トオリヌケ キンシ

トオリヌケ キンシ

683円 (税込)

3pt

人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。
でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より)

他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。
短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。

(収録作品)
・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』

・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』

・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』

・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』

・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』

・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』

...続きを読む

トオリヌケ キンシ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年09月24日

    いい!!
    短編が繋がっていてストーリーが展開していくのですがそういう物語好きです!
    不思議な繋がりとか感じられます!おすすめ!

    0

    Posted by ブクログ 2019年02月04日

    短編集なので、感想文を書くのが難しいのですが...
    一冊通しての印象は、やはり「心ほっこり系」かな(^ ^

    全編通して、割と淡々とした文体で、
    さらりと読めるが内容は意外と重い。
    巻末の解説を読んで初めて気づいたが、
    通底する共通項は「珍しい病気・障害・体質」。
    ネガティブなだけではないので、病気...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年10月30日

    素晴らしかったです。
    短編集で、連作ではないけれど、最後の話でのみそれぞれのその後が垣間見える構成になっています。

    場面緘黙症や、共感覚、相貌失認など、最近少しずつ知名度の上がってきたものを取り入れながら、大仰にし過ぎず、かといって軽んじることなく、この作者らしい優しく温かな文章で物語を綴られてい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年04月21日

    ○ ぼくは人の顔が識別できない
    あなたはそんな事を言われたらどう思うでしょうか?

    ○ コンタクトレンズを入れたら、また、〈声〉が聞こえるようになった
    あなたはそんな事を言われたら聞き間違いだとは思わないでしょうか?

    では、小さなお子さんにこんな風に話しかけられたらどうでしょうか?
    ○ やさしかっ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年01月07日

    加納朋子のトオリヌケキンシを読みました。
    病気や症候群をテーマにした短編が6編収録されています。

    一番気に入ったのは平穏で平凡で、幸運な人生でした。
    形から音につながる共感覚を持っている女性の物語でした。
    普段は特に役に立つわけでもないのですが、いざというときに幸運にもその能力が役に立ちます。

    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年12月21日

    病や悩みを抱えながら、でも最後はみんな幸せになっているから良かった。バッドエンドだったら、読むのを途中でやっめていたかも。

    作者の方が大病した経験があることを知らなかったけど、やはり病気をした前と後では、考え方が変わるだろうな。
    そういう視点で、病気前の作品も読んでみたい。

    0

    Posted by ブクログ 2018年06月13日

    きっと人は、自分が周りと違う部分を見つけては悩んで、苦しんでいるんだと、この小説を読んで思った。もちろん、私だってその一人だ。

    加納さんはそんな人たちを、持ち前の優しさで救い上げていく。
    タイトルのように、トオリヌケキンシの袋小路に迷いこんでしまったとしても、出口はあるのだと背中を押してくれる。
    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年07月07日

    大好きな加納朋子さんの短編集。
    相変わらず安心して読める優しい話が多いです。

    幻想的な話かと思いきや、現実的な話で、だけど結末はファンタジーと言えなくもない。

    真面目な人が報われる、親切な人達が沢山いる、こんな優しい世界だったらいいなという希望と、そうなるかどうかは自分次第という叱咤激励と。

    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年06月09日

    場面緘黙症、共感覚、被虐待、相貌失認、半側空間無視…
    少し繊細な事情を持ち、自分は他との人は少し違うという事に戸惑い傷ついたりする人達。
    場合によっては世界を閉ざしかける彼らを引き戻してくれる誰かの手、それは恋人だったり友だったり家族だったり。
    加納先生らしい心にじわっと染みる、優しく温かい短編集。

    0

    Posted by ブクログ 2022年04月16日

    この作者お得意の、事情を明かされるとこれまで読んでいた世界がガラッと違った世界に見えてくるお話が6つ。
    話のミソに“他の人とちょっと違う疾病や感覚”があって、その使われ方にちょっと無理筋を感じる話もあったが、ソウボウシツニンにもめげず可愛い彼女(これがまたシュウケイキョウフ)との関係が微笑ましい「フ...続きを読む

    0

トオリヌケ キンシ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

加納朋子 のこれもおすすめ

トオリヌケ キンシ に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す