見たこともない単語が並ぶ、英字新聞のヘッドライン。いざというときに出てこない、敬語表現。つい使ってしまうけれど、実は不適切な、Shall I…? や Will you…?の使い方。日本人が知らない、ネイティヴに通じる実践的な英文法を、Q&Aの形で楽しく学べるこの一冊。知って得する蘊蓄と、豊富な例文がちりばめられた105の項目が、あなたの英語センスを磨きます。里中先生英語塾シリーズ、待望の第三弾。
もともとは新聞の英文法コーナー(?)に寄せられた質問への回答集で、見開きで分かりやすく説明されている。例文の量もちょうどよく、とても読みやすい。質問の内容は中学英語から大学受験英語までに関するもので、英語の奥深い部分をついたものが多い。例えばhairとhairsの違いは何か、「仮定法未来」にshouldを使う理由、命令文に主語がある場合、など。大学の英語学関連の書籍は、いくら入門書と言ってもやっぱり最後まできっちり読むのは大学生とか英語の先生だろうけど、この新書は万人が読める。
おれがこの本で覚えておきたいことを書き出す。まずMay I have a moment of your time?(p.29)という表現は使ったことなかった。進行形でalwaysを伴って話者の苛立ちを表す、というのは大学英文法でよく出てくるが、have toやmustで似たようなことを表すというのは知らなかった。というかこの2つは語用論的にそういった意味が生じる、ということだろうけども。例えばJust as the situation got very delicate, Kelly had to put his foot in it.の後半、「ケリーのやつがヘマをしやがって」(p.43)のように訳せたかどうか、おれは怪しい。portionという単語は知っていても使えない単語だったが、用例がたくさん載っているので、使える英語にしたい。Give me a smaller portion, please.(私はちょっとでいいから)(p.53)のような表現は便利だと思う。this manというのが出てきて、「語りのなかで初出のものを導入するときにいきなりthisを用いる」(p.81)というのは正直気付かなかった。Then this woman came up to me...で「ある女性が」と訳せるかどうか。「~を日本語で何といいますか」はバカの1つ覚えでHow do you say ~かWhat do you call ~しかおれは使えないが、What's the word for "weasel" in Japanese?(p.181)もシンプルで使える表現だなと思った。speak ill of ~というイディオムが「ひじょうに古い表現」(p.188)で、ふつうにsay bad things(badly) about ~がいいとか、アメリカ人はbad-mouth Aなんて表現を使う、というのは、いわゆる受験イディオムを探せば他にも色々あるんだろうし、確かそういうのを集めた本もあったはずだから、機会を見つけて勉強したいと思った。
というように、自分の知らないこと、使えそうなことなどいろいろ探しながら読むのは面白く、まさに「楽園」という感じだった。(15/07/12)
・留守番電話でleave your messageとはならない。yourは所有をあらわすが、そうするとすでに存在しているmessageを残して、という変な意味に。leave a messageとなる。
・have toは、あきれたかんじで「きまって・・する」という意味にもなる。
・everyoneはtheyで受ける。
・犬派、猫派は、a dof person、a cat personでOK.
・maybeは50パーセントくらいの、そんなに高くない確率。
・ドンマイと言うが、don' t mindという英語はない。never mind という。