『通貨で読み解く世界経済―ドル、ユーロ、人民元、そして円』(小林正宏、中林伸一、2010年、中公新書)
本書は、円、ドル、ユーロ、人民元といった主要国の通貨について、国際経済の潮流を踏まえながら解説したものである。それぞれの通貨はつながっているから(たとえば円高になればすなわちドル安)、相互の関連
...続きを読むがわかっておもしろい。加えて、2010年現在の世界経済の時事ネタも豊富で本当に勉強になる。ただ、国際経済、国際金融の専門用語(たとえば、クレジット・デフォルト・スワップとか、インフレ・ターゲットというようにカタカナのものが多い)がたくさん出てきて、しかも解説があまりないという構成になっている。そのため、初学者は他の国際経済の入門書を読んでから本書を読むか、あるいはそのつどでてきた専門用語を調べながら本書を読み進めるという方法をとるのがよい。後者がおすすめである。
(2010年9月19日 大学院生)