中公新書作品一覧
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3.9※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代バビロニアで粘土板に二次方程式の解法が刻まれてから四千年、多くの人々の情熱と天才、努力と葛藤によって、人類は壮大な数学の世界を見出した。通約不可能性、円周率、微積分、非ユークリッド幾何、集合論-それぞれの発見やパラダイムシフトは、数学史全体の中でどのような意味を持ち、どのような発展をもたらしたのか。歴史の大きなうねりを一望しつつ、和算の成果や19世紀以降の展開についても充実させた数学史決定版。
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3.9一九五四年、松沢病院の医師として一人の殺人犯を診察したときが、著者の死刑囚とのはじめての出会いであった。翌年、東京拘置所の精神科医官となってから、数多くの死刑囚と面接し、彼らの悩みの相談相手になることになる。本書では著者がとくに親しくつきあった人たちをとりあげてその心理状況を記録する。極限状況におかれた人びとが一様に拘禁ノイローゼになっている苛酷な現実を描いて、死刑とは何かを問いかけ、また考える異色の記録。
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3.8組織の不祥事が報道されると「自分なら絶対にやらない」と思う。だが、いざ当事者になると、個人ならしない悪事でも多くの人は不承不承、あるいは平気でしてしまう。 なぜ集団になると、簡単に同調・迎合し、服従してしまうのか。 著者は同調や服従に関する有名な実験の日本版を実施し、その心理を探る。 一方でタイタニック遭難など、緊急時に助け合い、力を発揮するのも集団の特性である。 集団の光と闇を解明する試み。 ■□■ 目 次 ■□■ はじめに――集団心理の光と影 序章 集団とは何か 第1章 わが国で行われた服従実験で明らかになったことは何か 1 責任を「人」に押し付ける 2 服従実験と悪の凡庸性 3 筆者が行った服従実験 4 日本での服従実験の結果は? 第2章 服従の理由は? 第三者の感想は? 実験の問題点は? 1 なぜ参加しようと思ったのか 2 服従を促進する要因は何か 3 なぜ離脱できないのか 4 服従実験の観察者は実験をどのように見るのか 5 服従実験の問題点①――生態学的妥当性の問題 6 服従実験の問題点②――方法論と倫理の問題 第3章 同調行動はなぜ起きるのか 1 同調とは何か 2 同調の分類 3 無意識に影響を受ける 4 緊急事態で大きくなる影響 5 集団規範による影響 第4章 現代日本人の同調の特色は何か 1 同調行動に影響する要因 2 筆者が実施した同調実験 第5章 同調行動はどのように拡散するのか 1 ロジスティック・モデル 2 同調の広がりに関する実験 3 大集団での同調は? 第6章 緊急事態では人は理性的に振る舞うのか 1 集団のネガティブな側面の研究 2 緊急事態では人は理性を失うのか? 3 実際の緊急事態の行動と意思決定の研究 4 9・11同時多発テロ時の世界貿易センタービルからの避難 第7章 航空機事故発生時の機内で人々はどのように行動したのか 1 ガルーダ・インドネシア航空機福岡空港離陸失敗事故 2 事故発生時の客室内 3 乗客の認識 4 脱出時の行動 5 調査のまとめ 終章 集団の光と影に何が影響するか 1 社会の価値観 2 加害者と被害者の視点の違い 3 内集団と外集団 4 行為者と観察者の認識の食い違い 5 光と影の非対称性(影が光より強いのか) あとがき
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3.8多くの生物がそこに住み、互いに助け合って生きるサンゴの森。 エビ、ウニ、ナマコなど、さまざまな種類の生物が密接な協力関係のもとに暮らしている。 しかし多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。 地球温暖化によって海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。 本書は、生物たちの絶妙な関係を紹介し、海を守るサンゴ礁のこれからを考える「自然の教室」である。 ■□■目次■□■ 第I部 教えて! サンゴ礁 1 サンゴに関するQ&A 2 サンゴ礁に関するQ&A) 第II部 もっと! サンゴ礁 1 褐虫藻との共生 2 褐虫藻をもつさまざまな生物 3 サンゴの進化 4 サンゴを棲家とする動物たち 5 魚たちの共生 6 危機のサンゴ礁 7 サンゴ礁の保全
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3.81990年代以降、少子化は社会的問題としてさまざまな議論を呼んできた。 しかしそこには、少子化が出産・結婚をめぐる女性の心理の問題であるという認識が欠けている。 日本では「親子は一心同体」とその絆を強調されるが、そうした考え方もいまや普遍的とは言えず、変化してきている。 現在「子どもをもつ」とはどういう意味があると考えられているのか。 少子化を心の問題として捉える人口心理学を提唱、その視点から考える。 ■□■目次■□■ 1章 「子どもの価値」展望―子どもの価値の古今東西 2章 人類初の人口革命―子どもの命と親の愛情の変質 3章 「なぜ子どもを産むか」―「つくる」時代の子どもの価値 4章 人口革命下の女性の生活と心の変化―子どもの価値・産む理由の変化の背景 5章 子どもを〈つくる〉時代の問題
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3.8ペリー来航から明治維新まで、この15年を彩るさまざまな物語は、志士をはじめとする武家を主人公として描かれることが多い。 一方、公家たちは歴史のうねりに翻弄される優柔不断な脇役として描かれてきた。 しかし、公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。 天皇復権のため、志士たちを煽り、大名を相手に種々の交渉を重ねたのは有名無名の公家たちである。 日本史の画期で奔走した彼らの奮闘に迫る。 ■□■目次■□■ 序章 朝廷のしくみ 第1章 政治に関与する公家たち 1853~58年 第2章 公武合体の季節 1859~61年 第3章 京都の政局 1861~62年 第4章 攘夷をめぐる激闘 1863~64年 第5章 朝廷の内と外 1865~66年 第6章 王政復古への道程 1867年 第7章 維新の功労―公家華族の誕生 1868~91年 終章 公家にとっての維新
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3.8死んだらどうなるのか。天国はあるのか。まだまだ生きたい。来世で逢おう――。尽きせぬ謎だからこそ、古来、人間は死や転生、不老長寿を語り継いできた。本書は、死をめぐる諸宗教の神話・教え・思想を歴史的に通覧し、「死とは何か」に答える。ギリシアや日本の神話、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から、ヒンドゥー教、仏教、さらに儒教、神道まで。浮世の煩悩をはらい、希望へいざなう「死の練習」帳。 ■目次■ まえがき 序 章 物理的な死と来世観の始まり 1 二元論(霊魂説)への懐疑 物理主義と二元論 どちらが説明として優れているか? 2 来世、先祖、転生 霊魂信仰と葬式の起源 来世観よりも切実な葬送の儀礼 先祖という権威 生まれ変わりのモチーフ 3 文学的・思想的な組織化 来世についての語りの進化 思想や情念からの介入 4 脳神経が見せる神秘体験 認知の歪みがもたらす神秘 臨死体験と来世観の関係 PARTⅠ 古典的大宗教以前 死の文学と倫理の始まり 第1章 はっきりしない来世 日本神話の黄泉と常世 黄泉、常世、根の国――曖昧なる死者の空間 黄泉と死体の恐怖・穢れ 生と死の対決 オルペウスの冥界降り 常世と根の国 現世の延長としての他界? 第2章 詩人の修辞 ギリシア神話のハーデース 多重な《指向的構え》と言葉の巧みさ 死すべき者、人間 ホメロスの語る冥界探訪譚 大事なのはあくまで現世 地獄の先駆形? ウェルギリウスの冥界ランド 第3章 思想家の正義 密儀宗教とプラトン 密儀宗教――オルペウス教団とピタゴラス教団 プラトンの独自な来世観 嬉々として死んだソクラテス 哲学は死の練習? 懐疑主義あるいは不可知論 第4章 神の介入 旧約聖書と終末の待望 古代イスラエル人の歴史 死後の世界シェオール 現世主義に生じた亀裂 終末論のディテール ゾロアスター教の影響? PARTⅡ 一神教の来世観 終末、復活と審判、天国と地獄 第5章 死を乗り越えた神人 キリストの復活 キリスト教誕生の経緯 パウロの思考法 終末観はどうなったか? 死後の来世はどうなった? 死後すぐに実現する救い 死後と終末後――肉体の有無 第6章 復讐と大団円 黙示録の世界 「ヨハネの黙示録」―― 終末のプロセス 黙示録のミーム 千年王国の解釈 「パウロの黙示録」と「ペトロの黙示録」 社会全体の救済 第7章 中間の発見 煉獄とダンテの『神曲』 地獄と煉獄の違い 煉獄誕生のプロセス 地獄・煉獄・天国三分法の文学化 地獄ツアーから始まる 南半球の煉獄山 天動説的な天国と神の至福直観 往生術、免罪符、宗教改革 カトリックとプロテスタントの死闘 『天路歴程』の霊的サバイバルゲーム 第8章 あえて詮索しない来世 ユダヤ教とイスラム教 ユダヤ教徒は死後の話をしない? イスラム教の来世観 終末の経緯 楽園と火獄の様子 現実社会の掟 PARTⅢ 輪廻宗教の来世観 報いとしての転生と解脱 第9章 凡夫と修行者の運命 ウパニシャッドの輪廻観 ヴェーダとウパニシャッド 五火二道説 輪廻説のダークサイド 民衆の信仰 第10章 変化する世界は苦である 釈迦の洞察 王子の悩みと悟り 苦、無常、無我 神話的世界観としての輪廻 『ダンマパダ』の聖句の輪廻的解釈 地獄の責め苦 釈迦の大いなる死 矢の教え 第11章 増殖する地獄界と天界 須弥山世界と『往生要集』 須弥山宇宙の中の輪廻空間 地獄界 餓鬼、畜生、阿修羅、人の境遇 幾重にも重なる天界 仮初の監獄と孤独な囚人たち 第12章 聖域としての浄土 念仏往生と各種の方便 浄土の起源 阿弥陀仏を念ずる 救済のイメージトレーニング 極楽浄土の情景 源信の実践法 念仏至上主義 法華信仰 PARTⅣ 古典的大宗教の周辺(パラ)と以後(ポスト) 来世観から死生観へ 第13章 祖先祭祀と不老不死 儒教と道教の来世観 儒教の祖先祭祀 孔子の不可知論 道教の「生への執着」 不老長寿は東洋の錬金術? 仏教の中国化――『父母恩重経』と『盂蘭盆経』 仏教か道教か?――官僚主義的な地獄ビジョン 不可知論? 祖先祭祀? 不老不死? 十王信仰? 第14章 来世論への禁欲と耽溺 本居宣長と平田篤胤 日本仏教の変容――鎮護国家から葬式仏教まで 儒教と道教の影響 「神道」の創出――本地垂迹説から国学まで 神道としての来世観の始まり 死後について追究しない?――本居宣長 原理主義か懐疑主義か? 幽世から子孫を見守る――平田篤胤 童子の臨死体験 幽冥界のその後 第15章 オカルトの台頭 近代西洋の心霊主義 一九世紀欧米の心霊主義 なぜ心霊主義が求められたか? 柳宗悦の場合 スヴェーデンボリと神智学 浅野和三郎と宮沢賢治 ニューエイジへ 第16章 死の言説の再構築 死生観と死生学 「死生観」言説の誕生 「武士道」言説と忠君的死生観 戦争で死にゆく者の断裂 死生観のその後 欧米人の死生観 死生学とグリーフケア死の通説を検証する哲学 終 章 現代人にとって死とは何か――「自然に帰る」の意味 過去の時代のワイルドな来世観 死の問題の回帰 一方では死の覚悟、他方では死者の霊の実感 自然に帰る? 結論 あとがき 参考文献
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