作品一覧

  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ
    4.2
    魔女裁判は近代の夜明けである16―17世紀、ヨーロッパ各地を吹き荒れ、多数の人々を無実の罪で処刑した。その背後にはヨーロッパに根強い魔女信仰があった。愛する子どもの死、インポテンツや作物の不作といった身の回りの不幸や不安を魔女のせいにするという、呪術的思考の存在は、科学的知識がいきわたった現代社会とも無関係ではない。本書は英語圏の魔女幻想を中心に、歴史上の事実と文化的なうねりをエピソード豊かに検証する。
  • ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話
    3.3
    ヴィクトリア文化は性を抑圧する文化であり、性に対するとりすました淑女ぶり、お上品主義である――このような考え方は、今世紀のみならず、当時からすでにあった。「中流階級の女たちは不感症に育てられる」「娼婦に落ちたら死ぬまで娼婦」「避妊を知らない」「未婚の母は召使に多い」など、本書は現在まで多くの人が受け入れている「神話」を26とりあげ、その虚構性を当時の日記や書簡、新聞の投書や漫画などの資料を通して検証する。
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    難しい論理展開も単語もなく、するすると読めるが、
    実は魔女裁判だけでなく、その周辺、悪魔、魔術師、キリスト教の教義の広範囲にわたって情報量が非常に多い。例えば、

    魔術師はもともと、神の名と権威とラテン語等の学識をもって悪魔を支配し使役してしたのであり、
    呪術や薬草を使ったり、いけにえを捧げるような低級な魔法使いとは一線を画していた。

    魔女は超自然的な魔力が身体に宿っていると考えられていたが、
    後に悪魔との契約という概念が生まれ、契約により魔女になれると考えられるようになった。

    旧約聖書では、
    悪魔は神に逆らった元「天使」なので知性的な本性を持っていると考えられ、
    蛇は狡猾な動物だが悪魔で

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    2014年10月16日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    魔女裁判は近代の夜明けである16〜17世紀、ヨーロッパ各地を吹き荒れ、多数の人々を無実の罪で処刑した。その背後にはヨーロッパに根強い魔女信仰があった。愛する子供の死、インポテンツや作物の不作といった身の回りの不幸や不安を魔女のせいにするという、呪術的思考の存在は、科学的知識がいきわたった現代社会とも無縁ではない。本書は英語圏の魔女幻想を中心に、歴史上の事実と文化的なうねりをエピソード豊かに検証する。

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    2009年10月04日
  • ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話

    Posted by ブクログ

    新書のためか、ヴィクトリア朝にしぼってあるためか、
    同じ著者の「ラヴ・レター」よりも、
    さらに読み易い。

    「ラヴ・レター」は広範囲に渡っているが、
    ヴィクトリア朝の社会通念についてだけでも把握するために、
    この著書を先に読んだ方が良いかもしれない。

    ヴィクトリア女王を愚鈍と断じたところが気になる。

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    2014年11月05日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    「幻想とあるがままの現実をつきあわせる精神。幻想であると承知しながら、それを生真面目に信じる精神。そしてまた、信じながらも、それが幻想であるという覚めた精神をもつこと。そのような複眼が、狂気と精気とを秘めた文化という幻想の海のなかで、溺れることなく生きていく道なのではないだろうか」 ー 287ページ

    思えば『うみねこのなく頃に』の主題はまさにこれであった。幻想であるということを否定するのはこの現代においては難しいし、無茶であるし、無知であるとすら思われうる。

    かといって、それで切り捨ててしまえるもの中には輝かしい宝石が存在しているわけで、それは幻想とのうまい付き合い方という問題系を導く

    0
    2013年05月22日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

     魔女裁判の様子から、その人がどのような事情で魔女と訴えられるようになったかをわかりやすく説明してくれた本。訴えた人の性格、地域の事情、歴史などの理由がきちんとあって、物語を読むような感じで読めました。

    0
    2009年10月04日

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