度会好一のレビュー一覧

  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    難しい論理展開も単語もなく、するすると読めるが、
    実は魔女裁判だけでなく、その周辺、悪魔、魔術師、キリスト教の教義の広範囲にわたって情報量が非常に多い。例えば、

    魔術師はもともと、神の名と権威とラテン語等の学識をもって悪魔を支配し使役してしたのであり、
    呪術や薬草を使ったり、いけにえを捧げるような低級な魔法使いとは一線を画していた。

    魔女は超自然的な魔力が身体に宿っていると考えられていたが、
    後に悪魔との契約という概念が生まれ、契約により魔女になれると考えられるようになった。

    旧約聖書では、
    悪魔は神に逆らった元「天使」なので知性的な本性を持っていると考えられ、
    蛇は狡猾な動物だが悪魔ではなく、
    サタンは神への告発者ではあったが敵対者ではなかった。
    BC200年ごろペルシャ思想の善悪二元論が入ってきた影響により、サタンが悪魔となり、
    ヨハネ黙示録では蛇(龍)=悪魔=サタンとなった。

    魔女裁判は財産没収を目的として拡大していったという意見に対し、
    実際には貧乏な施しを求めるような人々が魔女とされたことも多く、
    物乞いをする隣人に対して中世以降の伝統である施しをせず、資本主義精神むき出しの利己心で追い払った罪の意識が投射され、その隣人を魔女とみなしたのではないかという意見もある。

    魔女裁判における宗教改革とは、
    カトリック教会が温存しているさまざまな呪術(聖体拝領や悪魔祓い)を異教の残滓として排撃したこと、
    神の摂理を強調し、
    村に疫病が流行ってもそれは魔女の仕業ではなく、
    神の意志なのだと主張したことであった。

    など、様々な事例や知識がちりばめられていて、
    奥が深かった。

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    2014年10月16日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    魔女裁判は近代の夜明けである16〜17世紀、ヨーロッパ各地を吹き荒れ、多数の人々を無実の罪で処刑した。その背後にはヨーロッパに根強い魔女信仰があった。愛する子供の死、インポテンツや作物の不作といった身の回りの不幸や不安を魔女のせいにするという、呪術的思考の存在は、科学的知識がいきわたった現代社会とも無縁ではない。本書は英語圏の魔女幻想を中心に、歴史上の事実と文化的なうねりをエピソード豊かに検証する。

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    2009年10月04日
  • ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話

    Posted by ブクログ

    新書のためか、ヴィクトリア朝にしぼってあるためか、
    同じ著者の「ラヴ・レター」よりも、
    さらに読み易い。

    「ラヴ・レター」は広範囲に渡っているが、
    ヴィクトリア朝の社会通念についてだけでも把握するために、
    この著書を先に読んだ方が良いかもしれない。

    ヴィクトリア女王を愚鈍と断じたところが気になる。

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    2014年11月05日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

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    「幻想とあるがままの現実をつきあわせる精神。幻想であると承知しながら、それを生真面目に信じる精神。そしてまた、信じながらも、それが幻想であるという覚めた精神をもつこと。そのような複眼が、狂気と精気とを秘めた文化という幻想の海のなかで、溺れることなく生きていく道なのではないだろうか」 ー 287ページ

    思えば『うみねこのなく頃に』の主題はまさにこれであった。幻想であるということを否定するのはこの現代においては難しいし、無茶であるし、無知であるとすら思われうる。

    かといって、それで切り捨ててしまえるもの中には輝かしい宝石が存在しているわけで、それは幻想とのうまい付き合い方という問題系を導く。

    過去、「戯れ」の発展形としてのオウムが失敗したように、それは本当に絶妙なバランスと判断力のもとに成り立つようなものなのだろう。オウムの反省を生かした現代日本社会では、おそらくより幻想の自覚性を担保できるような形で、幻想とのふれあいを大事にするようになるだろう。

    それはおそらく宗教とサブカルチャーの中間領域を行き来するような文化において最も色濃く見える事柄であり、この辺りのところをもっとつぶさに観察していきたいなあと思う次第。

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    2013年05月22日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

     魔女裁判の様子から、その人がどのような事情で魔女と訴えられるようになったかをわかりやすく説明してくれた本。訴えた人の性格、地域の事情、歴史などの理由がきちんとあって、物語を読むような感じで読めました。

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    2009年10月04日
  • ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    ヴィクトリア文化は性を抑圧する文化であり、性に対するとりすました淑女ぶり、お上品主義である―このような考え方は、今世紀のみならず、当時からすでにあった。
    「中流階級の女たちは不感症に育てられる」「娼婦に落ちたら死ぬまで娼婦」「避妊を知らない」「未婚の母は召使に多い」など、本書は現在まで多くの人が受け入れている「神話」を26とりあげ、その虚構性を当時の日記や書簡、新聞の投書や漫画などの資料を通して検証する。

    [ 目次 ]
    序章 女王の素顔が見え隠れする幕あけ
     神話1 ヴィクトリア文化は性を抑圧するピューリタニズ
     神話2 女王は従僕ジョン・ブラウン夫人
     神話3 避妊を知らないヴィクトリア文化
     神話4 男に甘く女に厳しい性のダブル・スタンダード(二重基準)
    第一章 結婚
     神話5 旦那さまとは結婚できない
     神話6 恋愛結婚のお国柄
     神話7 村の鍛冶屋も牧師さま
     神話8 結婚は解消不可能
     神話9 奥様売ります―妻売りの神話
    第二章 男たちの性
     神話10 結婚をためらう男たち
     神話11 下層階級の女性を誘惑するジェントルマン
     神話12 娼婦の遊び相手は中・上流階級の男
     神話13 同性愛、この自然に反する重罪
    第三章 女たちの性
     神話14 母は母らしく母乳で子育て
     神話15 性に悦びを感じない妻たち
     神話16 婚前妊娠は重大な過失
     神話17 未婚の母は召使
     神話18 精神病は子宮から―女の病気の神話
    第四章 娼婦たち
     神話19 ロンドンは現代のバビロン
     神話20 誘惑されて、捨てられて―転落の神話
     神話21 娼婦に落ちたら死ぬまで娼婦
     神話22 娼婦の愛人
    第五章 少年少女と性
     神話23 オナニーは気違いのもと
     神話24 子どもは純真無垢、性をもたない
     神話25 ムチ打たれる快楽
     神話26 幼い娼婦
    終章 ヴィクトリア文化

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年03月29日
  • 魔女幻想 呪術から読み解くヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    魔女狩りについて詳しく解説。
    ジャンヌ・ダルクの異端審問と比較していたり、地域によっては男の「魔女」も多く処刑されているとか、とてもわかりやすいです。

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    2010年11月19日
  • ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話

    Posted by ブクログ

     ロマンスの王道パターンの一つに「身分違いの恋」ってのがありますが、現代日本に生きていると、「身分違い」というのがどれくらいのハードルなのかいまいち実感できない。
     なので、その辺のことが知りたいなーと思って読んだ本、第一弾。

     性と結婚についての当時の人たちの感覚がどんなものであったのかを、色々な資料から検証しています。資料の種類が、日記や手紙、新聞、裁判の証言など、多岐にわたっているので、とても興味深いです。

     昔の人は若いときにさっさと結婚していたんだと思っていましたが、イギリスではそうでもなかったなんて、意外でした。やっぱり根拠のない思い込みは危険ですね。 
     当時のジェントルマンやレディは生活水準を落としたくないから結婚を先延ばしにしていた。貧しい人は家族を養う余裕がないからやっぱり結婚しなかった。
     なんて、現代日本人と通じるところがありますね。

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    2009年10月04日