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野球と戦争 日本野球受難小史
大リーグでの日本人選手の活躍、WBCでの連続優勝…。日本の野球は世界の頂点を極めつつあるように見える。ただ、その歴史に暗黒の時代が刻まれていることを知る人は少ない。昭和七年、学業軽視、選手獲得に金銭が動くことを懸念した文部省は「野球統制令」を公布。さらに、泥沼化する戦況のもと、野球部排撃の動きが全国に広がった。粛正、弾圧を潜り抜け、物資窮乏の中、焦土の上に復活する苦難の日々を史料と証言で辿る。 -
ガウディ伝 「時代の意志」を読む
アントニ・ガウディが活躍した十九世紀のバルセロナとはどんな都市だったのか。奴隷貿易が生んだ「黒い金」を元手にガウディのパトロンとなった新興富裕層、チャンスをもたらした建築ラッシュ、経済力が生んだナショナリズムと独自文化の再評価…これらのどれ一つが欠けてもガウディの建築群は誕生しなかった。知られざる作品も紹介しながら、その異能がどのように誕生し、発揮されていったかを、同時代史の中に位置づける。 -
カラー版 極限に生きる植物
富士山をはじめとする日本の高山には、厳しい自然のなかで可憐に花ひらく植物たちが生きている。また、アンデスやヒマラヤ、南米の砂漠、北極圏や南極大陸などの過酷な環境にも、個性的な植物が数多く存在する。百年も長生きする草、高さ百メートルを超える巨木、多機能な葉を持つ植物など、地球の長い歴史のなかで厳しい環境に適応して生きつづけてきた植物のふしぎな生態に迫る。 -
ミミズのいる地球 大陸移動の生き証人
地球上に登場して四億年の歴史を有するミミズは、その分布から大陸移動の根拠を与えてくれる。また、ダーウィンの晩年の書物『ミミズと土』にあるように、ミミズは生態系の一端を担っている。著者はポーランドでの生態学調査を皮切りに、ケニア、ハワイ、モンゴル、ガラパゴス等々へ、シャベル持参で採集調査に出かけて、思いがけぬ発見をする。オーストラリアへは巨大ミミズの見学に訪れる。小さなミミズが大きく見える異色の本。 -
野村商法物語
明治六年に、初代野村徳七が大阪の借家で開業した銭両替店は、日清・日露戦争による株式市場の活況で近代的な証券会社に変身し、さらに国内外の産業分野への進出を行ない、有数の財閥へと成長した。敗戦前後の困難も乗り越え、世界屈指の「ノムラ」へと発展していった秘密はどこにあるのか。本書は、その成功の鍵を、今や忘れ去られた感のある、江戸時代以来の商業倫理の遵守に求め、商家の暖簾を守り続けた人々の気骨を描くものである。 -
母と子のマレーシア通信 娘のホームステイ体験から
マレーシアの首都クアラルンプールに在住する華人の家族と暮らし、現地のマレー系女子高校に通った娘と、心配しつつ遠くから見守った母親との交信の記録である。異国での体験や悩みを逐次手紙で送りつづけるように約束させられた娘と、それに応える母との間には、文章を通して互いの感情が論理化され、ともに成長していく様子が描き出される。と同時に、ホームステイ先の家族とのかかわり合いについて、貴重な示唆を与えてくれる。 -
文化の戦略 明日の文化交流に向けて
草の根交流から国家的プロジェクトまで、様々な分野で国際交流が広がっている。しかし明治以来続いてきた、「先進国」を上「途上国」を下と見る価値観に基づく「差別型交流」は跡を絶たない。文化はそれぞれの国に固有の価値観に根ざした体系であり、相対的なものである。無意識にまで染み透った西洋文化至上主義を脱却し、文化相対主義に基づく「誠実型交流」を進めるために今なにをなすべきか。世界文化への貢献を展望する、現場からの提言。 -
水戸黄門の食卓 元禄の食事情
前の副将軍水戸光圀――日本人なら誰しらぬものもない史実と巷説に縁どられたこの人物の生きた時代は、泰平の世を謳歌する町人文化が華麗繚乱に絢を競ったときであった。なかでも食の世界は象徴的な展開をみせ、その奔流はあらゆる階層の人々を巻き込んでいく。光圀とても例外ではない。起伏に富んだ生涯のなかで、こよなく酒を愛し、味覚へのこだわりさえ感じさせる光圀の日々の暮らしは、近世食文化の黎明を如実に物語っている。 -
民衆宗教―帝国日本の信仰とナショナリズム
天理教、大本、如来教、黒住教、金光教、丸山教……。 近代日本では、個性的な教祖による民衆宗教が数多く生まれた。 それらは、膨張する大日本帝国といかなる関係があり、社会にどのような影響を与えたのか――。 19世紀初めから敗戦前後に至る150年のなかで、民衆宗教の信仰、イデオロギー、国内外での布教活動、国家による弾圧、戦争協力などを追う。 その複雑な軌跡からは、もう一つの帝国日本の姿が見えてくる。 まえがき 第1章 民間信仰からの離陸――一八〇〇~六〇年代(1) 1 狐憑きか、神様か――中山みきと神がかり 2 教祖の来歴――天理教・如来教・黒住教・金光教 第2章 教祖たちの思想――一八〇〇~六〇年代(2) 1 心なおしの信仰 2 旧く、新しい神々 3 新しい共同性 4 この世へのまなざし 第3章 近代国家との出会いと葛藤――一八六〇~八〇年代 1 転換期の宗教者たち 2 明治国家による抑圧 3 世俗の秩序を超えて 4 丸山教と「み組」事件 第4章 発展と代償――一八八〇~一九〇〇年代 1 バッシングの嵐 2 飯降伊蔵と憑依の時空間 3 教団の近代化と「おさしづ」 4 大本の登場 5 「筆先」と世紀末の日本 第5章 霊魂をめぐる抗争――一九〇〇~二〇年代(1) 1 大正維新論 2 鎮魂帰神法の思想と実際 3 憑きもの信仰と近代霊学システム 4 再浮上する神の声――天理研究会 第6章 神話とナショナリズム――一九〇〇~二〇年代(2) 1 「泥海古記」と『霊界物語』の形成 2 共生する神話たち 3 記紀神話への対抗 4 和解と変革の神話としての『霊界物語』 第7章 帝国主義との交錯――一九〇〇~二〇年代(3) 1 天理教の海外布教 2 大本の人類愛善運動 3 植民地朝鮮と民衆宗教 4 国民国家を超える 第8章 総力戦下の弾圧と動員――一九三〇~四〇年代 1 満洲事変と「非常時」 2 大本の民衆宗教ウルトラ・ナショナリズム 3 宗教弾圧の時代 4 一九三〇年代の天理教と「ひのきしん」 5 戦争協力へ 終章 戦後日本と民衆宗教――一九四〇~六〇年代 1 信教の自由がもたらしたもの 2 民衆宗教言説の誕生と戦後大本 3 周縁化された者たちの近代史 あとがき 引用・参照文献 略年表 -
中国近現代史 清朝末期から21世紀の強国化まで
19世紀のイギリス進出と「西洋の衝撃」以降、存亡の機に直面した清帝国。 アヘン戦争、日清戦争、辛亥革命で崩壊し、中華民国が誕生する。 日中戦争、国共対立を経て、中華人民共和国が成立。 文化大革命という惨劇、改革開放、そして21世紀に強国化を目論む中国の歩みは、世界史と密接に結びついていた。 西洋や日本にどう反応して社会主義国となり、経済発展を遂げたのか。 200年の歴史をグローバルな視座で読みとく。 【目 次】 まえがき 序 章 世界潮流への共鳴と抵抗 1 中華文明と世界の出会い 中華と中華文明とは? 西洋文明との接触 2 アヘン戦争後の華夷秩序の変容 華夷秩序とは? 伝統王朝から近代国家へ 第1章 王朝から共和国へ――中華民国の誕生 1 日清・日露戦争と近代国家への転換 アジアでの憲政の拡大 立憲君主制の模索 ジャーナリズムと女性 憲法制定と議会開設 2 世界的憲政潮流のなかの辛亥革命 孫文と中国同盟会 三段階の革命論 始動する革命 憲政と革命が交錯する辛亥革命 共和国の誕生 北京政府の近代化政策 二つの約法の対立 3 第一次世界大戦と新たな文明の模索 混沌とする政治情勢 大戦期の情況 共和国の正常化を目指して 新たな文明のあり方 新しい概念の流入 第2章 近代化と大衆化――中華民国の変容 1 同床異夢の中国国民党と中国共産党 新文化運動による思想の活性化 五四運動による思想の分化 女性解放論と優生学 中国共産党の成立 国民党と共産党の異同 2 揺らぐ国際協調体制下での政権交代 北京政府から国民政府へ 国際協調体制と中国 存在感を増す地方と社会 法制の近代化 内部対立を繰り返す北京政府 国民革命の発動 3 アメリカのグローバル化と中国社会の大衆化 財政・経済とグローバル金融システム アメリカナイゼーションと反帝国主義運動 マスメディアの発達と消費文化の浸透 大衆化と女性 深刻化する社会の分断 第3章 自由と統制――中華民国の復興 1 満洲事変の衝撃と政治・経済の新展開 国民政府の強さと弱さ 胡適と人権論争 満洲事変と憲政準備 民主独裁論争と中国的近代化論 大衆化社会の矛盾共産党の動き 国民党政権下の国政選挙 2 日中戦争期のナショナリズムとリベラリズム 盧溝橋事件とナショナリズム 憲政と抗日——国民参政会 国民党の弱体化 奥地の経済 総動員体制は構築されず 戦中の民主憲政運動 民族と女性 戦後構想 3 第二次世界大戦後の民主化と「中国革命」 中華民国憲法の制定 戦後中国の分裂 アメリカ文化の流入 変則的な議会制 新たな民主制度の迷走 憲政から革命へ 第4章 資本主義から社会主義へ――中華人民共和国の成立 1 共産中国 冷戦と非冷戦のはざまで 共産中国を取り巻く国際環境 「一つの中国」をめぐる一般論社会主義という概念 中ソの異同 党権力の浸透 統制をめぐる国際比較 政治の中国化 「大躍進」と特異な社会主義 2 世界からの孤立と文化大革命 厳しさを増す対外環境 文化大革命の発動と混乱 文化大革命と人間の尊厳 世界史のなかの文化大革命 対外戦略の転換 日中関係 計画経済期の実態 計画経済期の農業 改革開放を準備した特質 3 大陸中国にとっての香港・マカオ・台湾 避難所として 統一対象として 香港から大陸中国へ 大陸中国と香港と台湾のトライアングル関係 第5章 冷戦後の強国化――中華人民共和国の発展 1 改革開放とソ連・東欧諸国の崩壊 グローバルな時代性 社会主義的民主の再建 経済改革と政治改革 民主化の挫折と経済の発展 ソ連と東欧諸国との比較 新たな中国モデル 2 グローバル資本主義のなかの中国共産党の変容 改革開放の光と陰 花開く思想文化とその分岐 共産党の変質 多元化する経済と社会 改革開放と台湾 3 中華文明の復興と米中対立の高まり 高度成長と大国化志向 普遍性を求める思想文化——魯迅から中国SFとフェミニズム 終 章 グローバル時代の中国の観方 1 日本の中国観の変遷 日本社会からのみえ方 中国観の世界比較 2 中国社会との対話 中国社会からのみえ方 日中間で必要な対話 あとがき 主要参考文献 / 関連年表 -
維摩経とは何か 空・不二・中道から読むブッダの思想
『維摩経』は一世紀末に著された初期大乗仏典である。釈尊の入滅から約五百年後、仏教界が保守化、権威主義化した。その反省から生まれたのが大乗仏教運動であり維摩経である。聖徳太子が注釈書を記すなど日本でも重視されてきた。本書は二〇世紀末に発見されたサンスクリット写本を著者自ら翻訳・精読。仏典に書かれた戯曲的な記述の意味、在家主義、男女平等について、空・不二・中道の思想などを平易に解説する。 ■目 次■ はしがき Ⅰ 『維摩経』の基礎知識 1 主人公、ヴィマラキールティについて 2 商業都市ヴァイシャーリーについて 3 アームラパーリーとその園林 4 題号の意味 5 『維摩経』と『法華経』に至るインド仏教史の概略 Ⅱ サンスクリット写本と諸翻訳間の異同 1 漢訳の七訳三存四欠 2 古訳・旧訳・新訳の比較 3 サンスクリット写本の発見とその出版 4 『維摩経』貝葉写本の校訂と現代語訳 Ⅲ 『維摩経』各章の思想 1 第一幕=アームラパーリーの園林にて 第一章 ブッダの国土の浄化(仏国品第一) 第二章 考えも及ばない巧みなる方便(方便品第二) 第三章 声聞と菩薩に見舞い派遣を問う=前半(弟子品第三) 第三章 声聞と菩薩に見舞い派遣を問う=後半(菩薩品第四) 2 第二幕=ヴィマラキールティの邸宅にて 第四章 病気の慰問(文殊師利問疾品第五) 第五章〝不可思議〞という解脱の顕現(不思議品第六) 第六章 天女(観衆生品第七) 第七章 如来の家系(仏道品第八) 第八章 不二の法門に入ること(入不二法門品第九) 第九章 化作された菩薩による食べ物の請来(香積仏品第十) 3 第三幕=再びアームラパーリーの園林にて 第十章 「尽きることと尽きないこと」という法の施し(菩薩行品第十一) 第十一章 〝不動であるもの〞という如来との会見(見阿閦仏品第十二) 第十二章 結論と付嘱=前半(法供養品第十三) 第十二章 結論と付嘱=後半(嘱累品第十四) Ⅳ 『維摩経』の人間主義 1 大乗仏教における在家の復権 2 「空」による現実肯定の思想 3 「空」の思想と政治活動 4 自立した女性像を描く 5 言葉の限界性と必然性 6 マイトレーヤ菩薩への皮肉 Ⅴ 『維摩経』と『法華経』が現代に問いかけるもの 1 自在に社会貢献する菩薩を待望 2 AIの台頭と仏教の役割 あとがき 参考文献 -
高齢者とがん 健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで
2人に1人はがんに罹り、その75%が65歳以上の高齢者である。今では6割の人々が治癒するが、それでも患者は時として「身体と心の弱者」になってしまう。本書は、がん発生のメカニズムから健康管理、正しい診断と最善の治療、退院後の注意点まで、最新の医学を解説。さらに、高齢がん患者と家族の心をケアするために何ができるか、がんと向き合うための心構えをどう持つか、1万人以上の患者・家族の証言をもとに説く。 □■□目次□■□ はじめに 第1章 高齢がん患者の特徴 1 超高齢社会の訪れ 2 高齢者の定義 3 高齢がん患者の治療 4 高齢がん患者に対する配慮 5 高齢がん患者の心 6 高齢がん患者の療養生活 第2章 がんという病気 1 がんの本態 2 がんの特性――浸潤と転移 3 がんの分類 4 遺伝性がん 5 小児がんとAYA世代のがん、希少がん 第3章 健康管理とがん対策 1 がんとの闘い全経過 2 がんの予防――ゲノムを守る 3 がん検診と特定健診 4 日常診療 第4章 がんと心 1 心を支える闘い 2 深刻な事態に直面したときの心の動き 3 がん治療を受ける患者の心 4 「がんの社会学」研究 5 苦痛・悩み・負担を聞き取る 6 生きる意味――「生き甲斐」と「生かされ甲斐」 7 現代の死生観 第5章 治療の準備 1 病院の選択 2 医療スタッフとのつきあい方 3 確定診断への道すじ 4 治療方針の決定 5 インフォームド・コンセント(説明と同意) 6 治療法の選択に迷ったとき 7 セカンドオピニオン(第二の意見) 8 患者支援団体・患者会 第6章 治療の実践 1 集学的治療と標準治療 2 がんの手術療法 3 がんの放射線療法 4 がんの薬物療法 5 がん薬物療法による副作用――臓器障害 6 がん薬物療法による副作用――全身症状 7 苦痛を和らげる治療・ケア 第7章 初期治療後の診療と暮らし 1 経過観察期への移行 2 自分の暮らしを取り戻す 第8章 進行・再発がんの治療 1 進行・再発がん 2 薬物療法 3 標準治療が困難な場合 4 症状緩和と終末期の治療・ケア 5 やるべきこと、やりたいこと、やれること 6 患者から学んだこと 第9章 がんと情報 1 患者・家族のための情報 2 民間療法・健康食品 第10章 がんと暮らし 1 暮らしを守る 2 家族・周囲との絆 3 経済的負担 4 仕事の悩み 5 行政による医療福祉サービス 第11章 家族の役割と心構え 1 身体と心の弱者 2 家族の心構え 3 最期の看取り おわりに 文献 -
東ユーラシア全史 陸海の交易でたどる5000年
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 広大なユーラシア大陸は中央の乾燥地帯を境に生態環境が二分される。 日本列島を含む東側では古来、遊牧・農耕・海洋の諸文明が興亡。シルクロードほか陸海の路を介して多彩な物産、また宗教・文化が東西を往来した。 ソグド商人やペルシア・アラビア商人の活躍、モンゴル帝国の隆盛と解体、明の鄭和の南海遠征、大航海時代の展開から、欧米列強の極東進出、アジア・太平洋戦争まで――。交易をキーワードに壮大な歴史をたどる。 ■本書の目次 はじめに 序 章 風の中の歴史 1 ユーラシアを吹き抜ける風 2 新たな歴史観 第一章 偏西風アジアでの文明の形成 ――先史時代から紀元四世紀 1 偏西風アジアの遊牧騎馬文明 2 偏西風アジアの農耕文明 第二章 モンスーンアジアでの文明の形成 ――先史時代から紀元五世紀 1 モンスーン陸域アジアでの交易 2 モンスーン海域アジアでの交易 第三章 広域交易圏の形成 ――四世紀から八世紀 1 偏西風アジアでのキャラバン交易 2 モンスーンアジアにおける港市国家連合 第四章 一体化する北と南の交易圏 ――九世紀から一二世紀 1 北東アジアの新興勢力 2 モンスーン海域アジアの新興勢力 第五章 ユーラシア通商圏の形成 ――一三世紀 1 新生遊牧帝国の形成 2 モンゴル帝国とモンスーンアジア 第六章 通商圏の変調と再編 ――一四世紀から一六世紀 1 陸域アジア――カアンを継ぐ者 2 海域アジア――海禁・朝貢・密貿易 第七章 信仰、戦争、そして通商 ――一七世紀から一九世紀前半 1 偏西風アジア――割拠する諸勢力 2 モンスーンアジア――新たな参入者 第八章 欧米列強の極東アジア進出 ――一九世紀 1 ロシアの極東進出 2 イギリスの極東進出 3 自由貿易と地政学 終 章 環球の中の日本 ――二〇世紀 おわりに あとがき 主要参考文献 -
詩心-永遠なるものへ
山のこだまを聞きとめるように、自然の深奥の響きを捉え、思いを結晶させる――。 万葉の昔から、うつりゆく世界をことばに託してうたいあげる文化は、形を変えながら現代に引き継がれてきた。一篇の詩と向かい合うとき、私たちは、これまでの悠久の宇宙、これから果てしなく続く無窮の時間、そしていまという一瞬の永遠を感じることができる。 本書は、長い時をかけて培われてきた美しい詩の世界への招待状である。 -
カラー版 日本画の歴史 近代篇・現代篇 合本 狩野派の崩壊から21世紀の新潮流まで
開国後、大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、西洋絵画と出遭い、「日本画」と称すようになった。フェノロサに評価された日本画は、岡倉天心、橋本雅邦らが新設の東京美術学校で確立。のちには日本美術院の横山大観や菱田春草らが技法を追究し進展させる。本書は、幕末の横浜浮世絵や南画から、国家主導で堂々たる作品が制作された明治期、そして、今村紫紅に代表されるのびやかな画風の大正期を描く。(近代篇) 昭和十年代、前衛美術集団の離合集散が続いた。だが、新しい絵画の胎動は戦時体制に飲み込まれ、富士山や軍人など国威昂揚を意図した絵画が制作されるようになる。戦後は国粋主義への批判から「日本画滅亡論」が唱えられ、新しい道の模索を余儀なくされた。本書は、前衛として戦前に注目された吉岡堅二らから、戦時中、そして復興に寄り添って人気を博した東山魁夷や平山郁夫の活躍、さらに、平成以降の新潮流までを描く。(現代篇) -
冷戦史(上下合本)
(上巻)1945年に第二次世界大戦が終わると大国の協調は崩壊し、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営による冷戦が始まった。ヨーロッパではドイツが東西に分断され、東アジアでは中国の国共内戦、朝鮮戦争という「熱戦」が勃発。さらに脱植民地化の潮流に米ソが介入し、冷戦は第三世界にも拡大した。上巻では、1962年のキューバ・ミサイル危機で核戦争寸前に至るまでを描く。世界的な視野から冷戦を俯瞰する通史。 (下巻)キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるが――。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。 -
続・東北―異境と原境のあいだ
「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。 -
シリーズ 禁欲文化のヨーロッパ―修道制の歴史(合本)
『禁欲のヨーロッパ』 ヨーロッパにおける「禁欲の思想」はいつ生まれ、どう変化していったか。身体を鍛錬する古代ギリシアから、ローマ時代を経て、キリスト教の広がりとともに修道制が生まれ、修道院が誕生するまで、千年に及ぶヨーロッパ古代の思想史を「禁欲」という視点から照らし出す。 『贖罪のヨーロッパ』 中世西欧では、禁欲の達成のために自らの欲望のありかを特定し、意識的に摘出する思想が生まれた。この贖罪の制度化は、社会に大きな影響を与え、修道院の生活を厳しく規定していく。6~12世紀の社会を、修道院の制度、王侯との関係、経済、芸術等から読み解く。 『剣と清貧のヨーロッパ』 12世紀、突如それまでの修道制の伝統から大きく離れた修道会が生まれた。聖地エルサレムやイベリア半島などで戦った騎士修道会と、聖フランチェスコらが信仰のあり方をラディカルに変革した托鉢修道会である。これら修道会の由来と変遷を、戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。 『宣教のヨーロッパ』 16世紀の宗教的動揺は、イエズス会という新たな組織を生んだ。霊操と教育を重視し、異教徒への宣教を実践するイエズス会は、ポルトガル・スペインの植民地開拓とともに新大陸やアジアへ進出した。その思想や布教方法、経済的基盤など、「キリスト教の世界化」のプロセスを詳細に検証する。 『歴史探究のヨーロッパ』 宗教改革以降、カトリックは修道院での学術活動を活発化させた。サン・モール修道会のマビヨンをはじめとする人文主義者が教会史や聖人伝などの文書を批判的に検証することで、文献学や文書学、ローマ法の解釈学など、現代の歴史学の基礎が誕生する。啓蒙思想の席巻、宗教と世俗の相剋の間で、歴史と真理を探究した人々の足跡を追う。 -
科学捜査の事件簿 証拠物件が語る犯罪の真相
探偵は一個の厳密な科学である、とはコナン・ドイルの言葉である。わずかな痕跡も見逃さずに事件の真相に迫ろうとする科学捜査は、その時々の難問を解決しながら発展してきた。本書は、捜査の画期的な発展を促した歴史的に有名な犯罪を取り上げ、指紋、筆跡、毒物、白骨、木片、銃痕などの古典的な証拠物件の鑑定から、最新のDNA鑑定、そして昨今のテロ事件に使われたサリン、炭疽菌の分析と同定までを紹介する。 -
「ケインズ革命」の群像 現代経済学の課題
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一九三六年に刊行されたケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」は、三〇年代の大不況に対処しえなかった経済学の危機に対して「有効需要の原理」「流動性選好説」 などを提唱して解決策を示す、革命的な書であった。しかし、その難解さゆえに様々な解釈が可能であり、読む側の国家観、歴史観ひいては倫理観が賛否を左右することになる。一冊の書物がひき起こした論争、社会科学における転向等を通して経済学の課題を問う。