作品一覧 2023/06/20更新 安倍晋三のいない保守 試し読み フォロー 大平正芳 「戦後保守」とは何か 試し読み フォロー 田中角栄--最後の秘書が語る情と智恵の政治家 試し読み フォロー 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 福永文夫の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 大平正芳 「戦後保守」とは何か 福永文夫 面白かった。 大平正芳の人となりを知ることができたし、戦後政治史のおさらいにもなった。 大平の学生時代や官僚時代のことをもっと知りたかった。その後の政治姿勢を培ったものは何だったのか。 Posted by ブクログ 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄 福永文夫 日本占領が米国の占領行政の成功例というよりも、あくまでも「貴重な例外」であるんだなと認識を改めた。そして、戦後処理では無く戦争中の軍事占領にはじまり、(その初期の数年間は)既得権益の維持以外何も考えないまま軍事占領が継続された沖縄の扱いはあまりにも酷いなあと同情した。(だが、現在の沖縄政界やマスコミ...続きを読むの態度を正当化できるとは思わない)初期の民政局主導の民主化と後期のワシントン直轄の復興のいいとこ取りできたのは日本人にとってこの上ない幸いだったなと。(当時の日本人ががんばったのは承知の上で、敢えて『幸いだった』と思う。外部要因によるものが大きいので)そして、さらに言うと、ドッジ・ラインによる副作用を受けない時代に生まれ、改革の果実のみを受け取った世代に生まれて幸いだったなと。 そして、総合的に意味が無かったとは言わないし、日本人はそれを上手く使ってきた面が大きいとは思うが、それでもやっぱり素人が数日間ででっち上げた原案に基づく最高法規って何よ?とはやはり思う。 Posted by ブクログ 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄 福永文夫 1945年から52年まで7年間におよぶ日本占領期の歴史。 当時の沖縄がどんな状況にあったかについてかなりページを割いており,役立つ。 占領期に日本の政治家がいかに主体的に行動したかも従来のイメージよりも強調されているように思われる。とくに片山哲とか芦田均とか西尾末広とか。中道から左派勢力の動きは...続きを読む非常に大事。 地味と言えば地味だが良書。 Posted by ブクログ 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄 福永文夫 獨協大学教授(政治学)の福永文夫(1953-)による戦後占領期の国内政治史の概説。 【構成】 序章 占領した者とされた者 東京・ワシントン・沖縄 第1章 敗戦と占領 非軍事化、民主化へ 1 日本降伏からGHQの成立へ 2 戦後政治の起動 第2章 占領改革と政党政治の再出発 1 日本国憲法の誕...続きを読む生 2 公職追放から新生会議へ 第3章 中道政権の軌跡 1 片山内閣の誕生 日米「改革派」連合の形成 2 動揺する中道政権 求められる経済安定 第4章 占領政策の転換 民主化から経済復興へ 1 中道政権の限界 片山内閣から芦田内閣へ 2 ドッジ・ライン 日米「保守派」連合の形成 第5章 サンフランシスコ講和 占領の終結 1 講和への道 全面講和か単独講和か 2 米軍駐留容認と朝鮮戦争の激化 3 二つの条約締結へ 講和と日米安保 終章 占領と戦後日本 GHQ-SCAPによる日本占領は1945年8月から1952年4月までの6年8か月に及んだ。この間の多岐にわたる政治・行政改革が、独立後の日本に多大な影響を及ぼしたことは広く知られている。 本書の特色は以下2点である。 1点目:本土-沖縄を対比させながら、占領期の地理的な多面性を描き出したこと。 2点目:政治史の中心を吉田茂および自由党(民自党)単独ではなく、中道政権(片山・芦田政権)の二軸で描いたこと。 占領政策を米英ソ中を中心とした国際政治の中で位置づける場合、沖縄に対する米国軍部の主張は当然外すことはできない。著者と同じ五百旗頭門下のエルドリッヂが『沖縄問題の起源』で論じたテーマである。 しかし、一方で、沖縄で展開された軍政の内容を紹介するというのは、政治外交史・国際政治史の視点からは外れることが多い。本書ではこれを本土の占領政策と対比させることで、アメリカ政府の本土-沖縄への対応の違い、本土-沖縄間の経済復興状況の違いを際立させる。沖縄の記述量が著者の目的に対して十分であったのかは意見が分かれるところであろうが、本土が「間接的」に占領されていた意味を改めて考える機会にはなった。 2点目の特色であるが、これはあとがきでも触れられているように、著者が戦後初期の中道政権に強く興味を持っていることの表れであろう。民政局のホイットニー、ケーディスを中心にして、社会党政権への期待とテコ入れが強く行われていたことは周知の事実であるが、著者は民政局-社会党政権を「日米「改革」派連合」と呼ぶ。 中道政権への期待の中身は、政治的中立(保守反動への抑制と共産化への牽制)と経済安定施策の実行であった。本書では、組閣後すぐにインフレに対応できなくなり支持急落のきっかけとなった点、傾斜生産方式は第一次吉田内閣を引き継いだものである点、に言及しながらなぜか片山政権の経済政策については及第点を与えている。(評者にはやや甘い評価に見える)。 この改革派連合のほころびをめぐり、労働政策を中心に論じているのは、核心をついているだろう。当時の労働運動は1946年2月にゼネストを敢行しようとした官公労が中心であり、彼らの労働権を規定する公務員法、そしてその後の政令201号の制定はGHQの労働政策の転換点であり、国内占領政策における民政局の影響力の陰りを象徴するものであった。そして、支持基盤である労働組合の足並みがそろわないなか、中道政権は動揺し、再び吉田茂が首班指名されることとなる。強烈な痛みを伴うドッジ・ライン実行にあたって、安定した「日米「保守派」連合」が組まれることになる。 サンフランシスコ体制への架け橋として占領期を論じるのであれば、第5章のボリュームでは物足りない気がするが、国内世論の分裂と、安保締結によって得たもの失ったものが簡潔に紹介されている。近年の旧安保締結に関する研究は日米関係だけでなく、米英関係、ソ連、中共、国府など関係各国の動向を絡めることで多面的立体的な叙述を目指しているように見えるが、本書では日本側の講和準備の記述が過半である。 これを日本国内政治史という切り口で概観するという点で、本書のように手軽に読める新書が出るのは大変喜ばしいことであるし、その目的を達するだけの記述がなされている。本書のあとがきに即して言えば、「憲法体制」がいかに構築されたという点は十分に書かれている。その一方で、米ソ冷戦、とりわけ米国の東アジア戦略の中での位置づけという点は記述が淡泊であり、戦後体制のもう一つの軸である「安保体制」構築の持つ意味の訴求という点ではやや弱いか。 Posted by ブクログ 大平正芳 「戦後保守」とは何か 福永文夫 安倍・菅政権を考える上で私たちは日本の保守政権をしっかり振り返る必要がある。そのために大平は、とても重要な結節点にあった政治家であることが本書にも見受けられる。 Posted by ブクログ 福永文夫のレビューをもっと見る