あらすじ
ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。「悪い」性格が社会に残っていることには理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。
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Posted by ブクログ
自分の中にあるダークサイドと向き合うにもいい本です。「徳が高い」ということは、自分の中にあるダークな部分を押さえ、折り合いを付けることなんだから。
Posted by ブクログ
■ダークトライアドとは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム
■ダークテトラッドとは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムに、「サディズム」を加えたもの
■各種パーソナリティ症と特徴
A群
・妄想性パーソナリティ症
他者への猜疑心や不信感、悪意を感じやすい
・スキゾイドパーソナリティ症
孤立、対人関係への無関心、冷たさ
・統合失調症型パーソナリティ症
妄想や魔術的思考、奇妙な思考や話し方など
B群
・反社会性パーソナリティ症
規範を守らず利己的で衝動的、暴力的
・境界性パーソナリティ症
見捨てられた感覚、空虚感、自傷行為、自殺念慮
・演技性パーソナリティ症
注目を集めようとする過剰な努力、被暗示的
・自己愛性パーソナリティ症
人より優れており特権を持つ感覚
C群
・回避性パーソナリティ症
否定的評価に敏感、劣等感、社会的な抑制
・依存性パーソナリティ症
対人関係に依存、保護や面倒への欲求、主体性欠如
・強迫性パーソナリティ症
こだわりが強く完全主義的、融通が利かない
■マキャベリアニズムの特徴
第一に、対人関係における感情の欠如。
第二に、従来からある道徳の内容に関心を抱かないこと。
第三に、重大な精神病理を持たないこと。
第四に、イデオロギーへのコミットメントの低さ。
■典型的なサイコパス
①表面的には魅力があり優れた知性を持つ
②妄想やその他の不合理な思考の兆候がない
③不安や緊張など精神神経的な症状が見られない
④信頼できない
⑤不誠実で偽善的である
⑥良心の呵責や羞恥心が見られない
⑦明確な動機づけなく反社会的な行動をする
⑧判断力に乏しく、経験から学ばない
⑨病的な自己中心性を持ち愛する能力が欠如している
⑩主要な感情反応が全体的に見られない
⑪特定の領域で洞察力が掛けている
⑫対人関係全般に無反応である
⑬飲酒を伴う(時には伴わない)風変わりで魅力的ではない行動をとる
⑭自殺はほとんどしない
⑮性生活は非人間的で些細なもので、うまく統合されていない
⑯人生設計に従わない
■ナルシシズムの病理面
①誇大妄想
成功や称賛や承認への空想に囚われている
②自己犠牲的自己高揚
ポジティブな自己イメージを保つためにあえて利他的な行動を取る
③搾取性
他人を操作する傾向
④権威的憤怒
特権意識が満たされないときに感じる怒り
⑤随伴的自尊感情
自尊感情が変動しやすく、称賛や承認が得られないと機能不全を起こしやすくなる
⑥脱価値化
自分を称賛しない他社に対して無関心になる
⑦自己隠蔽
自分の失敗を他者に見せないようにする
■5つ目のダークな性格、スパイトとは何か
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムに加えて、「スパイト」も含めることで「ダーク・ペンタッド」という組み合わせによる研究も進められている。
スパイトとは、相手だけでなく自分自身にも危害を加えるような行為を指す。
■リーダーシップ
・変革型リーダーシップ
フォロワーに心理的な影響を与え、感情を揺さぶり、信念や価値観など内面から影響を与えてフォロワーの自己成長を促すようなリーダ−シップ
・交換型リーダーシップ
成功や失敗に対して報酬や罰のフォードバックを与えることで、行動引き起こそうとするリーダーシップ
・放任型リーダーシップ
リーダーがあまり関与せずメンバーの自主性や創造性を促そうと試みるリーダーシップ
■共感性の二つの側面
・認知的共感性
他の人の表情や言動から、その人がどのような気持ちになっているのか、どのような感情を抱いてるのかを推測して認知すること
・情動的共感性
他の人の感情を自分のものであるかのように受け入れて、自分でも同じように感じること
■一つの連続的な心理特性には、とても多くの遺伝子が影響していると考えられる。性格を外交的な方向に進めるように影響する遺伝子は非常に数多く存在している。これをポリジーン遺伝モデルという。
例えば、連続的な量を表す代表的な値に、身長がある。身長の遺伝子を特定する試みも二十一世紀に入ってから行われるようになった。初期の研究では身長に関連する40個の遺伝子が見つかったが、これらを合わせても身長のばらつきの5%しか説明できない。その後身長に影響する遺伝子がどんどん見つかり、2018年には70万人のデータから3300個の遺伝子が見つかった。
■ダークな性格は成人期を通じて平均値が低下していく傾向が見られる。
人生の中で成人期の生活に有利に働くような心理特性や性格特性を次第に身につけいくことを「成熟の原則」と呼ぶ。社会の中で新しい役割を担うたびに、少しずつ性格特性が変化していくことにより、全体的に平均値として望ましい方向へと変化していく現象が生じるのではないかと考えられている。ダークな性格が年齢とともに低下していく様子も、人々が人生の中で次第に社会へ適応していく成熟の原則を表現している。
■長所と短所は切り離せない
■現代の世の中はVUCA(ヴーカ)と呼ばれる。これはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、目まぐるしく変化し予測が困難な世界を表現している。
■ダークな性格の持ち主にはそれぞれ得意な課題領域がある。また、人々の注目を集める可能性があり、自らの行動が名誉や評判などの見返りを得ることができる場合に、ダークな性格の持ち主たちは他者のためになるよう向社会的な行動をする可能性があることも指摘されている。うまく工夫することで組織や集団に役立つ仕組みを考える余地は存在すると言える。
■ダークな性格の持ち主は制限が少なく自律性が高い職場、また周囲から評価されるような職場で満足度が高くなる傾向がある。
■どうして人間の集団には、一見して問題を生じさせるような性格が残っているのか。もしも、この性格が社会の中で生存に不利であり、婚姻や子供を残すことに影響するようなことがあり、かつその社会が何世代にも渡って継続するのであれば、この性格を形成する遺伝子は淘汰されていくはず。しかし、実際にはそのようなことは生じていない。人類がこれまで生存してきた歴史の中で、ダークな性格が何らかの形で他の性格よりも有利になる場面が何度も訪れてきたのだろうと想像できる。
Posted by ブクログ
どういうことか分かりたくて読んだら後半思いがけず救われた。この本では、ダークな一面を自分や他人の中に見ることがたくさんあって、時に傷ついたりもするけど、必要悪とはよく言ったもので、役に立つこともあるということと、一つの「悪」とされる要因は他のプラスやマイナスの要因とも絡んでるから、嫌だったとしてもそれだけを排除するのは無理なんだな〜っていう2点を理解した。「悪」が遺伝や環境が起因するのかという研究も載ってて興味深かった。まぁ要因はもちろんないとは言えないけど、その上で自分がどう生きようかってことなんよな結局。
Posted by ブクログ
どちらかというと心理学の本に近い。
ダークな性格の解説よりかは、ダークな性格と呼ばれる要因になる要素を深く掘り下げている。
誰かを想像しながら読むと面白い。
Posted by ブクログ
ダークトライアドと呼ばれるマキャヴェリアニズム(人を動かしたい)、サイコパシー(ルールを守らない)、ナルシシズム(自分が大好き)に加え、サディズム(人に危害を加えたい)の特性を持つ人間が、どのような行動を取りがちかまとめられた内容。括弧内は適当意訳。彼らがあるパターンではどう動くか、何故そうなるのかなど、専門的な内容が分かりやすい文脈で書かれている。あくまで説明で、対策とかはあまりない。
人としてある程度過ごせば上記のような人物と何らか関わることもあるだろうし、迷惑な「○○さん」に対して、ぼんやりとこの人はこういう人なんだろうと感じていた内容が明文化されているような印象を受けた。
これらの性格も善し悪しがあり、ケースによってはプラスに働くから性格として残ってきている、という辺りの説明が印象に残った。
Posted by ブクログ
周りにいる嫌な人の頭の中のメカニズムを理解しやすかったです。ダークテトラッド(マキャべリアニズム、ナルシシズム、サイコパシー、サディズム)と呼ばれる四つのダークな性格はどんな人でもスペクトラム状に持ち合わせてはいるが、その強度や組み合わせによって心理状態も人それぞれ異なるし、性格が悪いと呼ばれる人たちも出てきてしまうんだなと解釈できました。面白かった!
Posted by ブクログ
「やな奴、やな奴、やな奴!」これはジブリ映画「耳をすませば」の劇中で主人公の月島雫が発したセリフだが、おそらくみなさんも社会生活の中で同じような感情を抱く相手がいると思う。
そのように感じる対象のことを仮に「性格の悪い人」としよう。ではそもそも「性格が悪い」ということの定義ってなんなのだろうか?
この本では一貫して「ダークな性格」と称していて、定義と言っていいのかはわからないが、その人の行動や言動がどのような結果に結びつくかで判断されているとのことだ。
私としてはその人の行動が私利私欲のために故意に誰かに害をもたらすものであればその人は「性格が悪い」と言って差し支えないのではないかと感じる。
しかし、上記のような場合を除いたとして、この本で語られている「ダークな性格」は社会、特にビジネスの面では結構役立つ気質であるものとも思う。
特に後半に書かれていた「人類にとって邪魔なものならその遺伝子は淘汰されているはず」というのはまさに真理なのではなかろうか。
我々は簡単に「あいつは性格が悪い」と言ったりしているが、それって単純にただ自分が気に食わないだけで真に性格が悪い人なんてこの世にはそんなにいないのだ。
この本を読んだからってすぐに「苦手」「嫌い」な人への態度を改められるわけではないが、少なくとも以前より「理解」はできるようになったと思いたい。
Posted by ブクログ
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシズムの共通する特性を待つダークトライアド
この言葉を初めて知りました。
まわりをコントロールしようとするマキャベリアニズムは、スティーブ・ジョブズやイーロンマスクの様な人たちにも当てはまるという。確かに、この様な人たちが、常人と同じ様な思考であったなら、今の様な社会にはなっていなかったかもしれない。
恋愛の話やマッチングアプリで、ナルシズムの話が出てきて、興味深かったです。
人にはダークな性格な部分もあれば、人に寄り添うとする部分もある。また常に正しいとをしようと思い上手く行かない時に、ダークな一面で正しいことを否定することで、その人が救われることもあるかもしれない。まわりは、たまったものではないかもしれないけど。そういった気持ちを人は、行ったり来たりすることで、安定するのではと思ってしまう。
誰しも持つダークトライアドに気付き、コントロールすることも大切
Posted by ブクログ
ダース・ベイダー!
違う
いや違わない
筆者は「ダークな性格」として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つであるとして、様々な面から論考を重ねる
で、読んだ結果、やはりわいの性格としては「ダーク」からは遠いところにいそう
もちろんそういった要素が皆無というわけではないけども
でもそりゃそうスカイウォーカーの名を継ぐ者としてはそりゃそう
そして筆者は最後に、その「ダークな性格」は、環境によって抑制されることもあるし、そもそも人類にとって「ダークな性格」って必要なのかもしれないよという壮大なまとめ
まぁ、なんだかよくわからんかった
「フォースを信じろ!」ってことなのかもしれん(絶対違う)
Posted by ブクログ
性格の要素や用語など分かりやすく説明してくれていて、心理学ミリしら勢は「ほえー!そうなんやー!」と楽しく読みました。
悪いとされている性格のことをまとめて『ダークな性格』と表現されていることに厨二心がくすぐられました。マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムとかね、厨二心くすぐられる。
2章3章あたりの、ダークな性格の人たちの社会での立ち居振る舞いの傾向の話は、あまり新たな発見もなく…まぁそうやろな…という印象でしたが、ダークな人物の内面以降また面白くて満足度高かったです。ダークな性格の人たちって、創作物ではカッコいいし、現実にも我が道を行ってるイメージでしたが、実は内面で苦悩してて孤独だったりするんだなぁと。
遺伝の話は知らない知識ばかりで、ダークな性格関係なく面白かったです。子育て中なので遺伝と環境の話にめちゃくちゃ興味惹かれてしまう。
ダークな性格のキャラクター造形について理解が深まるかなぁと読み始めたのですが、生身の人間の生きやすさとか社会について考えさせられる読み口でした。
Posted by ブクログ
心理学では認知心理学の中にパーソナリティ心理学を研究する分野があるらしい。そして、海外では研究が進んでいて、性格が悪い事自体を否定する訳ではなく、人類の進化の過程で淘汰されてきた訳ではなく残ってきているから、必要だよね、みたいな感じで受け止めた考え方をしている。心理学でいう性格悪いは、マキャベリスト、サディスト、サイコパス、あとなんかもう一個、に分けられるらしい。人を性格で分類分けしたり、この性格はこの傾向がある、みたいな事を研究してることは分かった。で、実生活にどう活かせるか、でいうと、やっぱりそういう性格以外にも色んな性格とか才能とかあるけど、そういうのも成長と共に変化するし、先天性のものじゃないよって認知する事がまず大事って事。それによって、そのメタ認知が働いて、頑張り続ける、やり続けるのが嫌になったりできなくなったりした時に、モチベに繋がるから人生がうまくいくようになるんやと思う。
そういう努力があって、性格悪くても成長遂げたら直る人もおるから、私もへこたれないようにしようと思えた。
Posted by ブクログ
あなたの周りに性格が悪い人、いますか?
この本では以下4つの典型的な"ダークな性格の特徴"について主に言及しています。
①マキャベリズム:自分のリア駅のために戦略的かつ無慈悲に他者を利用する傾向
②サイコパシー:感情反応に欠け冷淡で、自己コントロールが欠如しており衝動的な傾向
③ナルシシズム:自分自身を誇大な方向へと導くすべてを採り入れようとする傾向
④サディズム:意図的に他者に肉体的苦痛や精神的苦痛を与えたり、苦しむ様子を見て快感情を抱く傾向
こういったダークな性格が社会的な成功につながるのか、こういった傾向を持つ人たちの内面はどうなっているのか、性格の悪さは遺伝するかなど、さまざまな研究をもとに解き明かしていきます。
周りから性格が悪い人と思われたくない方は、ぜひ読んでみて笑
Posted by ブクログ
題名と作者を見て、読んでみました。作者の著書でだいぶ卒論と修論を助けてもらった覚えがあります。そんな著者が性格の研究をしていたなんて、と思い手に取りました。
ダークサイドと言われるサイコパスやマキャベリズム等の研究の概観から始まり、性格の特性研究の紹介があり、盛りだくさんの内容でした。
オチはそんな感じですよね、といった感じでした。
Posted by ブクログ
性格の悪さは誰の中にも存在する。本書ではマキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムといった典型的な「ダークな性格」が紹介され、それぞれが人間関係や仕事、恋愛などにどう影響するのかが分析されている。読んでいると「性格の悪さ=排除すべきもの」ではなく、社会の多様性を支える一要素でもあることが分かる。確かに、ダークな側面があるからこそリーダーシップや創造性につながる場合もあるのだろう。私自身も完全に「性格が良い人間」とは言えず、時にダークな部分を自覚するが、それもまた状況によっては役立つのだと前向きに捉えられるようになった。
Posted by ブクログ
電子書籍が割引で買えたので購入
期待してた以上に面白かった
「性格が悪い」の要素を3〜4つに分類する説明方法は分かりやすい
良いか悪いかの択一的な問題ではなく、グラデーションの中での位置付けの問題というのも、言われてみればその通りで納得
自分はどうか、仕事で関わり合う困った人たちや、国内や海外のあの政治家はどのん位置付けかを考えながら読む
本書の議論は抽象的な議論が多かったけど、自分なりに対人対応に役に立ちそう
Posted by ブクログ
「マキャベリアリズム」「サイコパシー」「ナルシズム」「サディズム」という四象限に分類することによって、「性格が悪い」というつかみどころのないものを分析を試みる本。この四分類が逆にそれぞれのイメージを持っているからこそ、そのへんにいる「性格の悪いよね」みたいに形容されている人とはかけ離れてしまっているような気もするが、結局のところ人間に分類はできずこの四象限のグラデーションなんだろうなぁと実感できた本。人間は分類できない。
Posted by ブクログ
思っていた「性格が悪い」(良い)とは違った。
「マキャベリアリズム」「サイコパシー」「ナルシズム」「サディズム」を心理学で分析、説明している内容だった。
Posted by ブクログ
自分の読み方が下手なだけかもしれないが、「性格が悪いとはどういうことか」の本質的な答えは見つけられなかった。
性格の悪さはこうやれば緩和できますよ、みたいな実用的な話ではなく、性格が悪い人はこういう傾向があるという話がメインであった(一応「どういうことか」ではあるのか?)。
自分はこれらに当てはまるのだろうか?と考えることである程度面白かったものの、性格が悪いことを再確認したに終わった。それをマキャベリズム・ナルシシズム・サイコパシー・サディズム・スパイクに分類する序盤が1番面白かったかも。
Posted by ブクログ
性格が悪いとは何かを分類しわかりやすくまとめた本である。
人間関係の中で揉まれていると、必ず性格の悪い人とは出会う。
本著ではその性格が悪い人というのは、誰しもが持つ負の側面であると主張している。性格が悪い人と聞くと一見、負の側面が突出しやすいが、本著を通して、その性格の悪さというのは人間という生き物が持つ生態の一つであることが示唆されている。
私が思うのは、性格が悪い人とはその環境であり、タイミングであり、互いの性格が相性の問題であるとも見える。本著が述べている通り、完全善という存在はいない。逆に完全悪もいない。両方のバランスがあってこその「性格の悪さ」という言葉の表現に落ち着くのであろう。性格が良過ぎるというのもある種の性格の悪さとも言える。やはりバランスであり、人間は性格という概念には囚われない不思議な存在であり、その成長や発展や進化はこれからも人間として生きるのであれば変容し変わっていくのだろう。
本著は「性格の悪さ」を言語化し認識して考えて人間関係に応用することで、互いにとって円滑にする一つの角度からの視点で解像度が上がる本と言えよう。
Posted by ブクログ
ダークトライアド(マキャベリズム、ナルシシズム、サイコパシーの3つの性格特性を指す概念)に着目した本。豊富な引用と研究データ。「人間は愚かな存在」という本が読みたかったのだが苦笑、多様な視点で勉強になった。
Posted by ブクログ
タイトル「性格が悪い」とはどういうことか、に興味があり読んでみたが、「ダークな性格」についての話だった。性格が悪いとダークな性格は同じ意味として扱われているのか、いまいち判然とせず。。
なんとなくだけど、「性格が悪い」というのは、その人が起こした行動による「結果」で受け取る側の判断。ダークな性格はその人が持つ「性格特性」。そんなイメージ。
なので、ある人(自分も含めて)に対して、性格が悪いなぁと思うときに、その元となる性格特性を考えるにはいい本かもしれない。
以下メモ
・ダークな性格とはナルシズム、サディズム、マキャベリズム、サイコパシー、スパイトの5つの性格特性のこと。
・性格とは、体重のような扱いができる。1つに多くの人が平均値近くに分布する、もう1つに安定しつつ変化する特性をもつ。
・人類の歴史の中で、暴力行為の深刻さや頻度は低下して、今は平和、だからこそダークな性格というのが浮かび上がってみえる。
Posted by ブクログ
Twitterで見かけて面白そうだったので予約。
50-60人待ちでしたがようやく手にしました。
内容は別にいいんです、というかまともな学者さんらしい内容。賢い人特有の書き振りで要は「世の中にはっきりとしたことはない。まして性格なんて。まぁ性格の悪さっていうものを分析していけばこうなるけど自分がそうでも周りがそうでもあまり気にせず。」みたいな。
「性格の悪さ」なんてものを私みたいなパーが理解出来るような易しい書き振りで断定的に述べるようなおかしな学者さん本でもなければ(断定的に話す学者本なんて読みたくもない)、学者さん達が一所懸命学んで実験して調べ上げたことをちょちょちょいと拾い集めてパー向けにまとめたジャーナリストの本(自分自身は全く実験も何もしてないのに他人の研究の表面だけなぞったようなものもイライラする)でもない。そりゃこうなります。
分類や遺伝環境の影響とかもまぁそりゃそうだろって感じ。
ちょっとだけ引っかかったことや記憶に残したいことをここに。
P213
アメリカの神経学者が脳画像を比較し、サイコパスとされる人達には明確な脳の特徴があることを明らかにしたと。この比較は名を伏せてやってたので誰のか分からず、あるサイコパスの脳は実は自分の画像だったというエピソード。
ここまではいいんだけどその後の著者が「これまで衝動的だったり攻撃的だったり他人の気持ちを考えなかったり祖先に殺人犯がいたりしたけど、日常的に暴力を振るうわけでも誰かを貶めるわけでもなく、彼は愛情ある家庭で育ち、家庭、環境、養育でサイコパシーの要素があっても社会生活にの中で適切に生活できるかも知れない。」としている。
いやいや。
彼のサイコパスとしての評価を彼自信の自己判断だけでやってどうすんのよ。
まして家庭環境のおかげで制御されてるかもって?それがブレーキになってるんじゃなくて他の欲望(社会的に成功したい、名声を保ちたい)が暴力を上回ってるだけかもじゃん。
勿論そんなことこの著者は分かってて書いてるんだろうけど。
P228
行き過ぎた自己肯定感信奉への批判。
激しく同意。
そりゃ全く無いよりあることでプラスに働くこともありますよね。ただ本文にある通りアメリカに代表される自尊心を高めようとする子育てはナルシシズムの方をより大きく生み出しちゃうよねぇ。自尊心があるから成績がいい、仕事が出来る、友達も多くなる、いやいやいや。
本にもあるけど「相関」と「因果」をごっちゃにしちゃいかんし、学業に関しては逆(成績がいいから自尊心が高まる)がメインと指摘されてると。
これね、信じてる人達には申し訳ないんだけど一部の占い?風水?とかも似た感じでいつも半笑いになんの。「お金を揃えて札入れに綺麗にしまっておけば金運が」「トイレをいつも綺麗に掃除しておけば金運が」とか。どう考えても札みたいなそれ自体に価値のないもの(替える、計る、貯めるための道具でありそれ自王冠や指輪にはせんでしょ)ですら綺麗に扱い、どうでもいい向きまで揃えてしまっておける人はそりゃ気配り出来るし仕事も出来るしなんせ心に余裕があるしパーセプションの重要性を理解してるし頭もいいだろうから金持ちだろうし?トイレみたいなどうしたって汚く臭くなる場所を手を抜かずに掃除するような人、しかも清潔に保つために掃除頻度を決めたり道具揃えたり。そんな人はリビング、書斎、ベッドルームはもっと綺麗だし爪はいつも切ってあるし髪の毛セットして洗顔歯磨きも正しくいつもいい匂いして挙句金持ちだよ。
何故に逆から読むかね。みたいな。
(まぁ逆から読まないとやってられないだけですけどね)
本文中に「自尊心が高いことと安定していることは別」みたいなのが何度も出てきますがこれも本当そう。「不安定な自尊心は敵意や暴力に繋がりやすい。不安定で高い自尊心を持つナルシストが攻撃的な特徴を持つ。」
最近一部界隈で煽てあげられてる誰かを思い出したり。
最後に「どうしてこんな淘汰されちゃうようなダークな性格が残ってんでしょうね」と書いてますがマジで書いてます?冒頭「外交的な性格は普段は望ましい性格だけどコロナ禍では望ましくない性格と判断される」みたいなこと仰ってましたよね。環境っていうか社会がこれだけ歪んでたらそりゃ残るでしょうよ。社会的に成功してる人達はほぼサイコパスだろうし。
てかそもそも生き物みんなダークじゃない?ホワイトな人間がいたら騙されて利用されて殺されるだろうからそっちの方が残らないと思うんだけど。
勿論この本の著者はそんな偏見や思い込みは分かった上で研究して書いてくれてるんですけども。
内容が難しい、というよりは、私の偏見が強過ぎて(要はパーすぎて)どうしても飲み込めない、納得出来ないって感じの本でした。
本にも著者にも罪はないけど私のスコアなので3。
Posted by ブクログ
身近なあの人や、ニュースで見かけるあの人、世界を動かすあの人などを念頭に読み始めた。
「性格が悪い」というのはソフトな言い方で、要は他人に大なり小なり害を及ぼすタイプの人間。「ダーク・トライアド」(初めて聞いた)の研究について知ることができた。
「ヤバい性格」のやつは、見るからにヤバいわけじゃないことが多いから、意外に身近にいて、巻き込まれてしまうことも多々ありそうだ。
もちろん自分の中にも、そういった要素がまったくないとも言い切れない。
生物学的、遺伝学的には、たしかに長い人類の歴史上、そういう性格タイプが生き残れたことに意味もあるのだろう。
また、そういう性格因子を持っていても、発現するかどうかは幼少期の環境(心理的に安全な場所があるか)に関わっている可能性があるというのは、これまでの知識からも納得。
前半は学術的な説明が多いが、後半は身近な事例もあり、ぐっと読みやすくなった。
Posted by ブクログ
タイトルが面白そうで読んでみたが、これまでに読んだことのある心理学系書籍の内容と似通っており、実験の内容もどこかで見たことがあったため、正直目新しさはあまりなかった。ただ、所謂「ダークな性格」というものが、これまでの歴史において何かしら有利に働いたことがあり、故に今でも残っているというのは自分の中で新しい発見だった。
傲慢だったり自分勝手だったりする人は、現代社会においては基本的には避けられる傾向にあり、所謂「好ましくない性格」と評価されるものと思うが、そのダークな部分は反面「カリスマ性」でもあり、他の人には成しえないことをやり遂げる力にもなったりするし、他人が持っていないからこその強みにもなり得る。性格の良し悪しというものは一概に定義できるものではなく、その時代の価値観により評価も大きく異なるということを覚えておくべきだと感じた。自分で「性格悪いかも」と思うことがあるが、実は必要なことなのかもしれない。(それでもやっぱり性格良くなりたいなとは思う…)
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取ったが、想定したよりも心理学的な専門用語が多用された学術的な一冊で、専門外の自分にとっては少し読みにくく感じた。ただ、ところどころで身近な話題や著名人(イーロンマスク等) を例にとって説明されている部分もありその点は読みやすかった。また、最終的にダークな性格に関連する遺伝子が何故現代まで淘汰されていないのか、という点まで議論が展開されているのは非常に興味深かった。
ダークな一面はその程度は異なれどきっと誰にでもあっておかしくないのだろうと思う。またその一面が全てマイナスに働くとは限らない。
そこで、自分の目標や欲求に今一度向き合い、自分1人だけが良い思いをしようとしていないか、社会や所属する組織、そして自分の周りにいてくれる人にとって利益や幸福をもたらすものか、を見つめ直すことが重要なのではないかと思う。
Posted by ブクログ
本を読む体力が落ちているようで、ちょっと難しく、何度か断念した……。まあ最近よく言われる「サイコパス」のような、一般的に悪いとされる性格ってどんなもの?ということをまとめた本。集団生活の中では悪く働く部分もあるが、その利己性の高さが良い方向に発揮されることもあるし、一概に悪いとは言えない。という話だった。あと遺伝よりも環境要因の方が大きいという話も書かれていた。
うーん。自分はめっちゃナルシシズムが強いだろうなーと思った笑 まあ今のところなんとか生きていけてるから許されたい。面白かったから集中力を切らさずに読みたかったなあ。
Posted by ブクログ
「性格が悪いとはどういうことか」
まさにタイトルが気になって読んだのだけど
正直いうと、知りたいこととはちょっと違った。
副題に『ダークサイドの心理学』とある通り、
心理学的観点から性格を分析すると
こんな難しくなっちゃうのか、と思った。
せっかく読んだので、
自分なりにまとめてみた。(ネタバレ注意)
大まかに4つに分けると
①マキャベリアニズム
…自分の利益のために他者を利用する
②サイコパシー
…感情がなく衝動的な言動に出る
③ナルシシズム
…自分を誇大している
④サディズム
…他者に対して肉体的精神的に苦痛を与え、苦しむ様子を見て快感を覚える
ここにスパイト(他者が損するのであれば自分も損をしても構わない)だったり
エゴイズム(他者が不幸になるとしても自分の利益を追求する)など
細分化して悪い(ダークな)性格を解説していた。
多分自分はマキャベリズムの傾向が強いだろうなと読んでて思ったけど、
他の要素もないとは言えないし、
でもそれってみんなそうじゃないの?とも思えた。
著書の中ではそれが全部悪いとは書かれていなくて、
時にはダークな性格は自身を助けることもあるし、
なんなら一部取り入れてみてもいいんじゃないの?
くらいのことは書かれている。
そうなると「性格が悪い」ってどういうことなんだろう?
悪いからイコールダメということではないらしい。
自分の中でまだ答えは出ていない。