移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像

移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像

ビジネス・実用
1,056円 (税込)

5pt

少子高齢化による労働力不足や排外主義の台頭もあり、移民は日本の大きな課題となっている。本書は、感情論を排し、統計を用いた計量分析で移民を論じる。たとえば「日本に住む外国人の増加により犯罪が増える」と考える人は6割を超えるが、データはその印象を覆す。こうした実証的な観点から、経済、労働、社会保障、そして統合のあり方までを展望。移民受け入れのあり方を通して、日本社会の特質と今後を浮き彫りにする。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    中央公論新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    中公新書
  • タイトル
    :
    移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像
  • タイトルID
    :
    1361654
  • ページ数
    :
    304ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年05月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    10MB

閲覧環境

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移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    移民問題とされるものの多くはもともと日本社会がかかえる問題を外国人に押しつけて解決しようとして露見したほころびに過ぎない、という結論に納得させられる。(とりわけ技能実習生などは転職が許されないのをいいことに)劣悪な労働に従事させるからこそ、経済的に困窮して立ち行かなくなったり地域になじめなかったりといった課題が生じてくる。全体として共生を志向してはいるものの、議論は客観的な統計に基づいて展開される。外国人による犯罪は増えておらず、犯罪率には0.1%の差があるもののそこには人口構成比の違いや経済的不利等の事情がある。外国人の犯罪を報じるさいにはわざわざ国籍があわせて知らされたりすることも外国人犯罪の印象を増幅させる。福祉国家に惹きつけられるいわゆる磁石効果はさほどおおきくなく、また日本においては生活保護の受給は永住資格・難民認定・日本人との婚姻等の条件に適う者に限られる。移民の労働市場への参入は短期的には単純労働市場で在来の労働者と競合するが、長期的に見れば消費を促進する効果をもつ。一方で本来成り立たないはずの企業が低賃金労働で賄えてしまうため成長の阻害になる。二重労働市場理論というのをはじめて知った。昨今では排外主義をあおるような(しかももともと治安の悪い地域をさも移民のせいでそうなったかのように語ったりする悪質な)ショート動画が大量に出まわっており、本書で提示されるような資料や論点を皆が共有できれば望ましいが、そのような希望をもつことはそれはそれで難しく、また2026年の現時点において2019年に書かれた本書の議論が(具体的な統計に基づいたものだからこそ)どこまで妥当性をもうのかという点も慎重になる必要はあると思う。

    0
    2026年08月12日

    Posted by ブクログ

    参院選の争点として「外国人問題」が注目されている。ポピュリズムの煽動に負けぬよう学ぶ必要がある。よく整理された良著。

    0
    2025年07月18日

    Posted by ブクログ

    移民問題について軽くサーベイしてたときに著者の記事をみつけて興味を持ったので手にとった。

    移民関連で生じる問題を種類別に、丁寧に説明している。
    先行研究も多くとりあげられており、主観ではなく研究結果ベースでの解説なので、いろんな観点を比較検討しながら理解をすすめられるのが良い。

    取り上げられている主な移民関連問題
    ・移民受け入れに伴う経済的影響
     →受入国の労働者の失業や賃金の話など
    ・移民受け入れに伴う社会的影響
     →犯罪率に影響があるのか
    ・移民の統合に向けて
     →各国での取り組みや課題など

    0
    2022年01月04日

    Posted by ブクログ

    ・明治期は日本は移民輸送国家で、1940年まで移民輸送があった。太平洋戦争後、旧植民地出身者は外国人になった。
    ・移民は一概に経済成長とはつながらない。高度人材は日本への定着率が低い。

    0
    2021年10月08日

    Posted by ブクログ

    外国人をテーマにしたものは、質的なものが多いけれど、この本はデータが多く、とても参考になった。
    日本社会が抱える課題の解決を先送りにして、外国人の問題にしているという指摘には拍手喝采したくなった。

    0
    2021年09月23日

    Posted by ブクログ

    移民についての導入本 かなり実証研究を元にしていると感じたが、とにかく日本においてはデータも不足しているし、それに伴って論文などの研究発表数が少ないことがうかがえる。結果的に非常に限定的だったり、サンプル数が少ないデータを議論で用いざるをえないのが残念。入国、永住、国籍の3つのゲートはイメージがつかみやすい。

    移民問題は、実際は移民ではなく国家の問題として論じるべき、というのはその通りだな。技能実習制度は、安価な労働力不足という国家的問題の一端に過ぎない。

    0
    2026年01月18日

    Posted by ブクログ

    日本の移民は、永住する意図を持ってきた人物となっているが実際は流れで居ついているケースがほとんどでこの定義は使えず、単に生まれた国から移り住んできた人とする。
    短銃労働者の受け入れのサイドドアは在留者/3世までの日系人、技能実習生である。
    日本の移民労働者は、明確に経済に労働者の置換ている様子はなく、日本人がいない、3Kでやりたくない労働力を埋めていると考えている。一方安い労働力は資本投下を遅らせ、競争力のない企業を生き残らせることを示唆するデータもある。
    より問題として取り上げているのは、移民の社会への包摂である。それがうまくいかない限り、一時的な労働力の供給にとどまり、日本が選ばれることは少なくなっていくと考えられる。
    日本では明確にしておらず、非常にゆっくりと権利を認めてきているが、その分、地域住民などと分断が起きやすい、まずお互いの自治会などでの同レベル(職場上下とかでなく)交流が必要で、自治体などもそのメッセージをつ与えたり、国家レベルでサポートする法制度を準備する必要がある。

    0
    2023年09月03日

    Posted by ブクログ

    移民と受け入れ社会の関係・影響について、国内外の公的データや先行研究をもとに紹介してくれる一冊。

    全体として、日本において「移民」について公的なデータが不足しているのだなということを感じました。そもそも政府が「移民政策はとらない」ということなので、「移民」の定義も存在しないため、各省庁等がとっている統計も定義がばらばら、切り口もばらばらなのかなぁと。
    きちんと事実に基づいた議論や客観的な国際比較をするためにも、まずは公的統計でさまざまな実態をきちんと掴めるように、定義や統計の取り方を統一したほうが良いのではないかと思いました。

    移民にかかわる問題(と思われている問題)は、移民の人たちが来たから起こっているのではなく、そもそもの日本社会自体の問題・ひずみから起こっているものなのだろうなぁということも改めて感じました。

    何度も振り返って読みたい1冊です。自分の中でまだ理解しきれていない部分も多々ある、という意味でも。

    0
    2021年04月18日

    Posted by ブクログ

    統計資料に基づいて書かれているため、なかなか読み進まなかった。
    移民問題はやはり複雑であり、彼らを受け入れる体制を整えるだけではなく、全ての人たちに人権が与えられるような仕組みづくりが必須だと改めて思った。

    0
    2020年09月25日

    Posted by ブクログ

    外国人が増えると治安が悪くなる、犯罪が増える、みたいな話を聞いたりするけど、その根拠は?データは?と検証していく本だった。

    ただしデータで検証すると言っても、「移民」の定義があいまいだったり、変数が多すぎたり、なかなか難しい分野みたい。
    さらに日本では一貫した移民統合の理念や政策が持たれていないというのも驚き。


    印象的だったのは以下。
    「少子高齢化や産業構造の変化、経済活動のグローバル化などによって変化を求められながらも、対応が十分に進まない場面で、そのほころびを覆い隠す存在として移民の受け入れが進められてきた。
    そこで生じる問題が、もともと社会の構造から生じていたものであっても、移民の問題として読み替えられる。」

    つい、〇〇人は、のように考える前に、本当の問題は何なのか、一歩とどまりたいと思ったり。


    以下メモ

    ・在留資格別人数
    (1)永住者932,090人
    (2)技術・人文知識・国際業務458,109人
    (3)技能実習449,432人

    単純労働者が多いイメージだったけれど、もともと政府としては、専門職移民の受け入れを推奨していた。最近の労働力不足の中で、技能実習などの形を使い、単純労働者の受け入れを増やしている。


    ・移民の受け入れが地域の犯罪を抑制するケース
    人口減少に向かっていた地域の活性化。低技能労働者を活用したすきま産業が発達し雇用機会が生まれる。労働者を消費者とするサービスが生まれる。移民コミュニティの文化が犯罪を抑制する。
    問題なのは、移民ではなく、その地域の社会経済状況の悪さや住民間のつながりの希薄さ。


    ・移民は日本人では埋められない第二次労働市場に組み込まれており、日本人の雇用を阻害したり、賃金の悪化を招いているとは言えない。しかし、そのことは他方で技術革新への可能性を弱め、生産性の低い企業が残存する結果もうんでいる。


    ・集団的効力感
    ルールからの逸脱を抑制するような地域の力。人々がお互いの結びつきを感じている。周囲の目。監視に基づく協力行動。


    ・マジョリティ側のルールに合わせることを強いるのは望ましい共生なのか。


    ・ヘイトクライム:憎悪犯罪
    特定の属性をもつ個人やグループに対する偏見や憎悪が動機となって引き起こされる犯罪行為。


    ・人種のるつぼモデル:同化主義、アメリカ的
    人種や民族によって扱いを変えず、対等な個人として扱う
    ・モザイクモデル:多文化主義
    異なる集団がそれぞれの文化を維持しながら、1つの国を構成する。
    ・市民的統合モデル:移民が「市民」のようなスキルを身につけることで統合が生まれる。市民統合テストに合格することで移住が可能。言語や知識を習得させる。民族、文化的な同化ではない。


    ・「国民感」に必要な要素
    民族主義的要素:祖先や宗教の共有
    市民主義的要素:法制度の重視

    0
    2026年02月08日

移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    中央公論新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    中公新書
  • タイトル
    :
    移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像
  • タイトルID
    :
    1361654
  • ページ数
    :
    304ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年05月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    10MB

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