無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
教会の香部屋になぜか浮かんだ一体の天使……それは神父にしか見ることができない幻影なのか?なんだか凄惨なイメージの作品だなあ、と思って帯をながめておりました。しかも、登場人物にはあの荻原朔太郎がいるらしい。そして、冒頭の一文「この七年間もの間、わたしが考えつづけていたのは、いったい、誰がわたしをここに埋めたのかということだ」を目にしてぶっとんでしまった。これは「頭の中の湿った土」ではないか?
同じ物語なのか、そうではないのか?朔太郎、神父、腐っていく天使、そして頭の中の湿った土……。もはや頁を繰る手ももどかしいのである。ああ、何と病的で、何と美しくて、何と切ない物語なのでしょう?こんな物語があってよいのでしょうか?読んでいる最中にいったい何度胸苦しい思いにみまわれたかわかりません。はじめ、あまやかな腐臭をはなっていた天使がだんだんとほんとうの腐乱した何かに変化していく。それは、あたかも天上に属すると自らを欺いてきた愛情がじつは世俗のものにすぎないと見せつけられるようなものではありませんか?心はどこに向かいますか?そして肉体はどこに向かいますか?詩の中にあるのは、そして残るのは何ですか?
Posted by ブクログ
萩原朔太郎の静かに追い詰められていく心が…終章の、明らかに書き過ぎている手紙が本物の引用というのも狂気的でした。室生犀星からの返事は創作だろうけどこちらも良いです。
埋められている「僕」、神父、萩原朔太郎の三つの視点でお話が進んでいくけれど、この三人の関係性は昏い。腐りゆく天使の甘い腐臭。
引用されてる朔太郎の詩は勿論、作品の文体も好きでした。
「しかし、心の裡にその美を感知する能力のない者にとつては、そこには美は存在しないのです。(中略)言ひかへるなら、心の裡に美を持つ者だけが、その美に感応することができるのです」「心の裡に神を持つ人が、神を見ることができるのです」「人の、裡なる神の量によつて、外なる神の量もまた決まつてゆくのではないでせうか」。印象的な神父の言葉です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少年・青年マンガ
小説・文芸
少女・女性マンガ
小説・文芸