「 日本書紀 の謎を解く」音韻や文体から日本書紀を3区分し、成立順序、各区分の述作者を仮説検証した本
まずは 結論に驚く。最終章だけでも面白い。特に音韻学には驚いた。音韻学は 日本人や日本語のルーツを明らかにする凄い学問だと思う
学者の仮説検証過程を追体験できる。学者の仕事の大変さ、学術的
...続きを読む野心、文献が蓄積されることの意味を垣間見た本だった
序文「古事記が林なら、日本書紀は森だ。本居宣長が古事記伝により記紀の評価を逆転させた。しかしその評価は間違っている」
結語「真実はいつも簡単だ。森の周りを巡るだけでは、植生の秘密はとけない。内部を博捜し、深奥に到達して初めて、この森の真価を知った」
日本書紀の成立順序
α群(巻14〜21、24〜27)
β群(巻1〜13、22〜23、28〜29)
巻30
3区分
β群(巻1〜13、22〜23、28〜29)
*倭音と和化漢文により述作
*述作者は 山田史御方(文章学者)
α群(巻14〜21、24〜27)
*正格漢文により述作
*述作者は 唐の続守言と薩弘恪
巻30(持統天皇)
*述作者は 紀朝臣清人と三宅臣藤麻呂
*21の巻末も三宅臣藤麻呂
*巻30の特異性〜倭習が少なくα群に近い