中公新書作品一覧

  • 昭和天皇 増補版 「理性の君主」の孤独
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    新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。 しかし、時代はそれを許さなかった――。 本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に着目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。 そしてそれは天皇の実際の振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたのか――。 旧版刊行後の約15年で、新たに発見・公開された重要史料や史実を増補。 はじめに 昭和天皇の実像とは  あくまで実証的に  思想形成過程に注目 第一章 思想形成 一 東宮御学問所 生い立ち  東宮御学問所に進学  杉浦重剛の倫理学杉浦の天皇観・国家観  白鳥庫吉の歴史  清水澄の法制経済 二 訪欧旅行 発端  宮中の職制と元老  外遊の成功 三 摂政就任「君臨すれども統治せず」  神格化を否定  皇室改革に意欲  研修活動  立作太郎の外交史  清水澄の憲法進講  明治天皇について学ぶ  生物学を趣味とする  アイドルとなる  牧野伸顕の内大臣就任  政治思想の確立 第二章 天皇となる 一 田中内閣への不信 施政方針を明示  直訴頻発の意味  当時の日課  田中義一首相への不信  優諚問題  中国の主権を尊重  即位大礼  剛毅な昭和天皇像の誕生 二 首相𠮟責事件張作霖爆殺事件  つのる田中首相への不信感  昭和天皇の政党政治観  張作霖事件の進展  𠮟責を決意ついに田中を𠮟責  昭和天皇の発言  田中𠮟責の意味  道徳的な政党政治を追求 三 ロンドン海軍軍縮条約問題 浜口を激励  反撥する軍令部  鈴木侍従長の対応 統帥権干犯問題  加藤軍令部長の辞意  右翼の宮中 側近攻撃  徳治主義の発露  クーデター未遂 第三章 理想の挫折 一 満洲事変 不拡大方針の挫折  最善を尽くしたか  揺らぐ昭和天皇の権威  連盟との対立を心配  犬養内閣の成立桜田門事件  「日支親善は出来得るや」  心労たまる昭和天皇 二 五・一五事件 政党政治を見放す  秩父宮との対立  連盟脱退へ 本庄侍従武官長の登場  なお協調外交を追求  軍の政治化に批判的 満洲問題   三 天皇機関説事件と二・二六事件 天皇機関説事件  在郷軍人会パンフレットを批判  孤立した昭和天皇  対中融和を追求  牧野内大臣の引退  二・二六事件勃発  即時鎮圧を決意  陸軍 への怒り  本庄武官長辞職  近衛首相に期待 第四章 苦悩の「聖断」 一 日中戦争 盧溝橋事件の勃発  対応の誤り  やつれる昭和天皇張鼓峰事件で陸軍と対立  長期化する日中戦争 二 防共協定強化問題 念書を書かせる  ノモンハン事件と天津租界封鎖問題板垣陸相に激怒  陸相人事に注文  首相の人選を主導  ドイツの快進撃に幻惑される  第二次近衛内閣の成立  三国同盟を容認 三 太平洋戦争開戦 日米交渉に期待  武力行使を強く否定  御前会議で異例の発言  開戦を決断  早期終結を指示  戦況の悪化を懸念  支持を失う東条首相 四 終戦の「聖断」一撃講和論をとる  早期講和論に転換  ポツダム宣言  一回目の「聖断」  昭和天皇の決断  二度目の「聖断」  「聖断」の意図 第五章 戦 後 一 退位問題 東条に責任を転嫁したか  マッカーサーに責任を認める  免責への動き  世論の動向  「人間宣言」  新憲法の制定  『独白録』の意味  退位論  退位せず  改憲再軍備と政治関与  留位の副産物  戦後巡幸  皇居再建の道のり 二 講和問題と内奏 新憲法下の天皇  一九四七年九月の発言  講和問題との関わり  戦後の内奏  内奏継続の意味 三 「拝聴録」への道 後半生の主題は戦争責任  世論調査に見る昭和天皇 二度目の訪欧  沖縄への関心  訪米  中国への謝罪  植民地支配への反省  「拝聴録」作成へ  厭世的になる  崩御 おわりに 理想実現に尽力  旧憲法と国民に裏切られる  君主としての責任を自覚 戦争責任と向き合う    昭和天皇についての研究史 参考文献目録 あとがき 人名索引
  • 日本人の幸せ―ウェルビーイングの国際比較
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    国や地域別の幸福度ランキングが、しばしば注目を集める。だが、そもそも幸せの基準は文化によって異なる事実を文化心理学が実証した。一例として幸福感は、欧米では個人的な達成感、日本では対人関係と関連する。本書は国際比較を通し、日本社会における幸せの特徴を探る。また、個人の一時的な感情にとどまらず、地域コミュニティ、職場、学校などの現場における持続的な幸福(ウェルビーイング)についても考える。 目 次 第1章 文化心理学とは何か 文化とは何か/文化心理学とは/「当たり前」を疑う/心理学における認知革命/人類学の知見/比較するということ/文化的自己観/選択をめぐる文化差/文化的自己観と自己認識/認知と文化/分析的思考と包括的思考/文化学習が起こるプロセス/教育やメディアが与える影響 第2章 幸福の国際比較 幸せの統計学/幸福というあいまいな概念を測定する方法/ヘドニアとユーダイモニア/幸福の国際比較/平均値の比較、ランクづけの問題点/幸福の意味の歴史的変遷/獲得的幸福と協調的幸福/「幸せすぎると怖い」?/幸福を長続きさせる戦略 第3章 対人関係、集団意識、自己 スモールワールド現象とは何か/個人を超えた集団レベルの資源/結束型と橋渡し型/つながりが多ければ多いほど良いのか?/友達とはどのような存在か/友達を選ぶ国・アメリカ/人付き合いの日米比較/評価懸念と同調圧力/言葉遣いは自己意識にどう影響するか/どんなサポートが幸福感を高めるか/他者理解にひそむ文化差 第4章 主観的なウェルビーイングをどう測定するか そもそもウェルビーイングとは/経済指標中心の限界/幸福・生活満足・生活の質/協調的幸福/主観的ウェルビーイングをどう用いるか/比較文化的視点から見た課題/測定テクノロジーの進化/国際的な調査・政策枠組みに見る指標/国内の政府機関の調査/指標活用の展望/場のウェルビーイングを動的に把握する時代へ 第5章 幸福をはぐくむ地域コミュニティ 個人の幸福と制度の関係/場のウェルビーイングとは何か/地域コミュニティのウェルビーイング/場所の影響か、個人の影響か/集合活動と相互調整/地域の社会関係資本/地域の幸福感を測定するプロジェクト/自殺率の高い町、低い町/愛着感から開放性へ/幸福、信頼、向社会性の循環/社会的ネットワークの分析から見えること/アートの島が住民にもたらしたもの 第6章 働く人が幸福な職場とは職場のウェルビーイング/企業の組織風土の4類型/職場の協調性の効果/「保険」としての協調性/2階建てモデルで日本社会を読み解く/組織の設計/日本で求められるリーダーシップ像とは/雇用の流動性が社員に与える影響/採用文化の日本的な特徴/なぜ日本の職場は関係性づくりに消極的なのか/自然とつながりが生まれる「場」をつくるには 第7章 教育現場のウェルビーイング ウェルビーイングは新たなキーワードなのか/これまでの活動に新たな意味づけを/多様なルートをつくり出す/PISAによる国際比較/第4期教育振興基本計画がめざすもの/全国学力・学習状況調査の結果から/教員のウェルビーイング/ハブとしての社会教育主事 第8章 これからの時代のウェルビーイング 価値観はどのように生まれ、受け継がれるのか/グローバル化による価値観の変化/日本は個人主義化しているのか/日米それぞれの個人主義観/ひきこもりが増えた理由/自己肯定感の低さは何をもたらすか/「場の正義」から脱出する/「裸の王様」に見る多元的無知/どのように主体性をはぐくむか/開かれた協調性を
  • イスラームが動かした中国史 唐宋代から鄭和の大航海、現代回族まで
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    中国とイスラーム世界が邂逅した7世紀以降、西方や南方から来華したムスリムは、歴代中国の諸勢力が躍進する原動力となり、各地に豊かな文化を根づかせた。 彼らは、中華文明とどう向き合い、中国社会をどう変えたのか。 本書は、唐宋代の交易からモンゴル帝国の統治、鄭和の大航海、清への反乱、辛亥革命と日中戦争、現代新疆の実相までを一望。 時空を超えた1400年の軌跡を、世界史の視座のもと照らし出す。 【目次】 まえがき 序 章 中国ムスリムの概要 民族別の人口と居住地  三つの主要な集団  ①漢語を話すムスリム回族を中心に  「回族らしさ」とは何か  回族の宗教信仰  移動と定住  ②新疆のテュルク系ムスリムウイグル族を中心に  ③サラール族・東郷族・保安族 第1章 外来ムスリムの往来と定住唐代から元代 1 唐とイスラーム世界の邂逅 2 沿海部における交易活動 3 中央アジアのテュルク化とイスラーム化 4 元朝と色目人  第2章 土着化の進行明代 1 社会的地位の変化  2 混血と入信  4 鄭和の大航海  第3章 苦難と変革清代 1 政策と制度  2 思想の深化  3 諸イスラーム集団の形成  4 ムスリム反乱  5 近代的覚醒と国際関係  第4章 民族意識の形成中華民国期 1 新国家への期待と現実  2 馬家軍西北地域の回民軍閥  3 ナショナリズムの喚起  4 民族と宗教  5 ウイグル・アイデンティティの芽生え  第5章 社会主義時代を生き抜く中華人民共和国期 1 宗教の破壊と再生  2 中国共産党と新疆ムスリム社会  3 国際化する新疆問題  4 政治宣伝と文化変容  終 章 中国ムスリム史が伝えるもの あとがき  参考文献 イスラームが動かした中国史 関連年表
  • 大大阪という神話 東京への対抗とローカリティの喪失
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    一九二〇年代から三〇年代、大阪市は「大大阪」と呼ばれ、人口で東京を抜き、日本最大の都市として存在感を際立たせていた。しかし、大大阪は、中央の東京に対抗することで、むしろ独自性を喪失していく――。本書は、大衆社会におけるラジオ、吉本興業、職業野球、宝塚歌劇など多様な切り口を通じて、その軌跡を追う。「大阪らしさ」の源流を描き出しながら、現在まで続く日本社会の均質性の問題を照らす試み。 目次 まえがき 序 章 大大阪が隔てる二つの世界 第1章 大阪放送局始末記――「既得権益打破」が生んだもの 1 放送の主導権を奪え!――新旧実業家たちの攻防 2 大電買収事件――大阪放送局の前哨戦 3 日本放送協会へ――そして官僚支配だけが残った 第2章 ラジオが夢見た国民文化――均質な言語空間の創造 1 声の中央集権化 2 BKが夢見た「完璧なコミュニケーション」 第3章 吉本は「大阪的」か?――「大衆」の発見と「大阪」の没落 1 吉本と「大衆」の出会い 2 漫才は「大阪人」のためにあらず 3 漫才のメディア論 第4章 職業野球とタカラヅカ――見世物としての近代 1 阪急文化圏とはいかなる場所か? 2 職業野球の源流――西洋文化と武士道のキメラ 3 見世物か? 教育か?――職業野球と宝塚歌劇の共通性 終 章 文化的であること、放置すること あとがき 主要参考文
  • 東ユーラシア全史 陸海の交易でたどる5000年
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    1巻1,430円 (税込)
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 広大なユーラシア大陸は中央の乾燥地帯を境に生態環境が二分される。 日本列島を含む東側では古来、遊牧・農耕・海洋の諸文明が興亡。シルクロードほか陸海の路を介して多彩な物産、また宗教・文化が東西を往来した。 ソグド商人やペルシア・アラビア商人の活躍、モンゴル帝国の隆盛と解体、明の鄭和の南海遠征、大航海時代の展開から、欧米列強の極東進出、アジア・太平洋戦争まで――。交易をキーワードに壮大な歴史をたどる。 ■本書の目次 はじめに 序 章 風の中の歴史 1 ユーラシアを吹き抜ける風 2 新たな歴史観 第一章 偏西風アジアでの文明の形成      ――先史時代から紀元四世紀 1 偏西風アジアの遊牧騎馬文明 2 偏西風アジアの農耕文明 第二章 モンスーンアジアでの文明の形成      ――先史時代から紀元五世紀 1 モンスーン陸域アジアでの交易 2 モンスーン海域アジアでの交易 第三章 広域交易圏の形成      ――四世紀から八世紀 1 偏西風アジアでのキャラバン交易 2 モンスーンアジアにおける港市国家連合 第四章 一体化する北と南の交易圏      ――九世紀から一二世紀 1 北東アジアの新興勢力 2 モンスーン海域アジアの新興勢力 第五章 ユーラシア通商圏の形成      ――一三世紀 1 新生遊牧帝国の形成 2 モンゴル帝国とモンスーンアジア 第六章 通商圏の変調と再編      ――一四世紀から一六世紀 1 陸域アジア――カアンを継ぐ者 2 海域アジア――海禁・朝貢・密貿易 第七章 信仰、戦争、そして通商      ――一七世紀から一九世紀前半 1 偏西風アジア――割拠する諸勢力 2 モンスーンアジア――新たな参入者 第八章 欧米列強の極東アジア進出      ――一九世紀 1 ロシアの極東進出 2 イギリスの極東進出 3 自由貿易と地政学 終 章 環球の中の日本      ――二〇世紀 おわりに あとがき 主要参考文献
  • ラフカディオ・ハーン 異文化体験の果てに
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    一八九〇年四月、紀行文作家として来日したラフカディオ・ハーンは、松江中学へ英語教師として赴任し、そこに理想の異郷を見出した。しかし、その後、熊本で近代化の実態に触れて、彼の美しき日本像は崩壊する。本書は、他のお雇い外国人と異なり、帰るべき故郷を持たない彼が、神戸、東京と移り住むうちに、日本批判へ転ずることなく、次第に国家・民族意識を超越し、垣根のない文化の本質を目ざしてゆく様子を描く評伝である。
  • 戦後史1945-2025 敗戦からコロナ後まで
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    アジア・太平洋戦争による壊滅から経済大国化し、不動の国際的地位を築いたものの、「失われた30年」で低迷する日本。豊かにはなったが、所得や地域間の格差、世界の〝最先端〞を行く高齢化、少子化など「課題先進国」とも呼ばれる。本書は、この戦後日本の軌跡を描く。特に東アジアとの関係、都市と農村、家族とジェンダーといった、大きく変貌した関係性に着目。マクロとミクロの両面から激動の80年を描いた日本現代史。
  • ナショナリズムとは何か 帰属、愛国、排外主義の正体
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    民族や国民をめぐる心の働きを強め、再生産するナショナリズム。 帰属意識、愛国心、排外意識の三つの顔をもつ。 世界で猛威をふるう排外主義・右派躍進の正体とされるが、なぜ同胞愛は憎悪に変わるのか。 なぜ民族紛争は再燃するのか。 経済不安との関係とは。 本書は国民国家誕生からの歴史を一望し、豊富な事例をふまえナショナリズムがいつ生まれ、社会に浸透し、私達の心を動かすかの全容を描く。 俗説を覆し、本質に迫る。 【目次】 まえがき 第1章 ナショナリズムとは何か 議論の概観 1 出現    ネーションはいつからあるのか  近代の社会現象  多様化し日常化するナショナリズム 2 定義 言葉の由来 「生まれ」  ①政治の意識として  ②政治運動のイデオロギーとして  日常的なナショナリズム 3 源泉 ①近代主義  ②民族象徴主義  ③政治や権力闘争 4 分類 「良いナショナリズム」と「悪いナショナリズム」? ナショナリズムとパトリオティズム 5 まとめ――プラスでもマイナスでもなく 第2章 ナショナリズムを構成しているもの 1 三つの意識 2 三つの意識の背景 社会学/政治学/心理学  着目点の違い  諸意識の実態  世界各国の実態  意識は時間とともに変わる 3 意識間の相互連関 愛国心と排外意識はいつ結びつくの?  個人的差異より社会的文脈が重要?  グローバル化の効果?  国のメンバーシップの性格? 4 まとめ――ナショナリズムの多次元性 第3章 何が帰属意識を強めるのか 1 ネーションへの帰属意識 地域主義との関係  複数のアイデンティティ 2 近代化と帰属意識の高まり 学校教育、鉄道  出版・印刷の普及  軍隊 3 現代文化と帰属意識 スポーツの祭典  FIFAワールドカップ  アフリカのサッカー選手権  ラグビーワールドカップ 4 帰属意識を高める政治 5 まとめ 第4章 何が愛国心とプライドを強めるのか 1 愛国心の多義性・多様性 愛国心をどう捉えているか  愛国心の国際比較 2 経済格差との関係 格差と貧困  政府の陽動 3 政治的動員・選挙との関係 選挙と動員 4 国際環境の影響 グローバル化の影響  国際紛争と脅威 5 文化表象としての音楽イベント 音楽の力  国歌と祭典 6 まとめ 第5章 何が排外意識と優越感情を強めるのか 1 経済不安よりは向社会性? 経済的な脅威  集団的な脅威  外国人比率の効果 2 政治状況と排外主義 ホモナショナリズム/フェモナショナリズム 3 隠れた反移民感情 文脈によって異なる「望ましい回答」 4 国際政治の影響 外交的緊張 5 まとめ 第6章 政治・経済への効果 1 公共財の分配 福祉への効果  多民族国家は不利なのか 2 シンボル操作の効果 国土・国旗という象徴と寄付  党派的分断を癒す 3 民主的な規範と政治信頼 民主主義を促すか  社会的な信頼と負担 4 経済や資源の開発 資源ナショナリズム  エコ・ナショナリズム/グリーン・ナショナリズム 5 まとめ――ナショナリズムの政治経済的効用? 第7章 暴力・紛争への効果 1 ナショナリズムと内戦 貧困と格差  政治的排除の回避  連邦制や選挙制度への効果 2 ナショナリズムと少数派の弾圧 暴力と流血が生まれる理由  東欧でのホロコースト 3 ナショナリズムと国家間戦争 国民国家と戦争の波  失地回復運動  言説枠組みの影響 4 ファシズムとセクシュアリティ 5 まとめ――ナショナリズムと暴力 終 章 ナショナリズムの実態を見る 1 何がわかっていて、何がこれからわかるのか 2 政治をめぐる意識の一つとして 3 おわりに あとがき 注記一覧 / 参考文献・出典
  • 日本の後宮 天皇と女性たちの古代史
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    男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。天皇家の安定した皇位継承のために創られた。平安時代初期、桓武天皇、嵯峨天皇には各々35人、45人に及ぶ皇子女がおり、そこには彼らを産んだ20人以上の妃・夫人・嬪・女御・更衣という後宮=キサキたちがいた。日本では、男子禁制ではなかったが、中国由来の制度の影響を受け変貌していく。本書は起源から平安末期までの歴史を追い、制度とその実態を描く。
  • 政治資金規正法 政治活動と民主主義のルールブック
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    政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保するため、一九四八年に施行された。しかし、政治とカネの問題は繰り返し生じて、その度に改正してきた。本書は、議員たちの収入と支出や、現在までの歴史的経緯を踏まえ、同法の枠組みを示す。さらに政治資金パーティーなどの事例を通じ、金銭の動きなども解説。そのうえで情報公開のあり方や今後の課題などを論じる。政治活動や選挙運動で注意すべき点なども多く扱う。
  • 異国を楽しむ
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    海外旅行は不自由さの連続だ。 言葉の壁に突き当たり、知らない食べ物に変調をきたし、ホテルのバスルームでため息をつく。 けれど、ままならない瞬間にこそ、異国の醍醐味がある。 旅の達人が、見知らぬ町のカフェや公園、ホテルの屋根裏部屋、はたまた国境検問所で行き会った、得がたい体験とは。 自由に気ままに出かければ、とっておきの出会いは、あちこちに転がっている。 著者ならではの旅の記憶が詰まった、異国のススメ。
  • 詩心-永遠なるものへ
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    山のこだまを聞きとめるように、自然の深奥の響きを捉え、思いを結晶させる――。 万葉の昔から、うつりゆく世界をことばに託してうたいあげる文化は、形を変えながら現代に引き継がれてきた。一篇の詩と向かい合うとき、私たちは、これまでの悠久の宇宙、これから果てしなく続く無窮の時間、そしていまという一瞬の永遠を感じることができる。 本書は、長い時をかけて培われてきた美しい詩の世界への招待状である。
  • カラー版 日本画の歴史 近代篇・現代篇 合本 狩野派の崩壊から21世紀の新潮流まで
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    開国後、大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、西洋絵画と出遭い、「日本画」と称すようになった。フェノロサに評価された日本画は、岡倉天心、橋本雅邦らが新設の東京美術学校で確立。のちには日本美術院の横山大観や菱田春草らが技法を追究し進展させる。本書は、幕末の横浜浮世絵や南画から、国家主導で堂々たる作品が制作された明治期、そして、今村紫紅に代表されるのびやかな画風の大正期を描く。(近代篇) 昭和十年代、前衛美術集団の離合集散が続いた。だが、新しい絵画の胎動は戦時体制に飲み込まれ、富士山や軍人など国威昂揚を意図した絵画が制作されるようになる。戦後は国粋主義への批判から「日本画滅亡論」が唱えられ、新しい道の模索を余儀なくされた。本書は、前衛として戦前に注目された吉岡堅二らから、戦時中、そして復興に寄り添って人気を博した東山魁夷や平山郁夫の活躍、さらに、平成以降の新潮流までを描く。(現代篇)
  • 世界史の叡智 悪役・名脇役篇 辣腕、無私、洞察力の51人に学ぶ
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    近代中国で悪名高い政治家といえば、まず汪兆銘の名前が挙がる。 だが今日「売国奴」と断罪されるこの指導者は、祖国を戦火から守るべく対日和平を模索した、筋金入りの愛国者でもあった。 本書では史学の成果を生かしつつ、古今東西の事例を検証。 時代の波に翻弄された悪役たちの横顔を紹介し、隠れた名脇役たちの活躍にも光を当てる。 古代ペルシャの大王からイタリア映画全盛期の巨匠まで、バラエティに富んだ五一人の列伝。
  • 明治天皇 苦悩する「理想的君主」
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    王政復古の旗印のもと、幕府や摂関職が廃され、若き明治天皇を戴く維新政権が誕生した。だが、近代国家の建設が急速に進むなか、「天皇親政」の理念はやがて形骸化する。 陸海軍を統べる大元帥として日清・日露の両戦争を遂行するなど、政府への協力的姿勢を貫いた天皇であったが、その陰には、自らの意思と政府の意向の乖離に苦悩する、孤独な君主の姿があった。 政府と宮廷の対立関係を軸に、理想化された天皇の実像に迫る。
  • 後藤又兵衛 大坂の陣で散った戦国武将
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    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 戦国時代、黒田官兵衛・長政の二代に仕え、武勇を謳われた後藤又兵衛。 豊臣秀吉の九州攻めや朝鮮出兵、関ヶ原合戦で活躍するも、長政に疎まれて主家を去った。 長い牢人生活を経て、秀吉の遺児秀頼の招きに応じ、一六一四年、大坂城に入城する。 徳川方に比して劣勢明らかな豊臣陣営に加わったのはなぜか。 大坂の陣でいかに奮戦し、壮絶な討死を遂げたか。 後年、歌舞伎や講談などで快男児として描かれた武将の実像に迫る。
  • 冷戦史(上下合本)
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    (上巻)1945年に第二次世界大戦が終わると大国の協調は崩壊し、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営による冷戦が始まった。ヨーロッパではドイツが東西に分断され、東アジアでは中国の国共内戦、朝鮮戦争という「熱戦」が勃発。さらに脱植民地化の潮流に米ソが介入し、冷戦は第三世界にも拡大した。上巻では、1962年のキューバ・ミサイル危機で核戦争寸前に至るまでを描く。世界的な視野から冷戦を俯瞰する通史。 (下巻)キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるが――。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。
  • 中東和平の行方 続・イスラエルとパレスチナ
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    湾岸戦争終結後に開かれたマドリード和平会議、ノルウェー秘密交渉を通じて、パレスチナ問題、アラブ・イスラエル紛争をめぐる状況がこの数年の間に大きく変化した。 イスラエル・PLOの暫定自治合意にもとづくガザ、エリコでの先行自治、イスラエル・ヨルダンの平和条約調印と事態は進行しているが、こうした動きは本当に中東に平和をもたらすのか。 『イスラエルとパレスチナ』につづいて、中東での新展開を詳細に報告する。
  • 古代遊牧帝国
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    六世紀の中葉モンゴル高原に出現した突厥国家も、また八世紀に台頭したウイグル国家もともに遊牧トルコ民族の一族であった。中央アジアから中国北方、南シベリアを支配した突厥の、農耕民族中国人との協調と葛藤の歴史をシルクロードの交易とともに追い、その間に活躍したソグド商人たちの、困難をものともせず物資を運び商いをする姿をも描き出す。東から西へと移動していったトルコ民族の壮大で華麗な生活を再現する。
  • 肺の生活習慣病(COPD) 咳、痰、息切れを疑う
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    咳が出れば風邪のせい、息切れが起これば年のせい――と、私たちは軽く考えがちだ。しかしその陰に肺の重大な疾患COPDが隠れているかもしれない。症状が喘息など他の疾患と似ているため医師でも気がつかないことが多く、潜在的患者数は糖尿病を上回る数百万人といわれる。正しい治療を受けなければ治癒は遅れ、医療費はかさみ、患者・家族の生活の質の低下は免れない。COPDとどう向き合えばいいのか。診断と治療、予防法を紹介する。
  • カラー版 アマゾンの森と川を行く
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    1巻1,320円 (税込)
    人類に残された最後の秘境・アマゾン。カヌーに乗って幾日も川をさかのぼると、現代文明と隔絶した世界が広がる。ワニやアナコンダが日光浴し、チョウが舞う岸辺。一歩森に入れば、最大の肉食獣ジャガー、毒ヘビや大蛇、原因不明の風土病にも警戒しなければならない。危険なこの地に魅せられた著者は、三十年来、取材を続けてきた。アンデスから熱帯雨林まで、多様なアマゾンの植物、動物、人々を紹介。
  • 続・東北―異境と原境のあいだ
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    「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。
  • 板垣退助 自由民権指導者の実像
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    「板垣死すとも自由は死せず」の言で名高い板垣退助(1837~1919)。戊辰戦争で官軍の指揮官として名声を得た彼は、維新後、政権に参画するも西郷隆盛らと下野。民選議会設立を求め自由民権運動に邁進し、日本初の全国政党・自由党を結成する。議会開設後は第一党のトップとして藩閥政府と対峙。のちには大隈重信と初の政党内閣を組織した。多くの大衆から愛され、近代日本に大きな足跡を残した志士の真実。
  • カラー版 インカ帝国―大街道を行く
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    1巻1,320円 (税込)
    インカ帝国は、北はコロンビア、南はチリ、アルゼンチンにまでまたがる広大な領土に、総延長三万キロにおよぶカパック・ニャンと称される王道を張りめぐらした。海岸地方に広がる砂漠、険しい岩や雪の山稜や断崖、鬱蒼とした森林帯、荒涼たる原野などを大道が貫き、都市や神殿などを結んでいた。自らの足でアンデス全域を歩いた写真家が、遺跡や大自然などを含む数々の未公開写真とともに知られざる大帝国の世界に迫る。
  • 帝国図書館―近代日本の「知」の物語
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    近代国家への道を歩み出した明治日本。国家の「知」を支えるべく政府によって帝国図書館が設立された。しかし、その道のりは多難であった。「東洋一」を目指すも、慢性的な予算不足で書庫も閲覧室も狭く、資料は溢れ、利用者は行列をなした。関東大震災では被災者の受け入れに奮闘。戦時には所蔵資料の疎開に苦しんだ。本書は、その前身の書籍館から一九四九年に国立国会図書館へ統合されるまでの八〇年の歴史を活写する。
  • 日本の歴史問題 改題新版 「帝国」の清算から靖国、慰安婦問題まで
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    靖国神社、歴史教科書、慰安婦、領土、そして「犠牲者」個人への補償。戦後七五年を超えてなお残る歴史問題。なぜ「過去」をめぐる認識は衝突し、アジア太平洋戦争の「清算」は終わらないのか。本書では、帝国の解体から東京裁判、靖国論争が始まる一九八〇年代、慰安婦や領土をめぐり周辺諸国との軋轢が増す二〇一〇年代以降の歴史問題の全容を丹念に描出。名著『国家と歴史』を改題のうえ全面改稿し、歴史和解の道筋を示す。
  • 大隈重信(上下合本)
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    政治家、言論人、早稲田大学初代総長など多面的な活動で知られる大隈重信。一八三八年に佐賀で生まれ、一九二二年に没するまでの軌跡は、日本近代の激動に伴走したかのようだ。本書は、周囲の群像や時代の変化などを含めて、彼の全貌を描き出す試み。
  • シリーズ 禁欲文化のヨーロッパ―修道制の歴史(合本)
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    『禁欲のヨーロッパ』 ヨーロッパにおける「禁欲の思想」はいつ生まれ、どう変化していったか。身体を鍛錬する古代ギリシアから、ローマ時代を経て、キリスト教の広がりとともに修道制が生まれ、修道院が誕生するまで、千年に及ぶヨーロッパ古代の思想史を「禁欲」という視点から照らし出す。 『贖罪のヨーロッパ』 中世西欧では、禁欲の達成のために自らの欲望のありかを特定し、意識的に摘出する思想が生まれた。この贖罪の制度化は、社会に大きな影響を与え、修道院の生活を厳しく規定していく。6~12世紀の社会を、修道院の制度、王侯との関係、経済、芸術等から読み解く。 『剣と清貧のヨーロッパ』 12世紀、突如それまでの修道制の伝統から大きく離れた修道会が生まれた。聖地エルサレムやイベリア半島などで戦った騎士修道会と、聖フランチェスコらが信仰のあり方をラディカルに変革した托鉢修道会である。これら修道会の由来と変遷を、戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。 『宣教のヨーロッパ』 16世紀の宗教的動揺は、イエズス会という新たな組織を生んだ。霊操と教育を重視し、異教徒への宣教を実践するイエズス会は、ポルトガル・スペインの植民地開拓とともに新大陸やアジアへ進出した。その思想や布教方法、経済的基盤など、「キリスト教の世界化」のプロセスを詳細に検証する。 『歴史探究のヨーロッパ』 宗教改革以降、カトリックは修道院での学術活動を活発化させた。サン・モール修道会のマビヨンをはじめとする人文主義者が教会史や聖人伝などの文書を批判的に検証することで、文献学や文書学、ローマ法の解釈学など、現代の歴史学の基礎が誕生する。啓蒙思想の席巻、宗教と世俗の相剋の間で、歴史と真理を探究した人々の足跡を追う。
  • 日本鉄道史(合本)
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    中公新書2269『日本鉄道史 幕末・明治篇―蒸気車模型から鉄道国有化まで』、2358『日本鉄道史 大正・昭和戦前篇―日露戦争後から敗戦まで』、2530『日本鉄道史 昭和戦後・平成篇―国鉄の誕生からJR7社体制へ』の3冊を1冊にまとめた。 ペリー来航時の蒸気車模型に始まり、鉄道の開通、国有化、植民地での鉄道建設や私鉄による沿線開発など鉄道の興隆期を迎える。敗戦時にも鉄道は動き続け、新幹線の開通も果たすが、やがて国鉄の経営は悪化、民営化へと進む。160年以上におよぶ日本の鉄道史を一気に通観する。
  • 剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会
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    俗世間を離れ、自らの心の内を見つめる修道院。だが12世紀、突如その伝統から大きく離れた修道会が生まれた。騎士修道会と托鉢修道会である。かたや十字軍となって聖地エルサレムやイベリア半島、北方で異教徒と戦い、かたや聖フランチェスコらが都市のただ中で民衆の信仰のあり方をラディカルに変革した。これら〝鬼子〟ともいうべき修道会の由来と変遷を、各修道会の戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。
  • タンパク質とからだ 基礎から病気の予防・治療まで
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    私たちのからだの20%を占めるタンパク質。皮膚の弾力を維持するコラーゲンや筋肉を伸び縮みさせるミオシン、血糖値を下げるインスリン、酸素を運ぶヘモグロビンなど、形や役目、存在する場所も様々だ。近年、プロテオミクス(タンパク質の生命科学)の発展によって、その種類や役割などが急速に明らかになりつつある。日本における第一人者が、最新の成果をわかりやすく解説し、病気治療への応用なども紹介する。
  • 常用漢字の歴史 教育、国家、日本語
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    10万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は2,136字。これに人名用漢字を加えた約3,000字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の150年史。
  • 四季のうた ―詩歌の花束
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    春夏秋冬、人の営みをよそに季節は巡りつづける。目の前を流れていく時の移ろいを、わずかな言葉で瑞々しく描き出すのが、俳句であり、短歌である。現代の句歌は、日常に紛れて見落としがちな事々に生命をあたえ、古人の言葉は今なおかわらぬ心の機微をにじませる。本書で著者は、平生の景色を鮮やかに切り取った古今の俳句や短歌を紹介する。読売新聞連載コラム「四季」の二〇一二年四月から一年分を採録。
  • 四大公害病 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害
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    四大公害病とは、水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害を指す。工場廃液、煤煙などにより痙攣、激痛、発作など厳しい障害をもたらした。当初、企業は工場との関係を否定。だが医師・研究者らが原因を究明し、1960年代末以降、患者が各地で提訴。70年代半ばまでに次々と勝利した。本書は高度成長の「影」である公害病の全貌を明らかにする。同時に、21世紀の今なお続く“認定”をめぐる国と被害者間との訴訟・齟齬も追う。
  • 歳時記百話 季を生きる
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    歳時記は俳句を詠む人だけのものではない。季節を知り、人生を生き抜くため、私たちが祖先から受け継いできた知恵が詰まっている。すべての日本人の心情と生活の原点なのだ。本書では四季を彩る花々を中心に、雲雀などの鳥、薫風などの気象、涅槃会や酉の市など年中行事、そして芭蕉忌に至るまで、一年の折々にあらわれる豊富な事物を、古今東西の句歌詩文を通して味わう。巻末に俳人・宇多喜代子氏との対談を収録。
  • ノーベル賞の100年 自然科学三賞でたどる科学史 [増補版]
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    ノーベル賞は、1901年に、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の五分野で始まったが、中でも自然科学の三分野の受賞者とその業績は、20世紀の科学の歴史そのものである。この100年間に世界の科学はどう変化してきたのか。本書は、ドイツの時代からアメリカの時代へ、基礎科学から応用科学へと移りゆく足跡をたどりながら、賞の未来を展望するものである。あわせて、日本人にまつわる秘話も紹介。
  • 続・日本の樹木 山の木、里の木、都会の木
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    環境を守り、景観をつくり、生活に役立つ--経済成長の過程で伐採され、過疎化で見捨てられ、工業製品に押されてきた樹木の復権が進んでいる。街路樹、庭木はもとより、建築材料、手工業品からジャム、果実酒に至るまで、樹木の守備範囲は驚くほど広く、人との関わりは深い。極北から熱帯雨林まで、豊富な調査体験を背景に、身近に見られる樹木120余種の名前の由来、生態、性質を紹介する。植物画家・長谷川哲雄氏の挿画70点を付す。
  • 古代出雲への旅 幕末の旅日記から原風景を読む
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    神々の集う国・出雲。いまでもそこかしこに神社が見られる。これらのなかには『出雲国風土記』の時代に起源を求められるものも多く、古代史を封じ込めたタイムカプセルとも言える。幕末期、この風土記社を丹念に巡り、旅日記を残した男がいた。その男・和四郎は時に酔い伏し、時に神の娘と出会いながら、美保関から出雲大社まで足を伸ばす。新発見の日記を手に、私たちも古代史への旅に出よう。
  • 日本の樹木 都市化社会の生態誌
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    身近な小空間の植栽から信仰の対象となる巨木まで、樹木は日本人の生活に深く関わってきた。花を愛で、実を味わい、根を薬用にし、幹は材に用い・・その利用は多岐にわたる。村おこし、町づくりの中心に樹木を据える例も増えてきた。宅地造成、ゴルフ場建設、リゾート開発で日本の植生が、景観が、大きく変貌しつつある今、樹木との新しい関係が求められている。代表的樹種八十余種の生態誌・文化誌を記述する。挿図七七点付載。
  • 高血圧の医学 あなたの薬と自己管理
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    三十歳以上の三人に一人が高血圧である。高血圧を放置すると、突然、脳卒中や心筋梗塞など危険な合併症を引き起こすので「静かなる殺人者」とも呼ばれる。本書は、高血圧を予防し、合併症の発症を抑えるため、生活習慣改善のコツや、降圧薬の特徴・副作用を詳述する。また、降圧薬服用の注意や血圧測定など日常生活の気になる疑問にも答える。処方された薬を漫然と服用するのではなく、自らの体と薬を知るために必読の書。
  • カラー版 スペイン・ロマネスクへの旅
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    イベリア半島では、レコンキスタの進展に伴い次々と教会や修道院が建てられた。中世最大の巡礼地サンティヤゴをめざす街道が作られたことも、ヨーロッパ各地の職人や様式の粋が流れ込むのを後押しした。西ゴート、アストゥリアス、モサラベといった魅力的なプレロマネスクの影響も受けながら、11~12世紀、半島独自のロマネスク芸術が花開いていく。複雑で陰影に富んだスペイン・ロマネスクの美を余すところなく紹介する。
  • 藤原京 よみがえる日本最初の都城
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    およそ一三〇〇年前、都は飛鳥から藤原の地へと遷る。持統天皇が「春過ぎて夏来たるらし」と詠った都は、七一〇年の平城京遷都まで一六年という短命のゆえか、あまり語られることがなかった。元号が始まり、和同開珎が鋳造された古代史上最大の転換期に、最初の本格的都城はどのように計画され、廃都にいたったか。『日本書紀』などの文字史料だけでは窺い知れない都の相貌が、二〇年余にわたる発掘によってよみがえる。
  • 科学捜査の事件簿 証拠物件が語る犯罪の真相
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    探偵は一個の厳密な科学である、とはコナン・ドイルの言葉である。わずかな痕跡も見逃さずに事件の真相に迫ろうとする科学捜査は、その時々の難問を解決しながら発展してきた。本書は、捜査の画期的な発展を促した歴史的に有名な犯罪を取り上げ、指紋、筆跡、毒物、白骨、木片、銃痕などの古典的な証拠物件の鑑定から、最新のDNA鑑定、そして昨今のテロ事件に使われたサリン、炭疽菌の分析と同定までを紹介する。
  • 梁山泊 水滸伝・108人の豪傑たち
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    水滸伝の舞台となる梁山泊は黄河が作る水溜まりであった。そこに集まる大親分宋江をはじめとする天こう星三十六人、地さつ星七十二人、あわせて百八人の豪傑たち。彼らは皆、日本の豪傑とは異質な存在である。先ず梁山泊をはじめ水滸伝の四つの舞台を検証する。ついで大豪傑宋江、魔法使い公孫勝、花和尚魯智深、殺陣の達人李逵ほかの役柄と彼らの虚実おりまぜた活躍を紹介・分析し、現代の日本人が水滸伝の魅力に接近する道筋を探る。
  • もうひとつのイギリス史 野と町の物語
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    野の支配権をめぐり幾多の民族が戦った時代を経て、イギリス最古にして最大の町ロンドンは富と権力を集中していった。シェイクスピアも描いた名君、商才にたけた市長らの活躍の一方で、対立が明らかになっていく町と農村。コベットに「おできの親玉」と呼ばれた町は、次第に野を呑み込んで、ついには国外にまで触手を伸ばす。ディケンズ、オーウェル、コンラッドらの作家にも登場願い、文学的色彩豊かに描き出した英国史。
  • 御前会議 昭和天皇十五回の聖断
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    一九四一年十二月八日、日本はハワイ真珠湾の奇襲攻撃で対米英戦争を開始し、日本の対米英宣戦で第二次ヨーロッパ大戦は世界大戦に展開する。そして九一年は日米開戦の“満五十周年”にあたる。本書では、昭和天皇御前会議の十五回の「聖断」と、最高戦争指導を、日中戦争開始後の、昭和十三年の大本営設置から、同二十年のポツダム宣言受諾まで検討する。また御前会議の設置を余儀なくした、統帥命令の大本営令制定をも考察する。
  • 個人尊重の組織論 企業と人の新しい関係
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    日本の伝統的な組織とマネジメントに綻びが目立つようになった今日、企業とそこに生きる人々との間に新しい理念の構築が模索されている。全社的目標への貢献や緊密なチームワークを求める企業、組織の一員でありつつ多様な価値観やパーソナリティの尊重を欲する従業員との間に、いかなる組織と個人の統合の枠組みが可能なのか。既存の経営の問題点や社会的通念を踏まえながら、個人尊重を視点に据えて、組織の在り方を考える。
  • 山伏 入峰・修行・呪法 [復刻版]
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    兜{と}巾{きん}、白衣の結{ゆい}袈{げ}裟{さ}、錫{しゃく}杖{じょう}をつき、笈を背に法{ほ}螺{ら}貝{がい}をふく、いまでも出羽三山、大峰山中に出没する山伏・・。年二回先達に従って入{にゅう}峰{ぶ}し、水断、穀断、懺悔、相撲などの苛酷な修行で体得した験力により、加持祈祷の呪法を行なう彼らのなかには、中世の最盛期を過ぎると修行を忘れ、まじない師に堕するものもあらわれた。本書は、民間信仰に仏教が結びついて完成された修験道の真髄を、山伏の奇怪な行事、生態のなかにさぐる。
  • まともな人
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    今回は「あたりまえ」について考えてみよう。こういう話題ならできるだけ具体的なほうがいい――。養老孟司が世の中の動きを定点観測。小泉内閣発足も、9・11同時多発テロや北朝鮮問題も、地球温暖化論や「新しい歴史教科書」問題も、何か通じるものがある。二一世紀最初の三年間の出来事とそれらをめぐる人々の姿から、世界と世間の変質をズバリ見通し、現代にはびこる「ああすれば、こうなる」式の考え方に警鐘を鳴らす。
  • 東北-つくられた異境
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    東北の歴史が脚光を浴びている。縄文時代のイメージを塗り替える考古学上の成果をはじめ、中世史から近現代史まで、新しいアプローチが始まっている。しかし、「遅れた東北」という見方はいまなお根強い。国民国家たらんとした近代日本は東北を辺境と位置づけ、後進性を強調しつづけた。東北はどう見られ、どう語られてきたのか。東北をめぐる膨大な言説を読み解き、「北」の視点から「多様な日本」を照らし出す新しい地域論。
  • 続・神々の体系 記紀神話の政治的背景
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    記紀の制作主体を藤原不比等とみる大胆な仮説をもとに、前著で考察の対象となった記紀神統譜の基本構造と不比等の政治的役割について、その照応関係を多面的に解明する。そして記紀神話が奈良朝の藤原氏の権力の正統化にいかに適合していたかをきわめて説得的に論述。律令国家成立の社会史ならびに思想史を背景に、定説化した記紀の体系性とイデオロギー的性格を捉え直し、そこに律令国家のデザインとその独自性を読みとろうとする。
  • こまった人
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    コンビニ、スーパー、パチンコ、ファミレス……。これらを見れば、日本中どこも同じに見える。だが虫捕りにいけば、その土地によって虫は異なる。虫も人も実にさまざま。日本は広い。明日を予想できない世界だから「ああすればこうなる」式の思考では具合が悪い。イラク派兵、靖国問題、安全神話の崩壊など、話題の出来事を養老孟司が定点観測。世界と世間の本質を読み解く、好評「養老哲学」第二弾。
  • 回想 黒澤明
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    世界的に有名な映画監督クロサワを父に持つことは、並大抵の苦労ではない。仕事上のトラブルや社会への憤懣から父の怒りに火がつけば、家族はたちまち嵐に巻き込まれる。ところが、ひとたび旨いものが食卓に上るや、上機嫌のニコニコ顔に――。父の愛に育まれ、映画界へ飛び込み、晩年の父に寄り添い続けた娘だから書ける、素顔の黒澤明。「信頼する」「反抗する」「想像する」など、黒澤明の哲学が、肉声とともに伝わる24話。
  • 義経伝説 歴史の虚実
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    古く『平家物語』や『源平盛衰記』など、軍記物で形象化した義経は、室町時代の『義経記』にいたって物語化の頂点に達し、さらにそこから色とりどりの大小の物語が派生した。「判官物」と称される一群のジャンルがそれである。ついには歴史と伝説のけじめさえつかなくなり、義経は一方では国民的英雄として、他方では白面の貴公子、においやかな遊冶郎として日本的美意識の具現者となる。義経伝説に結晶化した日本的心情の源流を探る。
  • 肉食の思想 ヨーロッパ精神の再発見
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    ヨーロッパ人は、いったいなぜ動物を屠畜して食う一方で、動物を愛護するのか……。本書は、ヨーロッパ思想の原型を、きびしい歴史的・地理的条件が生み出した特有の食生活のパターンに求め、そのパターンにもとづいて形成されてきた思想的伝統を明らかにし、それによって規制される彼らの日常生活や心理・行動を、日本とも比較しながら平易に説く。食生活という新しい視点の導入によってヨーロッパの歴史を見直す、西洋史学究の問題作。
  • 「ケインズ革命」の群像 現代経済学の課題
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一九三六年に刊行されたケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」は、三〇年代の大不況に対処しえなかった経済学の危機に対して「有効需要の原理」「流動性選好説」 などを提唱して解決策を示す、革命的な書であった。しかし、その難解さゆえに様々な解釈が可能であり、読む側の国家観、歴史観ひいては倫理観が賛否を左右することになる。一冊の書物がひき起こした論争、社会科学における転向等を通して経済学の課題を問う。
  • 赤十字とアンリ・デュナン 戦争とヒューマニティの相剋
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    赤十字の創設者アンリ・デュナンは、比類なき情熱で抜群の行動力を示す一方で、自らつくった組織から常に孤立してしまう独断的な性格の持ち主であった。そのため、赤十字以外にも、彼の手を離れてはじめて、存分にその機能を発揮しだした事業は数多く存在する。本書は、彼の生い立ち、彷徨生活から、破産、落魄の死までを辿ると同時に、彼を生んだ十九世紀ヨーロッパの、領土拡張主義と人道主義とが頂点に達した時代背景を描く。
  • パスカルの隠し絵 実験記述にひそむ謎
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    「人間は考える葦である」という言葉で有名な『パンセ』の作者パスカルは、天才的数学者、厳密な実験物理学者としても知られている。とりわけ十七世紀までヨーロッパ自然学の大前提であった〈真空不可能〉説を打ち破る大実験を行い、揺るぎない理論を提出したことで名高い。しかしそこには、謎めいた印象が否めない。パスカルは本当に実験したのか。彼の物理論文には、『パンセ』と同じ文学作品としての仕掛けを読み取るべきではないか。
  • 麻酔と蘇生 高度医療時代の患者サーヴィス
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    十九世紀なかばに、アメリカ合衆国で初めてエーテル麻酔が行なわれるまで、手術室はまさに修羅場であった。しかし、それから一五〇年の間に、麻酔・蘇生学の領域は、単に痛みの軽減に留まらず、手術前から後への患者の全身的なケアまでを受け持つことになった。本書は、黎明期からの先人の苦心の跡を辿り、麻酔がかかる仕組みを探り、今後の手術室がより快適であるための方法と可能性を、大学病院の現場から報告するものである。
  • フォークナー アメリカ文学、現代の神話
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    アメリカ深南部の伝統への根強い関わりと、近代性への熱い憧憬。二つの力の激しい葛藤から、『響きと怒り』『八月の光』『アブサロム、アブサロム!』など登場人物の語りが重層的に響き合う濃密な物語りが織り上げられた。サルトル、パヴェーゼ、マルケス、そして井上光晴、中上健次。二十世紀文学に深い影響を与え、新批評から新歴史主義に至る多様な批評に耐えて読み継がれるフォークナー文学の魅力を、社会的、歴史的背景の中に捉える。
  • 野村商法物語
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    明治六年に、初代野村徳七が大阪の借家で開業した銭両替店は、日清・日露戦争による株式市場の活況で近代的な証券会社に変身し、さらに国内外の産業分野への進出を行ない、有数の財閥へと成長した。敗戦前後の困難も乗り越え、世界屈指の「ノムラ」へと発展していった秘密はどこにあるのか。本書は、その成功の鍵を、今や忘れ去られた感のある、江戸時代以来の商業倫理の遵守に求め、商家の暖簾を守り続けた人々の気骨を描くものである。
  • 文人たちの句境
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    文人の俳句は面白い。なぜかといえば、発想が自在で、飛躍もあり、ものの核心を衝いているからである。彼らは佳句を作り、人と競おうという気負いはなく、肩肘はらず、しかし精神は集中させ、普段の息遣いで句作している。本書は、文人たちの秀句を任意にとりあげ、常住座臥、温故知新、哀傷・追懐、女人賛歌、存問のジャンルにわけて、悟達の境地に喜遊する、彼らの喜怒哀楽、おりおりの心の揺れをうけとめる、俳句悠遊である。
  • 漂流民とロシア 北の黒船に揺れた幕末日本
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    女帝エカテリーナの命により特使ラクスマンに伴われて大黒屋光太夫が帰還した。ロシア漂流・抑留民として初めての生還であった。これよりロシアによる通商交渉は頻繁になり、北の黒船の出没に対する幕府の北方警護と、これに因む蝦夷地の領土化が急速に推し進められた。本書は、多くの漂流・抑留民の事蹟と、その送還を契機に、日本との通商関係樹立を画策するロシアの行動をとおして、江戸時代における日露交渉の実態をさぐる。
  • 美術館の誕生 美は誰のものか
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    近代化に必要な施設として、あるいは経済活動の象徴としてつくられた日本の美術館は、王侯貴族・富豪の私的コレクションから出発した欧米の美術館とどう違うのか。美術館の歴史的位置付けと社会的役割の変化を辿りつつ、革命によって美術品を市民の手に勝ち取ったフランス、建国当初から美術品を公共財としてきたアメリカなどを軸に、日本の美術館の特質を問う。民主主義の発生と公共の美術館という概念の誕生をめぐる野心的考察。
  • 日本文化交流小史 東アジア伝統文化のなかで
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    日本文化は二千年に及ぶ東アジア世界の交流の中で形づくられ、展開してきた。渡来人による先端技術移転、遣唐使派遣、密教の伝来、禅僧がもたらした宋文化や朱子学の受容など、貪欲に先進文化を取り入れてきた。そのいっぽうで、科挙制度など、受け入れなかったものも数多い。交流の歴史という視点からはじめて見えてくる日本の国のすがたをエピソード豊かに綴り、前近代東アジア文化が備えていた先進性を再評価する。
  • 天皇親政
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    維新の一大理念であるはずの天皇親政は、明治政府誕生後間もなくして形骸化した。事態を憂慮した天皇側近の元田永孚、佐々木高行らの侍補グループは、名実ともに実効ある親政とすべく、薩長藩閥政府に対峙する。本書は、明治天皇から「左右ニ陪シテ誠ニ進規ニ尽ス」の御沙汰を下賜された数少ない維新官僚・佐々木が残した膨大な日記を読み解き、その親政論の政治的意義を明らかにするとともに、当時の政府と宮廷の状況を描出する。
  • 現代歴史学の名著
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    津田左右吉『文学に現はれたる我が国民思想の研究』、ホイジンガ『中世の秋』、ピレンヌ『ヨーロッパ世界の誕生』、ブロック『封建社会』、ルフェーヴル『一七八九年』、大塚久雄『近代欧州経済史序説』、石母田正『中世的世界の形成』、コリングウッド『歴史の観念』、ブローデル『フェリペ二世時代の地中海と地中海世界』、カー『ボリシェヴィキ革命』、エリクソン『青年ルター』、ホブズボーム『反抗の原初形態』、テイラー『第二次世界大戦の起源』、フーコー『言葉と物』ほか
  • 競争社会アメリカ
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    あらゆる分野で“参加者”が競い合うなかで発展してきたアメリカ。その競争を象徴するのが、自由主義経済と反独占の守り神、反トラスト法である。この法律のもとに巨大企業は分割を命ぜられ、談合が糾弾される。貿易摩擦ではアメリカの強力な“武器”にもなる。本書は司法省対AT&T、IBMの熾烈な戦いにアメリカにおける反トラスト法の役割を探り、NTT分割論議等日本における競争秩序を考慮しつつ、日米社会の比較を試みる。
  • 企画の技法
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    今日の社会は、家事から宇宙計画にいたるまで、「企画」が要求されている。産業界でも、学会でも、いまほどあたらしい「企画」が切実にもとめられている時代はない。「企画」とはとりもなおさず、知的冒険ということであり、その冒険から未来が拓けてゆく。その能力を「企画力」とよぶのである。では企画の構造とはどういうものなのか。イメージ、勘とひらめきから主題の設定、企画の現場での与件の検討、調査、実験計画、企画をたてる段どりなど、個人レベルから集団レベルまで、その全容を解明する。
  • 円と日銀 セントラル・バンカーの回想
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    固定相場制の下での戦後復興から、貿易収支の黒字転換、ニクソン・ショック=変動相場制、円高時代へと劇的に変動した日本の経済政策。本書は、一貫して日本の金融政策の中枢にあった著者が、政策決定に至る様々な要因を回顧しながら、円の国際化の条件、為替相場制度論等を展開するとともに、通貨安定・信用秩序の番人であるべき中央銀行の役割を論じ、前川春雄、ボルカー等著名セントラル・バンカーの素顔を友情こめて伝える。
  • ベースボールと日本野球 打ち勝つ思考、守り抜く精神
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    明治の初め日本に紹介されたベースボールは、瞬く間に全国を席捲するほどの人気を博した。だが、娯楽性あふれるショービジネスへの脱皮をみせたアメリカと異なり、学生スポーツとして独自の発展をとげた日本の野球は精神性の色濃い“純正野球道”へと昇華していった。本書は、日米の球史を丹念にたどる手法で両国の文化的差異の本質に迫る試みである。さらには、本場アメリカの風土に根づく誇り高きスポーツマンシップをも伝える。
  • ドイツ近代科学を支えた官僚 影の文部大臣アルトホーフ
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    十九世紀後半、プロイセンを中心に国家統一を果たしたドイツ帝国は、自然科学の成果を国力増強に活用すべく、膨大な国家予算を科学研究に投入した。しかしながら、文部省と大学の間には、教授人事、予算配分などをめぐって、絶えざる緊張関係が生まれた。本書は、当時文部官僚として、絶大な権力をふるった一ドイツ人の思想と行動を追いながら、現在でもなおきわめて切実な、国家と大学をめぐる問題の起源を探るものである。
  • アメリカのジャポニズム
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    一八五一年の第一回ロンドン万博を契機に、十九世紀後半は、ヨーロッパで空前の日本ブームが沸き起こった。時を同じくしてアメリカでも同様の流行を見るが、その場合、際立っていたのは、日本趣味の及んだ範囲が、美術や文学といったハイ・カルチャーにとどまらず、服飾、造園、装飾品といった生活に密着した品々にも広がったことである。本書は多岐に亘る実例を示して、短いながらも広く深かった日本趣味流行の軌跡を辿るものである。
  • アボリジニーの国 オーストラリア先住民の中で
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    豊かな国オーストラリアに、迫害を受けつづけてきている先住民、アボリジニーがいる。日本人では初めて、彼らに友人として受けいれられた著者は、五百以上の部族、三百以上の言語をもつアボリジニーの内奥に入りこんで調査を続けてきた。最下層にあえぐ都市のアボリジニー、地方で酒を追放して繁栄するセツルメント、日本人との交流。複合民族国家の中で、伝統文化の復興をはかりつつ共存と自立をめざすアボリジニーの実態を紹介する。
  • アタカマ高地探険記 風と砂とインカの道
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    南米・アンデス山中のアタカマは、「世界最悪の場所」と恐れられる未踏の高地である。強風、砂の猛威、異常乾燥、塩湖や死火山の強烈な原色……。本書はこの凄絶な高地を、砂に埋もれたインカの道を頼りに、地質・気象・植物・民俗の調査を行いながら徒歩とジープで縦断した著者を隊長とする男たちの記録である。人間の力の極限に挑む走行一千キロの旅は、現代生活で失われたものは何かという問いの中に向かって走り続ける。

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