北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像

北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像

968円 (税込)

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建武三年(一三三六)、京都を制圧した足利尊氏は新天皇を擁して幕府を開いた。後醍醐天皇は吉野に逃れ、二帝が並び立つ時代が始まる。北朝の天皇や院は幕府の傀儡だったと思われがちだが、歴代将軍は概して手厚く遇した。三代義満による南北朝の合一以降、皇統は北朝系が占めた。一見無力な北朝は、いかに将軍の庇護を受け、生き残りに成功したか。両者の交わりをエピソード豊かに描き、室町時代の政治力学を解き明かす。

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北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年10月07日

    鎌倉幕府滅亡後の南北朝時代。南朝を率いるのは後醍醐という個性の強い天皇。天皇親政を再び取り戻すという理想に邁進する。京都は奪われたが、北朝内部で対立があれば、その一方を南朝側に引き込んでは、カムバックを目指す。何度敗けても、そのたびに起き上がる様は日本人好みだ。

    しかし、高い理想と人気だけでは現実...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月29日

    【「理想を追うのではなく現実を受け入れ、そのなかで自分の価値を最大限に生かす」という姿勢こそ、北朝天皇家の生命力であったと思われる】(文中より引用)

    南朝に比べて人気の点ではいささか劣るとも言われる北朝。ではその北朝はいかにして南北朝の動乱を乗り越え、室町期にも命脈を保ち続けることができたのか。北...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年09月20日

    室町時代という極めて分かりにくい時代を、平易な文章で活写した名著。朝幕関係を通じて、なぜ室町幕府が京都に置かれたか、応仁の乱を契機としてなぜ衰退したか、など興味深いテーマについて、容易に理解することができた。何度も読み返したい。

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    Posted by ブクログ 2022年11月24日

    南北朝の合一で後亀山天皇は上皇となり、京で暮らすことになった。足利義満は後亀山院に自分が注いだ酒を飲ませることで、自分が格上と印象付けた。この種の醜い宴会文化は現代日本にも残っている。

    後亀山院は両統迭立が反故にされたことに反発した。
    「持明院統と室町幕府は、三種の神器と皇位を掠め取った。その罪は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月26日

    タイトルからは南北朝時代における北朝天皇家を取り上げた本かと思ったが、それだけでなく、むしろ南北朝合一後の儀礼的昵懇関係をベースとした北朝(系)天皇家と足利将軍家との関係に重点を置き、中世を生き抜いた北朝天皇家の生命力を描写している。
    室町時代の北朝系天皇は、高校日本史などでの存在感はなきに等しいの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月01日

    知らない事が多くて面白かった。

    義教は何処までいっても厄介で、
    お寺で勉強してた方がなんぼか皆んな平和に
    生活出来たろうと

    甘え上手というか、金無いというか
    ギブ&なんとかなんだろうけど
    社会における人間の相性はいずこも変わらじ

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    Posted by ブクログ 2020年10月27日

    室町時代を生き抜いた北朝天皇家の実像を、将軍家との関係を軸に描き出す一冊。応仁の乱発生後の将軍家・天皇家の同居状態において、酒宴が頻繁に催されていたというのは儀礼の形骸化という文脈で中々印象深いエピソードだった。

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    Posted by ブクログ 2020年08月05日

    北朝の天皇と室町幕府との関係が儀礼的昵懇関係という言葉で表されている。将軍家は自身の権威の拠り所として天皇家を頼り、天皇家は自身が足利家によって地位に就かせてくれたというそもそもの成り立ちから将軍家を離れては生きていけない、というお互いを頼ることで中世を生き抜いた。
    個々の将軍と治天の君、天皇との個...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月06日

    ちゃんとした?学者先生なのだが、語り口が面白い。

    大変だったんだなあ、という感じ。

    とにかく、学校で習う歴史が嘘ばっかりというか一面ばっかりなんで、こういう観点は面白い。

    武家社会と言いながら、まあ、皇室も色々時代に流されてるんだが、どんな権力者も、皇室を壊そうとはしてないんだよ。

    立憲民主...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月19日

     一般読者なので印象論に過ぎないが、最近は室町幕府研究が活況を呈しているような感じを受ける。
     本書レーベルの中公新書をとっても、『応仁の乱』や『観応の擾乱』のように、資料に実証的に拠りつつ、新しい見方、知見を与えてもらえた。

     本書は、両統迭立以降、建武新政を経て南北朝時代、義満時代の両統合一か...続きを読む

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