釘原直樹のレビュー一覧

  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

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    インドネシア・ガルーダ航空離陸失敗事件は聞いたことがあったが、集団の心理をよく表している好事例として改めて学ぶことができた。集団が残酷になり個人ではしないような決断をしてしまうことはよく分かっているものの、理論としてまとまっている本を読むことは初めてだった。ベストセラーのサピエンス全史には、人間が繁栄した理由に大規模な集団として行動できる特異性が挙げられていたが、人間という種が持つ特殊な集団での意思決定という行為に改めて注目してみると、今の官僚機構や政治がある程度機能していることはすごいことだと思う。数百単位で行動する生物とすれば、蟻や昆虫、ヌーや魚など?が挙げられるように思うが、意思決定の高

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    2025年04月29日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

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    本書は、身につまされる本である。手抜きを無くすことにとどまらず、個人として、集団としてどうすれば生産性を向上できるかを解説している。

    集団にとって手抜きが厄介なのは、それが周囲に感染っていくという特性を持つからだ。
    手抜きとはなんであり、どうして起こり、どうやったら防げるのか?
    本書では、その原因やメカニズムについて、数多くの実験や研究をもとに究明していく。

    気になったことは以下です。

    ・ある会社では、会議が1日に占める割合は3割にも達している。非効率な会議の背景には、「社会的手抜き」のメカニズムが働いている
    ・集団のサイズが大きくなればなるほど、一人あたりの手抜きの量は大きくなる。集団

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    2023年05月07日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

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    「手抜き研究」の第一人者だけあって分かりやすくてかつためになる。 

    腐ったリンゴは直ぐに取り除かないといけない。

    参考文献のリストはあるのだが,本文のどの記述に対応したいるのかが分からない。これじゃ意味ないだろ?文系はこれでいいのか?(手抜き!)

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    2015年09月30日
  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

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    人間の不合理性あるいは残酷性の例示として挙げられる実験(ミルグラム実験や監獄実験)の細部やその後の検証についてということで、倫理上の問題もある中で試行錯誤して行われる実験についての苦慮は大いに同情するものがあるが、なおのこそそれでも現実ではないんだよなという感覚もある。結論自体よりはそれに至る心理学上の振る舞いについて学べる。

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    2025年07月26日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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     「仲間がいるから頑張る」のかと思いきや⋯。「社会的手抜き」のメカニズムを知って、複雑な気分になった。が、自分を振り返るきっかけになった。

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    2025年01月26日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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     「個人が単独で行った場合にくらべて、集団で作業を行う場合のほうが1人当たりの努力の量(動機づけ)が低下する現象」(p.ii)を「社会的手抜き」と呼び、「社会的手抜きと関連があるさまざまな社会現象を取り上げ、社会的手抜きの視点から分析」(p.239)した本で、具体的には「生活保護の問題、投票率、仕事中のインターネットの私的利用、八百長、集団浅慮、援助行動、カンニング、リスク行動、腐ったリンゴ効果、フリーライダー効果など」(同)を扱っている。
     おれは教員をやっているから、もちろん個人の発達の課題とか、カウンセリングとか、そういうものにも興味はあるけど、むしろそれよりも学級経営や集団授業をする視

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    2022年01月28日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    結局、意義付けと動機付けが大切ということと理解。手抜きを無くすために監視を強化すると言いがちなコストカッター的な人にこそ読んでほしい。

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    2020年06月07日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

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    【文章】
    とても読み易い
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★★★・
    【気付き】
     ★★★・・

    手抜きの要因
    ・低い評価可能性…「がんばっても評価されない」
    ・努力の不要性…「自分がやらなくもアイツがやってくれる」
    ・手抜きの同調…「アイツもさぼってるなら自分もさぼる」
    ・緊張感の低下…「いつも同じ作業ばかり」

    ブレストは社会的手抜きが発生しやすい。
    解決を探すのではなく、問題を悪化させる方法を探る「リバース・ブレイン・ストーミング」などが有効。

    システムである人の集団から手抜きを無くすのは難しい。手抜きをする人も多様性の一部であり、それを意図的に排除してしまうとシステムが崩壊す

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    2019年06月27日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    「社会的手抜き」という集団の中の個人の心理・行動について、考察した本。

    集団の構成員の数が多くなればなるほど、個人の能力・効率が落ちるという現象をさまざまな事例を用いて紹介している。なかなか面白い本だった。

    ただ、この分野の研究が少ないためもあってか、ほとんどが先行論文の引用が多かったのは致し方ないところか。

    集団の心理に興味があるので、そこは勉強になった。

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    2016年12月12日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    集団になると個人でやった場合より一人当たりのパフォーマンスが落ちるというのは意外だった
    無意識的に行われているため防ぐのは難しい
    社会的補償によってパフォーマンスが上がる場合もある

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    2016年11月26日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    ○心理学者の釘原氏の著作。
    ○「どうして人は怠けるのか」をテーマに、数々の調査研究をまとめ、「怠ける」原理についてまとめたもの。
    ○いろいろな調査を紹介しており、読み物として面白かった。
    ○ホームアンドアウェーのところは、イメージしていた結果と違ったので意外に思った。
    ○一番印象的だったのが「腐ったリンゴの取扱い」で、実際の社会では、腐ったリンゴをどうするかが特に難しいなと思った。

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    2014年04月03日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    いろいろなケースがカタログのように載せてあって、そこそこ面白い。
    ケーラー効果:尊敬すべき高い能力の人物が同じ集団の中にいる場合、動機付けをたかめて一生懸命はたらく。
    サッカー効果:他者から搾取されることを嫌い、そのために動機付けが低下する。
    フリーライダー効果:クソマジメに働く人物がいる場合、楽ができると思いこむ。

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    2018年10月14日
  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

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    服従や同調についての研究をまとめた本。航空機事故の生存者証言から考える行動については、同調や執着などの行為の分析以前に証言自体が生々しくてしんどくなってしまったが、その他は興味深かった。

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    2025年06月22日
  • 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

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    どんな風に実験しているのか、その評価とそこから言えることが書いてある。
    パナックにはなりにくいが、パニックに陥ると利己的になりやすい。
    考える時間があれば理想に近くなるが、ない場合はヨーイドンで対応能力の高い人が生き延びやすそう。
    影響の伝播に関しては注意しておかないと対抗が間に合わなくなるかもしれない。

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    2025年05月21日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

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    社会的手抜きを知る
    集団の目標を提示
    社会的手抜きをしない人材を選考
    腐ったリンゴを排除

    リーダーシップについて知ることも必要。
    一人一人の役割を持つことで責任感を生む。

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    2023年04月06日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    ■社会的手抜き
     個人が単独で作業を行った場合にくらべて、集団で作業を行う場合のほうが1人当たりの努力の量(動機づけ)が低下する現象を社会的手抜きという。

    ■社会的手抜きの原因
    ・「道具性」欠如の認識:「自分が頑張っても、それが集団全体の業績にはあまり影響しない」
    ・「努力の不要性」の認識:他の人がしっかり仕事をしているので自分が頑張る必要はない
    ・「評価可能性」欠如の認識:たとえ頑張ってもそれが他の人にはわからないので評価されない

     …日常、指導的な立場にある人が緊急時でもリーダーシップをとることが明らかになった。上司は上司として、父親は父親として、その役割を果たそうとする傾向がある。よ

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    2022年02月06日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    ネタバレ

    ・集団になると人は怠け、単独作業より努力の量が低下する。1+1が2にならない
    ・社会的手抜きを無くすのは難しい
    ・女性は対人関係指向で人間関係に注意を払う傾向がある
    ・男性は同調しないことで他者より優位に立つことを考えたり、それができなければ集団から離れたりする
    ・腐ったリンゴ効果は存在する
    ・対策としては、リーダーによる働きかけ、監視、社会的手抜きという現象がありそれが現に見られたという情報を与えるなど

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    2021年10月21日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    集団での作業努力が個々人の努力量の総和よりも低下する現象「社会的手抜き」を、綱引きや居眠り、生活保護や投票に至るまで数多くの具体例を提示しながら、その対策について論じている本。


    ここで明らかになるのは手抜きが、ただの怠惰だけではないということだ。
    例えば、仕事中にインターネットの利用などのサイバー手抜きを行うと気分転換ができたり、士気の上昇などが確認されている。また、集団サイズが大きい場合において、手抜きに対する許容度が大きければ、社会的手抜きの悪影響を受けにくいといった報告もある。
    このような手抜きの性質を筆者は、1.努力の不要性、2.道具性、3.評価可能性を挙げて説明を試みている。
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    2021年04月24日
  • 腐ったリンゴをどうするか?

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    まあ面白いけど、おおよそ学者とは思えないような、論理的に詰めが甘いのではないかと思わされる記述が散見された。専門書ではなく一般向けを意識して書いたとあるから、そんなものかもしれないが。
    step ladder techniqueはためになった。

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    2021年02月11日
  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学

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    いかに自我関与を高めていくか。
    それを求めるだけでなく、
    集団として社会的補償は欠かせない。
    その基盤となる風土づくりは大前提。
    そのための仕組みづくりが課題となると
    感じた。

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    2019年12月30日