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Posted by ブクログ
移民問題について軽くサーベイしてたときに著者の記事をみつけて興味を持ったので手にとった。
移民関連で生じる問題を種類別に、丁寧に説明している。
先行研究も多くとりあげられており、主観ではなく研究結果ベースでの解説なので、いろんな観点を比較検討しながら理解をすすめられるのが良い。
取り上げられている主な移民関連問題
・移民受け入れに伴う経済的影響
→受入国の労働者の失業や賃金の話など
・移民受け入れに伴う社会的影響
→犯罪率に影響があるのか
・移民の統合に向けて
→各国での取り組みや課題など
Posted by ブクログ
・明治期は日本は移民輸送国家で、1940年まで移民輸送があった。太平洋戦争後、旧植民地出身者は外国人になった。
・移民は一概に経済成長とはつながらない。高度人材は日本への定着率が低い。
Posted by ブクログ
外国人をテーマにしたものは、質的なものが多いけれど、この本はデータが多く、とても参考になった。
日本社会が抱える課題の解決を先送りにして、外国人の問題にしているという指摘には拍手喝采したくなった。
Posted by ブクログ
日本の移民は、永住する意図を持ってきた人物となっているが実際は流れで居ついているケースがほとんどでこの定義は使えず、単に生まれた国から移り住んできた人とする。
短銃労働者の受け入れのサイドドアは在留者/3世までの日系人、技能実習生である。
日本の移民労働者は、明確に経済に労働者の置換ている様子はなく、日本人がいない、3Kでやりたくない労働力を埋めていると考えている。一方安い労働力は資本投下を遅らせ、競争力のない企業を生き残らせることを示唆するデータもある。
より問題として取り上げているのは、移民の社会への包摂である。それがうまくいかない限り、一時的な労働力の供給にとどまり、日本が選ばれることは少なくなっていくと考えられる。
日本では明確にしておらず、非常にゆっくりと権利を認めてきているが、その分、地域住民などと分断が起きやすい、まずお互いの自治会などでの同レベル(職場上下とかでなく)交流が必要で、自治体などもそのメッセージをつ与えたり、国家レベルでサポートする法制度を準備する必要がある。
Posted by ブクログ
複雑な要因が絡む移民問題を、丁寧かつできる限り網羅的に分析しようとした良著だと感じた。
特に、移民の増加による治安や文化への影響については、諸外国のセンセーショナルなニュースを見るうちに、自身も少なからずネガティブなイメージを持ってしまっていたが、客観的なデータを無視した一面的な見方による偏見であったことを痛感した。
少子化やグローバル化が進む日本において、移民・難民の受け入れは避けられないだろう。筆者が言うように、多様化のプロセスで顕在化する問題を「移民問題」にすり替えることなく、我々の社会に潜在していた問題として議論をしていくことが大切である。
Posted by ブクログ
移民と受け入れ社会の関係・影響について、国内外の公的データや先行研究をもとに紹介してくれる一冊。
全体として、日本において「移民」について公的なデータが不足しているのだなということを感じました。そもそも政府が「移民政策はとらない」ということなので、「移民」の定義も存在しないため、各省庁等がとっている統計も定義がばらばら、切り口もばらばらなのかなぁと。
きちんと事実に基づいた議論や客観的な国際比較をするためにも、まずは公的統計でさまざまな実態をきちんと掴めるように、定義や統計の取り方を統一したほうが良いのではないかと思いました。
移民にかかわる問題(と思われている問題)は、移民の人たちが来たから起こっているのではなく、そもそもの日本社会自体の問題・ひずみから起こっているものなのだろうなぁということも改めて感じました。
何度も振り返って読みたい1冊です。自分の中でまだ理解しきれていない部分も多々ある、という意味でも。
Posted by ブクログ
統計資料に基づいて書かれているため、なかなか読み進まなかった。
移民問題はやはり複雑であり、彼らを受け入れる体制を整えるだけではなく、全ての人たちに人権が与えられるような仕組みづくりが必須だと改めて思った。