■ダークトライアドとは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム
■ダークテトラッドとは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムに、「サディズム」を加えたもの
■各種パーソナリティ症と特徴
A群
・妄想性パーソナリティ症
他者への猜疑心や不信感、悪意を感じやすい
・スキゾイドパーソナリティ症
孤立、対人関係への無関心、冷たさ
・統合失調症型パーソナリティ症
妄想や魔術的思考、奇妙な思考や話し方など
B群
・反社会性パーソナリティ症
規範を守らず利己的で衝動的、暴力的
・境界性パーソナリティ症
見捨てられた感覚、空虚感、自傷行為、自殺念慮
・演技性パーソナリティ症
注目を集めようとする過剰な努力、被暗示的
・自己愛性パーソナリティ症
人より優れており特権を持つ感覚
C群
・回避性パーソナリティ症
否定的評価に敏感、劣等感、社会的な抑制
・依存性パーソナリティ症
対人関係に依存、保護や面倒への欲求、主体性欠如
・強迫性パーソナリティ症
こだわりが強く完全主義的、融通が利かない
■マキャベリアニズムの特徴
第一に、対人関係における感情の欠如。
第二に、従来からある道徳の内容に関心を抱かないこと。
第三に、重大な精神病理を持たないこと。
第四に、イデオロギーへのコミットメントの低さ。
■典型的なサイコパス
①表面的には魅力があり優れた知性を持つ
②妄想やその他の不合理な思考の兆候がない
③不安や緊張など精神神経的な症状が見られない
④信頼できない
⑤不誠実で偽善的である
⑥良心の呵責や羞恥心が見られない
⑦明確な動機づけなく反社会的な行動をする
⑧判断力に乏しく、経験から学ばない
⑨病的な自己中心性を持ち愛する能力が欠如している
⑩主要な感情反応が全体的に見られない
⑪特定の領域で洞察力が掛けている
⑫対人関係全般に無反応である
⑬飲酒を伴う(時には伴わない)風変わりで魅力的ではない行動をとる
⑭自殺はほとんどしない
⑮性生活は非人間的で些細なもので、うまく統合されていない
⑯人生設計に従わない
■ナルシシズムの病理面
①誇大妄想
成功や称賛や承認への空想に囚われている
②自己犠牲的自己高揚
ポジティブな自己イメージを保つためにあえて利他的な行動を取る
③搾取性
他人を操作する傾向
④権威的憤怒
特権意識が満たされないときに感じる怒り
⑤随伴的自尊感情
自尊感情が変動しやすく、称賛や承認が得られないと機能不全を起こしやすくなる
⑥脱価値化
自分を称賛しない他社に対して無関心になる
⑦自己隠蔽
自分の失敗を他者に見せないようにする
■5つ目のダークな性格、スパイトとは何か
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムに加えて、「スパイト」も含めることで「ダーク・ペンタッド」という組み合わせによる研究も進められている。
スパイトとは、相手だけでなく自分自身にも危害を加えるような行為を指す。
■リーダーシップ
・変革型リーダーシップ
フォロワーに心理的な影響を与え、感情を揺さぶり、信念や価値観など内面から影響を与えてフォロワーの自己成長を促すようなリーダ−シップ
・交換型リーダーシップ
成功や失敗に対して報酬や罰のフォードバックを与えることで、行動引き起こそうとするリーダーシップ
・放任型リーダーシップ
リーダーがあまり関与せずメンバーの自主性や創造性を促そうと試みるリーダーシップ
■共感性の二つの側面
・認知的共感性
他の人の表情や言動から、その人がどのような気持ちになっているのか、どのような感情を抱いてるのかを推測して認知すること
・情動的共感性
他の人の感情を自分のものであるかのように受け入れて、自分でも同じように感じること
■一つの連続的な心理特性には、とても多くの遺伝子が影響していると考えられる。性格を外交的な方向に進めるように影響する遺伝子は非常に数多く存在している。これをポリジーン遺伝モデルという。
例えば、連続的な量を表す代表的な値に、身長がある。身長の遺伝子を特定する試みも二十一世紀に入ってから行われるようになった。初期の研究では身長に関連する40個の遺伝子が見つかったが、これらを合わせても身長のばらつきの5%しか説明できない。その後身長に影響する遺伝子がどんどん見つかり、2018年には70万人のデータから3300個の遺伝子が見つかった。
■ダークな性格は成人期を通じて平均値が低下していく傾向が見られる。
人生の中で成人期の生活に有利に働くような心理特性や性格特性を次第に身につけいくことを「成熟の原則」と呼ぶ。社会の中で新しい役割を担うたびに、少しずつ性格特性が変化していくことにより、全体的に平均値として望ましい方向へと変化していく現象が生じるのではないかと考えられている。ダークな性格が年齢とともに低下していく様子も、人々が人生の中で次第に社会へ適応していく成熟の原則を表現している。
■長所と短所は切り離せない
■現代の世の中はVUCA(ヴーカ)と呼ばれる。これはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、目まぐるしく変化し予測が困難な世界を表現している。
■ダークな性格の持ち主にはそれぞれ得意な課題領域がある。また、人々の注目を集める可能性があり、自らの行動が名誉や評判などの見返りを得ることができる場合に、ダークな性格の持ち主たちは他者のためになるよう向社会的な行動をする可能性があることも指摘されている。うまく工夫することで組織や集団に役立つ仕組みを考える余地は存在すると言える。
■ダークな性格の持ち主は制限が少なく自律性が高い職場、また周囲から評価されるような職場で満足度が高くなる傾向がある。
■どうして人間の集団には、一見して問題を生じさせるような性格が残っているのか。もしも、この性格が社会の中で生存に不利であり、婚姻や子供を残すことに影響するようなことがあり、かつその社会が何世代にも渡って継続するのであれば、この性格を形成する遺伝子は淘汰されていくはず。しかし、実際にはそのようなことは生じていない。人類がこれまで生存してきた歴史の中で、ダークな性格が何らかの形で他の性格よりも有利になる場面が何度も訪れてきたのだろうと想像できる。