く。(「いつもと違うお散歩コース」) ・七森さんに憧れるボランティア少年長谷井君の友人・今成君の家猫スコティッシュフォールドのトビーが男に連れ去られたという。トビーは夜帰ってきたのだが、オートロックで密室の家に男はどうやって侵入し、トビーを連れ出したのか?(「密室のニャー」) ・飼育員メンバーの面々が警察署から連れ立っての帰り道、僕の頭部にフクロモモンガが飛来してきた。どうも古いアパートの二階から逃げたらしいのだが、部屋の様子がおかしい。ドアを開けたところ、そこには部分的にミイラ化した死体が……。ケージもあり、ここで飼われていたことは間違いないのだが、いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話をしていたのか?(「証人ただいま滑空中」) ・体長は最低でも1メートル、体重も最低50キロという謎の大型生物が山の集落に出現。その「怪物」を閉じ込めたと聞いて向かった廃屋はもぬけのからだった。「怪物」はどうやって抜け出したのか?考え込んでいた鴇先生の顔が蒼ざめる……。(「愛玩怪物」) 【目次】 第一話 いつもと違うお散歩コース 第二話 密室のニャー 第三話 証人ただいま滑空中 第四話 愛玩怪物 -
美味礼讃
彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。 昭和35年、辻調理師学校の若き副校長・辻静雄はフランス料理の事典『ラルース・ガストロノミック』に出会い、フランス料理に魅了され、それがどういうものなのかどうしても実際に知りたいと熱望するようになった。 当時日本では材料や技術の問題から本格的なフランス料理を出す店はなく、ついに辻静雄は9週間のフランス旅行に出る。実に100軒のレストランに足を運び、その舌にほんもののフランス料理の味を記憶させ、帰国後はその味、その技術を辻調理師学校の教員、生徒たちに情熱をもって教えてゆく。 その料理への飽くなき探究心と情熱は、日本人のみならず、ミシュランの星をもつ名店の主人やシェフたちをも動かし、日本のフランス料理を格段に飛躍させた。 ポール・ボキューズをもって「シズオはフランス人よりフランス料理のことをよく知っている」と言わしめた、辻調理師専門学校の経営者、世界的な料理研究家であった辻静雄の伝記小説。 -
ホリデー・イン
「初めまして、お父さん」。 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。 宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。 本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。 1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった 3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ! 4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由 5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には―― 6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間 ハートウォーミングな6つの物語。 解説・藤田香織 -
マリコ、カンレキ!
ついに還暦を迎えた林さん。 美と食への貪欲さは相変わらず、有名人をたくさん呼んで派手な還暦パーティーを開くことに……。 朝ドラ「ごちそうさん」の時代考証がヘン、性根の悪い芸能人を暴露。佐村河内守、小保方晴子、ASKA、タイガー・ウッズなど、2014年に世間を騒がせた人たちや、セクハラ都議オヤジ問題、エラそうな新聞社社員の態度などバッサバッサと毒舌で斬っていく。ちょっと前の出来事を思い出し懐かしくなる爆笑エッセイ第28弾です。 中でも、百田尚樹氏への手紙は読みごたえあり。雑誌ジャーナリズム、つまり週刊文春への批判も連載ページで堂々と書く姿勢はあっぱれです。 また中園ミホさんとの対談「『花子とアン』誕生秘話」が番外編として収録されています。 -
春の庭
第151回芥川賞受賞作。「春の庭」 書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化! 東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。 彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。 街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとは―― 第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、 作家の揺るぎない才能を示した小説集。 二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」) 通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」) アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」) 電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」) 何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。 解説・堀江敏幸 -
宇喜多の捨て嫁
五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作 戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。 腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参! 娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。 裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。 高校生直木賞、オール讀物新人賞、舟橋聖一賞、咲くやこの花賞、歴史時代作家クラブ賞の5冠達成! 特別収録・高校生直木賞ルポ。 【目次】 宇喜多の捨て嫁 無想の抜刀術 貝あわせ ぐひんの鼻 松之丞の一太刀 五逆の鼓 -
ギッちょん
新芥川賞作家の傑作小説集! 「しんせかい」で第156回芥川賞を受賞。鮮烈なスタイルで現れた山下澄人の初期傑作集を待望の文庫化! 『ギッちょん』『コルバトントリ』二冊の単行本を一冊に。 〇収録作 ・ギッちょん 四十過ぎてホームレスになった男。目の前を往き来するのは幼馴染み“ギッちょん ”とひとりぼっちの父。(第147回芥川賞候補) ・水の音しかしない 毎朝同じ電車になる男が鬱陶しくて、時間をはやめてみたら、やはり男といっしょになった。適当に話を合わせているうちに「わたし」は窮地に陥る。 ・トゥンブクトゥ 第一部 街でゆきかう老若男女の様々な思惑、殺意。第二部 海辺のサバイバル。 ・コルバトントリ わしは死なへん。お前も死なへんねん。誰も死なへん。生者も死者も人間も動物も永遠を往還する――(第150回芥川賞候補) 〇小川洋子さんによる解説を収録。 「山下澄人さんの小説を読むと、語り手も登場人物たちも皆、魂だけになってしまった人々のようだ、と思う。魂というと普通、肉体の檻から解放された、純度の高い存在の源、のようなイメージがあるが、山下さんの場合は少し違う。」 「山下さんの小説に現れるのも、この“ 在り間”に近いものたちだと思われる。存在する、と明確に断言するだけの自信もなく、かと言って、存在しないのだな、と問われるといや、待ってくれと言いたくなる。どっちつかずの隙間、空洞、落とし穴、のような何か。ないけれどある。あるけれどない。」 「語り手たちは皆、迷ってばかりで、自信がなく、肝心なことをすぐに忘れる。生かされている世界に圧倒され、その前でちっぽけな自分を持て余している。そんな小さな人々にしか見えない真実の風景が、ここには描かれている」 -
勁草の人 中山素平
天才・田中角栄がもっとも畏れた男とは? 「財界鞍馬天狗」の生涯を描き出す決定版! 日本興業銀行頭取、経済同友会代表幹事を歴任した中山素平。 新日鉄発足、NTT民営化、国鉄分割、東京ディズニーランド開園……。 時代を画する案件の向こうには、必ずこの男がいた。 格差社会が叫ばれる今日、つよく温かいリーダーの実像を描き出す。 「文藝春秋」連載時から話題沸騰、待望の文庫化! 【目次】 第一章 総理来たる 第二章 石油危機 第三章 二つの大事件 第四章 国鉄分割化異聞 第五章 アメリカから来た女性研修生 第六章 魔法の国への扉・こころの産業 第七章 中国プロジェクト 第八章 “興銀ますらお派出夫”たち 第九章 募金行脚 第十章 尾上縫事件 第十一章 さらば興銀特別顧問室 第十二章 大統合の行方 解説 加藤正文(神戸新聞姫路支社編集部長) -
夢をまことに
江戸時代に空を飛ぼうとした男がいた! 近江国友の鉄砲鍛冶の一貫斎は旺盛な好奇心から、失敗を重ねながらも反射望遠鏡を日本で最初に作り上げる。 「日本のダ・ヴィンチ」と呼ばれた男、稀代の発明家の生涯。 直木賞作家、山本兼一さんの遺作が文庫で登場。 近江国友村の鉄砲鍛冶である一貫斎は村の訴訟に巻き込まれ江戸に出ることになった。 太平の世に鉄砲の注文は減り、村は景気が悪く寂れた状況にあった。 江戸に出た一貫斎は持ち前の好奇心で交友を広げ、オランダ渡りの新式鉄砲の修繕を依頼される。 見事に鉄砲を直した一貫斎は独自の工夫によって改良型まで作ってしまう。 -
楽に生きるのも、楽じゃない
「笑点」司会に就任、「おんな城主 直虎」では今川義元を怪演、「紅白歌合戦」では審査員として登場……。入門から35周年を迎え、いま絶好調の人気落語家による呑気で、たまにしみじみの名エッセイ集。幻の名著を大幅加筆、ドラマ「下町ロケット」で共演した立川談春との対談も収録!【目次】ママさんコーラス入門/雪見鍋/おじさんのこと/カレーパンのこと/弟子希望者列伝/サンドバックをもらう/水槽飼育者の生活/鳩との日々/引っ越し日記/人生が二度あれば/大読書家への道/秩父夜祭日記/末広亭の楽屋の火鉢/ピノキオの夜/ベトナムウソツキ日記/実録・石和ざぶとん亭/台湾棒球見学隊/キューバの旅/[特別対談]落語の自由 春風亭昇太×立川談春 ……など。 -
ムッシュ!
戦後日本のポップスシーンとともに生きたポップスター、はじめての自伝。 日系2世のジャズ・ミュージシャンを父に持ち、十代のはじめからジャズを聴き始め、カントリー&ウェスタン、ロカビリーといった戦後復興期の音楽シーンをミュージシャンとして体験。 グループサウンズの全盛時代には、ザ・スパイダースのメンバーとして、堺正章や井上順らとともにポップスシーンの頂点に立つ。 その後もロックンロール、フォークと、さまざまな音楽に取り組み、そのハイレベルな音楽性は、小西康陽や小山田圭吾といった後進のミュージシャンからリスペクトされている。 本書では、親友で早世した俳優の赤木圭一郎や、ミュージシャン、俳優、作家、デザイナーなどが出入りした東京・飯倉「キャンティ」の思い出、松任谷由実や吉田拓郎といったミュージシャンとの交遊を、都会育ちらしく洒脱に語る。 2017年3月にがんで逝去するまで、つねに音楽活動やカルチャーシーンで強い存在感を発揮し、多くの人から「ムッシュ!」と愛された男の輝かしいクロニクル。 ※単行本・文庫収録写真のうち、一部、電子版には収録されていないものがあります。※ -
悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために
「役立つ。そして稼げる」知識と教養が身につく特別講義! 同志社大学神学部の後輩へ向けての20時間におよぶ集中講義を完全収録。 「やや刺激的かつ俗物的にいえば、年収1000万円を稼げる大人になるための知力を身につけるための授業です。 したがってこの講義では、そうしたことを念頭に置きながら、就活、資格試験や外国語の勉強の仕方など、社会の実践の場で「役立つ。そして稼げる」知識と教養のあり方を、一緒に考えながら進めて生きたいと思います。」(本文より) ■おもな目次■ <第1講>天国か地獄か 型を身につけることは重要だ/自己愛を分析する武器としての神学/ 傷つきたくない自分という病/数学力が身を助ける/ 動機付け次第で暗記力はアップする ほか <第2講>天使のように貪欲に カイロスとしての年号/資格試験予備校は教材が命/ 勉強のスケジュールにも締切を導入せよ/じつは難しくない司法試験/ 翻訳のあるものはすべて日本語でよい ほか <第3章>悪魔のように勤勉に 正しいウィキペディア活用術/パウロは「ポケモンGO」に何というのか/ 難しい語学には二重の要素がある/勉強の「踊り場」までは一気呵成に集中する/ メモ起こしからノートづくりまで ほか <第4章>復活の日に向けて 神童が伸び悩む理由とは/学生時代の三〇〇万円か、四十歳の一〇〇〇万円か/ これが一五〇〇時間の勉強習慣のつけ方だ/遅刻は重大なペナルティ/ 「神学者」佐藤優はこうして生まれた ほか -
私を通りすぎた政治家たち
初公開のメモにもとづく恐怖の政治家エンマ帳。 祖父、父がともに参議院議員という環境に育った著者は、幼少時から多種多様な政治関係者に触れてきた。そうした環境で養われた政治家観をもとに、みずからが接した内外の政治家を取り上げ、忌憚のない筆をふるっています。 政治に携わる人間には、権力に付随する責任を自覚してノーブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)を心得ている「政治家(ステーツマン)」と、権力に付随する利益や享楽を優先して追求する「政治屋(ポリティシャン)」の二種類があります。 こうした観点から戦後日本の政治史で、ベスト5の「政治家」といえるのは、 1)吉田茂、2)岸信介、3)佐藤栄作、4)中曾根康弘、5)石原慎太郎 一方、国益より私益を優先したワースト5の「政治屋」といえば、 1)三木武夫、2)小沢一郎、3)田中角栄、4)加藤紘一、5)河野洋平 「著者はリベラルが嫌いなだけだろう」と感じる向きもあるかもしれませんが、そうではありません。 自民党内のリベラルな人は、いささか無節操で、新聞世論に迎合するだけのタイプの政治家が多かった。それに比べて、同じリベラルでも野党にいる人はちょっと違うタイプの政治家もいました。本書の一章「憎めない政治家たち」に登場するのは、不破哲三、上田耕一郎、大出俊といった、反自衛隊反警察の共産党、社会党左派の論客たち。国会答弁でも、何度もやりあった「天敵の仲」ですが、こういう人たちは思想信条が首尾一貫しており、論敵ではあったけれども、どこかで心が通じ合うものを感じていたとのこと。 こうした佐々節がさえるユニークな政治家論。 -
漱石の印税帖 娘婿がみた素顔の文豪
漱石をめぐる「謎」の数々を書いた名著が、没後百年のいま、よみがえる。 日本近代文学の巨匠でベストセラー作家、夏目漱石。 その没後、夏目家にのこされた印税覚書をもとに、一連の作品の部数を調べてみると……? 漱石愛用の万年筆をめぐる、不思議なエピソードとは? 漱石最晩年の門下生にして、漱石の長女、筆子と結婚した著者だから描くことのできた漱石の思い出、漱石山房での木曜会の様子、、そして芥川龍之介、久米正雄、鈴木三重吉、菊池寛など漱石をとりまく作家たちの素顔。 漱石関連の八篇と、「新思潮」時代の回想二篇を納めた随筆集。 -
人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった
さんまの人生哲学、たけしの野望 人気タレントが番組中になにげなくこぼした一言が、彼らの来し方行く末を物語る。 100人による100の名言で編む文庫オリジナル。 お笑い芸人もアイドルも、ゆるキャラまでも、 テレビの前ではその「人間性」がむき出しになる。 ビートたけしの若き日の野望、明石家さんまの「生きてるだけで丸もうけ」。 黒柳徹子は、宮沢りえは、田原総一郎は何を思い、カメラに向かうのか。 人生に「ムダ」だけど大事なことはみんな、テレビが教えてくれる! 【他にもこんな登場人物が!】 綾野剛、有吉弘行、石橋貴明、伊東四朗、内村光良、蛭子能収、大泉洋、太田光、岡村隆史、片桐はいり、香取慎吾、樹木希林、甲本ヒロト、堺雅人、坂上忍、さかなクン、清水富美加、志村けん、笑福亭鶴瓶、関根勤、高田純次、武井壮、武田鉄矢、田村淳、タモリ、壇蜜、千原ジュニア、出川哲朗、所ジョージ、中居正広、長瀬智也、中谷美紀、二階堂ふみ、博多華丸・大吉、バカリズム、濱田岳、早見あかり、ふなっしー、ベッキー、星野源、又吉直樹、マツコ・デラックス、満島ひかり、ムロツヨシ、桃井かおり、百田夏菜子、安田顕、山里亮太、若林正恭…… -
東京の下町
戦前の東京の暮らしを回想した珠玉エッセイが復刊。 東京・日暮里で生まれ育った作家・吉村昭が、食べ物、風物、戦災など思い出を鮮やかに綴った。 「日暮里を下町と言うべきかどうか。江戸時代の下町とは、城下町である江戸町の別称で、むろん日暮里はその地域外にある。いわば、江戸町の郊外の在方であり、今流の言葉で言えば場末ということになる」 「私が日暮里で生れ育ったことを知っている編集者から、少年時代の生活を書くように、と何度もすすめられた。が、私は、まだそんな年齢ではなく、それに下町の要素が濃いとは言え、御郭外の日暮里を下町として書くのも気がひけて、そのたびに断ってきた。 しかし、私も五十代の半ばをすぎ、戦前なら故老の末席に入ろうともいう年齢になったことを考え、思い切って筆をとることにしたのである」 -
ボラード病
日本中を震撼させた傑作がついに文庫化! B県海塚市は、過去の厄災から蘇りつつある復興の町。 皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、 港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく――。 集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、 読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。 (解説・いとうせいこう) 「誰も触れたがらないきわどいポイントを錐で揉みこむように突いてみせた、とびきりスキャンダラスな作品」(松浦寿輝) 「この作品に描かれた社会が、近未来の日本に現れないことを願っている」(佐藤優) 「世界をありのままに感じることがいかに困難であるかを描きだした魂の小説」(若松英輔) -
ソナチネ
生と死とエロス――。著者の真骨頂! 刹那の欲望、嫉妬、別離、性の目覚め……。 著者がこれまで一貫して描き続けてきた人間存在のエロス、 生と死の根幹に迫る圧巻の短篇集。 ピアニストの佐江は、教え子の少女のホームコンサートで、 少女の叔父だという男と出逢う。 音楽堂の暗い客席で、少女の弾くソナチネのメロディに合わせるように、 佐江と男は視線を、指先をからませていく……。(「ソナチネ」) 「鍵」「木陰の家」「終の伴侶」「ソナチネ」「千年萬年」「交感」「美代や」の7編を収録。 「恋愛とはきっとこういうものなのだ。人生のあらゆる出来事に繋がっている。」(千早茜、解説より) -
直木賞物語
直木賞を愛してやまぬ著者が贈る“直木賞のすべて” 選考委員がふたりしか来ない選考会? 選考基準どころか賞の対象範囲も定かではない!? あなたの知らない直木賞の真実がここに。 芥川賞と並び称されるも、大衆文学・エンタメ小説が対象の直木賞はいつもオマケ扱い、 その時々の選考会でブレまくる選考基準、山本周五郎賞や 「このミステリーがすごい!」、本屋大賞など次々とライバルが出現! 波乱万丈の直木賞の歴史を、人気サイト「直木賞のすべて」を運営する 著者が描く、人間臭さ全開のドキュメント。 -
「ドラマ鬼平犯科帳」ができるまで
鬼平犯科帳は永遠に!! 昨年、遂に幕を閉じたTV「鬼平犯科帳」シリーズ。 その長い歴史を振り返り、製作スタッフの貴重な証言を聞き取るファン必読の書。 28年間に渡り放送された「鬼平犯科帳」。 その人気の秘密を番組スタッフのプロデューサーから殺陣師や録音技師、美術監督などに直接インタビュー。 今の世で正統的時代劇を放送する上での、苦労話、ここだけの話、内緒の話がテンコ盛り。 さらに「オール讀物」に掲載された「鬼平」関連の記事も収録。 目次 序章 鬼平、京都へ行く 第一章 スタッフインタビュー 第二章 ドラマ『鬼平』の魅力を検証する 終章 鬼平、京都を去る -
完本 1976年のアントニオ猪木
1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。※電子版には文庫版に収録されているアントニオ猪木インタビューは収録されておりません。 -
花柳界の記憶 芸者論
花柳界、芸者、三業地……文字としては馴染みがあっても、実態は殆ど知られていない世界。長年新橋演舞場に身を置き、数々の名妓たちと親交のあった著者が、芸者の成り立ちから戦前、戦後の東京の花柳界全盛の時代までの歴史と変貌を細やかに描写。処女作にして和辻哲郎文化賞を受賞した、画期的日本文化論。 -
芥川賞物語
一冊で芥川賞まるわかり。芥川賞の全歴史とエピソードが一冊に。 市井の愛好家が、愛と外からの冷静な目で著した芥川賞“非公認”本を、文春文庫から堂々刊行。 賛辞も非難もすべて盛り上がりの血肉にしてきた恐るべき文学賞・芥川賞。 1935年の創設から八十余年、第1回から第155回まで、受賞者、選考委員、候補者、マスコミが繰り広げてきた壮大なドラマを、著者独自の愛と棘ある視点で描き、「日本一有名」なこの賞の秘密を解き明かす。 いちばん面白くて読みやすい芥川賞史。 事件上等!文運隆盛!の八十余年 ・「新人賞」なのに世間では破格の扱い。 ・派手な受賞は叩かれる。地味な受賞は嘆かれる。 ・太宰治の怒り、車谷長吉の「五寸釘」!? ・そして「火花」の250万部突破―― 「文藝春秋がなぜこの本を文庫にしようと思ったのか、いまだによくわからない。 もしかしたら、これが芥川賞の恐ろしさなのかもしれない」(著者) -
まひるの月を追いかけて
奇妙な旅のはじまり、はじまり 異母兄の恋人から、兄の失踪を告げられた私は彼を探す旅へ――。 奈良を舞台に夢と現実のあわいで真実は姿を隠す。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。 異母兄が奈良で消息を絶った。 たった二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。 早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香……。 旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。 旅と物語の行き着く先は――。 「恩田作品には映像に携わる人間を刺激する何かがある。 撮りたい衝動にかられる。その言葉を発語してみたくなる。 登場人物を設定された場所に解き放してみたくなる。 そして、その場所を、実際に訪れてみたくなる」 (解説・佐野史郎) -
夏の名残りの薔薇
この殺人事件は真実なのか、それとも幻か!? 沢渡三姉妹が山奥のホテルで毎秋、開催する豪華なパーティ。 不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。はたして犯人は―― 沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。 参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。 不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。 これは真実なのか、それとも幻か!? 巻末には杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。 「『夏の名残りの薔薇』は本格ミステリという「閉じる」小説形式のルールを遵守しながら、同時に「閉じない」モチーフを小説内に定着させるという、極めて曲芸的な目論見によって書かれた作品である。(中略)小説内の犯人が目論んだ計画とは別に、作者が小説内で狙った仕掛けについても注意して読み進めなければならない――。」 (解説・杉江松恋) -
木洩れ日に泳ぐ魚
恩田陸にしか書けない、緊迫の舞台型ミステリー 舞台は、アパートの一室。 別々の道を歩むことが決まった男女が、最後の夜を徹し語り合う。 初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿――共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。 濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。 不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編! 「一つの部屋に、男女が一人ずつ。具体的な登場人物はこの二人だけ。そして、章ごとに男の視点と女の視点が入れ代わる。 読み進むうちに、どうやら、二人は今まで同居していて、引っ越しを決め、最後の夜を共に過ごそうとしていると分かってくる。 そして、さらに読み進めれば、二人はある殺人事件に関わっているのかもしれないという予感がしてくる。 ……まだ、小説を読まないまま、先にこの解説を読み始めた人に伝えられるのはここまでです。」 (解説・鴻上尚史) -
宇宙が始まる前には何があったのか?
宇宙物理学の最先端を平易に語ったベストセラー! 『種の起源』に匹敵する宇宙論のパラダイム・シフト。 私たちのいる宇宙はビッグバンで誕生した。では、その前には何があったのだろう。宇宙は「無」から生まれたのか――? 物質と反物質のわずかな非対称が生んだ私たちの宇宙。なぜ「無」からエネルギーが生じたのか。宇宙はいかにして終わりを迎えるのか。 ・宇宙は加速しながら膨張しており、やがて光速を超える ・99パーセントの宇宙は見えない ・未来には私たちがいま観測している宇宙は観測困難となる などなど、最先端の研究成果ともとに、気鋭の宇宙物理学者が宇宙の意外な像をわかりやすく描き出す。リチャード・ドーキンス氏、推薦。 解説・井手真也 -
バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで
ゴールデンボンバー 鬼龍院翔、絶賛! あなたが好きだったあのバンドはなぜ解散したのか? 金の分配、ドラッグ、メンバーの死、お馴染みの音楽性の不一致。ときにはマネージャーが暴走し、メンバーが殴り合い、美しい解散宣言もあれば、泥沼の裁判沙汰に至ることも。ビートルズからSMAPまで、古今東西のバンド200組の解散事情を網羅する、音楽ファン悶絶必至の大著。 -
そして誰もいなくなる 十津川警部シリーズ
前代未聞のクイズ付きミステリー小説! 製菓メーカー主催のクイズ大会に参加したものの、優勝候補の不自然な脱落を怪しむ探偵の橋本。その背後を探り始めた十津川警部にも危機が迫る――。東京駅から神戸、有馬温泉、洋上へと舞台が移り変わるノンストップミステリー。ストーリーの進行に応じ難問クイズも登場(解答つき)。貴方は事件の謎とクイズが解けるか? Q現在の東京駅には、存在しないホームがあります。それは何番線ホームでしょうか? Q神戸の名所に、メリケンパークがあります。どうしてメリケンパークと呼ばれているのでしょうか? Q兵庫県尼崎市の杭瀬東墓地には、残念さんと呼ばれる墓があります。これは、どんな人の墓でしょうか? ――答えは本文中にあり! -
盲導犬クイールの一生
「人間らしい歩き方を思い出させてくれた」との言葉を残して、パートナー(使用者)はこの世を去った。盲導犬クイールの生まれた瞬間から、暖かい夫婦のもと息をひきとるまでをモノクロームの優しい写真と文章で綴る。映画化、ドラマ化もされた感動の記録。文庫新装版の秋元良平氏の「出版から十五年過ぎて」も収録。
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