織田信長の上洛から二〇年、豊臣秀吉により天下は統一された。集権化や実力主義を推進した信長と秀吉の政策はまさに「革命」であり、他の戦国武将と一線を画していたのである。本書はさらに、足利と織田、そして織田と豊臣の各政権が併存したことを指摘しつつ、軍事革命にともなうスペイン・ポルトガルの東アジア進出といった世界史的視野からも戦国日本を捉え直す。旧来のイメージを大胆に覆し、「革命」の本質に迫る。
Posted by ブクログ 2014年09月25日
帯には「戦国時代の常識をひっくり返す!」とあるが、そのうたい文句通り、普通一般に考えられている織豊政権のとらえ方が大きく覆される。しかし、著者の仮説は非常に説得的であるように思われた。たとえば、信玄上洛戦の目的や、足利義昭が京都を追われてからの二重政権構造、本能寺の変からの秀吉の政治的ポジション、そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月30日
織豊政権ってのが戦国大名たちの分権化の流れと反対で革命的だったこととか、鉢植え大名化して自分の力で土地を切り取り守るって考えから預治思想に移行させたりだとか、指摘されてなるほどと思える歴史の捉え方です。足利家の幕府が鞆の浦に亡命してからも幕府として機能してたことや、信雄の代になっても織田政権が機能し...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月09日
我々は通常、室町幕府→戦国時代→信長の登場→秀吉・家康という分権から集権化を歴史の必然の流れとして見がちだが、実はまったくそんなことがなく、信長の天下統一構想という極めて”非常識な闘争”がなければ、その後の集権化などはまったくあり得なかった、ということを実にマニアックに紐解く、歴史学者が書いた新書。...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年07月09日
≪目次≫
序章 天下統一を問い直す
第1部 織田信長の天下
第1章 室町幕府の復興
第2章 二重政権-鞆幕府と安土幕府
第3章 黎明期の革命
第2部 豊臣秀吉の仕置
第4章 天下分け目の戦い-小牧・長久手の戦い
第5章 西国平定戦と集権国家
第6章 東国・奥羽平定戦と天...続きを読む