作品一覧 2018/02/16更新 叢書 東アジアの近現代史 試し読み フォロー 薩摩藩士朝鮮漂流日記 「鎖国」の向こうの日朝交渉 試し読み フォロー 竹島―もうひとつの日韓関係史 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 池内敏の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ 岡本隆司 叢書「東アジア近現代史」の第1巻として、豊臣秀吉の朝鮮出兵から日露戦争に至る清朝の歴史を通観。 著者も指摘するように、明朝の一元的な秩序・イデオロギーに抗して、多元勢力の強体制をつくりあげたものの、やがて画一・同化を強いる「近代」の到来に呑み込まれ、存在理由を失い去った清朝の歴史は、現代の東アジア情...続きを読む勢を考える上でも、みつめなおすべき歴史であろう。 著者の広博な研究成果を濃縮した本書の内容自体も非常に優れたものだが、著者の文体も、宮﨑市定などの過去の大東洋史家を彷彿とさせる名文で、それも素晴らしいと感じた。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ 岡本隆司 清は満洲人の国でありながら、明代の漢人の支配体制を利用し、新疆も含め、間接的な統治というか、連邦国家的な支配体制だったと理解しました。 やはり華夷秩序の思想が連綿と続いていることも分かりました。 Posted by ブクログ 竹島―もうひとつの日韓関係史 池内敏 竹島について古文書を紐解きながらあらゆる面から検証した本です。 【こんな人におすすめ】 竹島問題について興味がある人 Posted by ブクログ 竹島―もうひとつの日韓関係史 池内敏 日韓双方が竹島を自国の領土であると主張しています。両国政府は、竹島が古い時代から自国の領有権の下にあったといいます。しかし著者は、これら双方の主張がともに、断片的な歴史資料などを自分の都合のよいように解釈して繋ぎ合わせたものに過ぎず、学術的根拠を欠いたものであることを解き明かしていきます。 そ...続きを読むして明らかにされることは、実は二十世紀に入るまでは両国とも竹島の領有権に対してほとんど何の関心もなかったらしいということです。結局のところ、1905年に日本が竹島を日本領に編入するとの閣議決定を行ったことが竹島領有権に関する両国を通じての最初の意思表示らしいのですが、このことをもって「竹島は100パーセント日本の領土だ」といえるかといえば、それも疑わしいことのようなのです。 そもそも古い時代においては、全ての土地についてどこの国の領土だとか誰の所有物だとかいったことは意識されていなかったのではないでしょうか。土地なんて、本来は水や空気と同じようなものですよね。それがいつの間にか各国・各人が「ここは自分(たち)のものだ」と言い合っているなんて、考えてみればおかしな話です。 でも、領土問題に限らず国家間、民族間、あるいは同一民族であっても立場や価値観を異にする人たちの間で戦わされている「どっちが正しくてどっちが間違っているか?」という議論のほとんどは、実は真偽などではなく単に好き嫌いの問題にすぎないのでしょう。そして人は、事実に対してではなく信じたいことに対して耳を傾けるものなのでしょう。 “不条理な圧力に左右されることなく、学問的な手続きを経て到達した真実に従って自由な討論と発言ができる。そういう社会を次世代に引き継いでいけたらと切に願う” ── あとがきを締めくくる著者のこの言葉に、潔い学者の良心と信念を感じました。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか 池内敏 「叢書 東アジアの近現代史」の第3巻。江戸時代の日朝関係史を中心に16世紀末から20世紀初頭にかけての時期を対象として、日本人の朝鮮観がどのように現れ、推移してきたかを叙述。日本人の朝鮮観を固定的なものとして捉えるのではなく変化する(忘却されて再発見される)ものとして把握し、また地域的な偏差をともな...続きを読むうものとして把握している。 江戸時代から近代初頭にかけての日本と朝鮮の関わり、また、日本人の朝鮮観がどういうものであったかについてこれまで十分に知らなかったので、本書の内容は、とても(知的に)面白かった。特に、17世紀から19世紀にかけて、中国(清)・朝鮮・日本及び琉球との間に漂流民の相互無償送還制度が整備され、民衆にも浸透していた(漂着した朝鮮人漁民も「長崎」という言葉を出せば、帰国できることを認識していた等)ということに関心を持った。薩摩藩士安田義方の朝鮮漂着時の現地の人々との交流も興味深いものだった。 日本と朝鮮との交流、日本人の朝鮮観などについて、現在の視点から固定的に考えることの浅はかさを感じた。また、現在の自分達の物の見方・考えの一面性を認識するのに、歴史を振り返るということが重要であることを感じた。 元禄竹島一件等についても詳しく検討されており、現代の竹島問題を考える上でも参考になる内容だと思う。 Posted by ブクログ 池内敏のレビューをもっと見る