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「大学は出たけれど」、新興宗教ブーム、10銭均一売り場……「暗い時代」の明るい日常生活。「十銭均一売り場」に足を運ぶ消費者、女性の地位向上を推進するモダンガール、新興宗教ブーム、就職難にあえぐ学生──。現代社会の原点=戦前を生きた人びとの実像を描き出す一冊。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
本書は主に戦前昭和の社会史を扱っている。特に、3つの視点「アメリカ化」・「格差社会」・「大衆民主主義」から戦前昭和から戦後への連関に新たな評価を与えた。 というのも、本書で紹介された戦前昭和の3つの視点は現在の我々にも通じる問題でもある。これら現代的な問題は戦後昭和からの一連の流れの延長線上の問題...続きを読むと解釈できる。 では戦後昭和(例えば親米保守など)はどこに起源があるかというと、井上氏は戦前昭和に求めているのだ。 つまり、戦前昭和と戦後昭和の連続面を本書で示した。従来は断絶面のみが注目されてきた訳だが、戦前との連続面を改めて見直すことで、現代的な課題を克服する鍵があるのではないか。 以上が研究史上における本書の評価である。 付たり、 連続面について世代の違いによる心性的な考察をすると面白いかもしれない。ちょうど、この1945年に幼少~児童期を過ごした人達が日本の高度経済成長期の担い手となる。彼らの心性を連続面・断絶面から考察してみると、また変わった戦後昭和が描かれるかもしれない。
戦前の昭和時代(1926-1945)が語られています.政治家や軍人の視点ではなく,一国民の視点で語られています.これを読む限り,経済不況やそれに伴う格差拡大が,ある種の大衆民主主義等につながっているようですが,現在の日本社会で議論されている内容と極めて共通点が多いように思います. それでも,何故,...続きを読むどのように日本があの大戦に巻き込まれていったのか・・・?読み終えてなお疑問が残ります.私の感想では,この当時の日本人もやはり我々と全く同じ血が流れているのです.これを読む限りでは,戦前の日本においてもアメリカに対する羨望が強かったようで,突如としてナチスドイツを信奉するようになった理由がよく分かりません. ただし,全編通じて読み応えあります.
政府あげて女性の和装を改革した、というのは驚きでした。 モダンガールたちの派手なファッション、大学は出たけど就職先がまったく見つからない学生たち、汚職だらけの政治・・・日本って、実はあんまり変わってないのかな。
戦前の日本は銀座あたりをモボ・モガが闊歩し、地下鉄やデパートや浅草の映画・見世物が大盛況で、「コドモノクニ」など児童向けも含めた出版も活況を呈し、豊かな時代だったことを紹介してくれる本かと期待して読み始めたんだけど、そういう面は前半1/3くらいだった。 選挙権や労働状況の改善を求める市民運動、「家の...続きを読む光」誌をとおした農村改善運動、新興宗教の隆盛など、さまざまな運動に関してだいぶ紙幅を割いていて、いまとなっては言論や運動が統制され不自由な時代と平板にとらえられてしまっている感がある戦前昭和が、実は人々が意識的に活発によりよい社会を目指して活動していた時代だったということを知った。それこそ現代をしのぐほどに。
アメリカ化,格差社会,大衆民主主義をキーワードに,昭和はじめの20年の日常を垣間見る。先日90になった祖母,今年92の祖父は,まさにこの時代に育った,と思うと感慨深い。 戦前にも大衆消費社会があって,デパートが繁盛し,同潤会アパートができ,映画が娯楽として定着し,電灯や扇風機といった家電が売れた...続きを読む。しかし格差は厳然と存在し,昭和恐慌,金融恐慌を経て農村・労働者は疲弊した。 革命による格差是正の夢も弾圧によって潰え,マルクス思想から「エロ・グロ・ナンセンス」へ,世相は退廃へと転換する。現世利益を謳う新興宗教「ひとのみち教団」も弾圧される。 そこへラジオとともに颯爽と現れたのが近衛文麿。彼のカリスマに大衆は熱狂し,いつの間にか日本は敗戦への道をひた走っていた。激動の20年。祖父母たちは若くしてこんな時代を生き抜いてきたのだなぁ。
今の時代が戦前と似ているということは戦後の繁栄は戦前昭和の人たちが描いた社会だからなのだろうか?この閉塞感を打ち破るのは何なんだろうか?
戦前昭和の社会論。 読んでいて歴史は繋がっているというのを実感する。 戦前昭和に生きた人たちの歴史が皮膚感覚で伝わってきます。
近頃雰囲気がなんだか戦前くさいぞ、と思って読んでみたけれど。やっぱり今と共通点多いなぁ。 少なくとも大震災って日本においては変化のきっかけになったりすることが歴史上多いんだよなー。さてさて。
今、社会にこの10~30年にはなかった焦りの伴う「熱狂」のようなものがある気がしていた。 いろいろなマスコミ、論調の中で、例えば「戦後最大の転換期」や「右翼、国粋主義の高まり」、「(膨張する中国やその他韓国、ASEANなどの成長中の国々と比べ)相対的プレゼンスが低くなってゆく日本とその焦り」など、今...続きを読むの時代を形容しようとするコメントやフレーズはいろいろあったと思う。ただメディア規制法や集団的自衛権の解釈改憲・安保法案などの、昨今の政治的改革を見ていると、メディアを含め多数の国民の側に急に変わることの戸惑いと焦りがあるようにも感じていた。日本全体的には、2012年の衆院選だけでなく2013年の参院選でも安倍政権を選んだ体になっているのに。(むしろ急いで成立させようとしたからだろうが)掲げるポリシーが変わったわけでなく、確実にタカ派的保守本流の理想を実現しているだけなのに。決められるカリスマを求めて安倍さんを選んだはずなのに。今明らかに戸惑っているこの国ってどうなんだろう、と思っていた。そしてその焦りを隠すかのようにいろんな「熱狂」が垣間見えるように感じていた。 本書はブックレビューで知り、非常に気になった。以下、少し僕の言葉も交え、まとめてみます。 戦前昭和の時代も戦後直後、そして現在と同じように「アメリカ化・格差の是正・大衆民主主義」の微妙な均衡で成り立っていたということ。また最後には、近衛文麿というカリスマが3度目の失脚で退陣し、敗戦へ向かっていくが、戦後日本も上記3つの実現化で社会を進めてきたこと。 「アメリカ化」→親米保守 「格差の是正」→①戦後改革と②高度成長。①は汚職・貧乏・暴力の三悪追放運動。②は所得倍増計画等の計画経済的施策 「大衆民主主義」→戦前よりも統制度合いの弱まった政府・社会 実は昭和初期の上記3つは連環的につながっている。 「アメリカ化」:アメリカ志向の文化・経済・政治的発展が進むと社会格差が問題に 「格差の是正」:途中世界恐慌を経ながらも社会格差(貧富・男女・労使)の解消に取り組もうとすると、大衆は「社会平等」「下方平準化」の志向へ 「大衆民主主義」:該当の運動は世界恐慌後のブロック経済からの孤立も相まって、実は全体が「1つの目的」へ向かおうとするファシズムの醸成へつながる。戦前昭和はドイツのファシズムを大衆レベルでも歓迎していたようだし、そこには逆説的に社会平等への期待もあった。 こうまとめられると、今の日本も「アメリカ化」「格差の是正」「大衆民主主義」の3つの要素を、主たる要素として孕んだ進み方をしているし、先に述べた「熱狂」はまかり間違えば戦前昭和のファシズムと酷似していると思えてならない。 個人的に僕は、長期的には「世界平和」を核心に、「自制の付いた自由」と「主張・選択の平等」(結果平等までは意味しない)を謳う政府になるよう進んで欲しいし、その為の貢献もしていきたいと思っている。 ただここ5~10年といった短・中期的にはどうすべきか?どう、このファシズムを転化していくか?例えば日本社会が得意とする「内向き融和社会」(ムラ社会)の作り方を世界各地に広めるのが日本の使命だ、と思いこんで世界にどんどん飛び出して、有り余るエネルギーを国内不安から海外貢献へ向けていくよう、政治を進められたらなと総理大臣になったつもりで夢想したりしていました。 <ファシズム転化の方法案>世界の貧困地域に、団結したコミュニティを作る。 例:アジア、アフリカの極貧困地域に行って、まず団結して得られる経済的利益(「ムラ」を作ったら)を説く。学校や畑、共同の水利場などのインフラも整えつつ、スポーツチームや祭りなどで団結することそのものに慣れてもらう。こうした地道な「ムラ」づくり活動を、日本が独自で淡々と積み上げていく。 人は自分より貧しい人を見た時に、自分が貧しいとは思わないし、むしろ活動の積み上げで起こる、他者への貢献感が自分に誇りを与えていく。日本人は働くことにアイデンティティを感じる民族、と言われているくらいだから、思い切りその「熱狂」(=エネルギー)を他者である外国のために働くことでぶつけたらいい。 この活動がもたらす実りは(日本人の自尊心への影響以外で)、少し時間がかかるかもしれないが、少なくともこのような「積極的平和」活動をしている国を攻撃する論拠は見つかりにくいだろうし、これは現行憲法の理念の一つの「振り切った」推進だと思っている。 軍備力を増強しながら、連鎖的に増強し合う相手とともに不安のスパイラルに陥るジレンマから、いち早く脱却することにも繋がる。 退職したおじいさん・おばあさんでも、専業主婦(夫)やフリーターや無職でも学生でも誰でも、外に貢献したい人はドンドン支援、奨励する日本。 もちろん在職中の人でも構わないが、企業が海外青年協力隊への協力で休職させたりして払う費用負担より、上記のような人々への経済支援の方が、社員の離脱・退職リスクも考えると理にかなった策ではないかと思っている。
漠然と知っていると思っていた近現代のイメージがかなり修正される良書。祖母や父親から聞いていた時代を生きていた人の実感を思い出した。 今の日本と戦前の日本が似ているとはよく言われるが、「アメリカ化」「格差社会の進行」「大衆民主主義=カリスマ待望」の3つの切り口から、豊富な資料を基に鮮やかに描き出してい...続きを読むる。まさに目から鱗であった。 「1941年の太平洋戦争の直前まで、世論はむしろ親アメリカであり、アメリカへのあこがれが文化のかなりの部分を占めていた。例えばドイツにならってジャズを規制しようとした当局も結局は新しい音楽は国民にとって有益で有り、規制をするにはあたらないと結論づけていた」 「農村の疲弊、大学生の就職難など格差の顕著な進行につれ、人々はカリスマ指導者を求め、近衛文麿の人気はまさに国民的であった」などなど 38年頃までは、大多数の人々は戦争など全く無関心に生活していた。 しかし39年から短期間に日本は軍国主義国家に変貌し、「鬼畜米英」をスローガンに太平洋戦争に突き進む。これも国民性のなせる技か。 次があってはならない。
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戦前昭和の社会 1926-1945
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