治安維持法 なぜ政党政治は「悪法」を生んだか

治安維持法 なぜ政党政治は「悪法」を生んだか

946円 (税込)

4pt

言論の自由を制限し、戦前の反体制派を弾圧した「稀代の悪法」。これが治安維持法のイメージである。しかし、その実態は十分理解されているだろうか。
本書は政党の役割に注目し、立案から戦後への影響までを再検証する。1925年に治安維持法を成立させたのは、護憲三派の政党内閣だった。なぜ政党は自らを縛りかねない法律を生み、その後の拡大を許したのか。
現代にも通じる、自由と民主主義をめぐる難問に向き合う。

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治安維持法 なぜ政党政治は「悪法」を生んだか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    また読み返したい。護憲三派内閣だからこそ治安維持法が成立したことなど、実証的に論じられる。反共の強さがかえって国家主義運動を押さえきれず、どんどん拡大をゆるしていく過程が詳細に論じられる。注があってすごい。

    0
    2020年01月18日

    Posted by ブクログ

    同法の成立は、1925. 普通選挙法の施行とともに、共産主義への脅威を背景としていた。すなわち、社会が共産化してしまう懸念があったのだ。当初、若槻礼次郎内閣により、成立する。つまり、民主主義の支持を得た政党内閣が成立させたのだ。法の適応としての効果はまだ当時低かったようである。

    1930年代 徐々

    0
    2013年12月31日

    Posted by ブクログ

    こういうものは作らせたら最後。
    作った側は自己保存のために「危険」を作り続ける。
    作られた過程はよく説明されていて良かった。

    如何にして作られないようにするか。
    そこは自分で考えろって。

    昨日、あのさいとう元彦が兵庫県知事に再選された。
    時代の素地は当時と変わっていないように思える。

    (終)

    0
    2024年11月18日

    Posted by ブクログ

    1枚の写真が証拠とされ、共産党再建の為の集まりだとの特高警察
    の主張から発生した「横浜事件」。1944年のことだった。

    事件は明らかなでっち上げ。しかし、特高警察の過酷な取り調べの
    過程で犠牲者も出ている。

    戦後、元容疑者の名誉回復の為の再審が行われたが、事件の際の法
    律が既に存在しないことから

    0
    2017年08月19日

    Posted by ブクログ

    治安維持法が「結社」取締法として成立した点、また政党政治と治安維持法の関わりに着目して、治安維持法の立案から戦後への影響までを再検証している。
    政党政治の衰退とともに、治安維持法がどんどん膨張していく過程がよくわかった。始まりは節度をもって運用されていた制度も、政党政治のコントロールが効かなくなると

    0
    2016年09月18日

    Posted by ブクログ

    治安維持法を通して戦前から戦後を描く一冊。
    治安維持法の生まれた経緯がわかりやすく解説されており、
    日ソ国交樹立と普通選挙が契機として
    大きな位置を閉めたとの説明には納得させられる。
    その後の改正や運用についての記載はやや骨太に過ぎる感があるが、
    内容は非常に丁寧で、各事件についてもしっかりと解説さ

    0
    2013年03月14日

    Posted by ブクログ

    悪名高い治安維持法の成立から、その拡大的適用、そして廃止に至るまでの歴史的経過を、中心的役割を果たした機関や政治的状況に焦点をあてることで克明に描き出している。本書によれば、治安維持法は加藤高明内閣の下で、共産党を具体的な対象と考え、デモクラシーを破壊しようとする結社に制限を加えようとして制定された

    0
    2012年07月16日

    Posted by ブクログ

     中澤さんはぼくより20歳も若い政治学者で、博士論文をまもめた力作。

     治安維持法という悪法が、どうして、護憲3党が連立したときにできたか、から切り込んで分析している。

     3党が連立することによって、当初の法案から宣伝を規制するなど牙が抜かれていくが、最後に、結社の自由を制限するという観点に絞っ

    0
    2012年06月30日

    Posted by ブクログ

    最後に破防法を出してくるのはわかりやすかった。
    司法はわりと簡単に暴走するので法に隙間を持たせてはならない。しかしどんなに慎重に検討したとしても隙間はどうしてもできてしまう。だから立法は難しいし歴史に学ぶことは重要

    0
    2025年07月20日

    Posted by ブクログ

     治安維持法の制定から廃止までの経緯を、内務・司法両省の競合と政党政治との関係に重きを置いて政治史的に分析している。広範な史資料を用いて、治安維持法が逸脱・拡大していく要因を究明しており、特に1928年改正での目的遂行罪の導入を重視している点が注目される。「取り締まる側」からの治維法史といえよう。

    0
    2018年08月16日

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