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Posted by ブクログ
書き手の考えていることが正確に読み手に届く「達意」の文章の書き方について、関西外国語大学教授の著者が記したものです。
本書で説かれるのは「型」を重視する「パッチワーク的文章術」。定型表現を身に付けて定型的な文章を書くことができる、これが本書の目指すところです。
日頃もやもやしていることや発見したこと、思いついたアイデアなど、頭に浮かんだを言葉・文章に起こしたいと欲することは往々にしてある一方で、言語化する能力も語彙も持ち合わせていなければ、必要十分に書き表すことができない。書きたいことがないのではなく、非言語的な感覚をどのように言語に落とし込めば良いのかがわからない。
手垢のついた紋切り表現ではなく、自身の気持ちを最も的確に表現できる珠玉の一文を言葉にしなさいと論じる文章術の本は数多ですが、そのためにもまずは基礎となる定型表現を知っていなければならないということです。
読書メモの作成にあわせて、こころに響いた表現や言い回し、語句を抜き出してリスト化し、自身の血肉にしていこうと思いました。
Posted by ブクログ
文章讀本のような本が好きです。ウェブで読めるものとしては、Kazuさんの『正確な文章の書き方』や、結城浩さんの『文章を書く心がけ』が好きです。本書もそういった本のひとつです。
★★★
本書の目標は「達意の文章」です。はじめにに、
達意の文章を書くための基本方針は「外国語を初めて学んだときの姿勢で日本語を見直そう」ということだ。「初心忘るべからず」である。だから普段なにげなくやり過ごしている基本的なことにも目配りした。文の長さ、読点の打ち方、語順、「は」と「が」の使い分け、段落の立て方などをしっかりと押さえた。特に、論証(説得力)との関連で段落の問題をていねいに説明した。
とあります。
したがって、とても実用性の高い本です。実用性を重んじるので、「起承転結」ではなく「結起承展」を勧めています。「展」はタイプミスではありません。
起承転結はいかにしたら読者に「感動」を与えることができるかを意図している。エッセーには向いているかもしれないが、実用文では絶対に真似をしてはいけない。実用文には脱線は禁物である。大切なのは「転」ではなく「展」である。話をさらに展開しなければならない。話をさらに掘り下げなければならない。転じるなんて飛んでもない。
という意味です。
この他にも、「文が曖昧になるよりは、うるさくても遠慮なく接続詞と指示語を使うことをおすすめする」といったアドバイスは、他の文章讀本にはあまり見られないのではないでしょうか。
★★★
本書のもう一つの特徴は、日本語とヨーロッパ語を対比して、日本語の性質を理解したうえでその弱点を補う作文をすべきとしている点です。
日本語は基本的には主観的判断(と思う)か事実の記述(雨が降る)しかできない。
(1)あなたは悲しい。(You are sad.)
(2)彼は悲しい。(He is sad.)
(1)と(2)は英語なら問題ないが、普通の日本語では不自然である(たとえば(2)は小説の中なら可能だろう)。自然な日本語なら次のようになるはずだ。
(1)’あなたは悲しそうだ/悲しそうに見える。
(2)’彼は悲しそうだ/悲しそうに見える。
翻訳をしていると、英語には必ず主語があり、それをそのまま日本語に直すととってもうざい文書になることがわかります。また、逆に日本語を翻訳ソフトにかけるといかに主語がない文章が多いか唖然とします。
(上の文章も主語が書かれていませんね)
本書では「無生物主語」を立てることで、論理的な文章になるとしています。そして、「名詞中心文を動詞中心文へ書き換える」ことによって、日本語らしい文章になること、また、逆をすることによって論理が明確になることを示しています。つまり、「名詞中心文を動詞中心文へ書き換える」のであれば、
[1]名詞は動詞に換える
[2]形容詞は副詞に換える
[3]無生物主語は原因・理由、手段・条件、あるいは場所・時間の表現に換える
のステップを踏みなさいと具体的に方法を示しています。
★★★
さっき気が付いたのですが、文章讀本って、単に「この文章は悪文だ」と書いているのではなく、「これこれこういう理由で、ほら実用文としては名文と言われたこの文章もいまいちでしょう」と悪文の原因を分析して悪文を書かない方法を伝えているじゃないですか。
これって、ソフトウェアテストが目指しているものととても近いと思うのです。本書でも、句読点の打ち方で文の作り方を解説し、そのあと接続詞と指示語を使うことで文と文との接続の仕方を教え、段落の切り方で意味のまとまりについて説明しています。
私のソフトウェアテストのとらえ方も同じで、今度、SQiPシンポジウムで、「体験! テスト技法:点 、線、面、立体、四次元の観点で」というタイトルで併設チュートリアルをするのですが、まったく同じ視点でやろうとしています。
ということで、そういう類の(分析とか)が好きなんでしょうね。>自分
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