池内敏のレビュー一覧

  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    竹島について古文書を紐解きながらあらゆる面から検証した本です。

    【こんな人におすすめ】
    竹島問題について興味がある人

    0
    2023年05月30日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

     日韓双方が竹島を自国の領土であると主張しています。両国政府は、竹島が古い時代から自国の領有権の下にあったといいます。しかし著者は、これら双方の主張がともに、断片的な歴史資料などを自分の都合のよいように解釈して繋ぎ合わせたものに過ぎず、学術的根拠を欠いたものであることを解き明かしていきます。

     そして明らかにされることは、実は二十世紀に入るまでは両国とも竹島の領有権に対してほとんど何の関心もなかったらしいということです。結局のところ、1905年に日本が竹島を日本領に編入するとの閣議決定を行ったことが竹島領有権に関する両国を通じての最初の意思表示らしいのですが、このことをもって「竹島は100パ

    0
    2018年08月29日
  • 叢書 東アジアの近現代史 第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか

    Posted by ブクログ

    「叢書 東アジアの近現代史」の第3巻。江戸時代の日朝関係史を中心に16世紀末から20世紀初頭にかけての時期を対象として、日本人の朝鮮観がどのように現れ、推移してきたかを叙述。日本人の朝鮮観を固定的なものとして捉えるのではなく変化する(忘却されて再発見される)ものとして把握し、また地域的な偏差をともなうものとして把握している。
    江戸時代から近代初頭にかけての日本と朝鮮の関わり、また、日本人の朝鮮観がどういうものであったかについてこれまで十分に知らなかったので、本書の内容は、とても(知的に)面白かった。特に、17世紀から19世紀にかけて、中国(清)・朝鮮・日本及び琉球との間に漂流民の相互無償送還制

    0
    2018年03月21日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    竹島問題について歴史学の立場から冷静かつ緻密に分析している。竹島問題を考えるうえでは必読であろう。
    結局、近世以前の竹島をめぐる日韓双方の主張にはいずれも決定的なものはなく、重要なのは近代になってからの竹島の日本領編入の妥当性ということだ。国民国家や領土という概念が明確でなかった近世以前の事例から、現代の領土問題を語ろうとすることに無理があるということだろう。
    1905年の竹島編入については、当時において合法ではあるが、日本が韓国への影響力を強める時期の編入であり、評価は正直難しいと感じる。やはり、どちらに転ぶかはわからないが、第三者(国際司法裁判所)の判断に委ねるか、さもなければ、「棚上げ」

    0
    2016年06月10日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    どちらかというと私はリベラルな方だと自認しているが、北方領土にしろ尖閣諸島にしろ領土ということになると素朴かつ土着的なナショナリズムが忽然とわき上がり、江戸時代の竹島が記載してある地図なんか見せられて、「日本固有の領土」だといわれると、『なるほど、そりゃそうだ』と思ってしまうのだが、よく考えてみると、日本海の真ん中に忽然とある島というか岩でとても人が定住できるとは思えない竹島の写真なんか見ると、いにしえの日本人も朝鮮人もこれを領土となんて思うことなんてなかったんじゃないのと思えてくる。日本列島に大和政権のような中央政治機構が現れる以前は、朝鮮半島南部と日本海の島々そして日本列島の日本海側の一部

    0
    2016年04月02日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    少しわかりにくいところもありますが、竹島問題がなぜ決着しないかわかった気がします。決定打がないんですね、お互いに。多くの人に読んでほしい。

    0
    2016年03月12日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    ●「固有の領土」…対外的にはかつて日本以外が領有したことがない土地 体内的には歴史的に日本が領有する土地
    ●前近代については領有根拠どちらもあやふや。ただし鬱陵島の帰属を巡る争いの経緯を見れば、日本に領土の意識はない
    ●1905の編入時、韓国政府に対し照会無し

    0
    2016年02月07日
  • 竹島―もうひとつの日韓関係史

    Posted by ブクログ

    日本側に偏らないのは良。
    歴史背景と論の整理はされている。
    韓国側は単純に資料がないだけか。
    とはいえ、韓国側が支配下に置いていた、というほどでもないが、常用していた感はあるか。
    韓国側が出鱈目を出している訳ではないということを記述している点だけでも評価。
    20世紀初頭からサンフランシスコ条約の背景の影響は大きい。

    0
    2023年08月27日
  • 薩摩藩士朝鮮漂流日記 「鎖国」の向こうの日朝交渉

    Posted by ブクログ

    江戸時代、朝鮮に漂着した薩摩藩士。現地の朝鮮の役人とのやりとりの苦労や親切さへの感謝、薩摩藩士の日記を取り上げて説明している。江戸時代、当時の朝鮮との国際語は中国語(漢文)。筆記で会話して意思疎通したようす。も中華思想を上位に対等な付き合いをしたようで、漢詩のやりとりなど文化的な交流が素晴らしいと思った。当時の時代背景も丁寧に書かれていて、他の漂着時の記録も面白い。

    0
    2010年05月13日