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「数十年に一度」と言われる気象災害が日本のあちこちで起こっている。豪雨や大雪を観測・分析し、的確に警報を出すことで、被害を最小限に止める――気象庁予報官には、天気予報だけでなく、そうした使命も与えられている。「夜明け前が一番忙しい」「梅雨明け宣言をいつ出すのか」など日々の仕事から、「上空の寒気」「冬型の気圧配置」などの注意を要する用語の解説、さらに警報の運用まで、気象予報と予報官のすべてを紹介。
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Posted by ブクログ
的中して当たり前の天気予報。予報官は何を考え予報を出しているか。気象予報の世界をわかり易く解説する。 「予報官の道」という副題から自伝的な内容かと思ったが本書は全篇気象の入門書。 「ときどき」や「のち」など言葉の定義、観測機器の自動化に伴う予報システムたアルゴリズムの導入。どうしても人の経験則が...続きを読む求められる予報の世界。 筆者は気象庁を定年退職。退官後すぐに執筆を始めるも妥協を許さぬ性格から6年かかる。その前の執筆依頼を含め都合13年、編集者の長い視点からの企画が素晴らしい作品生んだ。 現役の最晩年。四国の希少台長に就任した筆者は前例にない管轄の首長への訪問を行う。携帯電話番号の交換によるホットライン。市町村長による避難等の命令発令の際の助言などに役に立つ。こういった顔と顔のアナログな関係が有事に活きることは興味深い。 防災に関する提言にも有意義なものが多い。
予報文を絞り出す気象屋の仕事は、予報文だけ読めば何気ないものと映るが、その裏には、経験と研鑽と脳漿を絞る努力と、予報官なりの不確実性についての感性がある。
気象庁の予報官や気象台長を務め上げた著者が、天気予報の実際から、予報官の実像、防災活動との関連を紹介。
気象予報の基礎や、予報概念の変遷やその背景など学べたのは良かった。予報官がどのような難しさや信念・哲学を抱いて業務にあたっているのかを垣間見れたのも面白かった。 但し特別警報の地域メッシュの記述には、オイオイと思った。 そもそもそこまでの記述は法に基づいてしっかり解説されていたのに、急に「その基準...続きを読むの決め方を見ると、ここまで述べてきた広域管理の考え方が色濃く反映しているのがわかる」「特別警報は広域管理の立場から見た危機管理の視点でデザインされている」「通常の警報・注意報とは危機の重大性の尺度が異なる」等とてきとうなことを言っている(よく考えたらこの気象業務法改正は2013年だから、略歴によれば著者が退官したあとのことなんだよな…)。 別に広域管理に使いたいから等という高尚な理由ではなく、府県単位でしか出せないというシステム上の理由なのではないかとも妄想する。それに法律上も、基準について知事や市町村長から意見聴取するという立て付けも何ら通常の警報等と変わらない。 実際著者は、「著しく大きい場合」という定義は「これが危機の広域性を意味するかどうかは別として、」とうやむやにしている記述もあるが(そしてそれまでの議論に危機の重大性の要素として広域性なんて出てこなかったのに唐突感もあり)、なおさら不信感が募る。 また、途中にでてくる用語や概念の厳密性の話は、少し理屈っぽいことが多くて冗長に感じたけど。いつか役立つのかもしれないが・・・。
気象予報と防災。 近年身近になった異常気象と、それにもたらされる災害に対する防災の知恵… というよりは、予報官の立場から、そういった異常気象を紐解き、予報官の仕事や天気予報に出てくる用語についても言及される。どちらかといえば、サブタイトル予報官への道、がメーンタイトルという印象。 この本を通じ...続きを読むて思ったのは、異常気象なり警戒が必要な災害を、情報の受け手が危機感を感じてもらえるように、伝えられるかということを苦心してきたのだということである。我々においても、身を守るため、彼らが発する情報が何を意味するのか、今その情報を受けてどうすべきなのかを考える上で、気象予報に関する教養というものは一定程度必要なのかなと思った。 たとえば、私においては特別警報というものを誤解していた(上位の警報ではない)のだが、この本で一つ勉強になったところである。 全体的に小難しく、頭には入って来にくい。
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気象予報と防災―予報官の道
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永澤義嗣
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