ロシアについて 北方の原形

ロシアについて 北方の原形

小説・文芸
569円 (税込)

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「ともかくも、日本とこの隣国は、交渉がはじまってわずか二百年ばかりのあいだに、作用と反作用がかさなりあい、累積しすぎた。国家にも心理学が適用できるとすれば(げんにできるが)、このふたつの国の関係ほど心理学的なものはない。つまりは、堅牢な理性とおだやかな国家儀礼・慣習だけでたがいをみることができる(たとえば、デンマークとスウェーデンの関係のようになる)には、よほどの歳月が必要かと思われる。」(あとがきより)

おもに日露関係史の中から鮮やかなロシア像を抽出し、将来への道を模索した、読売文学賞随筆・紀行受賞の示唆に富む好著。

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ロシアについて 北方の原形 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ロシアについての考えが変わった。
    アメリカ、イギリス、中国などの国を論ずるならロシアを論ずる場合、本書は必読である。
    モンゴルなどの遊牧民によりロシアに大きな政権ができるまでには14-15世紀まで待たなければいけなかった。西欧との大きな違いである。また、そのモンゴル族の統治を受け継いだのが農奴であり、日本の大名などとは全く異なるシステムである。騎馬民族は鉄砲、大砲などの火器により駆逐された。このことがロシア人を大砲好き、現代ではロケット好きにさせた。
    モンゴルは長らく清帝国のもとにあったが、騎馬民族としての強さを失ったところにラマ仏教をいれて、20世紀初めのウランバートルには乞食だらけだった。かつてのモンゴル帝国では考えられない。清はモンゴルを隷属させたが繁栄させなかった。あまりの貧困化に一部のモンゴル人がロシアに泣きついた。ここからがすごい。
    ロシアは、民族の一部が泣きついた場合、そこに干渉しロシア化する。そうしてロシアそのものを膨張をしてきた歴史がある。まさにウクライナでも同様の手口で拡大し戦争が起きている。
    40年前の書籍であるが、ロシアの歴史を知ることで今のロシアを知ることができた。良書である。

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    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    若い国
    九世紀、キエフからロシア史が始まった(!)
    13ー16世紀、暴力的なモンゴルの支配下に
    16c、ロシア人の国ができる
    日本の江戸時代でもまだ開拓中で奴隷制がある、近代国家として未成熟な状態
    専制君主制が根付いている
    モンゴルとの関係性から、武力での支配に取り憑かれたのかも
    ロシアの領土欲は取得が簡単なシベリア地域にしかなく、日本や中国へは商売欲があるのみ。(実現可能性の面から)
    日本からはロシアに興味が向いていない。常にロシアから日本への熱烈な矢印が向いているのみ。など。

    ついでに
    司馬遼太郎を読んだのは何年振りだろう。やはり好き。情熱や信念をうちに秘めながら冷静な文体。(少し敷衍してしまうようだけど)我々が骨の髄まで浸かっている泥のような資本主義の常識「やったもん勝ち」「謙虚になったもん負け」みたいな低俗な価値観をひと時忘れさせ、品性を取り戻させてくれる。

    0
    2026年04月01日

    Posted by ブクログ

    現在の国際情勢にもつながるロシアという国の原型を学ぶことができました。ロシア社会の始まりが、十三世紀のはじめのチンギス・カンの襲撃などの外敵におびえざるをえない状況からはじまっているとう解釈は、なるほどと思いましたし、非常に面白かったです。今回、あらためてですが、遊牧民の強さ(と残虐さ)を再認識できました。そして、なぜ彼らが強かったのかの知見も深まりました。元寇でモンゴル(南宋)の襲撃を防いだ鎌倉武士団は、本当に強かったと思います。ただ、冷静に考えて、日本が島国であったことも撃退できた大きな要因だったんだなと思いました。もし、日本が陸続きで、主戦力がモンゴルの騎馬部隊だったとして、どちらの弓が遠くに飛んで、そして、技術を含めてどちらの弓が強かったのか、とても興味があります。日本とロシアの外交の始まりが、シベリアにおける飢えと渇えからおこっているというのは初めて知りました。ロシアは、日本に開国してほしかったのだと思いますが、ペリー(アメリカ)のように乱暴な手段やハッタリを使わなかったのは好感がもてました。あと、ロシア人の毛皮に対する情熱というか執着には、ちょっと笑いました。ある意味、命をかけて毛皮をとりにいくそのモチベーションは、やはり寒冷な土地に住んでいるからこそでしょか。現在も日本とロシアは国境を接していますし、領土問題もかかえています。今回、この書籍を読んで、やはりあまり過激な行動をするのは得策ではないと思いました。それは決して、弱腰ということではなく、相手を怯えさせないようにする、これは武士道精神にも通ずる姿勢ではないかと思いました。

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    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    日露交渉史。司馬遼太郎なので古い。が、昨今の事情を説明するかのような記述もあり流石という気になった。

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    2025年01月07日

    Posted by ブクログ

    氏が「菜の花の沖」「坂の上の雲」を書く際に考え続けていたロシアという国の本質について考察した本。現在読んでも全く古さを感じず、この国の本質を考えるヒントを与えてくれる。

    国の成り立ちや侵略された歴史から国家としての性格が形作られていった様子がよく分かる。特にシベリア等の極東開拓の歴史は日本人として知っておくべきだろう。

    ロシアの側から見れば、北方領土とモンゴルをセットにして捉える必要があるなど、北方領土問題を語る前に我々国民もロシアのことをより知る必要があることを再認識した。この問題においては変に国民感情に訴えることは慎まなければならないという、氏の考えには全く同感する。

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    2017年09月05日

    Posted by ブクログ

    江戸も中期に及んでようやく存在を意識し、駆引きを初めて250年ほどのロシアについて、示唆に富んだエッセイにより学ぶ。欧州人はロシア平原でロシアを感じるのに対し、我々日本人はシベリアでロシアを感じる。よって本著では、ウラル山脈以東における民族の栄華と零落としてモンゴル、そして清王朝についても詳しい。他民族に対して、日中蒙は軽視する傾向にあるが、露は親切に対応すると評価される。北方四島の返還について、そもそも領土問題について、外交レベルの主張はあっても国民運動にしたてることの無意味さがおぼろげに見えてきた。

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    2014年11月02日

    Posted by ブクログ

    司馬遼太郎さんは表現力、洞察力が違います。まるでその場で見ていたかのような描写でロシアについて理解が少し深まった気がします。

    0
    2026年08月17日

    Posted by ブクログ

    ヤルタ会談に関する理解、このたった数行レベルの話をするための前提となる事実認識の読者への要求がすごい。
    ?と思うところもあるけれども、今のウクライナとかアジア人の他者への理解など、考えさせられる考察多いです。
    これなら作者お得意の蘊蓄ご開陳も致し方なし、です。

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    2024年05月18日

    Posted by ブクログ

    某所読書会課題図書:シベリアを中心に東方のロシア、南方の蒙古、中国の動向を非常に長いスパンで詳述したものだが、知らない事実が満載で楽しめた.ウクライナがある意味でロシアの原点であるとの指摘もあり、2022年2月に始まったウクライナ侵攻も歴史的な考察が必要だと感じた.シベリアに進出したロシアが日本の存在を知り、様々な工作を仕掛けてきた歴史的事実も、現代人として知っておく必要があろう.工藤平助(1734-1800)などあまり歴史の表に出てこない人物に注目していることに感心した.イルクーツクという地名は、小生が小学生時代 我が家によく来ていたおじさんがイルクーツクにいたことを話してくれたことを思い出し、懐かしかった.

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    2024年03月17日

    Posted by ブクログ

    司馬さんのロシア感は深いです!ウクライナとの戦争も歴史的な背景があるようです。タタールのくびき、とか

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    2023年05月08日

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