【感想・ネタバレ】ロシアについて 北方の原形のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年06月02日

ロシア関係の本を探していたら、高校生の頃にはまった司馬遼太郎氏が、ロシアについて考察した本を書いているのを見つけて驚きました。

氏の解釈を踏まえながら丁寧にロシアについての考察を展開していて、興味深く読みました。そして、さすが作家だけあって読みやすい!

出版年は古いですが、現状を理解するための本...続きを読むとしてはまったくもって問題ないかと思います。

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Posted by ブクログ 2017年09月05日

氏が「菜の花の沖」「坂の上の雲」を書く際に考え続けていたロシアという国の本質について考察した本。現在読んでも全く古さを感じず、この国の本質を考えるヒントを与えてくれる。

国の成り立ちや侵略された歴史から国家としての性格が形作られていった様子がよく分かる。特にシベリア等の極東開拓の歴史は日本人として...続きを読む知っておくべきだろう。

ロシアの側から見れば、北方領土とモンゴルをセットにして捉える必要があるなど、北方領土問題を語る前に我々国民もロシアのことをより知る必要があることを再認識した。この問題においては変に国民感情に訴えることは慎まなければならないという、氏の考えには全く同感する。

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Posted by ブクログ 2014年11月02日

江戸も中期に及んでようやく存在を意識し、駆引きを初めて250年ほどのロシアについて、示唆に富んだエッセイにより学ぶ。欧州人はロシア平原でロシアを感じるのに対し、我々日本人はシベリアでロシアを感じる。よって本著では、ウラル山脈以東における民族の栄華と零落としてモンゴル、そして清王朝についても詳しい。他...続きを読む民族に対して、日中蒙は軽視する傾向にあるが、露は親切に対応すると評価される。北方四島の返還について、そもそも領土問題について、外交レベルの主張はあっても国民運動にしたてることの無意味さがおぼろげに見えてきた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年08月31日

前ロシアに行った後に購入して読んだ時はさっぱり入ってこなかった。だが、2度目今度は極東に行ったり、坂の上の雲を読んだりした後に読み返したら、つるつると入ってきた。

司馬さんの調査の緻密さもすごいが、開国期というか、ひとつの国家が発展し、外部に進出していく時のエネルギーやパワーに対する畏敬の念のよう...続きを読むなものを行間から感じることができる。

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Posted by ブクログ 2010年08月18日

日本とロシアとの主にシベリアと通した関係からみた、ロシアという国。そしてロシアの国から見た日本という国。なるほどーと思える内容が読みやすい文章で書かれていて、面白かった。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

某所読書会課題図書:シベリアを中心に東方のロシア、南方の蒙古、中国の動向を非常に長いスパンで詳述したものだが、知らない事実が満載で楽しめた.ウクライナがある意味でロシアの原点であるとの指摘もあり、2022年2月に始まったウクライナ侵攻も歴史的な考察が必要だと感じた.シベリアに進出したロシアが日本の存...続きを読む在を知り、様々な工作を仕掛けてきた歴史的事実も、現代人として知っておく必要があろう.工藤平助(1734-1800)などあまり歴史の表に出てこない人物に注目していることに感心した.イルクーツクという地名は、小生が小学生時代 我が家によく来ていたおじさんがイルクーツクにいたことを話してくれたことを思い出し、懐かしかった.

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Posted by ブクログ 2023年05月08日

司馬さんのロシア感は深いです!ウクライナとの戦争も歴史的な背景があるようです。タタールのくびき、とか

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Posted by ブクログ 2023年02月18日

こんな時期だから読んでみた。ロシアを巨人の左腕と右腕に例えていた。そこに生きている人と牽制者はきっと違う。

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Posted by ブクログ 2022年12月27日

ロシアというよりもモンゴルやシベリアの遊牧民族についての記述が多く勉強になった。遊牧、民族にとっての草原の大切さや中華民族が濃厚することによって、その草原が失われるので、彼らにとっても防御反応として中華帝国を進行せざるを得なかったと言う考え方は画期的だった。

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Posted by ブクログ 2022年12月11日

今この時期だから
読んでおきたいな...
と思っていたら
偶然リユース文庫で入手

そして
ロシアの成り立ちについて
対日関係の歴史について
全く無知だった自分

目から鱗がぼろぼろ

読んで良かった一冊

政治家がマストで読んで
勉強してくれ
と思う

市のリユース文庫にて入手

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Posted by ブクログ 2022年07月18日

いつもながら作者の深い洞察力と理路整然とした筆致に唸らされる。近くの大国でありながらその歴史やシベリアへの進出の背景など、知らないことばかりで興味深かった。騎馬民族の盛衰の背景もなるほどと思わせる。

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Posted by ブクログ 2022年06月05日

ロシア、アメリカ双方にとって日本の地理的重要性は高く、日本という小さ島国が経済的に成長し、今のところ平和を保っているのはある意味奇跡と言えるかもしれない。

ただ、それはもちろん日本自力で成し遂げた訳ではないが。

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Posted by ブクログ 2022年04月26日

ウクライナ情勢に関連して増刷され平積みになっている司馬遼太郎の作品。坂の上の雲、菜の花の沖でロシアについて書いた司馬遼太郎がその時に触れたロシアの一側面をまとめている。
司馬遼太郎といえばモンゴルというイメージが私にはあるのだけれど、そのモンゴルという大地、草原地帯の遊牧民との関係性からロシアの国家...続きを読む観を描いている。
クリミアから中央アジア、シベリアへと続く草原地帯における遊牧民から圧迫を受け続け、次第に克服し内部に取り込んでいく過程が、ロシアの非ヨーロッパ的なアイデンティティとして通奏していて、ロシアのユーラシア主義はここから続いているということがわかる。ロシアのシベリアへの進出はアメリカにおける西部開拓と似ているところがあって原住民を野蛮に蹴散らしていくようなところもあったという。しかしながら、ロシアの遊牧民への扱いもだいぶ酷いのだけれど、中国はさらに酷いのも驚く。本来なら距離的に近い中国がこの草原の支配を確立していてもおかしくないのだけれど、清朝が漢族の国家でなかったゆえに、漢族の優位性を押し出す政策を強く押し進めた結果、シベリア・モンゴルの取り込みは失敗してロシアの大地となった。
日本はそのロシア人がシベリアまで進出してきた毛皮業者が食料を求めてやってきたころからの接点が生まれていて、鎖国政策ゆえにけんもほろろに断っている。ただ千島列島あたりに漂流した日本人がロシア人に匿われ、サンクトペトロブルクまでつれていかれて皇帝に会ってもいたりする。それほど当時のロシアは日本と交易がしたかったということのようだ。
それにしてもロシアはモスクワ、サンクトペトロブルクというヨーロッパ的な顔を西側社会にはみせているけれど、実際にはシベリアまで東側に大きくウイングを広げているのであって、その内実はシベリア進出、遊牧民との戦いの感性が強く残っている国家なのだとも思う。その意味でロシア人の感覚を我々(特に日本人)の感覚で安易に測ってはいけないのであって、中国だけでも厄介なのに、もう一つ厄介な国が隣国にいることを日本人は忘れてはいけないとも思った(ただ気軽に煽ることは避けた方がいいとも)。
その点、朝鮮半島・韓国とは上手くやっておいた方がいいとは思うのだけど、亀裂は深く悩ましい。

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Posted by ブクログ 2020年01月07日

10日ほど前、インフルエンザに罹患。もともと、4歳の娘がインフルでした。一方こっちは風邪が酷かった。保育所に復帰する為の治癒証明を貰いに行った小児科で、「一応自分も」と、検査したところ、陽性。(ちなみにその小児科は、人に薦められて行きつけにしているのですが、大変に優秀で親切です。堪らず大人も行きつけ...続きを読むにしてしまっているくらい。東横線横浜よりゾーンの方は是非お薦め)
 早期発見のおかげか、あまり高熱が出ず、暢気な療養でした。インフル休暇のお陰で、「しばらくは仕事が慌ただしくないのでゆっくり読書もできるな」、と色々考え「カラマーゾフの兄弟」の再読を年末年始の楽しみにすることに。長らく買ったまま手を触れていなかった、光文社古典新訳文庫の亀山訳です。
 亀山訳は「罪と罰」の再読で経験済み。嫌いでは無かったです。30年くらい以前に新潮文庫版を読みました。
 かなりわくわくしつつ、まずはインフル休暇初日に準備運動として亀山さんの「100分de名著 カラマーゾフの兄弟」を購入し半分くらい読みました。「後半は、カラマーゾフを読み終えてから、読む方が楽しめそう」と、半ばで中断。本丸に入ろうと思ったのですが、ふと。
 「司馬遼太郎の”ロシアについて”を買ったまま放置していたな」と思い出し。19世紀ロシア世界にどっぷり遊びに行こうとしている今よりも、良いタイミングは無いのでは。



「ロシアについて 北方の原形」司馬遼太郎。文春文庫。恐らく1986~7年くらい、あるいはもう一寸以前に、文藝春秋に連載されたものです。
 つまり、もう35年くらい前の文章です。
 でも、古びないですね。

 1985前後のソ連について言及されている部分もありますが、基本は「坂の上の雲」「菜の花の沖」を書きながら、ロシアについて考えたことをまとめておきたい、という意志から書かれたそうなので、目先の政治現象についてではなく、歴史を遡りながらロシアについて考えた、という一冊。

 司馬遼太郎さんと言えば「日本史」なんですが、ここ何年か、司馬遼太郎さんが「日本以外の国」について書いたものが、面白くてたまりません。個人的に世界史というのが日本史よりも隔靴掻痒なんですが、司馬さんが解説してくれる世界史は、冷たい肉に忽然と熱い血が流れ迸る如く分かりやすく面白い。

 この本は、「ロシアについて」なんですが、実は半ばは「モンゴル草原の騎馬民族だとか匈奴だとか呼ばれる人々について」だったりもします。そして、後半から終盤は、ロシアに対して、日本がどういう顔をしてきたか、という、「ポスト日露戦争の、日本の歩み」という色合いもあります。ちょっと、奇妙な本です。

 ただ、ロシアが持っていた特異性、農奴制と日本の封建制の異質さだとか、シベリアという特殊領域の性質が、これでもかと分かりやすく語られ、それはとっても面白かった。つまり、黒貂の毛皮をパリの人が買わなければ、ロシアのシベリア進出は無かった。風が吹けば桶屋が儲かります。
 至極簡単に言うと、シベリアでは毛皮が取れる。取った毛皮はパリを筆頭に西欧文明先進国で、高く売れる。ほぼ国策として、その利を求めてシベリアに進む。ところがシベリアでは、人を養いうる農作物つまり食べ物が栽培できない。食べ物が足らない。毛皮で外貨を稼ぐために、毛皮を採取する人々を送り込む。そしてその人々の食料をひたすらに送り込まなくてはいけない。

 その「面倒くささ」が、歴史を動かします。

 日本の鎖国の扉をロシアがたたいたのは、「ここで、シベリア用の食料を買えるのでは。あわよくば毛皮も売りさばけるのでは」という欲望。
 
 これ、実はアメリカ(ペリー提督)もほぼ同じなんですね。

 当時は鯨の脂っていうのが、ランプなどの照明に大変必要だったそうなんです。アメリカの人々は大いに捕鯨していました。捕鯨船の太平洋での補給基地が欲しかった。そのために、業界団体が、首都ワシントンで政治工作して、政府を動かした。それくらい、捕鯨業界は強く、お金があったんですね。

 動かされた政府は、ペリー提督を派遣した。と、いう筋書き。

(話は逸れますがそういう過去を持つ人々が、「鯨を捕って食べるなんて、なんて野蛮なんだ」って言っていたりするんですね。おかしい、と思わない方が不思議)



 司馬さんは、北方領土の問題にも触れています。

 さすがのリアリズムと客観性。

 要するに、「北方領土は日本の領土である」と主張は大いに続けるべきである、と。だけど、実際問題、「そうかそうか、返します」となるわけが無い。そうなるわけはないけど、主張は続けた方が良い。

 ただ、国際政治と領土問題のリアリズムで言うと、返還を実際的に求めても、意味が無いんです。だから、北方領土の問題を、国内のナショナリズムを煽ることに使うのは、絶対に良くないよ、と。

 「それはそれ、これはこれ」で、北方領土問題で、対外的な経済や親睦に水を差しては、元も子もない訳です。

 これは確かに、世界の領土問題の歴史を見るにつけ、そうなんだろうな、と思います。

 さて、いよいよ、カラマーゾフ。

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Posted by ブクログ 2019年01月25日

北方四島への関心から20年ぶりに再読。司馬さんがこれを書いてから30年以上経ち、ジャパンアズナンバーワンは遠くなり、ソ連は崩壊しています。歴史書ではないし、参考文献もありません。でも、司馬さんの縦横無尽で俯瞰的な視線は、今も魅力的です。ロシアについて書かれていますが、他の作品同様、日本のかたちも模索...続きを読むしています。ただ肝心の北方四島の記述が浅いのが残念。

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Posted by ブクログ 2014年07月28日

ロシアという国家の原形をとらえ、日本との相互作用を辿っていく。

原形に触れるという作業は、体制の如何を問わず、その国が持つ、固有の国土と民族と歴史的連続性を取り出すことである。

武力のみが国家を保つという物騒な発想を、ロシアはキプチャク汗国から学び、引き継いだ。

シベリアという巨大な荷物の、経...続きを読む済的うまみを創出するために、清国領、満州の一部を手に入れ、朝鮮にまで手を出そうとしたことで、日本に恐怖を与えた。それが日露戦争につながった。

日本は明治末年、この戦勝によって、柄にも無く、”植民地”を得た。それに見合う陸海軍を持たざるを得なくなり、政治までもが変質していった。そして国家の器量に見合わないことをやるようになる。1918年から数年続いたシベリア出征である・・・

このように日本とロシアは、交渉が始まって、200年あまりの間に、作用と反作用が累積しすぎた。お互いに、“おびえ”という心理作用が存在する中では、慣習や儀礼を重んじる成熟した国家関係に成長することはできない。

翻って、現在のロシアとウクライナの問題を考えると、ある種の連続性が存在する。やはり、その国の行動を理解するには、その国の歴史を学ぶ必要がある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年06月06日

ロシア。ユーラシア大陸の多くの部分を占めるこの国の成り立ち、歴史。『菜の花の沖』『坂の上の雲』という二つの大作を書く中で司馬氏はロシアについて綿密な研究を行った。
その成果をまとめたのがこの本。
ロシア人は、長い間モンゴル人の支配下にあり、自前の国家を持ったのが非常に遅かった。独立後は東へ東へを領土...続きを読むをひたすら拡張。
黒貂(こくてん・クロヒョウのこと?)の皮のもたらす莫大な利益を求めてシベリアを侵略。ユーラシアの東の果てに発見したのが日本という島国だった。その時日本は江戸時代であった。

この本を読むと、ロシアというのは地理的に日本に非常に近いというのを改めて思い知らされる。そして、シベリアの大地ってどんなところなんだろう?とか、もともとシベリアに住んでいたブリヤード・モンゴル人をはじめとした原住民はどんな生活をしていたんだろう?とか、シベリア鉄道に乗ってみただとか、想像を膨らませる。

狭い世界に生きながら
少しは広い世界を覗くことができた気がする。

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Posted by ブクログ 2012年09月07日

「坂の上の雲」「菜の花の沖」執筆の際ロシアについて調べ上げた著者が、その雑感を記したもの。結果的に欧露、シベ リア、モンゴルの歴史や支配関係、日露関係などがよくわかる。日本が騒いだところで北方領土は簡単には返ってこない、ということもわかった。

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Posted by ブクログ 2012年08月04日

なぜロシアは北方領土返還について頑なな態度を取るのか。国の成り立ち、置かれてきた歴史の違い。非常にためになるしおもしろい。本著のロシア語訳は出ているが、同じくロシアを描いた小説「坂の上の雲」のロシア語訳は出ていないらしい。12.8.4

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Posted by ブクログ 2012年04月21日

特に感銘を受けた内容は次のとおり。
①1945年に英、米、露が合意したヤルタ協定において、「千島列島のソ連領有」と「モンゴルのソ連傘下維持」が合意された。つまり、ロシアは北方領土を日本に返還すると、モンゴルを中国に返さないといけない論理になる。
②モンゴル人は中国が大嫌い。

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Posted by ブクログ 2012年09月18日

ロシアの歴史は意外にも新しいが、中央アジアを駆け巡った騎馬民族の歴史、ロシア国家成立からの歴史、文化、地政学上の観点からの司馬さん独自のロシア民族考察は今後、領土問題等を抱えたロシアとの関係に少なからず参考になるのではないか?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月10日

隣国ロシアについて語る。著者は「坂の上の雲」から「菜の花の沖」まで10年ばかりの間ロシアと付き合っていた。あとがきには、両国の関係史を煮詰めることでロシア像を取り出したかったとある。
著者は、モンゴル人のキプチャク汗国による260年にも及ぶ暴力支配「タタールのくびき」が、被支配者であるロシア民族にま...続きを読むで影響を及ぼしたとみている。

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

司馬遼太郎氏が『坂の上の雲』など、ロシアを題材にした作品を執筆する中で感じた彼の国に関する論考がまとめられている。その歴史的な成り立ちや、「タタールのくびき」等の民族的価値観に影響を与えた経緯について、体系的に理解できる。

ロシアの日本に対する羨望は、領土拡張などの野心というよりも恋慕に近い感情が...続きを読むある。シベリアという巨大な大陸を抱え、そこに暮らす住民たちの飢えや経済交流を極東側の列島に期待してきた歴史があるが、鎖国し毛皮や自然資源をさほど求めてない日本はずっと交流を絶ってきた。

帝国としては後発で、広大な領土をまとめるためには統制的な絶対君主が必要な国家体制は、実は今も変わっていない。そして常に飢えてきたロシア国民にとっては、ウクライナ周辺の肥沃な農地は手放してはならない不凍の食糧庫だろう。現在の国際情勢にも繋がるロシアという国の源流を知る上で良書である。

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Posted by ブクログ 2023年02月02日

ロシアの発展と隣国(モンゴル、中国、そして日本)との関係史について紐解いていく流れ。
ロシアが、未知の世界を開拓したいとシベリアへ乗り出したことは自然な流れ。でもいわゆるこれが運の尽きか、手を出したことがきっかけで、隣国との関係が悪い方に動き出してしまったのかなと感じた。だからと言ってロシアを嫌うで...続きを読むもなく、あくまで歴史の流れに沿ってロシアという国を浮かび上がらせる書き方に感動した。むしろ大正〜昭和にかけ、ロシアに反発するように膨張してしまった日本を恥じているのも伝わる。
最後に。読み終わった2023年、出版の1989年から30年以上経つのに今のことを話しているかのようなリアル感。芯をとらえた本は長生きだなあと感じた。

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Posted by ブクログ 2022年07月16日

時節柄、ロシアの本質に迫るような本を読みたいなと思って手に取った。

副題の通り、ウラルより東の話が主なので、ウクライナの話は(クリミアの話が少々登場するする以外は)出てこないし、なんと言ってもまだソ連がある時の本なのだが、約二百年に渡るロシアと日本の外交関係を俯瞰するには大変な良書。

1945年...続きを読むヤルタ協定の僅か3条の内容が、1条モンゴルの現状維持(ソ連勢力圏)、3条千島列島のロシアへの引渡(2条は日露戦争による日本の権益のロシアへの返還)、で、北方領土返還が即、モンゴルの中国返還(清朝時代の版図を正とすれば)に繋がり得るため、中国が注視している、ということは全然知らなかった。

パリの貴婦人が黒貂の毛皮を珍重しなければ、ロシアのシベリアへの進出の動機が無くなり、世界史が大きく変わっていたかもしれない、と考えると不思議な気持ちになる。

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Posted by ブクログ 2014年07月01日

シベリアと日露外交史が焦点。情報量多い。
日露青年交流センター長曰く、「北方領土の問題以外についてはロシアをよく捉えている。」

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Posted by ブクログ 2013年10月10日

 ロシアは北方領土四島を返還することはない。その理由としてヤルタ協定のなかで広大なモンゴル高原と四島を含む千島列島、それぞれに1条項を立て戦後領域が決められたのだとか。もし、ロシアが四島を返還するとなれば、当然、中国は外モンゴルを帰せとロシアに迫るだろう。四島返還はそう簡単な話ではない。

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Posted by ブクログ 2015年07月14日

中国東北旅行中に読んだので、後半の清朝のモンゴル対策は非常に興味深かった。
ロシアについては、
菜の花の沖
坂の上の雲の
復習。

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Posted by ブクログ 2012年09月27日

私のロシアのイメージははっきりいって無い。
ウォッカぐらいだ。
あとは佐藤優と鈴木宗男か。

かの佐藤優は鈴木宗男がいれば北方領土が返還される可能性があると思ったそうだ。
(だったかな、勘違いかな)
その鈴木宗男が何の因果か一線から退けられ、未だ一線には返り咲けていない。(よね)

そんなことはこの...続きを読む本には書かれていない。

んが、北方領土に関しては一言だけかかれている。
淡々と無視されることがあっても、主張し続けること、決して国内世論を火かき棒でかき混ぜるような、国民運動を作り上げるようなことがあってはならないと。有害であると。

私もそう思います。担当官僚、担当政治家が淡々と主張を投げ続けることは必要でしょう。

全く歴史を知らない私は北方領土が日本固有のものなか、いつから日本に属しているのかよく分かりません。

この本によると。ロシアに取られたのは、ヤルタ会談によると。

英国、米国、露国によって決められたヤルタ協定の中に、
・外蒙古(蒙古人民共和国)の現状が維持されること。
・千島列島がソヴィエト連邦に引き渡されること。

このことが含まれるようです。
外蒙古の現状とはソ連傘下であること。

日本の立場として北方四島と千島列島は違うだったかな。

ロシア側としては含まれるです。

こうなってくるとロシア側からみると
北方領土を日本に返還すると
外蒙古も中国にかえさなくてはいけなくなるのです。
という見方もできるわけです。

これは他の領土問題もおなじで、実は二国間だけの話ではすまないこともあり、
なかなか進まないのです、こんなことは激しくやりあうのではなく
粛々とすすめていくことが肝要だと考えられます。

もっともっとおもしろいことが書かれていたのですが、
長くなるのでこのへんで。

はっきり言って知識の少ない私には
なかなか分かりづらいことも多々ありましたが
このような本はいっぱい読んでいきたい。

歴史をしることは無用な争いをさけることにつながると思います。
激しくあらそうことはなにもうみださないと思われます。
ね。


ロシア

p.74
一六九五年カムチャツカ半島には
現在カムチャダール族といわれる人が当時住んでおり、
アイヌを通じて日本から針を手に入れって
こんな文章を読むと、

ほんと戦争ってばからしいし、国とか国境なんてなんだかなぁと思っちゃいますよね。
もちろん歴史とは戦争の歴史と言ってよく
また現在でも人が人を殺すことは止まないのだけれど

私利私欲がなければ発展もないのだけれど
戦争が伴う発展には目を背けてします。

諍いをおこすのであれば
まぁまぁいいじゃないとなれない人がなんと多いことか
まぁまぁいいじゃないは逃げなのだろうか。

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Posted by ブクログ 2022年04月26日

久々の司馬節です。やはり希代の詩人ですね。

今、再読すると司馬先生の先見性におどろく。
歴史は国を語りますね。

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