秦正樹の作品一覧
「秦正樹」の「陰謀論が世界を蝕む」「陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「秦正樹」の「陰謀論が世界を蝕む」「陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
7月に行われた参議院選挙では、SNSに陰謀論が飛び交い、さらについ最近もJICAによる「ホームタウン」をめぐって酷いデマが溢れるなど、現在「陰謀論」がこれまでになく注目を集めており、メディアでも取り上げられている。そういった記事のなかで有識者としてコメントする場合も多かったのが、本作の著者・秦正樹氏。本作はそのものズバリ『陰謀論』というタイトルで、じつは発売直後に購入していたのだが、いままで読めていなかった。しかしいまこそまさに読むべきではないかと考えて読んでみたら、これがたいへん良い本であった。各章とも頷いたりあるいは驚いたりするような記述の目白押しで、たとえば「第2章」では、Twitter(当時)の接触頻度が高いほど陰謀論的信念が低いことが書かれている。一見直感に反するようにも思えるが、昔からヘヴィ・ユーザーほどリテラシーが高いという一面もたしかにあった。とはいえ現在ではますますエコー・チェンバー化が進んでいると感じることもあり、いまおなじ検証をしたらどういう結果になるかわからない。ついで「第3章」では、ある意味でネトウヨの常套句となっている「右でも左でもない普通の日本人」が、実際に排外的な言説と親和性が高いことを示していて興味深かった。逆に「第4章」ではリベラル側の陰謀論を取り上げていて、こちらも興味深くはあったのだが、リベラル側で有名な陰謀論といえば「ムサシ」を槍玉に挙げた選挙不正だと思うので、それを取り上げていなかったことは残念に思った。「第5章」では政治に対する知識と陰謀論の関係を取り上げているが、そもそも一般国民の政治に対する智識があまりにも欠如していて呆れてしまった。内閣が行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負うというのは中学公民でも習う基本的なレヴェルだと思うが、調査の結果得られた正答率はなんと33.75%。この調査結果自体は求めているデータとは異なり本文でもとくに掘り下げてはいないのだが、それにしてもこの数字は衝撃的である。この程度の政治リテラシーしかない人間が参政党なんかに喜んで投票してしまうのもある意味では当たり前である。さて以上のように、各章ごとに興味深い内容が書かれており、じつに良い読書体験をしたと思うのだが、しかし冒頭でも触れたように、近年「陰謀論」を取り巻く状況は急激に変化している。日本でもそうだが、アメリカではなんと陰謀論の権化みたいな存在であるトランプが大統領に返り咲いてしまった。本作は発売されてまだ3年しか経過していないが、このような昨今の情勢を踏まえると、早くも「増補版」を読んでみたい気がする。
Posted by ブクログ
まさか研究者で推しができるとは。
これはすっばらしい本!この本を今このタイミングで読んだ自分を褒めたい。
「だれが」「なぜ」陰謀論を信じるのかというど真ん中の自分の疑問に、とっても科学的なアプローチで挑んでくれた研究者の秦先生、本当にありがたい。あとがきも素晴らしかったです。
専門用語はたまに出てくるが、前提やその周りの説明が丁寧で、中学生でもわかるような適切な説明で書いてある。知識ほぼない自分は助かった。(はずかしいが民主党が立憲民主党になったことさえうろ覚えなレベル)
ありきたりすぎる言い換えだけどこの本は「政治がわからない人のための現代日本政治学」だ。陰謀論という仰々しいタイトルなので遠巻きにする人が多そうだし、また中公文庫の深緑が重々しいけど。研究者の誠実さにちょっと感動したレベル。「政治的関心ってもたなきゃだめ...?」とちょっとでも不安に思ってる知識ゼロ人間にはぜひ読んでほしい。
この本の難しい部分は、著者が検証のために用いている「サーベイ実験」という統計の手法(?)による、アンケート分析に割かれた部分の説明。これが各章に結構ある。ここは結論を信じるしかないので詳しいところは読み飛ばしたが、このサーベイ実験の存在なくしてはここまでの感動を得られなかったと思う。
ぶっちゃけ、思ったことありませんか。アンケートを◯◯人にとり分析した結果の図がこれで...と言われたところで、そのアンケートの設問って導きたい結論ありきじゃない?とか、その回答者って正直に答えることできてるの?とか。読んでるうちに余計な疑問が湧いてしまうんですよね。
著者は、こんな自分を見透かしたように「表層ではなく腹の中まで調査する手法」としてサーベイ実験を紹介してくれ、詳しく説明してくれたので、とてもアンケート手段の結果を信頼できました、ほとんどわかんなかったけど。科学者たるもの、素人がちょっと思いつくような曖昧さのようなものはなるべく排除しようと、当たり前に追究している、その美しさにやられました。
全体の構造も最高にわかりやすい。
いったん陰謀論とは何かを定義する章、
ソーシャルメディアの背景を説明する章に続いては、
政治的傾向に分けて、層ごとに、陰謀論をどのように/どの程度受け入れているかを検証していくという、パンダでも分かる惚れ惚れするようなパラグラフ。
この適切な論述のおかげで、リベラル/保守の今さら人に聞けないような基礎的な知識を図らずも最良の形で受け入れることができたし、政治的関心の薄さという自分に向けられた問題を不意打ちで提示されても、その背景など含めて向き合うことができた。
問題を細かくきちんと切り分けてくれている美しい断面の、どんな人にも「これは自分用だ!」というケーキが用意されています。
エモな洞察もみどころ。経済的/政治的動機でそれぞれ立場があること、受け止めきれない現実や、どんな人も心理的に不安定であること、への眼差しも含めつつも、適切な状況判断をがしがし下していく。どこからも中立であるように感じる。終章の結びは特にエモいので読んでほしい。
陰謀論への問いで導かれた結論的なものに特段の驚きはない。学術は派手ではないから。
物見雄山で陰謀論に関する書籍をいくつか読み始め、タイトル読みしてみたが、政治学の入門としてこんなに良い読書に出会えるとは思っていなかった。ど素人をないがしろにしないでくれていてありがとうございました。
Posted by ブクログ
選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。
なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。
最後は哲学対話で締められている。
興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。