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Posted by ブクログ
数ある著書の中でも、とくに司馬史感の強い作品。1000年の時を隔てた思想的巨人の生涯を辿る作風なため、幾分か作者の想像が入り込むのは当たり前のことだが、ただの想像にとどまらない。司馬遼太郎特有の縦横無尽の知識をふんだんに用い、かつ、なにより愛のこもったまなざしで頭中の空海を見つめ文を紡ぐので、読者の目の前に空海の見たであろう風景がありありと広がるのである。まったく「風景」と呼ぶにふさわしい作品だと感じた。
個人的におすすめの読み方は、Google mapsを片手に、文中に出てくる地名を逐次検索しながら読む方法。著者の特徴に、地名が詳細に記載されていることが挙げられる。空海は最初大陸のどの辺に漂流したのか、そこからどのような道筋で長安に向かったのか。この河を渡る際に、先に日本に帰る部隊と別れの儀を行ったのか、など、より鮮明にその風景を見ることが出来る。
下巻が楽しみ。
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