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待望の二大政党時代が到来したのにメリットが実感できない。そうした幻滅の声がしばしば聞かれる。だが歴史を振り返ると、二大政党が交互に政権を担うシステムは戦前にも模索されている。大正末年の第二次加藤高明内閣発足から、五・一五事件による犬養毅内閣崩壊までである。政友会と民政党の二大政党制が七年足らずで終焉を迎えたのはなぜか。その成立・展開・崩壊の軌跡をたどり、日本で二大政党制が機能する条件を探る。
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Posted by ブクログ
政治史というよりは政党政治史と言った方が近い。「憲政の常道」における二大政党制と、5.15後における両党の模索を描く。 戦前の政党政治下でも多くの政策が実行された。日華関税協定による日華関係改善、ロンドン海軍軍縮条約の調印など。しかし、国内世論あるいは党利党略により憲政の常道=ワシントン体制から「逸...続きを読む脱」したのもまた政党であった。 膠着局面で天皇の威光に頼り、時には陸軍の主張に同調した。満州事変、5.15、2.26、国家総動員法、大政翼賛会への統合と、自滅していく。 普選後は政党が政治のアクターとして登場するため、政策決定における非合理的な部分—統帥権干犯問題や天皇期機関説/国体明徴声明事件—が増えて来る。その背景を知る上で刺激的な一冊である。また、演説の引用から当時の政治が浮かび上がり面白い。 ただ、この一冊で流れがわかるというものではない。陸軍の影響はやはり大き過ぎる。そして、この時代はとにかくアクターが多過ぎる。
戦前の二大政党、政友会と民政党を主軸に描く昭和史。 解釈に疑問を持つ点が無いわけでも無かったが、 個人的にはこれまで他書で触れたことのない観点で 昭和史を振り返ることができ、非常に有用であった。 内容も読みやすく、かつ納得がゆき、示唆に富んでいる。 帝国憲法の限界をもどかしく思う一方で、 大衆迎合...続きを読む主義に走り、党利党略にまみれ、方向を見失う政党と、 本質を見失い、過激なメディアに踊らされ、 熱しやすく移り気な民衆の構図は今も昔も変わらないと感じた。 題名は硬いが、オススメしたい一冊。
戦前の政友会・民政党の2大政党時代の成立から崩壊までの経緯を述べ、戦後の自民党・民主党の2大政党時代との類似点と得るべき教訓が述べられている。 現代への教訓の部分については異論もあるかもしれないが、政友会・民政党の2大政党時代の経緯については勉強になる。権力分散的な明治憲法体制の中で、ボタンの掛け違...続きを読むいと権力闘争が続き、結果として政党政治は崩壊し、信頼関係のない脆弱な総動員体制へと変貌をとげていった経緯が概観できる一冊。
戦前、「憲政の常道」と呼ばれた、政友会と民政党の二大政党が交互に政権を担う時代があった。本書は、その時代を中心に、政友会、民政党それぞれの成立・展開・崩壊の軌跡を丹念にたどっている。 両党ともに外交政策は協調外交路線で共通度は高いのに、民政党は不戦条約に難癖をつけ、政友会はロンドン海軍軍縮条約を「統...続きを読む帥権干犯」と非難するなど、お互いに党利党略による足の引っ張り合いを行うようになり、それが軍国主義的な時代の伏線となってしまうといった点は、現代の二大政党政治においても、大いに教訓となるものであり、本書は現代政治を考えるうえでも有益であると思われる。
戦前の政友会・民政党の2大政党制はなぜ崩壊したのか。そして、現在の日本の政党政治はどうあるべきか。歴史に教訓を求めるべきとの本書の主張は、副題に「戦前の二大政党制に何を学ぶか」にある通り。複雑な昭和戦前期の政治経済、そして外交情勢を念頭に置きながら、政党がどのような方向性を模索したのかをリアルに想像...続きを読むしていくのは案外と難しい。2大政党のみが政治主体ではなく、官僚や軍部などの非政党の政治主体も同時に動きつつ、政党との距離も近くなったり遠ざかったりするからである。 以前、自分も昭和恐慌期の本を書いたとき、民政党の安達謙造が政友会との協力内閣構想が挫折したエピソードから書き始めた。昭和恐慌という経済危機の状況にあっても経済政策・外交政策ともに変えられなかった民政党の挫折が相当気になっていたからにほかならないのだが、本書を読んであらためてこの時代に何が可能だったのか、続く政友会内閣で何が政党政治の方向を誤らせたのかを考えてみる必要があるように思った。
二大政党制の限界がよくわかる 米国で二大政党制が成立するということは、それだけはっきりとした思想の対立があるということ。日本は所詮経済よければすべて良し、すると異なる政策を打ち出すのは困難。つまらない議論で足を引っ張りあうのが関の山。政友会を批判しながら議会政治、政党政治を自己否定してしまう鳩山一郎...続きを読むのようなことは、今の国会でもよくあるように思う。 また二大政党が解党して大政翼賛会へ合流していく過程は恐ろしい。議員の各人は政党政治の大切さを信じつつも、大勢から距離を置くことを恐れたり、権益を放棄できずに、禁断の道を洗濯していってしまう。
日本は二大政党制が機能する国なのか? この疑問に答えるべく、戦前の政友会と民政党に焦点を当て、日本戦前史を振り返る。 二大政党制は、制作の優劣を競うシステムでは無くなってしまう。党利党略が激しくなる。相手の失点が自分の得点になる制度なのだ。 協力すべき時に協力しないことの代償は大きい。政友会は民政...続きを読む党に対向すべく、軍部や非政党勢力と手を結ぶ。そして政党は崩壊し、大政翼賛会が成立する。果たして戦争は回避し得なかった。 筆者は巻末に、民意の複雑な最適解を求めるために、二大政党制よりも連立政権の重要性を説く。しかし、民主、社民、国民新の連立政権は果たして機能したのか?離合集散を重ね、小党が大乱立した挙げ句、2012年末の衆議院議員総選挙は、自民、公明への回帰となった。 低成長と超少子高齢化社会を迎える我々は、下方平準化であっても、公共財の平等な再分配を受け入れるべきである。必要なのは政策実行力のある指導者であり、大衆迎合主義的カリスマではない。このリテラシーを以て我々一人一人が政治参加をすべきなのであろう。
戦前において極めて高度な民主政治が行われ、「憲政の常道」と呼ばれる二大政党制による政権交代も行われていた。 それがなぜ崩壊したかが手に取るようにわかる。 有り体に言ってしまえば、政党が自らそれを放擲したのだった。 政権をとるためには対立党の失点は自党の得点となる。 自らの哲学を曲げても批判に血...続きを読む道を上げる。 ロンドン海軍軍縮会議、天皇機関説しかりである。 著書は淡々と書いているが、二大政党が崩壊し翼賛政治に取り込まれていく様は悲劇的でもある。 現代の二大政党制にも照射した好著でした。
戦前の2大政党制についてその誕生から終焉までを描いた新書。 民政党が成立した昭和初期から大政翼賛会が誕生しアジア太平洋戦争に敗戦するまでの期間について 政策と政争の両面から眺めることで、軍部や行政府、新官僚に比べると影が薄いこの時期の政党勢力がどのような原理で動いていたのかを明らかにする。 両党の社...続きを読む会政策の推移について政争やターゲットとする層の変化などを交えての分析や、政党機関紙を史料とした当時の議会勢力の世情の見方の記述は 戦間期の政治史の隠れがちな一面が明らかになっていて興味深い。 また政府と与党の乖離や野党内での主導権争いといった政党内でのミクロな動きが、国家運営にどのような影響を与えたのかといった政党政治の微細な部分まで眺めることができる。 新書というジャンルではかなり分析的な記述であり、入門書よりは一歩進んだ内容のように思われる。 気になった点を簡単に述べると、 ・2大政党以外の勢力については極簡単にという方針なので、国会外の政治情勢(無産政党の誕生など)や軍事・外交の動向については事前知識が必要かも。 ・2大政党についての国民の支持を議席数から推し量っているが、もう少し丁寧な分析が必要ではないか。 ・現代政治への教訓の反映については判断を留保。
時系列に従った整理がなされている。前の筒井氏の本と比べるとあまり大差はないと思われる。強いて差を言うならばこちらの方が扱っている期間が気持ち長いということと、史料に基づく分析がなされているが、平易な文体でそれを説明しているのが本書の特徴。 最後の筆者の見解がよくまとまっている。戦前の二大政党制を分析...続きを読むする意義が書かれているが、同感。
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政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか
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