作品一覧

  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学
    3.8
    1巻1,166円 (税込)
    組織の不祥事が報道されると「自分なら絶対にやらない」と思う。だが、いざ当事者になると、個人ならしない悪事でも多くの人は不承不承、あるいは平気でしてしまう。 なぜ集団になると、簡単に同調・迎合し、服従してしまうのか。 著者は同調や服従に関する有名な実験の日本版を実施し、その心理を探る。 一方でタイタニック遭難など、緊急時に助け合い、力を発揮するのも集団の特性である。 集団の光と闇を解明する試み。 ■□■ 目 次 ■□■ はじめに――集団心理の光と影 序章 集団とは何か 第1章 わが国で行われた服従実験で明らかになったことは何か 1 責任を「人」に押し付ける 2 服従実験と悪の凡庸性 3 筆者が行った服従実験 4 日本での服従実験の結果は? 第2章 服従の理由は? 第三者の感想は? 実験の問題点は? 1 なぜ参加しようと思ったのか 2 服従を促進する要因は何か 3 なぜ離脱できないのか 4 服従実験の観察者は実験をどのように見るのか 5 服従実験の問題点①――生態学的妥当性の問題 6 服従実験の問題点②――方法論と倫理の問題 第3章 同調行動はなぜ起きるのか 1 同調とは何か 2 同調の分類 3 無意識に影響を受ける 4 緊急事態で大きくなる影響 5 集団規範による影響 第4章 現代日本人の同調の特色は何か 1 同調行動に影響する要因 2 筆者が実施した同調実験 第5章 同調行動はどのように拡散するのか 1 ロジスティック・モデル 2 同調の広がりに関する実験 3 大集団での同調は? 第6章 緊急事態では人は理性的に振る舞うのか 1 集団のネガティブな側面の研究 2 緊急事態では人は理性を失うのか? 3 実際の緊急事態の行動と意思決定の研究 4 9・11同時多発テロ時の世界貿易センタービルからの避難 第7章 航空機事故発生時の機内で人々はどのように行動したのか 1 ガルーダ・インドネシア航空機福岡空港離陸失敗事故 2 事故発生時の客室内 3 乗客の認識 4 脱出時の行動 5 調査のまとめ 終章 集団の光と影に何が影響するか 1 社会の価値観 2 加害者と被害者の視点の違い 3 内集団と外集団 4 行為者と観察者の認識の食い違い 5 光と影の非対称性(影が光より強いのか) あとがき
  • 腐ったリンゴをどうするか?
    値引きあり
    3.7
    1巻286円 (税込)
    一人で作業したときよりも、集団で作業した時のほうが一人当たりの作業量は低下し、 集団の人数が増えるほど手抜きの量も大きくなる――これを「リンゲルマン効果」と呼ぶ。 「自分だけ頑張ってもしょうがない…」「誰かがやるからいいだろう…」という気持ちは、誰の心にも存在するが、 度が過ぎると手抜きは感染し、そばにある“リンゴ”から次々に広がり、最後には箱全体を腐らせる。 われわれの身近にはどんな手抜きがあり、それはなぜ起こるのか? 男と女、どちらが手抜きしやすいか? 日本人と中国人では? どんなときに感染しやすく、どうしたら防げるのか? ……「手抜き」にまつわるエトセトラを、手抜き研究の第一人者が読み解く! 最良の手抜き対策はどれ? 1.罰を与える 2.社会的手抜きをしない人物を選考する 3.リーダーシップにより仕事の魅力向上を図る 4.パフォーマンスのフィードバック 5.集団の目標を明示する 6.パフォーマンスの評価可能性を高める 7.腐ったリンゴの排除/他者の存在を意識させる 8.社会的手抜きという現象の知識を与える ……答えは本書に。 (※本書は2015/6/23に株式会社 三五館より発売された書籍を電子化したものです)
  • あなたの部下は、なぜ「やる気」のあるふりをするのか 組織のための「手抜き」のトリセツ
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    『集団にとって「手抜き」は、不可避かつ不可欠な現象?』 ままならない手抜きにどう向き合えばいいのか。 本書は、「どうすれば集団や組織から手抜きを放逐できるか」というアプローチではなく、「人はどうして手を抜いてしまうのか」というメカニズムを明らかにし、「手を抜くのは仕方のないことである」とその存在を肯定した上で、「どう向き合っていくのか」という前向きな対処策を考える1冊である。 『求められるのは「手抜き」との共生』 努力は報われない? インセンティブはやる気を引き出さない? 叱っても人は伸びない? ブレストにも意味はない? なぜ、効果的な対処策を打てないのだろう。 手抜き防止もやる気向上も、「管理」しようとするから失敗するのである。 そもそも、人が動くのにたいした理由はない。 それでは人が、実際は根性論や精神論によらず、しかもたいした理由もなく欲求や些細な偶然に突き動かされて行動しているのだとすれば、本当に必要なのは矯正ではなく、彼らが自然に手を抜いて行動したとしても、それが自然と望ましい状況につながる工夫や仕掛け、環境を作り出すことであろう。 『「手抜き」前提!手抜き研究の第一人者が提案する対処策!』 本書は2部構成である。 【第1部 基礎編 「手抜き」はどうして生まれるのか】では、「社会的手抜き」や「個人的手抜き」など、「手抜き」の種類や発生メカニズムを理解してもらう。 また集団や組織において、取り組む課題の量や性質、メンバー同士の人間関係、報酬の与え方などの差異が、手抜きの発生にいかなる影響を与えるかを、10の問いかけをもとに多角的に分析する。 【第2部 実践編 「手抜き」とどう向き合うか】では、手抜きと前向きに付き合っていくための18のヒントを提示した。 項目はそれぞれ独立しているので、関心を持ったトピックから読んでいただいてかまわない。 たとえば本書では、以下のようなヒントが提示される。 ・現状維持からはじめる―あえて管理しないというルール ・選択肢を少なくする―決めることから逃げないための工夫 ・別のご褒美を用意する―つまらなくても頑張れる理由 ・「右にならえ」を利用する―周りの空気の影響力 ・後悔の力を利用する―「逃した魚」理論 ・自分がコントロールしていると思わせる―無力感に効くもの 等  本書が集団や組織に属するすべての人にとって有用なものとなれば幸いである。
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学
    3.4
    人は集団で仕事をする。しかし集団になると人は怠け、単独で作業を行うよりも一人当たりの努力の量が低下する。これを「社会的手抜き」という。例えば非効率な会議や授業中の問題行動、選挙の低投票率、スポーツの八百長などは「社会的手抜き」の典型である。本書では、このような「手抜き」のメカニズムを、多様な心理学的実験の結果から明らかにしていく。その防止策とは、はたまた功罪とは。リーダー・企業人必読書。

ユーザーレビュー

  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

    Posted by ブクログ

    インドネシア・ガルーダ航空離陸失敗事件は聞いたことがあったが、集団の心理をよく表している好事例として改めて学ぶことができた。集団が残酷になり個人ではしないような決断をしてしまうことはよく分かっているものの、理論としてまとまっている本を読むことは初めてだった。ベストセラーのサピエンス全史には、人間が繁栄した理由に大規模な集団として行動できる特異性が挙げられていたが、人間という種が持つ特殊な集団での意思決定という行為に改めて注目してみると、今の官僚機構や政治がある程度機能していることはすごいことだと思う。数百単位で行動する生物とすれば、蟻や昆虫、ヌーや魚など?が挙げられるように思うが、意思決定の高

    0
    2025年04月29日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

    Posted by ブクログ

    本書は、身につまされる本である。手抜きを無くすことにとどまらず、個人として、集団としてどうすれば生産性を向上できるかを解説している。

    集団にとって手抜きが厄介なのは、それが周囲に感染っていくという特性を持つからだ。
    手抜きとはなんであり、どうして起こり、どうやったら防げるのか?
    本書では、その原因やメカニズムについて、数多くの実験や研究をもとに究明していく。

    気になったことは以下です。

    ・ある会社では、会議が1日に占める割合は3割にも達している。非効率な会議の背景には、「社会的手抜き」のメカニズムが働いている
    ・集団のサイズが大きくなればなるほど、一人あたりの手抜きの量は大きくなる。集団

    0
    2023年05月07日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

    Posted by ブクログ

    「手抜き研究」の第一人者だけあって分かりやすくてかつためになる。 

    腐ったリンゴは直ぐに取り除かないといけない。

    参考文献のリストはあるのだが,本文のどの記述に対応したいるのかが分からない。これじゃ意味ないだろ?文系はこれでいいのか?(手抜き!)

    0
    2015年09月30日
  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

    Posted by ブクログ

    人間の不合理性あるいは残酷性の例示として挙げられる実験(ミルグラム実験や監獄実験)の細部やその後の検証についてということで、倫理上の問題もある中で試行錯誤して行われる実験についての苦慮は大いに同情するものがあるが、なおのこそそれでも現実ではないんだよなという感覚もある。結論自体よりはそれに至る心理学上の振る舞いについて学べる。

    0
    2025年07月26日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

    Posted by ブクログ

     「仲間がいるから頑張る」のかと思いきや⋯。「社会的手抜き」のメカニズムを知って、複雑な気分になった。が、自分を振り返るきっかけになった。

    0
    2025年01月26日

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