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Posted by ブクログ
生物には自然淘汰による適応が働いているにもかかわらず、なぜか不合理に進化しているように見える場合がある。これを、進化による適応が「制約」によりうまく働かなかった結果である、と断ずるのはたやすいかもしれないが、著者はそうではない、という。「一見すると不合理」に見える生物も、実は進化による適応として説明できるのではないか、そういう立場から研究を進めれば明らかになる適応もあるのではないか、というのが著者の立場である。その観点から、様々な具体例が説明される。例えば、捕まえにくく美味しくもないマツオオアブラムシに特化したクリサキテントウは、実はマツオオアブラムシ以外のアブラムシを食べても成育できる。その観点からクリサキテントウの生態を説明することはできないのだが、著者は、クリサキテントウがナミテントウに混じると、異種を見分けることができず交尾してしまい繁殖できなくなってしまうという仮説を説明する。それに至るまでの過程は大変にスリリングである。
その他、オスという子孫を増やすのに役に立たない個体を持たなければならない有性生殖に対して無性生殖は2倍の効率で子孫を増やせるが、それにもかかわらず有性生殖が優勢なのはなぜか、擬態が完全なものにならないのはなぜか、と興味深い進化の事例が、具体的に説明されている。非常に面白い科学読み物だった。
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