この本のタイトルは文法を表すgrammarと魅力を表すglamourの語源が共通だということに由来する.本書は新聞のコラムをまとめたもので読者の質問に答えるという様式になっている.堅苦しい説明ではなく,ストレートでわかりやすい解説になっているので暇つぶしの読み物としても楽しめる.たとえば,
unlessとif notの違いは?
willは現在形?未来形?
play guitarは間違いじゃない?
よろしくお願いしますは英語で何という?
なぜウィリアムをビルと呼ぶの?
といった質問にわかりやすく答えている.
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2012年10月29日
Posted by ブクログ
新聞の「英語の質問箱」欄に解掲載されたコラムをまとめたもの。同じ著者の『英文法の楽園』を既に読んでいて、内容も感想もこれと同じ。他にも、この著者には『英語の質問箱』という中公新書があって、もうおれが何を買って何を読んでいないのかが毎回よく分からなくなるというシリーズ。
以下、自分用のメモ。未来進行形のwill be -ingは、予定を述べる表現として中級以上なら使えるようにならないと、という話を聞いたことがあるが、「年とったなあ。もうじき自分の名前を忘れちゃうかも。」(I'm getting old. I'll be forgetting my own name.) (p.36)のように、「自嘲して」「冗談めかして」用いる、という用法が勉強になった。「モーニングサービスは何時までやっていますか?」(p.41)のような日本語を英語にするとき、モーニングサービスがbreakfast specialになるのはいいとして、"Until what time ~?"みたいな英語をおれは言ってしまうけど、"How late do you serve the breakfast specials?"のように"how late"を使うというのはスマートだなあと思った。同じように、howの疑問文の話で、how oldがモノに使えるのは知っていたけど、試験問題のネタ(おれは今は中学の教員なので)として、「この牛乳、いつ買ったの?」とか、「このワインは何年もの?」みたいな表現(pp.88-9)で"How old is this milk?", "How old is this wine?"みたいなのを実力試験で出すのは面白いかもしれない。「私のケイタイ、買ってからもう3年になる」が、"My cellphone is already 3 years old."っていうのも、試験ネタとしては面白いかも。decide on A (pp.96-7)は盲点かもしれない。「どの大学に決めたの?」とか「どの色に決めたの?」でchooseを使うならともかく、ちゃんとdecideを使うなら"Which university did you decide on?"みたいにonを抜かせずにおれは言えるだろうか。反省したい。「新しい仕事に就いたら、日本じゅうを飛びまわることになるだろう。」(pp.100-1)で、"My new job will mean traveling all over Japan."のようにmeanを使えるか、「そういえば」と話を切り出す時に、Incidentally (p.113)を使えるか、というのは英語力が試される部分だった。あとは英単語豆知識的なネタで、「パンの耳」はheels of breadという(p.122)とか、耳垢がear waxは知っていたけど脚の指の間に溜まる垢がtoe jam(同)なんて知らなかった。headが「ビールの泡」(p.123)というのは、なんか「試験によく出るところ」=「山」みたいな、ものすごい特定場面のメタファー的な感じだろうか。あと「度が入ったサングラス」は"prescription sunglasses"(p.133)らしい。知らなきゃ絶対分からないだろうなあ。最後に、「遡及目的語」というのが出てきて(p.184)、これは「主語が意味の上での目的語だと考えられている」(同)、つまり"This book is really worth reading." (”It is worth while reading this book")みたいなものらしいが、以前『学校英文法プラス』という本で初めて「遡及不定詞」(retroactive infinitive)という言葉を勉強したが、その辺も含めて復習したい。(16/09/12)