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  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か
    4.1
    1巻924円 (税込)
    七二〇年に完成した日本書紀全三十巻は、わが国最初の正史である。その記述に用いられた漢字の音韻や語法を分析した結果、渡来中国人が著わしたα群と日本人が書き継いだβ群の混在が浮き彫りになり、各巻の性格や成立順序が明らかとなってきた。記述内容の虚実が厳密に判別できることで、書紀研究は新たな局面を迎えたといえる。本書は、これまでわからなかった述作者を具体的に推定するなど、書紀成立の真相に迫る論考である。

ユーザーレビュー

  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か

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    中国の實錄や史書といった書物も、基になる史料があってそれを編纂したものなので、『日本書紀』にも原典があるというのはよくよく考えてみれば当たり前なのに、何故か新鮮だった。『日本書紀』の場合は『隋書』や『漢書』など歴史の授業でも聞くような有名どころから、素人は耳慣れない書物まで色々あり、そういった種々の原典から文章を抜き出して、単語を入れ替え、言い回しを必要に応じて変え、潤色に使ったらしい。
    思えば、役所仕事や法律文と似ていて、あくまでも作文ではなく、過去の編纂物からの引用や応用が基礎になっている。そういえば、役所や法律を引き合いに出さずとも、和歌や漢詩も言ってしまえば踏襲と引用の連続。それゆえに

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    2024年11月21日
  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か

    Posted by ブクログ

    日本最古の国史である「日本書紀」、それがどのように書かれたのかを、音韻や漢文の書き方などから推理する。最後に述作者までたどり着くのは大したものだ。著者の中国語の音韻学、漢文の知識があったればこそである。しかし、日本書紀は、十七条の憲法なども含めて、漢文の文章としては間違いだらけであることには驚いた。手本もなく初めて国史を書くのだから、仕方がない一面もあると思う。しかし、間違いから逆に推理が広がるのだから、それはそれで意味があった。さらに、古代人の悩みや戸惑いを伝える点でも価値がある。

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    2016年03月17日
  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か

    Posted by ブクログ

    古代史と言うと何故か「作家」が適当にロマンを語ったりするイメージがあるが、本書はまさに学問と言える。

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    2009年10月04日
  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か

    Posted by ブクログ

    勘違いしてたのは、てっきり日本書紀の内容が嘘か真かというものだと思ってたこと。そうではなくて日本書紀が誰によって書かれたのか、どんな背景があったのかというものだった。万葉仮名で書かれた和歌が中国の読み方なのか、日本の読み方なのか、また、漢文の語法の誤用や不自然な部分の有無や注記の内容などで巻を分類し、その背景を推察しながら撰者は誰なのか迫っていく。うん、これはこれで面白い。

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    2025年10月10日
  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か

    Posted by ブクログ

    推理小説のように面白く読めました。日本書紀の成立順と述作者を特定した本です。日本書紀の漢文に対して音韻と和習などをもとに精緻な論考が展開されるので、日本書紀を読んだことのない人は、少し苦痛かと思います。憲法十七条を正格の漢文でないところがあると指摘し、成立年代を天武朝以降としている(196頁)ので、著書の日本書紀の資料批判をもっと読みたくなります。

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    2014年01月02日

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