中公新書の検索結果
検索のヒント
検索のヒント
■キーワードの変更・再検索
記号を含むキーワードや略称は適切に検索できない場合があります。 略称は正式名称の一部など、異なるキーワードで再検索してみてください。
■ひらがな検索がおすすめ!
ひらがなで入力するとより検索結果に表示されやすくなります。
おすすめ例
まどうし
つまずきやすい例
魔導士
「魔導師」や「魔道士」など、異なる漢字で検索すると結果に表示されない場合があります。
■並び順の変更
人気順や新着順で並び替えると、お探しの作品がより前に表示される場合があります。
■絞り込み検索もおすすめ!
発売状況の「新刊(1ヶ月以内)」にチェックを入れて検索してみてください。
-
物語 フィンランドの歴史 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年
古来よりスウェーデン王国下にあったフィンランド。19世紀にロシア帝国下、「大公国」となり広範囲な自治を獲得。ロシア革命、大規模な内戦を経て独立する。第2次世界大戦では、ソ連に侵略され領土割譲。その後ナチ・ドイツに接近し、近親民族の「解放」を唱えソ連に侵攻するが敗退。戦後は巨大な隣国を意識した中立政策を採りつつ、教育、福祉、デザイン、IT産業などで、特異な先進国となった。本書は、「森と湖の国」の苦闘と成功を描く。 目次 序章 フィンランド人の起源―「アジア系」という神話 第1章 スウェーデン王国の辺境―13世紀~19世紀初頭 第2章 ロシア帝国下の「大公国」―19世紀~第一次世界大戦 第3章 揺れる独立国家フィンランド―内戦~1930年代 第4章 二度の対ソ連戦争―第二次世界大戦下、揺れる小国 第5章 苦境下の「中立国」という選択―休戦~東西冷戦期 第6章 西ヨーロッパへの「接近」―ソ連崩壊~21世紀 終章 21世紀、フィンランドという価値 -
魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ
魔女裁判は近代の夜明けである16―17世紀、ヨーロッパ各地を吹き荒れ、多数の人々を無実の罪で処刑した。その背後にはヨーロッパに根強い魔女信仰があった。愛する子どもの死、インポテンツや作物の不作といった身の回りの不幸や不安を魔女のせいにするという、呪術的思考の存在は、科学的知識がいきわたった現代社会とも無関係ではない。本書は英語圏の魔女幻想を中心に、歴史上の事実と文化的なうねりをエピソード豊かに検証する。 -
地域と人口減少の経済学 スマート・シュリンクという選択肢
「人口1億人目標」「東京一極集中の是正」「コロナショックで人の流れは変わった」――人口減少と地域問題にはびこる通説・俗説や、問題含みの地方創生政策を著名エコノミストが覆す。人口が減ってもウェルビーイングを損なわないための処方箋として、スマート・シュリンク(賢く縮む戦略)を提唱。行動経済学やマーケットデザイン等の理論、豊富な経年データにもとづき、多くの地域で応用できる「共有型」モデルを打ち出す。 はじめに 人口・地域問題を経済学で解決する 第1章 人口変化の姿とコロナショック 1日本の人口構造の変化 「確かな未来」の「確かな変化」の「確かな課題」/日本全体の人口構造の変化/外国人の流入をどう考えるか 2人口オーナスがもたらす諸課題 人口オーナスとは何か/ますます高まる度合い/人手不足、社会保障などの諸課題 3コロナで厳しさを増す人口の姿 コロナショック後の人口動態/衰える結婚・出産意欲、低下する希望出生率 第2章 地域から見た人口構造の変化 1地域間の人口移動を考える 社会増減の重要性/地域間人口移動の姿 2地域の人口展望 将来人口の姿/前回の人口推計との比較/「率」で見た高齢化、「数」で見た高齢化/老いる都市の課題 3二つの悪循環 人口オーナスによる悪循環/人口規模を介した悪循環 第3章 地方創生政策の検証 1戦後の地域政策の流れと地方創生 全国総合開発計画の歩みと変質/薄れる国土計画への関心/難しかった東京一極集中是正/小泉構造改革は何を目指していたのか/消滅自治体論の登場/消滅自治体論の四つの問題点 2人口1億人目標について考える 地方創生と人口1億人目標/人口1億人とはどういうことか/人口1億人目標に意味はあるのか/2・07の達成は不可能 3「地方創生1・0」の批判的検討 地方創生の手順/少子化対策と地方創生のデカップリング 第4章 東京一極集中は是正すべきか 1一極集中という診断は正しいか 多層的集中という診断/「足による投票」という考え方/人はなぜ集まるのか/政策目標としての東京一極集中是正 2一極集中の是正は少子化対策になるのか 東京一極集中と少子化対策/東京都の出生率は見かけほど低くない /注目すべき東京のマッチング機能/簡単な数量的チェック 3コロナ危機は変化をもたらしたのか 流出超に転じた東京都の人口/東京圏外への人口移動につながる3ステップ/コロナショックとテレワークの普及/対面型への回帰/もう一度東京一極集中是正を考える 第5章 地域政策のイノベーション 1求められる地域政策とは 国主導型からの脱却/「規範型」から「共感型」のプロセスへ/分散から集中へ/ソーシャル・キャピタルで伸びる地域を伸ばす/逆方向だった地域政策 2共有型の地域活性化方策 地域政策の二つのタイプ/劇場型と共有型の四つの違い/経済学から生まれた共有型の政策/行動経済学が実証したバイアス/ナッジという智恵/フューチャー・デザインと住民参加/岩手県矢巾町の例/マーケットデザイン 3スマート・シュリンクの時代へ スマート・シュリンクの考え方/人口が減っても経済が縮むとは限らない/人口減少と地域経済 4スマート・シュリンクの実践 岡山県美咲町の例/政府が進める地域のスマート・シュリンク/自由な人の移動を通じて/自由な人の移動は、地域問題の解決に資する/地方部のアンコンシャス・バイアス -
日本終戦史1944-1945 和平工作から昭和天皇の「聖断」まで
泥沼化する日中戦争、太平洋を挟んだ日米戦争、東南アジアでの日英戦争、原爆投下、敗戦前後の日ソ戦争。 米中英ソとの複合戦争はいかに推移し、幾多の和平・収拾策にもかかわらず、なぜ早期に終戦できなかったか。 他方、本土決戦を目前に、なぜ「聖断」で終戦が可能となったか。 最新研究を踏まえ、昭和天皇・近衛文麿・木戸幸一・鈴木貫太郎らの肉声で辿り、第2次世界大戦の結末を巨細に描く。「狂気の時代」の真実に迫る。 【目次】 まえがき 序 章 「複合戦争」の終わらせ方 「明るい戦争」 帝国陸海軍の作戦計画 「対米英蘭蒋作戦計画」と戦争終結構想 本書のねらい 第1章 太平洋戦線 陸海軍の戦略論争 ガダルカナル攻防戦 日独協力の対英戦略西アジア攻勢の政戦略 「絶対国防圏」――対米戦略の重視 サイパン殉国の歌――太平洋戦線の転機 「捷号」計画の破綻――フィリピンの放棄 沖縄から本土へ 長期消耗戦へ 第2章 大陸戦線 中国戦線の行き詰まり――重慶攻略の難題 「帝都空襲」の衝撃 「五号作戦」(四川進攻作戦)の挫折 重光の「和平構想」――「対支新政策」 「大東亜国際機構」構想 大東亜宣言と戦争目的の再定義 理念的アプローチの功罪 対中和平工作 「容共」政策への傾斜 繆斌工作の挫折 大陸戦線の結末――一号作戦の展開 インパール作戦 一号作戦と共産軍の成長 中国戦線の結末 第3章 徹底抗戦と徹底包囲 決号作戦計画――本土「最終決戦」 「天の利、人の和」――「国民総武装」の功罪 特攻と天皇 特攻の戦果 沖縄戦と戦艦大和特攻 大空襲の広がり 海上交通破壊の威力――機雷と艦砲射撃 ダウンフォール――オリンピック・コロネット作戦 南九州の防備 抗戦力の源泉 第4章 和平論のゆらぎ――小磯内閣の退陣 東條体制の崩壊とその後 三つの和平論 「近衛グループ」の和平構想 「真崎グループ」の即時和平論 「皇道派政権」構想の挫折 近衛拝謁の意味 近衛上奏と対米和平 グルー演説と上奏文の国際認識 近衛内閣案の挫折 高木惣吉の終戦研究近衛の米内留任論 木戸の「聖断」構想 小磯と「大本営内閣」案 小磯の辞意 米内の残留 小磯の「現役復帰」提案 小磯退陣と陸軍中堅層 第5章 鈴木内閣と終戦政略 鈴木首相の終戦指導 組閣と陸軍 米内留任と東郷の再入閣 陸軍中堅層の対応――「バドリオ」内閣? 本土決戦論 「決号」作戦計画と対ソ外交 六巨頭会談方式の確立 三つの対ソ交渉方針 「日ソ支」提携構想 広田・マリク会談 ソ連外交の「自立性」 鈴木の対米メッセージ 大東亜大使会議宣言の意味 戦争の争点を超えて 「無条件降伏」の拘束 ダレス工作とグルー声明 無条件降伏と国体問題 「平和の海」演説の波紋 非常時議会の意味 小野寺工作とヤルタ会談 第6章 「国策転換」の国内政治 近衛と米内の連携 六巨頭会談の硬直化と打開工作 高木の「研究対策」 阿南・米内会談の流産 六相懇談会 革新官僚グループの「本土徹底抗戦論」 「非常大権」発動論と議会 最後の「戦争指導大綱」 戦争目的としての「国体護持」と「皇土保全」 革新官僚の論理 木戸のイニシアティヴ 「時局収拾対策試案」 阿南の説得 六月二二日の御前会議 高木の「研究対策」の意味 第7章 近衛特使とポツダム宣言 対ソ交渉と国内危機 近衛特使への期待 スターリン宛親書とソ連の回答 近衛グループの和平交渉案 高木の和平交渉案 外務省の和平交渉案 「瀬戸際外交」――最後の特使派遣交渉 和平の基礎としての大西洋憲章 ポツダム宣言の形成 ポツダム宣言と「有条件講和」 「黙殺」と「敵の謀略」 カイロ宣言の「黙殺」 対ソ交渉の行き詰まり 原爆とポツダム宣言――投下は必要だったか 第8章 二つの「外圧」と「聖断」 原爆と広島の惨状 ソ連参戦の衝撃 「四条件」 論争 総辞職の危機 「聖断」シナリオの浮上 近衛と重光 木戸と鈴木のシナリオ 第一回聖断――八月一〇日 受諾電の修正 情報局総裁談 陸相告示――「全軍将兵に告ぐ」 外地軍の抵抗 「天佑」論の背景 第9章 戦争終結 バーンズ回答 外務省の解釈 バーンズ回答と陸軍 「総辞職」の危機 天皇の意志 少壮幕僚の「兵力使用計画」 バーンズ回答の「内政不干渉論」 第二回聖断――八月一四日 阿南陸相と「クーデター」計画 終戦詔書と玉音放送 「大詔を拝して」 「国体護持」の自己認識 支那派遣軍の「降伏」 国民党軍と日本軍の協力 中ソ友好同盟条約と共産党軍の満洲占拠 「現地定着」方針の挫折 「以徳報怨」の波紋 日ソ戦争の展開 北海道占領計画と千島 終 章 敗戦の意味 「聖断」の活用 国体のゆくえ 終戦のタイミングと決断の要因 植民地帝国の終戦 日米同盟の起源 なぜ「複合戦争」に陥ったか あとがき 参考文献・資料一覧 日本終戦史 関連年表 -
人はなぜ結婚するのか 性愛・親子の変遷からパートナーシップまで
結婚のあり方が大きく揺らいでいる。離婚・再婚、選択的夫婦別姓、共同親権、同性婚、パートナーシップ、事実婚、生殖補助医療、養子縁組……。リベラル派と保守派に分断され、個々の論点についてすれ違う議論がなされがちななか、本書では共同性、性愛関係、親子関係の3点で議論を整理し、一貫した視点から本質とこれからを見通す。結婚をめぐる自由化がもたらす「しんどさ」も指摘する。本質を知りたい人のための羅針盤。 はじめに――議論の見通しをよくするために 1章 結婚のない社会? 結婚には歴史的にどういう意味があったのか 母子関係と父子関係 結婚制度は消滅するのか 父親のいる社会、いない社会 母系社会における結婚 結婚のない社会は設計可能か 2章 結婚はどう変わってきたのか 結婚の意味を探求してみよう 愛かお金か 生殖から性愛へ 家長の力が強かった時代 家族が会社組織のようだった時代 結婚は社会に埋め込まれていた 性別と性愛をめぐる言語表現 家族から「仕事成分」が抜け出した時代 結婚観の変化と同性婚 結婚を問い直す哲学的な考察 3章 「結婚の法」からみえる結婚の遷り変わり 自由婚はほんとうに自由か 国や支配者が結婚に介入する理由 現代の秩序維持と人口コントロール 法規制は何のためにあるのか 事実婚以上、法律婚未満 結婚の入口要件 婚姻期間中の要件(共同性) 結婚の出口要件(離婚) 有責離婚から無責離婚へ 「内部化」する現代の結婚 同性婚は結婚の法をどう変えたか 結婚と性愛関係の結びつきは強いのか 事実婚と法律婚 4章 同性婚、パートナーシップ、事実婚 結婚とシビルユニオン 分業する核家族 近代的な結婚の意義 保護対象とされた女性と子ども 選択肢としての結婚へ 結婚のベネフィットは何か 相続における法律婚と事実婚の差 政府の方針や民間企業の都合 なぜ性愛関係に基づいた結婚をするのか シビルユニオンの登場 PACSと性愛関係 シビルユニオンの特徴 三つの共同性の違い 制度と実態のギャップ 5章 結婚と親子関係 結婚の争点は親子関係にもある 結婚と父子関係の確立 DNA鑑定はどのような影響を及ぼすか 生殖補助技術と親子関係の複雑化 親の複数性をもたらすパターン 代理懐胎をめぐる課題 養子縁組とブレンドファミリー さまざまな「親子関係」の内実 「親性」を構成する要素とは 一律判断から個別配慮の時代へ 同性婚における親子関係 同性カップルが子を持つ事例 親子関係の制度がめざすところ 6章 乗りこえられるべき課題としての結婚 オプション化する結婚 共同性のコスト 自由という不自由 倫理的問題と行政・司法コスト 保守的な価値観 差別問題の難しさ 厄介な固定観念 選択肢が多いがゆえの悩み リベラルと保守の対立を再考する 同じ方向を向いて議論をするために 7章 残された論点 前近代の結婚 前期近代の結婚 後期近代の結婚 非性愛的共同性はなぜ稀なのか 同類婚の謎 成人親子関係と結婚 姓の問題(選択的夫婦別姓) 複婚の可能性 共同性を広く持てる社会とは -
平等とは何か 運、格差、能力主義を問いなおす
かつて一億総中流といわれた日本。 いまや格差が広がり、社会の分断も進んでいる。 人生が親ガチャ・運しだいでよいのか。 能力主義は正しいか。 そもそも不平等の何がわるいのか。 日本の「失われた30年」を振り返り、政治哲学と思想史の知見から世界を覆う不平等に切り込み、経済・政治・評価上の平等を問いなおす。 支配・抑圧のない、自尊を下支えする社会へ。 財産が公平にいきわたるデモクラシーの構想を示す。 ■目次 はじめに 第1章 不平等の何がわるいのか? 本書の特徴 前口上――なぜ平等・不平等を考えるのか 不平等から考える――不平等に反対する四つの理由 ①剥奪――貧窮ゆえの苦しみ ②スティグマ化――傲りと卑屈、そして差別 ③不公平なゲーム――人生の難易度の変化 ④支配――非対称的な関係の固定化 みえやすい不平等・みえにくい不平等 窮民問題――貧困にあえぐ社会 寡頭制問題――少数が牛耳る社会 健康格差問題――寿命が短い社会 第2章 平等とは何であるべきか? 平等を支持する四つの理由 ①生存・生活の保障――充分主義 ②恵まれない立場への優先的な配慮――優先主義 ③影響の中立化――運の平等主義 ④支配関係がないこと――関係の平等主義 平等の要点――「局所的な平等化」をこえて 三つの不平等の区別――差別・格差・差異 格差原理と(不)平等 差異ゆえに平等 第3章 平等と能力主義 アファーマティブ・アクション AA――五段階の規範 正義と能力主義 公正な能力主義はゴールか? 能力の測定問題とガラスの天井問題 能力主義の専制 正義と功績をいったん切り離す 機会の平等を見直す――スキャンロンの三段階モデル まとめ――財産所有のデモクラシーへ 第4章 経済上の平等――社会的なもの 『21世紀の資本』のインパクト――r>g 『資本とイデオロギー』――格差はつくられたものである アンダークラスの出現 財産所有のデモクラシー①――社会的なもの 日本型福祉社会の問題 事前分配・当初分配 人的資本のストック 職場環境の正義 ベーシック・インカム タックス・ジャスティス 第5章 政治上の平等――共和主義 誰が統治するのか――政治家のキャリアパス なぜ世襲政治家は多いのか 経済力の政治力への転化 徒党の発生をいかに防ぐか 財産所有のデモクラシー②――共和主義 政治資金規制とメディア宣伝 パブリック・シングス――公共性のインフラ 公共財としての仲介機関――政党とメディア 政治バウチャー クオータ制 ロトクラシー――くじ引き民主制 第6章 評価上の平等――複数性 絶望死、遺伝と能力 時間どろぼう――エンデ『モモ』 財産所有のデモクラシー③――複数性 自尊の社会――配達員の仮想演説 評価集団の多元化――複合的平等 正義と多元性 財産と富 〈自分自身〉であるためのデモクラシー 「自己の内なる体制」 おわりに――平等についての六つのテーゼ あとがき 注記一覧 図版出典 参考文献 読書案内 -
バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。 -
トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
1892年にアメリカで発明されたトラクターは、直接土を耕す苦役から人類を解放し、穀物の大量生産を可能にした。文明のシンボルともなったトラクターは、アメリカでは量産によって、ソ連・ナチ・ドイツ、中国では国策によって広まり、世界中に普及する。だが、化学肥料の使用、土地の圧縮、多額のローンなど新たな問題を生み出す。本書は、一つの農業用の“機械”が、人類に何をもたらしたのか、日本での特異な発展にも触れながら、農民、国家、社会を通して描く。 ●目次 まえがき 第1章 誕 生――二〇世紀初頭、革新主義時代のなかで 1 トラクターとは何か 2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期 3 夜明け――J・フローリッチの発明 第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立 1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得 2 専業メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化 3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練 第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開 1 レーニンの空想、スターリンの実行 2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意 3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想 4 二つの世界大戦下のトラクター 第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相 1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ 2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム 3 「鉄牛」の革命――新中国での展開 4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン 第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ 1 黎 明――私営農場での導入、国産化の要請 2 満洲国の「春の夢」 3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男 4 機械化・反機械化論争 5 日本企業の席巻――クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機 終 章 機械が変えた歴史の土壌 -
人口減少時代の土地問題 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ
持ち主の居所や生死が判明しない土地の「所有者不明化」。この問題が農村から都市に広がっている。空き家、耕作放棄地問題の本質であり、人口増前提だった日本の土地制度の矛盾の露呈だ。過疎化、面倒な手続き、地価の下落による相続放棄、国・自治体の受け取り拒否などで急増している。本書はその実情から、相続・登記など問題の根源、行政の解決断念の実態までを描く。 はしがき 第1章 「誰の土地かわからない」――なぜいま土地問題なのか 1 空き家問題の根源――森林・農村から都市へ 2 なぜ管理を、権利を放置するのか 3 法の死角――あいまいな管轄、面倒な手続き 4 下落する土地の価値――少子・高齢化、相続の増加 第2章 日本全土への拡大――全国888自治体への調査は何を語るか 1 死亡者課税による“回避”――災害とは無関係の現実 2 相続未登記、相続放棄の増加――土地に対する意識の変化 3 行政の解決断念――費用対効果が見込めない 第3章 なぜ「所有者不明化」が起きるのか 1 地籍調査、不動産登記制度の限界 2 強い所有権と「土地神話」の呪縛――人口増時代の“遺物” 3 先進諸外国から遅れた現実――仏、独、韓国、台湾との比較 第4章 解決の糸口はあるのか――人口減少時代の土地のあり方 1 相続時の拡大を防げるか――難しい法改正と義務化 2 土地希望者を探せるか――管理・権利の放置対策 3 「過少利用」の見直しを――新しい土地継承のあり方 参考文献 あとがき